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災害精神保健医療マニュアルの開発            について                   鈴木 友理子独)国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所      成人精神保健研究部 災害等支援研究室長
内容       災害精神保健マニュアルの作成について           方法           合意率の低かった項目についての考え方               災害精神保健システム               初期対応    ...
災害精神保健医療マニュアル(平成22年3月版)   国際的にも様々な災害対応のガイドライ    ンがあるが、そのままでは我が国での使    用になじまないものが多い   わが国では自然災害対応経験の蓄積が    ある。   阪神大震災、新...
災害時精神保健ガイドライン改訂におけるDelphi法の使用   既存のガイドライン    「災害時地域精神保健医療活動ガイドライン」 平成13年度厚生    科学研究費補助金(厚生科学特別研究事業) 主任研究者:    金吉晴.       ...
質問項目の選定       先行文献のレビュー       日本の自然災害後の精神保健支援経験者からのフォー        カスグループ       質問の4領域(94項目)           災害時の精神保健福祉体制        ...
調査対象者および依頼方法    災害時に活動経験のある支援者から広く意見を求める    ため、災害時に活動経験のある支援者を紹介してもらい、    調査への参加を依頼した(Snow-ball technique)。       被災地の行政...
インターネット調査画面(第2ラウンド)7
改訂災害精神保健ガイドライン       I.       災害時の精神保健福祉体制                1.    災害精神保健計画の立案                2.    初動時のこころのケア対策本部の設置     ...
意見の分かれた項目: 初動時のこころのケア対策本部の設置表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移                             第1ラウンド     第2ラウンド      第3ラウン...
初動時のこころのケア対策本部の設置     こころのケアサービスを計画するために、「情報が不足     していてもできるだけ早く現地に入るべきか、情報を収     集してから現地に入るべきか」については意見が分かれ     た。     被...
    「チームを派遣する前の偵察隊といった位置づけの早期派     遣は極めて重要です。」    「メンタルヘルスニーズの把握に限定することなく、精神保     健関係者が直接、被災地に出向いて状況を確認すること     は、外部支援等に...
    「都道府県の精神保健担当課、地域の保健所、市町保     健部門と調整をしたうえで、被災現場に入り、現場に混     乱をもたらさない配慮が必要です。また、ニーズ把握や     分析を誰(どの機関)がするか等、平時から役割を決め   ...
意見の分かれた項目:保健師の役割分担表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移                                             第2ラウン                 ...
保健師の役割分担     「現地保健師は総合的判断など本部機能を担当し、外     部から派遣された保健師は被災現場にアウトリーチする     」という役割分担には合意は得られなかった。     被災状況と現地保健師の配置、経験を勘案して、...
意見の分かれた項目:メディアとの協働合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移                       第1ラウンド         第2ラウンド                      7点以上の...
メディアへの対応    報道について、県に窓口を設定し、こころのケアに関す     る情報の発信を一元化する。    被災状況・安全に関する情報    心理教育やストレス対応法    イメージが先行する報道、    そしてモデル的取り組みなど...
メディアとの協働:代表的なコメント    メディアをうまく活用することも、考えていく必要があると思います。     「こうしたことを伝えてください」とこちらから積極的に伝えることで     (リソースを提供することで)、過剰な取材は減るのでは...
改訂ガイドラインの紹介    I.        災害時の精神保健福祉体制    II.       災害時こころのケアのあり方              7. 基本的心構え              8. 初期対応における精神保健専門...
意見の分かれた項目:基本的心構え表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移                   第1ラウンド       第2ラウンド        第3ラウンド                 ...
「初期対応では、被災者本人や地域の自己効力感を高めるようにするとよい。」    一つは、このような方針はまず安全や安心が優先される     初期においては適切ではなく、中長期になって検討する     べきものであるという意見である。    ...
    具体的に実施する場合では、被災者や被災地域の自助や共     助の力や主体性や自立性を尊重する形で支援を行うことが     あげられた。    具体例:被災地域全般をエリアとする地域FM放送を活用し     た地域情報の発信など ...
「初期対応では、被災地域のつながりを促進するとよい。」   適切であるとする意見としては、被災地では、自然発生    的に地域や被災者同士の地域のつながりが強まること    が多く、支援者はそれを現状に合わせて、支持していく    のがよいと...
意見の分かれた項目:初期対応における精神保健専門家の役割表3. 第3ラウンド調査で除外した8項目                          第1ラウンド        第2ラウンド                          7点...
8.   初期対応における精神保健専門家の役割   特に精神保健専門家として関わりが求められる場合     精神科医療機関が壊滅している場合(治療中断者など)     自殺のリスクのある場合     緊急な精神医療の必要性(急性ストレス...
意見の分かれた項目:初期対応表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移                              第1ラウンド       第2ラウンド       第3ラウンド         ...
初期対応    被災者に話しかける場合には、「具合はどうですか」など     開かれた質問から入いっていくほうがよい。    状況によって「開かれた質問」と「閉じられた質問」を使い     分けたほうがよい。    問いかけの前に自己紹介...
ケースバイケースにより開かれた質問と閉じた質問の使い分けが望ましい。    「開かれた質問から入るほうが良い」        被災者は、「援助者に侵入された」という思いを抱きやすい         ので、まずはオープンクエスチョンから入るべ...
初期対応    不安や恐怖に圧倒されていたり、呆然としている被災者     には、言語化させるより、側に寄り添うなど共感的に安     心感を与える接し方をすることが望ましい。    具体的な接し方の例        目先を下げ、優しい言...
