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ジンバルドの「監獄」実験疑惑
公募シンポジウム
[SS-017] 公募シンポジウム17
対テロ戦争とアメリカ心理学:「心理学的拷問」に反対した心理学者
たち
2018-09-25 13:10 - 15:10 会議棟/小会議室7
[話題提供者] ...
本日(25日)の午後の企画のお誘い
13:10-15:10
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セリグマンと いとう (2015年6月)
国際ポジティブ心理学会 フロリダ
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Stanford Prison Experiment (1971)
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スタンフォード監獄実験 Wikipedia
• 1971年8月14日から1971年8月20日まで、アメリカ・スタンフォード大学
心理学部で、心理学者フィリップ・ジンバルドー (Philip Zimbardo) の指
導の下に、刑務所を舞台にして...
Stanford Prison Experiment (1971)
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ジンバルドー「監獄」実験の疑惑(1)
ジンバルドー「監獄」実験の背景
=海軍資金
=軍事研究
Haney, C., Banks, W. C., & Zimbardo, P. G. (1973). A
study of prisoners and...
Banyard, P. (1999). バニヤード、
フィリップ (鈴木聡志訳2005).
心理学への異議:誰による、
誰のための研究か 新曜社
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ジンバルドの「監獄」実験疑惑(2)
Ben Blum(June, 7, 2018): The lifespan of a lie
https://medium.com/s/trustissues/the-lifespan-of-a-lie-d8...
• ジンバルドの疑惑(3):ヤラセ疑惑
• ハスラム、レイチャーらの論文
• 監獄実験におけるジンバルドーら実験者による介入(どのように振舞うべ
きかの指導)と、「リーダーアイデンティティ」による同調という内容の論文
• WardenとGuar...
三浦麻子訳(2017)
状況の力に負けない人がいる。
個人差があり個人の抵抗が重要
BBC監獄実験で実証 (丸善 全セット6万円)
Smith, J. R., & Haslam, S. A. (2012). Social psychology:...
三浦麻子
NHK「フランケンシュタインの誘惑:人が悪魔に変わる時 史上最悪の
心理学実験」関連情報 日本社会心理学会広報委員会
http://www.socialpsychology.jp/jssppr/topics/nhk_stanfordp...
実験への疑義及び新事実の判明 Wikipedia
• 心理学者のアレクサンダー・ハスラムはこの実験の結果を再現すべく実験を試
みたが、結果はジンバルドーの主張したものとは違い、特に上述の非個人化は
発生しなかった。
• この結果に疑問を持った彼...
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G300五十嵐靖博・いとうたけひこ (2018, 9月).心理学教育における批判心理学的実践の試み:アメリカ心理学会の「国家安全保障に係る尋問」への加担を例として 日本心理学会第82回大会 9月25-27日 仙台国際センター

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○五十嵐靖博1・いとうたけひこ2
(1山野美容芸術短期大学・2和光大学)
キーワード:対テロ戦争における「過酷尋問」,批判心理学,心理学の倫理


Critical Psychological Teaching in Introduction to Psychology: How to Teach the Problem of American Psychology in its Relation to Coercive Interrogation in War on Terror
Yasuhiro IGARASHI1, and Takehiko ITO2
(1Yamano College of Aesthetics, 2Wako University)
Key Words: coercive interrogation, critical psychology, ethics



目 的
 現在,日本の大学で数多くの学生が心理学を学んでいる.心理学専攻学生だけでなく,他の様々な専攻の学生も心理学概論などの入門科目を学んでおり,心理学教育がいっそう重要になっている.心理学は多様な側面を持つ学問である.心に対する純粋な知的関心によって推進される科学として,社会諸セクターのニーズなど学問外部の諸要因の影響によって変容するものとして,また時代や社会の差異に応じて異なりうる文化的伝統の影響を受ける学問などとして心理学を理解することができる.日本社会とそこで生きる人の主観性の心理学化を背景に,社会諸セクターと心理学の関係を教授する心理学教育が必要とされている.心理学化の顕著な例に戦争との係りがあげられる.幸福や福祉に寄与する心理学の構築を主たる目標の一つとする批判心理学の立場から,心理学概論の一環として「心理学とは何か」を考える授業を行った.2001年に米国を襲った9.11同時多発テロの後に米国の軍事・情報当局が実施した戦争捕虜やテロ容疑者への「過酷尋問」と心理学の関係(五十嵐,刊行中)を事例にあげて講義を行い,学生の心理学へのイメージを検討した.


