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基調報告 SDGsとは何か?S-11研究の到達点とこれから

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環境研究総合推進費S-11・Beyond MDGs Japan一般公開シンポジウム 「2030年持続可能な発展目標:日本と世界の変革へ向けて」

基調報告
「SDGsとは何か?S-11研究の到達点とこれから」
慶應義塾大学教授/UNU-IASシニアリサーチフェロー/S-11プロジェクトリーダー 蟹江 憲史

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基調報告 SDGsとは何か?S-11研究の到達点とこれから

  1. 1. 環境研究総合推進費戦略課題(S-11)『持続可能な開発目標とガバナンスに関する総合的研究- 地球の限られ た資源と環境容量に基づくポスト2015年開発・成長目標の制定と実現へ向けて –』シンポジウム/国民との科 学・技術対話 持続可能な発展目標(SDGs)の今までとこれから -S-11の到達点と今後の課題- 2016年1月15日 国連大学ウ・タント国際会議場 1 慶應義塾大学大学院教授 国連大学サスティナビリティ高等研究所シニアリサーチフェロー S-11プロジェクトリーダー 蟹江憲史
  2. 2. POST2015(S-11)とは? 1. 【SDGs設定へ向けた提案】2015年以降の開発・成長目標(Post- 2015 Agenda)としてのSDGs及びその評価指標のオプション及 び実施シナリオを、科学的根拠に基づいて提示し、世界レベル、地 域レベル、日本をはじめとした国家レベル、さらにはローカルレベ ルやセクターレベルでのSDGs設定に貢献する。 2. 【21世紀型持続可能な開発の再定義】資源・環境制約のもとでの 21世紀型の持続可能な成長・開発のためのヴィジョンや方向性を 科学的根拠に基づいて提示する。 3. 【新たなコミュニティー創出】研究における環境(コミュニティー)と 開発(コミュニティー)の融合 4. 【国際発信】国際的研究ネットワークを確立し、その中心となる拠 点を構築する。 2
  3. 3. コア研究グループ (S-11研究分担者) 国際共同研究チーム 国内アドバイザリー ボード・専門委員等 (推進費) 国際アドバイザリー ボード 各テーマ毎アドバイザー (peer review、任意設置) ENBチーム タイミング・コンテンツ へのアドバイス ゲスト(例:ジェフ リーサックス、国 連ワーキンググ ループ共同議長 等) 協力研究プロジェクト IRF、Bhutan Project, WEF, ICSU etc. アジア開発銀行(ADB)、 JICA、S-6、S-10等との連携 政策担当者 環境省・外務省・国連等 外部連携
  4. 4. 4 持続可能な開発目標(SDGs)とは?
  5. 5. 17 目標 169 ターゲット 指標は2016年3月決定予定
  6. 6. SDGsとは? • 2012年のリオ+20(国連持続可能な開 発会議)により設定が合意された国際目標 • ポスト2015年開発アジェンダ(ミレニアム開発 目標後の国際目標)に統合 • 2013年~2014年 国連でのオープンな作 業部会(OWG)による国際交渉 • 2014年の国連総会でOWG提案採択(17 目標、169ターゲット) • 2015年 ポスト2015年開発目標交渉 • 2015年9月国連総会にて採択 6 • 『目標 – ターゲット – 指標』の 三重構造 • 進捗状況のモニタリングと評価を実 施(法的義務はなし) • 2030年を目指した目標 • グローバルな性質ですべての国に普 遍的に適用可能 • 様々な国別の状況、能力、開発レ ベルや政策及びその優先順位を考 慮
  7. 7. 1992年 環境と開発に関する国連会議(UNCED:地球サミット) ⇒「環境と開発に関するリオ宣言」「アジェンダ21」の採択 ⇒「気候変動枠組み条約(UNFCCC)」「生物多様性条約(CBD)」の採択 ⇒「地球環境ファシリティ(GEF)」「国連持続可能な開発委員会(UNCSD)」の創設 2002年 持続可能な開発に関する世界首脳会議 (WSSD:ヨハネスブルグ・サミット) ⇒「ヨハネスブルグ実施計画」の採択 1972年 国連人間環境会議 (ストックホルム会議) 1987年 『ブルントランド委員会報告書 (Brundtland Report) -Our Common Future-』 2012年 国連持続可能な開発会議 (UNCSD, Rio+20) 環境と開発に関連した国際動向 ミレニアム開発目標に関連した国際動向 1995年 世界社会開発サミット 2000年 国連ミレニアムサミット ⇒「ミレニアム宣言」の採択 ⇒「ミレニアム開発目標(MDGs)」の検討、採択(2001年) 2015年以降の「開発」アジェンダ/持続可能な開発目標(SDGs) 7 Transforming Our World The 2030 Agenda for Sustainable Development 国連の最重要課題として 「開発」が「持続可能な開発」へ ⇩ 「環境」と「開発」、そして「社会」 を真に統合