初期対応    ストレス反応を呈している被災者やその家族には、被災     者に見られる一般的な心理反応について説明すること     がすすめられる。    個々の対応ではなく、集団でおこなったりパンフレットの配布     が望ましい。  ...
実施にあたっての留意点    その被災者の状態を十分に把握したうえで行うべき。    一般的な心理教育と共に気になるケースは、後日に訪     問、面接等で確認が必要かと思います。    説明を聞いたが覚えていないという事態が考え得るので...
被災者へのアプローチ(1)    「症状の有無を問わず、精神保健専門家は、(相手の    求めがなくても)できるだけ被災者に接するようにするの    が望ましい」という方針には合意は得られなかった。   精神保健の専門家は、保健師などが必要...
被災者へのアプローチ(2)   「激しいストレス反応を呈している被災者には積極的に    アプローチするのが望ましい」という方針にも十分な合意    は得られなかった。   これは、「積極的」という言葉が不明確であった点に問題    があっ...
意見の分かれた項目:スクリーニング表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移                                                         第3ラウン      ...
スクリーニングや臨床評価について    +スクリーニング    支援を自ら求めない人も含めて系統的にアセスメントを     することで、トリアージやケースの発見につながる。    外部からの支援者との継続性のある支援をするために     ...
    スクリーニングは、時期や状況、目的によって実施に係     る判断は異なる。タイミングとしては、初期は控え、健康     調査の一環として、要医療・支援者へのフォローアップ     体制等を整えたうえで実施することが望ましい。   ...
代表的なコメント    調査実施する前に、支援者や実施者との信頼関係を築     き、被災者の希望等を考慮する。    質問紙よりも面接のほうがよいという現場の意見が多い。    目的を吟味し、調査が重複して被災者に負担をかけるこ    ...
10.      スクリーニングについて    精神健康の問題が継続している人について、精神保健     専門家は専門的なアセスメントを実施すべきである。+ 災害以前から持続している精神健康上の問題を抱えている  人には、災害時だけではなく、...
意見の分かれた項目災害時要支援者への対応表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移                      第1ラウンド       第2ラウンド       第3ラウンド           ...
災害時要支援者への精神保健的対応     高齢者や子どもといった特定の集団に対しては、専門     的計画が別個に必要であるという方針については、合意     は得られなかった。     それぞれの特定の集団に対して専門計画はあったほう  ...
意見の分かれ項目:精神健康に配慮したコミュニケーション表3. 第3ラウンド調査で除外した8項目                                 第1ラウンド        第2ラウンド                      ...
心理教育の対象     初期の心理的反応についての情報は、ニーズを見極めて     選択的に行うよりも、全員を対象にしたほうがよい。    これは、集団へのアプローチとして、外からみてこころのケア     に関心があるかどうかは分からないし...
悪い知らせの伝え方     「動揺させるといけないので、強いストレスを感じている人に     は悪い知らせ(突然の親族の死亡など)は差し控えるのがよ     い。」といった方針に合意は得られなかった。悪い知らせを伝     えないことでの悪影...
意見の分かれた項目:ボランティアのあり方                                 第1ラウンド        第2ラウンド                                 7点以上     7点以上   ...
    災害ボランティアを事前に募集し、適性をスクリーニング     するとよい、という方針の適否を尋ねたが、合意は得ら     れなかった。    実際に、ボランティアの適性の判断はできないし、また一     連の対応は災害時に実行するこ...
改訂災害精神保健ガイドライン    I. 災害時の精神保健福祉体制    II. 災害時こころのケアのあり方    III.外部支援のあり方        1.   外部支援受け入れの判断        2.   活動導入の仕方   ...
意見の分かれた項目:外部支援のあり方                             第1ラウンド        第2ラウンド        第3ラウンド                             7点以         ...
外部派遣調整の仕組みの主体(1)   被災地外におくとよいという意見では、被災地内におくと    被災地の負担が増えるからという理由が主である。ただし    被災地外に調整機関を置く場合でも、現地の責任者の判    断を国や県の判断より優先す...
外部派遣調整の仕組みの主体(2)    「受け入れ側の被災状態や人員状態にもよるが、被災地では情報     が氾濫し整理しきれないことがある。国・県の担当者が現地で被災     地の担当者の意見を反映させながら調整するのが望ましい。」   ...
外部支援者の活動のあり方(1)    被災地における支援として、特に高齢者の多い被災地     や、山間僻地などにおいてアウトリーチは非常に有効で     あり、外部支援者の請け負うことのできる支援であると     いう意見がある。    ...
外部支援者の活動のあり方(2)    「こころのケアに関しては、アウトリーチが基本である。地元の支援     者でなければできないことが多くあり、地元の支援者がアウトリー     チをしていると、過労となってしまう。地元の支援者は長期的な活 ...
外部支援者の活動のあり方(3)   「基本的に、被災地域の要請に依ると思う。中越地震の際に    は地元保健師の指示のもとにアウトリーチを行った。その方法    は優れていたと思うが、保健師の負担はあったと思う。地域に    よるが、外部支援...
専門職ボランティアのあり方(1)    専門職ボランティアが個人で専門的支援を行うことに対     する反対意見としては、専門職という責任ある立場上、     その信頼性や何か問題がおきたときの対応法を確保す     るため、単独の行動は許さ...
専門職ボランティアのあり方(2)   「甚大な災害の場合、膨大な数の専門職ボランティアが被    災地に入り、全部を把握しきれない。また、そのコーディネ    ートまで現地で行うことは困難である。」   「専門職という社会的に責任ある立場の...
