「会議の準備」という膨⼤な作業
意思決定の根拠が乏しく,判断⽅法が⼈によってバラバラならば,時間は当然かかる
1: Mankins, M. (2014). Yes, You Can Make Meetings More Productive. Harvard Business Review, https://hbr.org/2014/06/yes-you-can-make-meetings-more-productive.
2:パーソル総合研究所. (2018).無駄な社内会議による企業の損失額を算出従業員1万⼈規模で年間15億円,1500⼈規模で年間2億円の損失. https://rc.persol-
group.co.jp/news/201809060935.html
3: Mankins, M. C. (2004). Stop wasting valuable time. Harvard Business Review, 82(9), 58-67.
• ある⼤企業では,経営会議の準備に,150⼈分の年間業務量を費やしている1
• 1万⼈規模の企業では,無駄な会議時間は年間332⼈分の年間業務量に達する2
• 経営会議の65%以上は,意思決定ではなく,単なる情報交換等に使われる3
意思決定の根拠が曖昧なまま,決裁者によって求めるものが異なるため,
会議の準備・会議⾃体に膨⼤なムダが発⽣
成功事例から導かれた優秀企業の集落
過去の事象を扱う後ろ向き研究ではなく,ランダム化⽐較試験に代表される前向き研究が必要
Smith, G. (2014). Standard deviations: Flawed assumptions, tortured data, and other ways to lie with statistics. Abrams. (川添節⼦(訳). (2019).データは騙る: 改竄・捏造・不正
を⾒抜く統計学.早川書房)
• エクセレント・カンパニー出版の15年後には,優良企業は43社中5社のみ
• 成功企業の統計分析から導かれた結論は,いつも凋落の⼀途を辿る
• 成功企業の特徴を探せば何かしら共通点は⾒つかるが,因果効果ではない
Tom Peters (1982)
エクセレント・カンパニー
Jim Collins (1994)
ビジョナリー・カンパニー
コトづくり,サステナブル, 電動化, パーソナライズ, V2X, コネクテッド,
シェアリング, デジタル, ロボティクス, オープンイノベーション...
溢れる業界の ”ふんわりワード”
解決されていない問題と対策を考える作業をさぼり,業界トレンドで遊んではいけない
• 消費者に伝わらないトレンドワードが並ぶプロジェクトが氾濫
• 「顧客は何に困っているのか︖」「なぜそれを⾼いお⾦を払って
でも欲しいのか︖」を考えていない
「なぜ他社より⾼いお⾦を出してでも買いたいと思うのか」
という因果を考える⼈が少ない1
1: Christensen, C. M., Hall, T., Dillon, K., Duncan, D. S. (2016). Know your customersʼ jobs to be done. Harvard Business Review, 94(9), 54-62.
Uberの需要供給曲線の算出
需要と供給のバランスを調整して利益を最⼤化する需要曲線推定をシカゴ⼤学と実施
Cohen, P., Hahn, R., Hall, J., Levitt, S., & Metcalfe, R. (2016). Using big data to estimate consumer surplus: The case of uber (No. w22627). National Bureau of
Economic Research.
回帰不連続デザインによる因果評価
価格が1.2倍から1.3倍になると,消費率は約1.5%減少する
統制群
(価格1.2倍を提⽰)
処置群
(価格1.3倍を提⽰)
(需要逼迫指数)
(消費率)