  8. 8. SDGsProcessPostMDGsProcessOthersプロセスの妙 1-2 Jul. (NY) The Role of Partnerships and their Contribution to the Post- 2015 Development Agenda 30 Jun.-3 Jul. (NY) HLPF Non-ministerial meeting 7-9 Jul. (NY) High-level aspect of the Forum 1 Sep. (NY) High-level Stock Taking Event on Post-2015 Agenda 1-12 Dec. (Peru) UNFCCC COP 20/CMP 10 2013 2014 2015 Sep. (NY) 70th UNGA Jul. UNSG’s Report 21-23 Sep. (TBC) UN Summit to adopt the post-2015 development agenda 24 Sep. (TBC) Approval by UNGA Intergovernmental Committee of Experts on Sustainable Development Financing UN SG High-Level Panel (Jul. 2012 - May 2013) Consultations by theme/country Sep. (NY) 68th UNGA Expert Group Meeting on Science and SDGs (Mar. 2013)Technical Support Team Expert Group 30 Nov. -11 Dec. (Paris) UNFCCC COP 21/CMP 11 14-18 Mar. (Sendai, Japan) 3rd World Conference on Disaster Risk Reduction 4-8 Nov. (Okayama, Japan) Stakeholder Meetings, World Conference on ESD 10-12 Nov. (Aichi, Japan) World Conference on ESD By June 2015 (TBC) Hearing with civil society and the private sector to provide input Global Sustainable Development Foundation Future Earth 16-29 Sep. (NY) 69th UNGA 4 Dec. UNSG’s Synthesis Report International Conference on Financing for Developments (27-29 Jan. / 13-17 Apr. / 13-16 Jul.) 26 Jun. – 8 Jul. High Level Political Forum • 19-21 Jan. Stocktaking • 17-20 Feb. Declaration • 23-27 Mar. SDGs and targets • 20-14 Apr. Framework for monitoring and review of implementation • 18-22 May Means of Implementation and Global Partnership for Sustainable Development • 22-25 Jun. / 20-24 Jul. / 27-31 Jul. Finalization of the outcome document • 25-27 Sep. United Nations Summit to adopt the post-2015 development agenda Post-2015 Intergovernmental Negotiations (Jan. – Jul. 2015) Integrating Post MDGs and SDGs processes Sustainable Development Solution Network Open Working Group on SDGs (Mar. 2013 – Jul. 2014) Independent Expert Advisory Group on the Data Revolution for Sustainable Development (IEAG) (Aug. – Nov. 2014) <Towards SDGs Indicator Adoption> (Informal) • Jul. 2015: 1st proposal of an indicator framework Complete a first proposal • Sep. 2015: Formal adoption of the post-2015 agenda • End of 2015: Deliver final update of the indicator framework • Feb 2016: official adoption United Nations Statistical Commission (UNSC) (Mar. 2015 – Mar. 2016)・・・・・・
  9. 9. SDGsを作り上げたプロセスの工夫 1. オープンな作業部会(OWG)の2/3はステーク ホルダーや研究者を招いた現状把握  科学と政策のインターフェイスが強化  実質ベースの議論が可能に ⇒ 結果として、通常の外交文書で使用されないような (科学的)言語が成果文書に 2. 「30の政府専門家」が70ヶ国によって共有 伝統的な交渉連合(coalition)がくずれ、実質的論議 可能に 3. 共同議長(ケニア国連大使とハンガリー国連大 使)の信頼に基づいたテキスト交渉  未決事項を括弧【】に入れるのではなく、全て議長 預かりでの文書決定 9