専門職ボランティアのあり方(3)   「支援に入った専門職ボランティアをコントロールすることは極めて    困難である。」   「個人での活動は、入手した情報が本部に入らなくなり、支援の統    括、展開が困難になる。」   「当県では、...
改訂災害精神保健ガイドライン    I.       災害時の精神保健福祉体制    II.      災害時こころのケアのあり方    III.     外部支援のあり方    IV.      支援者のストレス対応        ...
    支援者のセルフヘルプに関して、意見の分かれた項目     はなかった。    しかし、一般的な方針が多い。    支援者への精神保健上の課題であるが、労務管理、産     業保健の一貫で、対応する必要がある。    地方自治体に...
マニュアルの使い方    マニュアル内の合意事項は、一般的な見解が多い。    事前に考え方を理解することで、最低限のケアスタンダー     ドに基づいた支援が期待できる(特に初期対応)。   しかし、災害は想定外、応用問題の連続である。...
参考資料    災害時地域精神保健医療活動ガイドライン. 平成13度厚生労働科学研究     費補助金(厚生科学特別研究事業)主任研究者:金吉晴.     http://www.ncnp-k.go.jp/katudou/h12_bu/guid...
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災害精神保健医療マニュアルの開発について

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災害精神保健医療マニュアルの開発について

  1. 1. 災害精神保健医療マニュアルの開発 について 鈴木 友理子独)国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 成人精神保健研究部 災害等支援研究室長
  2. 2. 内容 災害精神保健マニュアルの作成について  方法  合意率の低かった項目についての考え方  災害精神保健システム  初期対応  外部支援のあり方  支援者ストレス対応 2
  3. 3. 災害精神保健医療マニュアル(平成22年3月版) 国際的にも様々な災害対応のガイドライ ンがあるが、そのままでは我が国での使 用になじまないものが多い わが国では自然災害対応経験の蓄積が ある。 阪神大震災、新潟中越地震、中越沖地震 の支援者の経験を系統的に集積 フォーカスグループ、デルフィ法 わが国の経験を反映させたマニュアルを 開発http://www.ncnp.go.jp/pdf/mental_info_manual.pdf これまでの経験を集積、発信することで 国際的にも貢献できる。 3
  4. 4. 災害時精神保健ガイドライン改訂におけるDelphi法の使用 既存のガイドライン 「災害時地域精神保健医療活動ガイドライン」 平成13年度厚生 科学研究費補助金(厚生科学特別研究事業) 主任研究者: 金吉晴. http://www.ncnp-k.go.jp/katudou/h12_bu/guideline.pdf 少数の専門家によって作成、 その後の経験を反映する必要性 災害時の適切な支援法 実験的な研究は実施困難(倫理的、実施、方法論的) 経験知の活用 一般的な専門的知識だけではなく、日本における豊富な災害 経験に基づく対応法を提示 4
  5. 5. 質問項目の選定 先行文献のレビュー 日本の自然災害後の精神保健支援経験者からのフォー カスグループ 質問の4領域(94項目)  災害時の精神保健福祉体制  災害時こころのケアのあり方  外部支援のあり方  支援者のストレス対応 欧州のTENTSガイドラインとの比較も考慮し、TENTSガ イドラインに含まれる項目を日本語訳した項目も含めた。 5
  6. 6. 調査対象者および依頼方法 災害時に活動経験のある支援者から広く意見を求める ため、災害時に活動経験のある支援者を紹介してもらい、 調査への参加を依頼した(Snow-ball technique)。  被災地の行政職員、精神保健専門家  トラウマティックストレス学会会員  学校での危機介入に関わっている臨床心理士  被災地へ派遣された精神保健専門家 計100名 6
  7. 7. インターネット調査画面(第2ラウンド)7
  8. 8. 改訂災害精神保健ガイドライン I. 災害時の精神保健福祉体制  1. 災害精神保健計画の立案  2. 初動時のこころのケア対策本部の設置  3. 保健師の役割  4. 保健師活動の課題  5. 活動支援記録  6. メディアへの対応 II. 災害時こころのケアのあり方 III. 外部支援のあり方 IV. 支援者のストレス対応 8
  9. 9. 意見の分かれた項目: 初動時のこころのケア対策本部の設置表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移 第1ラウンド 第2ラウンド 第3ラウンド 7点 7点 7点以 以上 平 以上 平 上の 平均 の割 均 の割 均 割合 点 合 点 合 点 (%) (%) (%)初動時のこころのケア対策本部の設置こころのケアサービスを計画するために、情報が不足していてもできるだけ早く、精神保健関係者が被災現場に出向 45.3 6.0 62.8 6.6 68.5 6.5いてメンタルヘルスニーズ等を把握する必要がある。こころのケアサービスを計画するために、被害状況の情報を得てから、精神保健関係者は被災現場に出向くほうがよ 59.5 6.1 70.2 6.4 64.1 6.3い。 9
  10. 10. 初動時のこころのケア対策本部の設置 こころのケアサービスを計画するために、「情報が不足 していてもできるだけ早く現地に入るべきか、情報を収 集してから現地に入るべきか」については意見が分かれ た。 被災現場に入るタイミングが早すぎるとニーズの把握 は難しいという懸念を示す意見はあったが、災害対応に 関する見識と経験のある先遣隊が現地に出向きニーズ 調査をする必要性は支持された。 10
