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新人大学教員による
看護実習指導場面の
困難への対応行動
亀田 芙蓉(日本医療科学大学)
いとう たけひこ(和光大学)take@wako.ac.jp
河津 芳子(目白大学)
2017年12月17日(日)12:00~12:50
示説発表 PD-5...
日本看護科学学会 COI 開示
筆頭者氏名 :亀田 芙蓉
所属名 :日本医療科学大学
筆頭演者は、日本看護科学学会へのCOI自己
申告 を完了しています。
演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある
企業・組織および団体等はありません。
研究目的・方法
目的:先行研究で明らかとなっている新人教員の
困難感をふまえ、その困難感に対する新人
教員の対応行動を把握する。
方法:全国の看護系大学の助教を対象に、自作
質問紙による調査を実施した。
質問紙の選択項目をSPSSで、自由記述
...
結果
• 全国の看護系大学250校のうち、
承諾の得られた64校の助教136名に
質問紙を配付し、74名(54%)より回答
が得られた。
• 困難の程度に基づき対象者を分類し、
困難低群、困難中群、困難高群の3群
(困難度パターン)が抽出された。
表1 新人教員が抱えている困難の内容
困難の項目 詳細項目
A 実習指導の方法に
自信がない
学生のレベルに合わせた指導ができない(37.8%)
指導の方法そのものがわからない(25.7%)
学生全員と公平に関わることができない(13.5%)
...
表2 困難に対する対応行動の内容
対応行動の項目
困難A
(自身の
能力)
困難B
(学生)
困難C
(実習環境)
困難D
(臨床
指導者)
困難E
(職場
環境)
1.文献を調べた 19(25.7) 4(5.4) 1(1.4) 0 1(1.4...
表3 困難度パターン別の対応行動
「上司・同僚に相談する」対応行動をとった回数
0 1 2 3 4 5 合計
困難
低群
n(%) 5(6.8)* 6(8.1)* 6(8.1) 1(1.4)* 0 0 18(24.3)
調整済み
残差
3.1 ...
表4 困難の対応行動による変化
「上司・同僚に相談する」対応行動の回答数
0 1 2 3 4 5 合計
困難Eの
「ネガティブな
感情の変化」
の回答数
0
n(%) 4(5.4) 8(10.8) 17(23.0) 11(14.9) 2(2.7...
図1 困難への対応行動の単語頻度解析
実習指導者
コミュニケーション
調整
報告
図2 困難高群の対応行動の特徴語抽出解析
図3 困難への対応行動のことばネットワーク解析
考察
• 困難に対し、新人教員なりに困難を解決しようと努
力していることが考えられる。
• しかし、新人教員の個別対応では限界があることが
示唆された。
• 上司のサポートや、教員同士のチームワークの形
成など、組織的な介入が求められる。
• ...
まとめ
• 困難に対する行動は選択項目では「上司・
同僚に相談する」が最多であった。
• 自由記述においても「上司」「相談」という
単語が上位を占めていた。
• 「上司・同僚に相談する」という対応行動
だけでは困難の解決までには至らなかった。
...
文献
• R208 亀田芙蓉・いとうたけひこ・河津芳子(2017)
実習指導場面における看護系大学の新人教員
が抱える困難感と対応行動ーテキストマイニン
グ分析を中心にー 日本ヒューマンヘルス学会
誌, 2(1), 25-34.
• G270 ...