  10. 10. OWG-1: General discussion (including “achieving and building on the MDGs,” “balancing the three dimensions, linking priority areas,” “national application of global goals,” “guiding principles” and “means of implementation.”) OWG-2: Conceptualizing the SDGs Poverty eradication OWG-3: Food security and nutrition, sustainable agriculture, desertification, land degradation and drought Water and sanitation OWG-4: Employment and decent work for all, social protection, youth, education and culture Health, population dynamics 10 OWG-5: Sustained and inclusive economic growth, macroeconomic policy questions (including international trade, international financial system and external debt sustainability), infrastructure development and industrialization Energy OWG-6: Means of implementation (financing, science and technology, knowledge-sharing and capacity building) Global partnership for achieving sustainable development Needs of countries in special situations, African countries, LDCs, LLDCs, and SIDS as well as specific challenges facing the middle-income countries Human rights, the right to development, global governance OWG-7: Sustainable cities and human settlements, sustainable transport Sustainable consumption and production (including chemicals and waste) Climate change and disaster risk reduction OWG-8: Oceans and seas, forests, biodiversity Promoting equality, including social equity, gender equality and women’s empowerment Conflict prevention, post-conflict peacebuilding and the promotion of durable peace, rule of law and governance
  11. 11. ターゲット設定は国連で画一的にせず、国やステークホルダーでの設定の余地を残すべ きとのS-11研究成果が最終成果文書に反映 国連レベルのターゲットを直接国やステークホルダーに還元するモデル(アプローチ1)と、 入れ子状にターゲット設定をする(国連レベル→地域レベル→国レベル→地域レベルと (数値)目標を還元)モデル(アプローチ2)とを提示
  12. 12. 新たな研究手法への挑戦-超学際 transdisciplinarity 研究課題の設定、 アウトプットの創 出、実現プロセス で研究者と政策担 当者・ステークホ ルダーが協働 研究者、国連担当者、政 府代表、共同議長等で のワークショップ(NY) 議論内容の概念化、 学術的根拠に則った 提言策定・公表 成果文書 学術出版物
  13. 13. SDGsを作り上げたプロセスの工夫 1. オープンな作業部会(OWG)の2/3はステーク ホルダーや研究者を招いた現状把握  科学と政策のインターフェイスが強化  実質ベースの議論が可能に ⇒ 結果として、通常の外交文書で使用されないような (科学的)言語が成果文書に 2. 「30の政府専門家」が70ヶ国によって共有 伝統的な交渉連合(coalition)がくずれ、実質的論議 可能に 3. 共同議長(ケニア国連大使とハンガリー国連大 使)の信頼に基づいたテキスト交渉  未決事項を括弧【】に入れるのではなく、全て議長 預かりでの文書決定 13
  14. 14. SDGsの特徴 長所とされることの多い点 包摂性:「誰一人取り残されな い」 普遍性:先進国・途上国共に適 用 多様性:目標値は(世界全体の 達成目標を視野に入れた上で) 国レベルで設定可。指標は地 域・国レベルで補完される。 統合性:経済、社会及び環境の 3つの次元が統合へ。 行動性:具体的行動の実施へ。 批判の多い点 多すぎる目標(17 Goalsと169 Targets) 理解が容易ではない。 先進国における関心が低い。 法的拘束力がない。 14
  15. 15. MDGsの残された 課題の達成 地球システムの 限界からもたらさ れる課題 社会的な持続可能性 (衡平性、公平性等) SDGsの背景
  16. 16. 16 SDGsは経済・社会・環境の3側面の相互連関 を強く認識(インターリンケージ) 環 境 社 会 経 済 持続可能 な開発 将来の世代の欲求 を満たしつつ、現在 の世代の欲求も満 足させるような開発 20世紀型 持続可能な開発 (MDGs型) 21世紀型 持続可能な開発 現在及び将来の世代の人類の繁 栄が依存している地球の生命維 持システムを保護しつつ、現在の 世代の欲求を満足させるような開 発 David Griggs et al. ‘Sustainable Development Goals for People and Planet.’ Nature (Vol 495, 21 March 2013).