  11. 11.  「チームを派遣する前の偵察隊といった位置づけの早期派 遣は極めて重要です。」 「メンタルヘルスニーズの把握に限定することなく、精神保 健関係者が直接、被災地に出向いて状況を確認すること は、外部支援等について検討する際の重要な判断材料に なります。」 11
  12. 12.  「都道府県の精神保健担当課、地域の保健所、市町保 健部門と調整をしたうえで、被災現場に入り、現場に混 乱をもたらさない配慮が必要です。また、ニーズ把握や 分析を誰(どの機関)がするか等、平時から役割を決め ておくことが大切です。」 「こころのケアサービスの計画は早期に状況を確認し、 確認後、計画を立案しておくことが必要と考えます。災害 本部の中にきちんとメンタルケアを位置づけることも必 要と考えます。」 12
  13. 13. 意見の分かれた項目:保健師の役割分担表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移 第2ラウン 第1ラウンド ド 第3ラウンド 7点 7点以 上の 平 7点以 以上 平 平均 上の割 割合 均 の割 均 合(%) 点 (%) 点 合 点 (%)保健師の役割分担被災地の保健師は現状の総合的判断や、指示、他機関との連携のために、被災現場で住民に直接支援を行うより、役所あるいは医療本部等にて、情報収集、電話対応、指示を出す 33.7 5.5 36.2 5.7 25.8 5.5ことが望ましい。外部から派遣された保健師は、被災現場に積極的に出向き(アウトリーチして)、地域の情報収集、住民の安否確認、被災 65.3 6.6 71.3 6.6 71.9 6.6者の支援を行い、その情報を被災地の保健師に伝達する。被災地の保健師も、直接現場で積極的に支援を行えるように、外部から派遣された保健師が、役所あるいは医療本部での 19.2 4.6 8.8 4.5情報収集、電話対応を行うようにする。 13
  14. 14. 保健師の役割分担 「現地保健師は総合的判断など本部機能を担当し、外 部から派遣された保健師は被災現場にアウトリーチする 」という役割分担には合意は得られなかった。 被災状況と現地保健師の配置、経験を勘案して、外部 から派遣された保健師は、地元保健師とペアで活動する とよいという意見が多かった。ペアで活動することで、現 地保健師の災害対応への不安、不全感の軽減、派遣さ れた保健師の現地状況の把握や支援上の関係づくりと いった点で、双方にとって良い効果があると思われる。 14
  15. 15. 意見の分かれた項目:メディアとの協働合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移 第1ラウンド 第2ラウンド 7点以上の 平均 7点以上の 割合(%) 点 割合(%) 平均点メディアとの協働初期対応にあたる精神保健および地域保健関係者は、メディアと緊密に協働すべき 29.1 5.3 23.1 5.3である初期対応にあたる精神保健および地域保健関係者は、メディアとの接触は避けるべ 21.5 4.9 17.6 5.1きである 15
  16. 16. メディアへの対応 報道について、県に窓口を設定し、こころのケアに関す る情報の発信を一元化する。 被災状況・安全に関する情報 心理教育やストレス対応法 イメージが先行する報道、 そしてモデル的取り組みなど プライバシーの侵害、 マスコミ対応への負担、 16
  17. 17. メディアとの協働:代表的なコメント メディアをうまく活用することも、考えていく必要があると思います。 「こうしたことを伝えてください」とこちらから積極的に伝えることで (リソースを提供することで)、過剰な取材は減るのではないでしょ うか。 直接支援者は、個人情報の管理上、メディアとの緊密な協働は困 難であり、行政担当者が窓口として適任であるという意見に賛成で あり、実際にそういう風に対応しよい結果を得た。 対策本部でメディア担当者を定め、現場対応者も報道対応につい て事前に打合せをしたうえで、一緒に対応するという意見に賛成で す。 支援者が単独で取材に対応すると、個人の責任になるので、支援 者や被害者を守るためにも、対策本部などでの情報の一本化が必 要である。 17
  18. 18. 改訂ガイドラインの紹介 I. 災害時の精神保健福祉体制 II. 災害時こころのケアのあり方  7. 基本的心構え  8. 初期対応における精神保健専門家の役割  9. 初期対応  10. スクリーニングについて  11. 災害時要支援者への対応  12. 情報提供  13. これらの研修体制について III. 外部支援のあり方 IV. 支援者のストレス対応 18
  19. 19. 意見の分かれた項目:基本的心構え表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移 第1ラウンド 第2ラウンド 第3ラウンド 7点以上 7点以上 7点以上 の割合 平均 の割合 平均 の割合 平均 (%) 点 (%) 点 (%) 点基本的心構え初期対応では、被災者本人や地域の自己効力感を高めるようにすべ 55.8 6.5 57.5 6.6 48.9 6.1きである。初期対応では、被災地域のつなが 70.5 6.9 58.5 6.5 52.2 6.2りを促進すべきである。 19
  20. 20. 「初期対応では、被災者本人や地域の自己効力感を高めるようにするとよい。」 一つは、このような方針はまず安全や安心が優先される 初期においては適切ではなく、中長期になって検討する べきものであるという意見である。 もう一つは、初期からも中長期に向けてこのような視点 を持つことは必要であるという意見である。 しかし、この場合も、具体的な対応というより被災者や被 災地の持つ力に十分配慮するというような意識を支援者 が持つことでよいのではないかという見解であった。 20