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G276 亀田芙蓉・いとうたけひこ・河津芳子 (2017, 12月). 新人大学教員による看護実習指導場面の困難への対応行動 第37回日本看護科学学会学術集会(仙台)

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【目的】先行研究で明らかとなっている新人教員の困難感をふまえ、それに対する対応行動を把握する。
【方法】全国の看護系大学の助教を対象に、自作質問紙による調査を実施した。質問紙の選択項目は、統計解析ソフトIBM SPSS Statistics 24を用い、自由記述内容はText Mining Studio 4.2にて分析した。<倫理的配慮>本研究は、所属大学倫理審査委員会の承認を得た。
【結果】全国の看護系大学250校のうち、研究承諾の得られた64校の対象者136名に質問紙を配布し 、74名(54%)より回答が得られた。新人教員が抱えやすい困難は「新人教員自身の能力」「看護学生」「実習環境」「実習指導者」「上司や業務」に関する5つの項目に分類され、対象者の抱えている困難の程度に基づく対象者の分類では、(1)困難低群、(2)困難中群、(3) 困難高群の3群が抽出された。新人教員の困難への対応行動は「文献を調べる」「状況の記録」「指導者への相談」「学生との面接」の他、「上司・同僚に相談する」という行動が最も多い。抱えている困難の数が多い困難高群ほど、相談という対応行動をとる対象者が多かった(χ2(2) =38.7、p <.001)。そして、困難中群に属する対象者は必ずこの対応行動をとっていた。しかし、困難の解決状況をふまえると、上司や同僚に相談していても困難を解決するまでに至らず、上司や業務に関する困難では、対応行動の結果、ネガティブな感情を抱く対象者が有意に多かった(χ2(2) = 32.5、p <.005)。テキストマイニングの分析では、全体では「上司」「相談」という単語が多くみられ、困難高群ではさらに「実習指導者」「調整」「コミュニーケーション」という単語が多くみられた。
【考察】新人教員が困難を抱えた際には「上司・同僚に相談する」という対応行動が全般的に行われていたことが明らかとなった。しかし、この行動では困難が解決せず、上司や業務内容、臨地実習現場といった環境に関する困難について、新人教員の個別対応では限界があることも示唆された。困難を感じていない教員が抱えやすい困難の中には、他者に頼るのではなく自助努力といった対応行動が必要な場合もある。しかし、困難を多く抱えている教員はその困難の質が個人では対応できない困難でもある。そのため、上司からのサポートに加え、教員同士のチームワークの形成など組織的な介入も必要である。また、新人教員が抱く困難の解決には時間と経験が必要なことも多い。教員職を長く続けられる環境の整備や、教員能力を獲得していくためのFDや研修会などが展開され、新人教員が参加できる体制が整うことが望ましい。そのために、他の教員も新人教員のもつ困難や行っている対応行動を理解することが必要である。

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G276 亀田芙蓉・いとうたけひこ・河津芳子 (2017, 12月). 新人大学教員による看護実習指導場面の困難への対応行動 第37回日本看護科学学会学術集会(仙台)

  1. 1. 新人大学教員による 看護実習指導場面の 困難への対応行動 亀田 芙蓉(日本医療科学大学) いとう たけひこ(和光大学)take@wako.ac.jp 河津 芳子(目白大学) 2017年12月17日(日)12:00~12:50 示説発表 PD-58-5 日本看護科学学会 第37回学術集会 仙台国際センター
  2. 2. 日本看護科学学会 COI 開示 筆頭者氏名 :亀田 芙蓉 所属名 :日本医療科学大学 筆頭演者は、日本看護科学学会へのCOI自己 申告 を完了しています。 演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある 企業・組織および団体等はありません。
  3. 3. 研究目的・方法 目的:先行研究で明らかとなっている新人教員の 困難感をふまえ、その困難感に対する新人 教員の対応行動を把握する。 方法:全国の看護系大学の助教を対象に、自作 質問紙による調査を実施した。 質問紙の選択項目をSPSSで、自由記述 内容をテキストマイニングにて分析した。
  4. 4. 結果 • 全国の看護系大学250校のうち、 承諾の得られた64校の助教136名に 質問紙を配付し、74名(54%)より回答 が得られた。 • 困難の程度に基づき対象者を分類し、 困難低群、困難中群、困難高群の3群 (困難度パターン)が抽出された。
  5. 5. 表1 新人教員が抱えている困難の内容 困難の項目 詳細項目 A 実習指導の方法に 自信がない 学生のレベルに合わせた指導ができない(37.8%) 指導の方法そのものがわからない(25.7%) 学生全員と公平に関わることができない(13.5%) B 看護学生のもつ能力に 対して不安や戸惑いを 感じる 学生の社会性や意欲が乏しい(47.3%) 学生が他社との適切な関わりがわからない(14.9%) 学生が精神面的に弱い(14.9%) C 臨床と連携がとれず、実習 環境を調整できない 学生が実習しやすい環境の調整が難しい(28.4%) 指導者に実習方法や目的を理解してもらえない(13.5%) 実習指導現場に頼れる人がいない(6.8%) D 臨床指導者の理解・協力 が得られず、関係性が 築けない 臨床看護師から批判的に見られていると感じる (13.5%) 臨床看護師が学生に高いレベルを求める(13.5%) E 職場環境や人間関係、 業務内容などで余裕が なくなる 時間に追われて余裕がなくなる(37.8%) 他の業務との調整が難しい(33.8%)