  17. 17. 具体的課題解決には多くのSDGsが相互連関 17 例:食品問題(食料ロス・食品廃棄物等)とSDGs
  18. 18. 0 20 40 60 80 100 1. Problem solving skills 2. Knowledge of global environmen… 3. Civic values and attitudes 4. ESD Policy & System5. Incorporation of ESD in… 6. Inclusion of ESD in teacher… 7. Tools and materials for ESD 8. Research on ESD 9. International cooperation… 「教育」 万人のための教育(Education for All: EFA)と 持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development: ESD)の連携の可能性 (1)EFAがESDに提供する新しい視点 ESDと「貧困や社会的疎外への対 処」・ 「ジェンダーエンパワメント」との シナジーの強化 (2)ESDがEFAに提供する新しい視点 ・教育の質や目的についての再認識 ・持続可能な開発に有効な知識・価値観・ 行動につながる多様な『リテラシーズ』 (”Literacies”)の習得 両者のシナジーによる問題解決領域(例) エネルギー・気候変動 災害リスク軽減 持続可能な生産と消費 平和と人間の安全保障 都市化、移住 HIV/エイズ、健康問題 生物多様性 異文化・多文化理解・寛容 イノベーション 等 (1)公平で良質な教育の開発・発展 (2)地球環境問題と貧困・社会的排除問題の同時的解決18 持続可能な開発のための教育 (ESD)のモニタリング指標の提案
  19. 19. 前提条件としての地球システムの維持 Planetary Boundaries -地球システムの境界 - Steffenら、2015, Scienceより作成 ⇒ 環境問題の「質」の変 化 身近な環境問題から これにプラスして地球変動 の課題へ Cf.「人類世 (anthropocene)」 (Crutzen 2002) 気候変動 成 層 圏 オ ゾ ン の 減 少 大気中 のエア ロゾル 負荷 海洋の酸性化 生物化学的循環 淡水利 用量 の増大 土 地 利 用 変 化 生物圏の変化 窒素負荷 リン負荷 遺伝的多様性 の減少 種・生態系 多様性の減少 新しい化学物質 の増加 限界を超えた危険な状態 限界を超えつつある状態 限界内で安全な状態 限界が不明
  20. 20. 20限りある資源をいかに分け合いながら共存するか?
  21. 21. 0 50 100 150 200 250 300 350 400 Iron Copper Gold Silver Zinc Bauxite Nickel Manganese Lead Chromium bil. $ Asia Non Asia 0 20 40 60 80 100 120 140 Iron Copper Gold Silver Zinc Bauxite Nickel Manganese Lead Chromium bil. $  鉱物の使用量制限による追加コスト 10年間で使用量を10%削減した場合の総コスト 10年間で使用量を20%削減した場合の総コスト • 使用量制限の必要追加コストは削減量に比例 しない • Non Asiaでの削減量を高く設定することが望 ましい 地球システムからの資源の使用制約の検討  生物資源利用のプラネタリーバウン ダリー(地球容量)への影響 • 今後の食料需要の増加は土地利用変化(森林地の 農地転換)の地球容量(400Mha)を越える -100 0 100 200 300 400 500 600 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060 2065 2070 2075 2080 2085 2090 2095 2100 追 加 的 な 農 地 面 積 必 要 量 SSP1 SSP2 SSP3 SSP4 SSP5 プラネタリーバウンダリー Mha  各課題を地球容量内に収めるシナリ オの検討(暫定試算) • 400Mhaの土地利用変化(森林地の農地転換)をも たらさないようにするには、肉食を約30%削減 ないしは食品廃棄物をほぼ0にする必要(暫定) • 400Mhaの農地転換を種の絶滅数が少ない地域に 配分すれば、ほ乳類の地球容量は満足 21