  21. 21.  具体的に実施する場合では、被災者や被災地域の自助や共 助の力や主体性や自立性を尊重する形で支援を行うことが あげられた。 具体例:被災地域全般をエリアとする地域FM放送を活用し た地域情報の発信など また、被災の程度、被災地域のメンタルヘルスの資源(医 療、福祉、保健、教育など)、被災地域のメンタルヘルスにつ いての捉え方などによって一概に言えない面もある。 21
  22. 22. 「初期対応では、被災地域のつながりを促進するとよい。」 適切であるとする意見としては、被災地では、自然発生 的に地域や被災者同士の地域のつながりが強まること が多く、支援者はそれを現状に合わせて、支持していく のがよいとするものであった。 一方で、このような自発的なつながりは、時間の経過とと もになくなりやすく、阪神淡路大震災ではふれあいセンタ ーなどが形骸化してしまったという意見もあった。 どちらとも言えないとする意見では、やはり、被災状況や 被災地域の実情によって考慮する必要があるというもの が多かった。例えば、地域の人が関わったような人為災 害では、困難であるということがある。 22
  23. 23. 意見の分かれた項目:初期対応における精神保健専門家の役割表3. 第3ラウンド調査で除外した8項目 第1ラウンド 第2ラウンド 7点以上 7点以上 平均 平均 の割合 の割合 点 点 (%) (%)初期対応における精神保健専門家の役割初期対応は、精神保健専門家以外(急性期医療対 12.6 4.6 20.2 5.2応者など)が行うべきである。初期では精神保健専門家は積極的な対応をするべ 3.2 3.9 19.2 5.1きではない。初期には精神保健専門家は、助言やスーパーバイ 11.6 4.2 9.6 4.3ザーとして対応し、初期対応で直接関与はしない。 23
  24. 24. 8. 初期対応における精神保健専門家の役割 特に精神保健専門家として関わりが求められる場合  精神科医療機関が壊滅している場合(治療中断者など)  自殺のリスクのある場合  緊急な精神医療の必要性(急性ストレス反応、アルコー ル離脱、精神運動興奮など)  遺族への対応 一般の被災者に対しては、専門性を全面に出す必要はな いという意見もあった。 「被災地域での精神科の救急医療体制が機能していれば(専門 性を前面に出すことは)必要ない」 「被災者は、「地震で心傷つ いた弱い人間と思われたくない」という気持ちが強い」 24
  25. 25. 意見の分かれた項目:初期対応表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移 第1ラウンド 第2ラウンド 第3ラウンド 7点以上 7点以上 7点以 平均 平均 平均 の割合 点 の割合 点 上の割 点 (%) (%) 合(%)初期対応被災者に話しかける場合には、「具合はどうですか?」、「何か心配ごとはありませんか?」など開かれた質問か 66.3 6.4 60.6 6.3 65.2 6.4ら入っていく。不安や恐怖に圧倒されて混乱していたり、茫然としている被災者には、落ち着いて感情を表出できるように手助けする。具体的には自分の状態を把握できたり、どのような気持ちを感じているのかを尋ねることなどで 57.9 6.3 60.6 6.4 39.3 5.6ある。(例:「どうしていいかわからないような状態でしょうか?」「どんな気持ちを感じていますか?」など)被災者に起こることが予想される心理反応について説明する。 68.4 6.7 79.8 6.8 84.3 6.8激しいストレス反応を呈している被災者には、積極的にアプローチすべきである。 56.8 6.4 73.4 6.8 76.4 6.7被災者は体験を詳細に語るよう勧められるべきでも、 25妨げられるべきでもない。 70.5 6.8 72.3 6.5
  26. 26. 初期対応 被災者に話しかける場合には、「具合はどうですか」など 開かれた質問から入いっていくほうがよい。 状況によって「開かれた質問」と「閉じられた質問」を使い 分けたほうがよい。 問いかけの前に自己紹介をし、自分の所属やかかわる 理由を明らかにし、被災者をいたわる言葉をかけること が重要である。  話しかける目的(理由)を伝える。  あなたと一緒にこの状況を乗り越えたいという思いを伝える。  被災地には、いろんな人(支援者)が入っているので、同じよ うなことばかり聞かれるというストレスも与えている可能性に 配慮する。 26
  27. 27. ケースバイケースにより開かれた質問と閉じた質問の使い分けが望ましい。 「開かれた質問から入るほうが良い」  被災者は、「援助者に侵入された」という思いを抱きやすい ので、まずはオープンクエスチョンから入るべき。 「具体的な質問のほうがよい」  私は保健師なので、「眠れますか」「食べられますか」「痛む ところはないですか」等と声をかけると思います。  被災者はパニックになっており自分の状態を把握できてい ないことが多いので具体的に聞くほうがよい。 27
  28. 28. 初期対応 不安や恐怖に圧倒されていたり、呆然としている被災者 には、言語化させるより、側に寄り添うなど共感的に安 心感を与える接し方をすることが望ましい。 具体的な接し方の例  目先を下げ、優しい言葉、方言も必要。  「今ここ」は安全であることを丁寧に伝える。そのうえで、側に寄 り添う。  体を動かすこと漸進性弛緩法・動作法など段階的に体を動かす ことが効果があるケースもある。  人により、又時間により違ってくると思います。まず安全・安心・ 安寧できるよう接することだと思っております  言語的、非言語的どちらの接近も重要である。 精神科救急対応患者のレベルであれば薬物療法など積 極的・強制的な介入も必要になる。 28
