東京工業大学 理学院の高校生・受験生に向けた説明資料です。 ● 理学院 https://www.titech.ac.jp/about/organization/schools/organization01.html ● 数学系 http://educ.titech.ac.jp/math/ ● 物理学系 http://educ.titech.ac.jp/phys/ ● 化学系 http://educ.titech.ac.jp/chem/ ● 地球惑星科学系 http://educ.titech.ac.jp/eps/ ● オープンキャンパス・説明会 https://admissions.titech.ac.jp/admission/event/

1. 12020年5月
東京工業大学理学院
sci.adm@jim.titech.ac.jp
理学院へようこそ

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理学院へようこそ
理学院では意欲あふれる学生諸君に上質な学びの場を提供し，学習・研究を徹底的にサポートします。
学士課程２年次から「数学系」「物理学系」「化学系」「地球惑星科学系」の４つの系に所属し，理学
の最先端を学び，研究に接することができます。

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理学のすすめ
世界の姿を知りたい・しくみをわかりたい，という生まれ
ながらにもっている思いから，人々は科学の研究を推し進
めてきました。
長い歴史を経て，知識はより膨大に，理解はより深淵にな
り，われわれが歩ける世界が広がっています。そのぶん覗
くことができる未知の領域もますます広くなり，できるこ
と，やるべきことはどんどん増えていきます。
知りたい・わかりたいを原動力に，私達とともに人類の知
を拡げていきましょう。
理学院長
山田光太郎

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理学院数学系
数学は数・図形・函数などを対象として数千年にわたり築かれてきた学問です。数学はそれ
自身の発達を遂げると同時に，自然および社会に関する諸科学の基礎を形成してきました。
数学系では，このような数学の素養をしっかりと身につけ，社会の各分野で活躍できる人材
を育てることを目的とし，現代数学の基本的な知識，および数学的なものの考え方を確実に
身につけてもらうことを目標としたカリキュラムを組んでいます。
学習内容の概略
2年生から3年生の前期にかけては数学系の学生ならば必ず修得しなければならない数学の基
礎を学習します。履修する科目は代数学概論，幾何学概論，解析学概論，位相空間論，線形
空間論，応用解析序論，複素解析などです。これらはほとんどが講義と演習で一組になって
います。3年の後期は講義の内容がより専門的になり，講義数も少なくなります。専門分野を

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学ぶための準備期間と言えるでしょう。4年ではそれまでに学習した基礎をふまえて，数学の
高度な専門分野にふれる卒業研究（数学先端研究基礎，学士特定課題研究）を行います。多
くの場合，一年をかけて数人で一冊の専門書を読み，毎週行われるセミナーで発表者が本の
内容を自分の言葉で解説します。
卒業後の進路
数学系の卒業生の持つ論理的思考力，抽象化して考え抜く力，本質を見抜く力は広く求めら
れています。問題を分析し，新しい解決法を自ら考えだす姿勢を体得した数学系卒業生の力
量が価値を発揮するのです。具体的な進路先は年度によって異なりますが，卒業生の２/３が
大学院に進学してさらに数学の勉強を続けています。就職する卒業生は保険，金融関連分野，
情報通信分野，製造業の研究部門に就職者が多く，また高校の教員になる卒業生もいます。

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物理学系 物性物理学 様々な物質を対象とした物理を追究
冷却原子系
タンパク質
分子と光
ナノフォトニクス
ナノ粒子
ボース・アインシュタイン凝縮 量子相転移 量子情報
ナノチューブ
統計力学
量子流体
スピン物性 固体（半導体・超伝導体・磁性体）
プラズマ
表面

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物理学系 基礎物理学 原子核・素粒子・宇宙分野の研究
超新星爆発、ブラックホール、重力波
ニュートリノ、X線、ガンマ線等で観測
恒星の進化と元素合成
軽元素合成～1秒
クォーク～10-5秒
電弱統一～10-10秒
大統一理論～10-36秒
超弦理論
量子重力理論～10-44秒
ビッグバン
重イオン加速器による原子核
反応で探る原子核理論
ハドロン物理
高エネルギー加速器実験
原子分子物理
素粒子・宇宙理論