方 法

2018年4月,和光大学の全学学生を対象とする心理学概論の3回目の授業の特別講師として第1著者が招かれ,「心理学とは何だろうか:対テロ戦争における『心理学的拷問』を例として」と題して授業を行った.心理学の様々な定義や見方を説明し,社会と心理学の関係を示す例としてアメリカ心理学会の「国家安全保障に係る尋問」への加担を説明した.米国の軍事・情報当局が水責めを含む「強化尋問技法」による過酷尋問を行うに至る背景や尋問の実際,マスコミ報道による社会問題化,連邦上院情報委員会報告やホフマン報告などを紹介した.授業後に受講者に研究への協力を依頼し,心理学のイメージの変化(5段階),授業前後の心理学のイメージ,授業の感想と講師へのメッセージを自由記述で回答してもらい,112名から有効回答を得た(男62人,女45人,他5人).記述内容をテキストファイルにして,NTTデータ数理システム社のテキストマイニングソフトであるText Mining Studio Ver.6.0.3を用いて分析した.またユーザーローカルのウェブサイトを活用してWord Cloudを作成した.

結 果

1.授業による心理学のイメージの変化
112名のうち,74人(66%)が心理学のイメージが変化したと答え,13人(12%)が変化しなかったと回答した.22名(20%)がどちらともいえないと回答した(その他・無回答が3人).3群間により授業後の心理学のイメージの回答の多重対応分析をおこなった.また授業の前後の心理学のイメージについてワードクラウドを作成した.授業後のそれを図1に示す.これらと回答の原文から,カウンセリングなど心の健康に関するイメージから講義中に紹介した尋問や戦争と係る心理学のイメージへと変容し,ときに心理学的介入によって対象者の心身に苦痛を与える現状を知ったことが窺われた.













図1 授業後の心理学のイメージのワードクラウド

考 察

特別授業の主な目的は心理学と社会の関係や学問外部の諸要因が心理学に与える影響を説明することだった.2/3の受講生の心理学に対するイメージが変化したことから,対テロ戦争との係りのような一般に教科書に記載されていない主題を一定程度,受講者に伝えることができたと考えられる.一部のアメリカの心理学者が過酷尋問に加担した理由として,医療専門職者に比べて養成課程で倫理教育が希薄なことが指摘されており,こうした心理学教育が倫理観の形成のために重要である.過酷尋問は実質的に拷問だと考えられている.
心理学概論など初学者を対象とする科目であっても「心と行動の科学」に留まらず,社会や政治経済と心理学の関係,文化的現象としての心理学など心理学の多様な側面を教授することで心理学化が進む日本社会において学生が心理学とよりよい関係を築く一助になることが期待される.批判心理学の立場から為される心理学教育の有用性が示唆された.

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G300五十嵐靖博・いとうたけひこ (2018, 9月).心理学教育における批判心理学的実践の試み:アメリカ心理学会の「国家安全保障に係る尋問」への加担を例として 日本心理学会第82回大会 9月25-27日 仙台国際センター