  29. 29. 初期対応 ストレス反応を呈している被災者やその家族には、被災 者に見られる一般的な心理反応について説明すること がすすめられる。 個々の対応ではなく、集団でおこなったりパンフレットの配布 が望ましい。  心理教育のもつ、反応や症状を刷り込んでしまう可能性に ついて、慎重である必要があると思います。(とくに不安定 な時期には、平常時よりも、そうした刷り込みが起こりやす い)  個人をピンポイントしてスティグマを残さないように、心理教 育はなるべく集団で行うのが望ましい。 29
  30. 30. 実施にあたっての留意点 その被災者の状態を十分に把握したうえで行うべき。 一般的な心理教育と共に気になるケースは、後日に訪 問、面接等で確認が必要かと思います。 説明を聞いたが覚えていないという事態が考え得るので、 やはりパンフレットやファクトシートのような、後で自分で 確認できる視覚的なツールもあった方が良い。 「異常な事態に対する正常な反応である」の文章は大切 だと思います。 30
  31. 31. 被災者へのアプローチ(1) 「症状の有無を問わず、精神保健専門家は、(相手の 求めがなくても)できるだけ被災者に接するようにするの が望ましい」という方針には合意は得られなかった。 精神保健の専門家は、保健師などが必要と判断した被 災者に接するほうがよいという意見が挙げられた。 一方で、被災者で精神的影響が大きい人は、むしろ自分 から助けを求めない傾向もあるので、こちらからできるだ け接することができるような機会をつくることは重要とす る意見もあり、精神保健専門家に限る必要はないが、被 災者に早期に接触する人が精神的介入の必要性を判 断し、精神保健専門家と連携できる体制が必要である。 31
  32. 32. 被災者へのアプローチ(2) 「激しいストレス反応を呈している被災者には積極的に アプローチするのが望ましい」という方針にも十分な合意 は得られなかった。 これは、「積極的」という言葉が不明確であった点に問題 があったと考えられる。例えば、医療が必要な場合では 積極的に介入する必要があるであろう。しかし、積極的 という言葉が必ずしも緊急性のない場合には、むしろ侵 襲的であるという印象を与えたかもしれない。 ここでは、精神的支援や介入が必要な被災者がいる場 合には、相手の求めがなくても、訪問や声掛けなどの積 極的な関わりを行うような方法が考えられる。32
  33. 33. 意見の分かれた項目:スクリーニング表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移 第3ラウン 第1ラウンド 第2ラウンド ド 7点以 7点以 7点以 平 平 上の 平均 上の 上の 点 均 均 割合 割合 点 割合 点 (%) (%) (%)スクリーニングについて支援者は、質問紙や面接を用いて、被災者の精神健康状態をスクリーニングするべきである。 41.1 5.7 35.1 5.8 19.1 5.2調査票や面接によるスクリーニングは必要ないが、問題を抱えている人を特定することを、支援者は意識すべきである。 42.1 5.9 51.1 6.1 57.2 6.3問題を抱えている人には何らかの介入を行うまえに、身体、心理、社会的ニーズを検討するための正式なアセスメントを、支 37.9 5.8 30.9 5.7 36.5 5.6援者は実施すべきである。 33
  34. 34. スクリーニングや臨床評価について +スクリーニング 支援を自ら求めない人も含めて系統的にアセスメントを することで、トリアージやケースの発見につながる。 外部からの支援者との継続性のある支援をするために は、調査票の活用は有用である。 +臨床的判断 調査票の使用は災害の現場では馴染まなく、調査準備 や実施には配慮が必要である。 日常的に地域の保健活動を通じて、地域住民の把握を していれば、特に調査票は使用しなくてもよい。 34
  35. 35.  スクリーニングは、時期や状況、目的によって実施に係 る判断は異なる。タイミングとしては、初期は控え、健康 調査の一環として、要医療・支援者へのフォローアップ 体制等を整えたうえで実施することが望ましい。 ハイリスク者を同定するために、標準化された質問票や スクリーニングは必要であるとする意見は多かった。支 援者によって、判断、対応が変わりうるのは適切ではな いので、ある程度客観的な指標を用いてコミュニケーショ ンの円滑化に役立てる用途も指摘された。 35
  36. 36. 代表的なコメント 調査実施する前に、支援者や実施者との信頼関係を築 き、被災者の希望等を考慮する。 質問紙よりも面接のほうがよいという現場の意見が多い。 目的を吟味し、調査が重複して被災者に負担をかけるこ とはさけるべきである。 フォローアップや支援体制を整えてから実施すべきであ る。 36
  37. 37. 10. スクリーニングについて 精神健康の問題が継続している人について、精神保健 専門家は専門的なアセスメントを実施すべきである。+ 災害以前から持続している精神健康上の問題を抱えている 人には、災害時だけではなく、継続して支援していく必要があ る。+ 災害時のハイリスク者等の危険がある人には、アセスメント をすべきである。! 「精神健康の問題が継続している人」はストレス反応が持続 している状態なのか、災害以前から続いている精神疾患や 問題なのかで判断が異なる。 37
  38. 38. 意見の分かれた項目災害時要支援者への対応表2. 合意が得られなかった項目の7点以上と答えたものの割合と平均点の推移 第1ラウンド 第2ラウンド 第3ラウンド 7点以 7点以上 7点以 上の割 平均 点 の割合 平均 点 上の割 平均 点 合(%) (%) 合(%)災害時要支援者への対応高齢者や子どもといった特定の集団に対し 66.3 6.7 72.3 6.8 79.1 6.8ては、専門的計画が別個に必要である。 38