  22. 22. 資源・環境制約下での成長実現のための指標・目標 22 • アンケート調査 25年度は日本、26年度はタイとアメリ カ、27年度はインドネシアで実施 • 結果の一部(環境問題) 日本、アメリカ、タイ共に気候変動への 関心が高かった 廃棄物や水の汚染などローカルな環境問 題への関心も高いが、短期的に自らの生 活に影響がでない気候変動への関心がタ イでも高いという結果が出た • 考察 「2030 Agenda for Sustainable Development」のUniversalなゴール をRegional及びLocalな状況に応じた ターゲットに落とし込んでいく必要  エネルギーシステムと銅需要 • かなり極端にリサイクルが進まない限り 2060-70頃には不足する • リサイクルで補うなら現在30%程度のリサ イクル率を2100年までに90%までに • 利用技術の資源効率で改善するなら2.5倍に  主観的幸福度など関連指標に沿っ た指標・目標の提示
  23. 23. 最先端研究を伝えていくための取組み
  24. 24. 目標設定に起因するガバナンス – 新たなガバナンス戦略へ SDGs実施へ向けたガバナンスは 従来の環境ガバナンスを補完・強化する可能性 24 多国間環境条約 (MEAs:例-気候変動枠組条約) ⇒ ルールに基づくメカニズム SDGs: 目標から始めて野心レベルの提示(aspiration) 実施メカニズムは なし モニタリングと評価のみがメカニズム 近年は困難に直面 (例えばコペン ハーゲンCOP15) できることをプレッジする積み上げ式傾向で 十分なアクションがとれず • 野心レベルを向上 • 統合的アプローチ推進 • 条約に含まれない課題をハイ ライト(ex. SCP) Kanie and Biermann eds. Governance through GoalsをMIT Pressより出版予定
  25. 25. SDGs実施のためのマルチレベルガバナンスの検討 • MDGsやアジェンダ21実施のための国別持続可能な 発展戦略(NSDS)の実施を分析。 【結果】 • 政府の効率とMDGs達成度に相関性あり。政府の効率 性向上が実施につながる。 • 4つの要素(リーダーシップとビジョン、組織間調整 、ステークホルダーの参加、進捗レビュー)が特に 重要。アジア諸国では進捗レビューが欠如。欧州で もステークホルダーの参加は未だ形式的。 • 先進国、新興国、途上国のプライオリティ、役割も 異なる。途上国は基本的なニーズへのアクセス(食 料、水、教育、保健など)、新興国は効率性の向上 (インフラ、エネルギー等)、先進国ではライフス タイルの変革(SCP、MOI等)のターゲットの達成が 特に重要。 • 普遍的な目標も各主体や地域のニーズ、プライオリ ティを考慮して整理、各自の目標に落とし込むこと が必要。 • Top-Downで政府が主導していくには限界がある。 ビジネス、学界、市民など全てのステークホルダー が比較優位を活かして有機的に参画するべき。デー タ整備と公開、官民を超えたパートナーシップ、 Coalitions of Willingが重要。Blended Finance( SE4ALL, Power Africa, SDIP, GFF等)のモデルが出 来つつある。包摂性、自主性が鍵。垂直、水平展開 していくことが重要。
  26. 26. 【民間によるファイナンス】 持続可能な開発は民間の通常の活動に組み込まれる以上、民間活動の環境側面の向上を一体的に支えられるファイナ ンスが必要。そこで、実際の資金使用の現場での問題点を把握。  既存のビジネスでのリスクに比べ、環境側面を大事にした場合のリスクが大きい。例えば、化石燃料価格やFIT 価格の将来見通しが不明で、キャッシュフローの予測が困難。  初期投資が大きく、ペイバックが長いため、投資としては機会費用が大きい。  特に森林管理のようなものは短期の収益になじまない。  結果的に民間ビジネスが可能な環境分野には偏りが生じる。  客筋の支持が弱い。需要が不明。特に途上国では環境の付加価値が認められていない。  環境・エネルギー分野では、政府の政策方針の変更にともなうリスクが大きい。  MRVに係る国際ルールが煩雑で対応コストが掛かる。  環境案件でない通常案件でも十分に儲かる。  環境への取組みについての情報開示は強制規定でなく、率先的な開示は競争上不利。 【国際的な公的ファイナンス】 既存の革新的メカニズムの効果の検証。適応基金が採用している直接アクセスモダリティを一例として取り上げた。  適応基金からの資金支援を途上国の国内機関が多国間機関を経由せずに受け取って事業を実施した結果;  受取国の実施機関ないし執行機関のどちらかの当事者意識は向上  受取国の専門家・専門的知見を学習した政府職員を活用し,適応の最良事例を広範に普及させる  しかし必ずしも脆弱地域の人々の開発ニーズを組み込みボトムアップ型で事業を実施したわけではない SDGs実施のための効果的な資金メカニズムの検討 資金配分・管理 事業実施・管理 事業執行 国際領域 受取国国内 多国間基金 多国間機関 外国企業・団体 国内機関 受取国政府・団体 直接アクセス方 式による変化