  1. 1. ジンバルドの「監獄」実験疑惑 公募シンポジウム [SS-017] 公募シンポジウム17 対テロ戦争とアメリカ心理学:「心理学的拷問」に反対した心理学者 たち 2018-09-25 13:10 - 15:10 会議棟/小会議室7 [話題提供者] いとう たけひこ(和光大学) take@wako.ac.jp www.itotakehiko.com 1
  2. 2. 本日(25日)の午後の企画のお誘い 13:10-15:10 2
  3. 3. セリグマンと いとう (2015年6月) 国際ポジティブ心理学会 フロリダ 3
  4. 4. Stanford Prison Experiment (1971) 4
  5. 5. スタンフォード監獄実験 Wikipedia • 1971年8月14日から1971年8月20日まで、アメリカ・スタンフォード大学 心理学部で、心理学者フィリップ・ジンバルドー (Philip Zimbardo) の指 導の下に、刑務所を舞台にして、普通の人が特殊な肩書きや地位を 与えられると、その役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとし た実験が行われた。模型の刑務所(実験監獄)はスタンフォード大学 地下実験室を改造したもので、実験期間は2週間の予定だった。 • 新聞広告などで集めた普通の大学生などの70人から選ばれた被験者 21人の内、11人を看守役に、10人を受刑者役にグループ分けし、それ ぞれの役割を実際の刑務所に近い設備を作って演じさせた。その結 果、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、受刑者役 の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになるということが証明さ れた、とジンバルドーは主張した。 • 近年、スタンフォード大学より公開された実験の録音テープにより、 「刑務所長役」から「看守役」へ積極的な指示・指導が為されていたと の指摘がなされ、実験結果そのものの信頼性が問われる事態となっ ている[2][信頼性要検証]。また、被験者の一人が発狂した振りをしたことを 認めた[3] 5
  6. 6. Stanford Prison Experiment (1971) 6
  7. 7. ジンバルドー「監獄」実験の疑惑(1) ジンバルドー「監獄」実験の背景 =海軍資金 =軍事研究 Haney, C., Banks, W. C., & Zimbardo, P. G. (1973). A study of prisoners and guards in a simulated prison. Naval Research Reviews, 9(1-17). POW(戦争捕虜)の研究? 7
  8. 8. Banyard, P. (1999). バニヤード、 フィリップ (鈴木聡志訳2005). 心理学への異議:誰による、 誰のための研究か 新曜社 8
  9. 9. ジンバルドの「監獄」実験疑惑(2) Ben Blum(June, 7, 2018): The lifespan of a lie https://medium.com/s/trustissues/the-lifespan-of-a-lie-d869212b1f62 Korpiの精神破綻breakdownはでっち上げsham ジンバルドを訴訟しなかったのを人生で後悔 Yaccoが2日目に研究参加中止を希望したが却下 本当は実験獄中で試験勉強をしたかったが・・ 9
  10. 10. • ジンバルドの疑惑(3):ヤラセ疑惑 • ハスラム、レイチャーらの論文 • 監獄実験におけるジンバルドーら実験者による介入(どのように振舞うべ きかの指導)と、「リーダーアイデンティティ」による同調という内容の論文 • WardenとGuardのインタビュー記録から看守役がヤラセを強要されていた ことがわかる • https://psyarxiv.com/b7crx 10
  11. 11. 三浦麻子訳(2017) 状況の力に負けない人がいる。 個人差があり個人の抵抗が重要 BBC監獄実験で実証 (丸善 全セット6万円) Smith, J. R., & Haslam, S. A. (2012). Social psychology: Revisiting the classic studies. SAGE Publications. 11
  12. 12. 三浦麻子 NHK「フランケンシュタインの誘惑:人が悪魔に変わる時 史上最悪の 心理学実験」関連情報 日本社会心理学会広報委員会 http://www.socialpsychology.jp/jssppr/topics/nhk_stanfordprisonexp/ 12
  13. 13. 実験への疑義及び新事実の判明 Wikipedia • 心理学者のアレクサンダー・ハスラムはこの実験の結果を再現すべく実験を試 みたが、結果はジンバルドーの主張したものとは違い、特に上述の非個人化は 発生しなかった。 • この結果に疑問を持った彼らは実験に関する調査を続けたが、その過程におい てニューヨーク大学の社会心理学者ジェイ・ファン・バベルはスタンフォード大学 に保存されていた実験に関する録音データの提供を受けた。これは実験におけ る「刑務所長役」(ジンバルドーのアシスタント)と「看守役」とのやりとりを録音し たもので、この中で「刑務所長役」は、消極的な態度を取る「看守役」に対し「残忍 な看守」として振る舞うように積極的に指示を行っていた。「看守役」が強く反論し たにも関わらず「刑務所長役」が自らの指示を押し通す様子も録音されており、こ れらは「看守は刑務所長の明確な指示と指導を受けていた」ことを示している。 つまり、「看守が誰に指図されるわけでもなく残忍に振る舞った」という実験結果 の骨子そのものを覆すものだったのである。 • バベルはこのように述べている。「肝心なのは、同調は、自然・盲目的・必然的 (に起きるの)では無いということ。ジンバルドーはこの点について甚だ間違って いただけではなく、そのパブリックコメントによって何百万人もの人々を欺き、この 実験に関する虚偽の話を受け入れさせたのだ」 • エーリヒ・フロム『破壊 上―人間性の解剖』作田啓一・佐野哲郎共訳、紀伊国屋 書店、1975年(ジンバルドーから著者エーリヒ・フロムに渡されたレポートを記載。 なおフロムは、本書において、この実験の実験方法とジンバルドーによる実験結 果の解釈について批判を加え、この実験を一般化することに異議を唱えている) 13

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