  39. 39. 災害時要支援者への精神保健的対応 高齢者や子どもといった特定の集団に対しては、専門 的計画が別個に必要であるという方針については、合意 は得られなかった。 それぞれの特定の集団に対して専門計画はあったほう がよいが、災害対応としては、全体の中での位置づけや 共同の取り組みが必要であり、できるだけ共通的な対応 が多いほうがよい。 また、専門的計画よりも、日常生活の再開をすすめるほ うが治療的な場合もあり、その上で必要なケースへの個 別対応を考えることが望ましい。 39
  40. 40. 意見の分かれ項目:精神健康に配慮したコミュニケーション表3. 第3ラウンド調査で除外した8項目 第1ラウンド 第2ラウンド 7点以上 7点以上 平均 平均 の割合 の割合 点 点 (%) (%)情報提供初期の心理的反応についての情報は、関心のある被災者に対し 2.1 3.2 4.3 3.2て提供されるべきで、全員を対象にすることはない。動揺させるといけないので、強いストレスを感じている人には悪い 14.7 4.7 7.5 4.8知らせは差し控えるのがよい。 40
  41. 41. 心理教育の対象 初期の心理的反応についての情報は、ニーズを見極めて 選択的に行うよりも、全員を対象にしたほうがよい。 これは、集団へのアプローチとして、外からみてこころのケア に関心があるかどうかは分からないし、スティグマ化しないた めにも、メディア等を利用して一定の集団全員を対象に情報 提供をしたほうがよい。しかし、全ての人に一律に情報提供 する際には、押し付けにならないような配慮が求められる。 また、メンタルヘルスのニーズは本人が気づいていなかっ たり、抵抗が強いこともあるので、本人の関心の程度を、情 報提供の基準とするには難しいことがあり、「あなたの大切な 人やご家族のために」、として情報提供を行うのも一つの方 法である。 41
  42. 42. 悪い知らせの伝え方 「動揺させるといけないので、強いストレスを感じている人に は悪い知らせ(突然の親族の死亡など)は差し控えるのがよ い。」といった方針に合意は得られなかった。悪い知らせを伝 えないことでの悪影響、伝えたことでの悪影響を紹介する意 見がそれぞれあった。 「実際的には困難。また、差し控えることで生じる不都合もあ ると考えられる。」 「配慮し、後で知らされることでひどく傷つく人もいると思う。」 しかし、災害や事件の性質、サポート体制(公的、私的なもの も含めて)等を勘案して、ケースバイケースの対応が求めら れる。また、伝えることの是非よりも、伝え方やその後のフォ ロー体制の整備が必要であろう。 42
  43. 43. 意見の分かれた項目:ボランティアのあり方 第1ラウンド 第2ラウンド 7点以上 7点以上 平均 平均 の割合 の割合 点 点 (%) (%)これらの研修体制について災害ボランティアは、事前に募集され、適性についてスクリーニン 34.7 5.8 26.6 5.5グされるべきである。 43
  44. 44.  災害ボランティアを事前に募集し、適性をスクリーニング するとよい、という方針の適否を尋ねたが、合意は得ら れなかった。 実際に、ボランティアの適性の判断はできないし、また一 連の対応は災害時に実行することは困難だからである。 また、熱意や自発的意思でボランティアに来る人が多い ので、適性をみて排除するよりも、活動開始前のオリエ ンテーション等で心理的な反応や配慮に関する情報提 供の機会を設けるほうが建設的であろう。 44
  45. 45. 改訂災害精神保健ガイドライン I. 災害時の精神保健福祉体制 II. 災害時こころのケアのあり方 III.外部支援のあり方  1. 外部支援受け入れの判断  2. 活動導入の仕方  3. 外部支援こころのケアチームの活動  4. 派遣期間  5. 専門職ボランティア IV. 支援者のストレス対応 45
  46. 46. 意見の分かれた項目:外部支援のあり方 第1ラウンド 第2ラウンド 第3ラウンド 7点以 7点以 7点以 上の 平均 上の 平均 上の 平均 割合 点 割合 点 割合 点 (%) (%) (%)外部派遣の調整の仕組みは、国、県などの被災地以外で構築することが望ましい。 48.4 5.9 57.5 6.2 53.9 6.0外部支援者は地元の精神保健担当者からの指示と協力のもと、避難所や被災者宅を巡回し、必要な被災者に 53.7 6.3 70.2 6.6 70.8 6.6対応していくアウトリーチを積極的に行っていくとよい。医療、看護、福祉、臨床心理などの専門職ボランティアが個人で被災地に支援に行く際には、医療、心理療法 40.0 5.9 43.6 5.9 61.8 6.4等の支援を行うべきではない。 46
  47. 47. 外部派遣調整の仕組みの主体(1) 被災地外におくとよいという意見では、被災地内におくと 被災地の負担が増えるからという理由が主である。ただし 被災地外に調整機関を置く場合でも、現地の責任者の判 断を国や県の判断より優先することや、被災地の意見が 十分に反映されることは必須である。 調整の仕組みを被災地内におくとよいという意見としては 、連携が取れていないとかえって混乱する、現状に則した 調整は現場でする必要がある、という理由が挙げられる。 47
  48. 48. 外部派遣調整の仕組みの主体(2) 「受け入れ側の被災状態や人員状態にもよるが、被災地では情報 が氾濫し整理しきれないことがある。国・県の担当者が現地で被災 地の担当者の意見を反映させながら調整するのが望ましい。」 「被災地の状況により、単純に被災地の内外と分けることはできな い。どのような状況でも対応できるよう、被災地内・被災地外ともに 仕組みが構築され、災害時にどちらが主導するかを決めることが できれば理想的である。」 「外部派遣の仕組みは、被災地と県が十分な連携をとり、被災地 の規模や状況にあわせて構築することが望ましい。また、県が各 市町村と今後の災害時派遣に関して事前調整を行い具体的な手 順等を明らかにしておくことが望ましい。」 48