  6. 6. 表2 困難に対する対応行動の内容 対応行動の項目 困難A (自身の 能力) 困難B (学生) 困難C (実習環境) 困難D (臨床 指導者) 困難E (職場 環境) 1.文献を調べた 19(25.7) 4(5.4) 1(1.4) 0 1(1.4) 2.状況を記録した 12(16.2) 8(10.8) 1(1.4) 1(1.4) 1(1.4) 3.上司・同僚に 相談した 57(77.0) 39(52.7) 28(37.8) 17(23.0) 34(45.9) 4.指導者に相談した 15(20.3) 9(12.2) 11(14.9) 4(5.4) 1(1.4) 5.学生と面接した 17(23.0) 27(36.5) 1(1.4) 4(5.4) 0 6.何もしていない 2(2.7) 2(2.7) 2(2.7) 3(4.1) 9(12.2) 7.その他 2(2.7) 7(9.5) 5(6.8) 3(4.1) 10(13.5) n=74(%)
  7. 7. 表3 困難度パターン別の対応行動 「上司・同僚に相談する」対応行動をとった回数 0 1 2 3 4 5 合計 困難 低群 n(%) 5(6.8)* 6(8.1)* 6(8.1) 1(1.4)* 0 0 18(24.3) 調整済み 残差 3.1 2.8 0.1 -2.4 -1.7 -1.3 困難 中群 n(%) 1(1.4) 1(1.4) 10(13.5) 10(13.5) * 0 0 22(29.7) 調整済み 残差 -0.9 -1.5 1.6 2.3 -1.9 -1.5 困難 高群 n(%) 1(1.4) 3(4.1) 8(10.8) 9(12.2) 8(10.8)* 5(6.8)* 34(45.9) 調整済み 残差 -1.8 -1.1 -1.5 -0.1 3.2 2.5 合計 n(%) 7(9.5) 10(13.5) 24(32.4) 20(27.0) 8(10.8) 5(6.8) 74(100) *p<0.001
  8. 8. 表4 困難の対応行動による変化 「上司・同僚に相談する」対応行動の回答数 0 1 2 3 4 5 合計 困難Eの 「ネガティブな 感情の変化」 の回答数 0 n(%) 4(5.4) 8(10.8) 17(23.0) 11(14.9) 2(2.7)* 1(1.4) 43(58.1) 調整済み 残差 -0.1 1.5 1.5 -0.3 -2 -1.8 1 n(%) 2(2.7) 2(2.7) 7(9.5) 5(6.8) 6(8.1)* 1(1.4) 23(31.1) 調整済み 残差 -0.2 -0.8 -0.2 -0.7 2.8 -0.6 2 n(%) 0 0 0 3(4.1)* 0 1(1.4) 4(5.4) 調整済み 残差 -0.7 -0.8 -1.4 2.2 -0.7 1.5 3 n(%) 1(1.4) 0 0 1(1.4) 0 2(2.7)* 4(5.4) 調整済み 残差 1.1 -0.8 -1.4 -0.1 -0.7 3.5 合計 n(%) 7(9.5) 10(13.5) 24(32.4) 20(27.0) 8(10.8) 5(6.8) 74(100) *p<0.005
  9. 9. 図1 困難への対応行動の単語頻度解析 実習指導者 コミュニケーション 調整 報告
  10. 10. 図2 困難高群の対応行動の特徴語抽出解析
  11. 11. 図3 困難への対応行動のことばネットワーク解析
  12. 12. 考察 • 困難に対し、新人教員なりに困難を解決しようと努 力していることが考えられる。 • しかし、新人教員の個別対応では限界があることが 示唆された。 • 上司のサポートや、教員同士のチームワークの形 成など、組織的な介入が求められる。 • 環境の整備やFDや研修会へ参加できる体制づくり が必要である。 他の教員が新人教員の困難と 対応行動を理解・協力することが 新人教員の困難の軽減や解決に必要である。
  13. 13. まとめ • 困難に対する行動は選択項目では「上司・ 同僚に相談する」が最多であった。 • 自由記述においても「上司」「相談」という 単語が上位を占めていた。 • 「上司・同僚に相談する」という対応行動 だけでは困難の解決までには至らなかった。 本研究にご協力頂きました看護系大学新人 教員の皆様に心より感謝を申し上げます。
  14. 14. 文献 • R208 亀田芙蓉・いとうたけひこ・河津芳子(2017) 実習指導場面における看護系大学の新人教員 が抱える困難感と対応行動ーテキストマイニン グ分析を中心にー 日本ヒューマンヘルス学会 誌, 2(1), 25-34. • G270 亀田芙蓉・いとうたけひこ・河津芳子 (2017, 8月) 実習指導場面における看護系大学の新人 教員が抱える困難感 日本看護学教育学会第 27回学術集会 那覇

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