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化学系 研究
キーワード
物理化学、有機化学、無機化学、分析化学、火山化学、
エネルギー環境化学、構造化学、合成化学、材料化学、
光化学、錯体化学、超分子化学
化学には，自然現象の原子・分子レベルでの解明，地球上に存在しなかった物質の創造等を通して人類の未
来に貢献する無限の可能性があります。自然界は，原子・分子とその集合体からできています。化学系では，
その振る舞いを支配する原理を探求し自在に応用・展開できる人材の育成を目指しています。本系では，物
理化学，有機化学，無機化学，分析化学など化学の基礎を体系的に学ぶことができる魅力的なカリキュラム
を提供しています。さらに，それらを紙の上の知識としてだけではなく，実験を行うことによって，自分自
身の生きた知識にすることのできる実験科目および演習科目が幅広く用意されています。４年生になると，
各研究室に所属して最先端の研究に取り組みます。その中で，目的とする物質を合成する独創的な方法論や，
新現象・新事実の発見を目指していく上で必要不可欠な感覚・知識・技術を磨いていきます。また大学院で
は「化学コース」に加え「エネルギーコース」もあり，学際的・分野横断的な教育と研究を推進しています。
キャリアパス
毎年，学部生の９割以上が大学院に進学しています。学部卒業生および大学
院修了者の就職先は，武田薬品工業や田辺三菱製薬などの製薬会社，住友化
学，三菱化学，三井化学などの化学メーカー，味の素やキューピーなどの食
料品メーカー，日立製作所やパナソニックなどの電気機器メーカー，JXエネ
ルギーや東京ガスなどのエネルギー産業，野村総研などの情報・通信業など。
博士修了者は，大学・研究所に就職してアカデミック研究者になる人も少な
くありません。
Department of
Chemistry

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化学系：在学生インタビュー
皆さんは、勉強をする理由について考えたことがあります
か？私は、新しいことを知るのが「楽しい」と思うからです。
一方、役に立つ「技術」を身に付けたいからという人もいるこ
とでしょう。私のような者は「知の蓄積」を目指す理学、後者
は「技術の開拓」を目指す工学に適性があるといえます。東工
大理学院からは「科学を楽しもう！」という気風が強く感じら
れ、これに共鳴した私は当時受験を決意しました。理学院では
一年次に数学・物理・化学・情報、すべての科目が履修でき、
誰しもが自分の可能性を試しつつ科学を楽しむことができます。
理学院・化学系
博士課程２年
原島 崇徳
私が化学を専攻した理由は、「原子・分子の視点から物質を
理解する」という化学の哲学に共感できたからです。私の研究
は、ナノサイエンスという分野に属しています。具体的には、
特殊な顕微鏡を用いて、原子・分子を一つ一つ直接観察する研
究を行っています。ナノサイエンスは、化学における最も基礎
的な知見を提供できる魅力的な分野です。好奇心に基づく科学
によって知を蓄積し、技術の種を工学へと届けることが私の使
命だと考えています。
研究室では、原子・分子の直接観察技術
を発展させ、たった一つの分子を超小型の
電子素子として応用するための技術開発に
携わっています。右の図のように、二つの
電極の間に一つの分子を架橋させることで
素子を作製します。私の研究では、高分子
や生体分子を利用し、実用化に足る安定性
や機能性を有する新しい分子素子の開発を
目指しています。
受験生に一言
化学系では講義内容に関する相談室の開
催なども定期的に行っており、学生の
サポート体制も充実しています。
私は体育会卓球部に所属していましたが、
十分に学習と両立することができました。
分子による電子素子の概念図
研究の内容
化学系を選択した理由は？
理学思考で科学を楽しむ
たかのり

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地球惑星科学系
「地球惑星科学」ってどんな学問？
130億年以上にわたる宇宙進化のなかで、地球をはじめとする惑星がどのように誕生し、どのように
進化するのかを解き明かすことを目指しています。研究対象は地球（内部・表層）、太陽系（惑星・
小天体・隕石）、その外側の宇宙（太陽系外の惑星、恒星）まで多岐にわたります。これらの起源や
そこで起こる複雑な自然現象、さらには生命の誕生に特に注目した研究を行っています。
表面電離型質量分析計
(元素の同位体比を超高精度
で測定する装置)
天体望遠鏡
(観測実習や系外惑星
の観測に使用)
原始惑星系円盤
(惑星のもととなった天体)
の数値シミュレーション
ダイヤモンドアンビルセル
(地球内部の圧力を発生させる装置)
草津白根山の湯釜 約40億年前の岩石

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地球惑星科学系
卒業生はどのようなところで活躍しているの？
大部分の学生は修士課程に進学し、博士課程を経て研究者の道を歩
む人も多数います。大学院生を含む卒業生の就職先には、国内外の
大学や研究機関に加え、気象庁や特許庁を含む官公庁、宇宙・資源
関係の企業、情報・通信系の企業などがあります。
どんな教育が行われているの？
研究では実験・観測によりデータを取得し、それらを物理・化学に
基づいて理解することが必須となります。地球惑星科学系では、そ
の基礎となる物理学・物理数学・化学の講義・演習科目と、地球惑
星科学の専門講義（惑星天文学・地球惑星ダイナミクス・宇宙地球
化学・地球物質学ほか）を独自に提供しています。また、室内実
験・野外実習・シミュレーション実習、さらにはグランドキャニオ
ンやアリゾナ隕石クレータなどでの海外実習(巡検)を通じて、惑星
規模の自然現象に対する広い視野と研究スキルを養う機会を提供し
ています。
海外巡検
(左: グランドキャニオン, 右: ハワイ島)
博士課程修了生(現・大学研究員)による
宇宙流体力学シミュレーション