  49. 49. 外部支援者の活動のあり方(1) 被災地における支援として、特に高齢者の多い被災地 や、山間僻地などにおいてアウトリーチは非常に有効で あり、外部支援者の請け負うことのできる支援であると いう意見がある。 一方で、外部支援者はいずれ撤収する存在であるため 、あくまで黒子に徹し、被災者への直接支援は可能な限 り現地の支援者にまかせる方が望ましいとする意見が ある。 49
  50. 50. 外部支援者の活動のあり方(2) 「こころのケアに関しては、アウトリーチが基本である。地元の支援 者でなければできないことが多くあり、地元の支援者がアウトリー チをしていると、過労となってしまう。地元の支援者は長期的な活 動が求められるので、地元と外部の支援者の役割分担を活動開 始時から意識することが必要である。」 「外部支援の要否は災害の規模により異なりますが、アウトリーチ による被災者のケアは、外部支援者が即戦力として貢献できると 思います。大規模な災害の場合、外部からの支援が入っているこ とが、被災者の安心感につながることもあると思われます。地元の 精神保健担当者の代替的役割であることを十分意識してアウトリ ーチを行なうと良いのではないかと思います。」 50
  51. 51. 外部支援者の活動のあり方(3) 「基本的に、被災地域の要請に依ると思う。中越地震の際に は地元保健師の指示のもとにアウトリーチを行った。その方法 は優れていたと思うが、保健師の負担はあったと思う。地域に よるが、外部支援者が単独でアウトリーチを行うのは非常に困 難な場合もある。地元の状況や要請に従うべきである。」 「地元の担当者の主体性を尊重することは否定しないが、災 害対応の経験者からの示唆という形での支援も含めた外部支 援が必要である。地元の担当者からの指示を待ってしか動け ない外部支援者では、地元の負担になるのみである。」 51
  52. 52. 専門職ボランティアのあり方(1) 専門職ボランティアが個人で専門的支援を行うことに対 する反対意見としては、専門職という責任ある立場上、 その信頼性や何か問題がおきたときの対応法を確保す るため、単独の行動は許されず、専門的支援を行う際に は組織に参加することが必須となるといったものである。 必ずしも反対とはいえないという意見としては、状況やそ の個人の力量によるといった意見が多い。 52
  53. 53. 専門職ボランティアのあり方(2) 「甚大な災害の場合、膨大な数の専門職ボランティアが被 災地に入り、全部を把握しきれない。また、そのコーディネ ートまで現地で行うことは困難である。」 「専門職という社会的に責任ある立場の者が、個人的に支 援に行く、という形は認められるのだろうか。専門家、という 肩書きの元で、勝手な動きをして現場に混乱を与え、撤退 し、地域に後始末は残される、ということになりかねないの ではないか。また、正しい情報を入手する方法もなく、安心・ 安全の提供が出来るとは思えない。」 53
  54. 54. 専門職ボランティアのあり方(3) 「支援に入った専門職ボランティアをコントロールすることは極めて 困難である。」 「個人での活動は、入手した情報が本部に入らなくなり、支援の統 括、展開が困難になる。」 「当県では、災害早期から活動するDMATや赤十字とともに行動す るということで、移動や医療処置の問題をクリアーにしてきている。 全国的にも同様の取り決めがあるとよい。」 「専門職ボランティアが個人で被災地に入って専門的支援を行った 時、その行為や人物の信頼性の担保、何かあった時の責任の所 在、全体の支援の流れを無視した形での支援に果たして妥当性は あるのか、難しい問題だと感じます。」 54
  55. 55. 改訂災害精神保健ガイドライン I. 災害時の精神保健福祉体制 II. 災害時こころのケアのあり方 III. 外部支援のあり方 IV. 支援者のストレス対応  1. 被災地で被災者支援にあたる組織の構築  2. 職員の休養・休息  3. 被災時に派遣された職員への支援  4. 支援者のセルフヘルプ 55
  56. 56.  支援者のセルフヘルプに関して、意見の分かれた項目 はなかった。 しかし、一般的な方針が多い。 支援者への精神保健上の課題であるが、労務管理、産 業保健の一貫で、対応する必要がある。 地方自治体における労務管理の課題 56
  57. 57. マニュアルの使い方 マニュアル内の合意事項は、一般的な見解が多い。 事前に考え方を理解することで、最低限のケアスタンダー ドに基づいた支援が期待できる(特に初期対応)。 しかし、災害は想定外、応用問題の連続である。 →過去の経験、知見(是非の両面)を参考に、自分で判断 する必要がある。マニュアルはその参照点になりうる。 東日本大震災の経験を反映し、知見を蓄積する必要があ る。 57
  58. 58. 参考資料 災害時地域精神保健医療活動ガイドライン. 平成13度厚生労働科学研究 費補助金(厚生科学特別研究事業)主任研究者:金吉晴. http://www.ncnp-k.go.jp/katudou/h12_bu/guideline.pdf 自然災害発生時における 医療支援活動マニュアル.平成16年度厚生労働 科学研究費補助金特別研究事業. http://www.imcj.go.jp/shizen/index.html 心的トラウマの理解とケア.外傷ストレス関連障害に関連する研究会 金吉 晴 編集. http://www.jstss.org/info/pdf/info01_15.pdf IASC Guidelines on Mental Health and Psychosocial Support in Emergency Settings. IASC, 2007. http://www.who.int/mental_health/emergencies/guidelines_ia sc_mental_health_psychosocial_june_2007.pdf 58

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