  27. 27. 27 0-5歳児の肥満人口の推移(単位100万人) 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 開発 途上国 20.7 22.4 25.0 28.9 34.7 42.0 49.9 先進国 6.2 6.3 6.4 7.1 8.1 8.8 9.5 2.4倍 1.5倍 DE ONIS, M., BLOSSNER, M. & BORGHI, E. 2010. Global prevalence and trends of overweight and obesity among preschool children. Am J Clin Nutr, 92, 1257-64 二重の障壁 (double burden)の問題 途上国での人口増加 先進国での高齢化 饑餓の問題 肥満の問題 同時解決のた めには国際・ 国内で配分 の問題を扱う ことが不可欠 (経済成長の みでは二重の 障壁の同時解 決は不可能と の試算結果) SDGs達成には国際・国内での 配分(格差)の問題を考えることが必要
  28. 28. 今後の課題 1. 制度構築  実施へ向けた「司令塔」設立:既存の枠組で対応出来ない横断的課 題(災害対応、食料廃棄物、雇用や地方創生等)への対応【政治的 権威が必要】  国内政策としての課題と国際政策としての課題 2. ベストプラクティス(政策・産業)の国際的推進  日本:ベストプラクティスの国際普及による日本の成長と、国際的 評価向上による日本の地位向上 3. 2030目標の普及推進  特に、SDGsは経済成長戦略であるという認識醸成  地方創生のような既存政策の強化にも有用 4. 政府 - 企業 - NGO等のパートナーシップ促進  多様な政策レベルでの包括的実施が重要
  29. 29. 食料生産における環境負荷の低減 農産品の持続可能性情報へのアクセ ス 食料の安定供給と地方再生の実現 気候変動への適応と種子・遺伝子の 保全 健康長寿命社会の実現 こころの健康の維持と薬物乱用の防 止・治療の促進 感染症の発生・まん延の防止 公平で質の高い医療・介護・福祉 サービスの確保 質の高い教育・訓練への公正なアク セスの推進 持続可能な開発のための教育(ESD) の推進 教育および社会におけるインクルー ジョンの推進 地球規模課題解決のための高等教育・研 究分野の国際競争力の強化と国際協力の 推進 公平で質の高い医療・介護・福祉 サービスの確保 経済的・社会的格差に起因する出産 障壁の撤廃 処方箋 2.1 処方箋 2.2 処方箋 2.3 処方箋 2.4 食料 処方箋 3.1 処方箋 3.2 健康 処方箋 3.3 処方箋 3.4 処方箋 4.1 処方箋 4.2 処方箋 4.3 処方箋 4.4 教育 処方箋 1.1 処方箋 1.2 貧困と 格差社会 国連のSDGsとの関連目標 SDGs達成に向けた日本への処方箋
  30. 30. 効率的なエネルギー利用 再生可能エネルギーの普及拡大 エネルギーリテラシーの向上と、エ ネルギー自治 資源生産性の向上 あらゆる水リスクへの備えと対応 健全な水循環の維持・確保・拡大と 水質の改善 水リテラシーの向上 世界の水問題解決への貢献 男女間の就労機会や賃金格差の解消 女性リーダーの活躍の拡大 男女間の暴力の撤廃と人権の尊重 生物多様性の保全 SDGs達成に向けた制度を構築する SDGs達成に向けて資金を動員する 処方箋 7.1 処方箋 7.2 処方箋 7.3 資源・ エネル ギー 処方箋 7.4 処方箋 6.1 処方箋 6.2 処方箋 6.3 処方箋 6.4 水 処方箋 5.1 処方箋 5.2 処方箋 5.3 ジェン ダー 処方箋 8.1生物多様性 処方箋 9.1 処方箋 9.2 ガバナン ス 国連のSDGsとの関連目標 SDGs達成に向けた日本への処方箋
  31. 31. 31 成果本出版 ミネルヴァ書房(予定) ジャーナル特集号 (電子版含) ホームページを ご覧ください! http://www.post2015.jp/ http://sd.iisd.org/post2015-update/ http://sdg.earthsystemgovernance.org/ 国際共同・協働・連携 最終成果公表 国連経済社会局 専門家会合への参加 政策への貢献 国内政策過程への 貢献

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