Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.
1 / 36
稲作形態および乳製品の比較と科学的考察
2017.12.09 吉田 悟
(20171210 に、参考資料付加、一部写真などを除去し、公開しました )
2 / 36
アジェンダ
●
1.日本とキルギスでの赤米の存在感の違い
●
2.赤米・黒米の色素と作用
●
3.米料理・稲作との関わり
●
4.日本の乳製品
●
5.キルギスの乳製品
3 / 36
●
日本とキルギスでの赤米の存在感の
違い
●
赤米 110-160 som/kg
– 約 175-260 円 /kg
●
白米 60-70 som /kg
– 約 100-110 円 /kg
日本では、白米主体、赤米は
細々と販売
4 / 36
●
日本での赤米の歴史
●
もともとの野生種は赤茶色。白米は、突然変異により赤茶色の
色素が作れなくなった品種。赤米よりも味がよく、収穫量が多目
なため、好まれてきた。
●
明治政府により白米推進。赤米など色のついた米は、山間部
...
5 / 36
●
日本での赤米の歴史
●
赤米、黒米が「健康によい」という価値をもつようになってきた。
=>いわゆる「古代米」。
●
しかし皮肉なことに、実は今でも野生種は「雑草」としてはえてく
ることあり。
●
赤米、黒米を栽培する場合は、花...
6 / 36
●
赤米・黒米の色素と作用
種類 主な色素の種類 動物や微生物による忌避
(食べられにくい)
抗酸化性
白米 低い 低い
赤米 カテコール・タンニン
(赤茶色)
高い 中間
黒米 アントシアニン類
(紫~黒色)
低い~やや低い 高...
7 / 36
●
実は両方ともポリフェノールの一種です
色素の種類 なりたち
カテコール・タンニン
(左下)
下中央のカテキン類(無色)が重合したもの
アントシアニン類
(右下)
シアニジンなどの色素+ブドウ糖
カテキン類とアントシアニン
類の...
8 / 36
●
参考資料(ポリフェノール)
●
フェノール:一番左上。ベンゼン環に水酸基 (-OH) がついたもの
●
ポリフェノール:ベンゼン環+水酸基の組み合わせを複数持つ化合物の総
称。約 7000 種以上あります。前ページのカテキン類...
9 / 36
●
参考資料(タンニン)
●
ポリフェノールのうち、たんぱく質、金属などと結合して沈殿しやすい化合物の総称。
加水分解できるかどうかにより、縮合型と加水分解型の2種類に分けられます。
●
縮合型:既出。別名 カテコール・タンニン。...
10 / 36
●
米料理との関わり
●
タンニンのデメリット
– たんぱく質を凝固させてしまうため、えぐみ、渋みの原因にな
り、たんぱく質の消化も妨げます。
– 鉄分などのミネラルなどを捕まえて離さなくなってしまい、小腸
での吸収を妨げます。...
11 / 36
●
米料理との関わり
●
日本の炊飯(全農パールライス株式会社 Web サイトより)
– 米をとぐ=>しばらく吸水させる=>
– 強火=>弱火=>一瞬強火=>蒸らし
●
キルギスの例 ( 日刊・キルギス食生活 中央アジアへようこ...
12 / 36
●
米料理との関わり
●
日本では赤米は味がよくない、と避けられてきた
– 米をといだあとに残ったヌカのなかのタンニンが加熱中に溶け
出して全体に広がってしまうため。
●
キルギスではプロフを赤米で作るほうがおいしいといわれる
...
13 / 36
●
稲作との関わり
●
日本:移植法  苗床を作って苗を育ててから植える
●
キルギス:直播法  田に直接種をばらまく
●
白米は、低温のストレスに弱く、最初は過保護にして育てる必
要あり。ほかの植物にも負けやすい。
●
赤米、...
14 / 36
●
日本の乳業(国内の生乳から)
乳製品の例 2016 年度
生乳換算
一人当たり
牛乳 398 万 t
30.4ℓ ( 比重 1.03kg/ℓ
として )
生クリームなど 126 万 t
772g (45% クリームとして、
...
15 / 36
●
日本の乳業(海外から)
乳製品の例 2016 年度
生乳換算
一人当たり
チーズ 322 万 t 2.8kg ( チェダーチーズ換算 )
アイスクリームなど 63 万 t -
脱脂粉乳 48 万 t 583g
その他 21 ...
16 / 36
●
キルギスの乳業
●
すべての乳製品の原料になる、生乳の生産量は日本( 735 万 t, 2016 年度)の
約5分の1。
– 一人当たりの生産量( 226ℓ )は、日本( 56ℓ )の約 4 倍
●
人口( 602 万 , ...
17 / 36
●
キルギスの乳業
約 4 分の3がバターおよびチーズに
加工される。飲用は 1 割強
日本は 5 割強が飲用、 2 割弱がク
リーム、チーズ向けは6%
18 / 36
●
キルギスの乳業
●
輸入は、ロシアおよびカザフスタンから、 輸出はカザフスタンへ、が多い
●
生乳輸出量は、多いように見えるが一人当たり約 1.7kg
19 / 36
●
首都 ビシュケクのスーパー
20 / 36
●
キルギスの乳製品
21 / 36
●
キルギスの乳製品
22 / 36
●
キルギスの乳製品
23 / 36
●
キルギスの乳製品
24 / 36
●
固まり方
乳製品の例 方法
ヨーグルト、
カッテージチーズ
酸(酢、レモン)などを加える
チーズ 凝乳酵素を加える
バター クリームを振動させる
25 / 36
●
牛乳の成分 (100g 中 )
成分 筆者注
水分 87.4g
炭水化物  4.8g 主に乳糖。ヨーグルトなどの製造中に乳酸菌により
酸味のもとになります
脂質  3.8g 生クリームおよびバターのもとになります
たんぱく質...
26 / 36
●
脂質やたんぱく質は、小さな粒として分散しています
「ミルクは何故白いのか? ~その白さの奥に広がる神秘の世界~」雪印メ
グミルク株式会社 ミルクサイエンス研究所農学博士 堂迫俊一 より
27 / 36
●
カゼイン・ミセルの構造
●
カゼインがいくらか集まったものに、リン酸カルシウムが付着し (a) 、さらにそれらが集まっ
てミセル (b) になっています。
●
ミセルの表面には、何種類かのカゼインの中でも、水とお友達になりや...
28 / 36
●
固まり方
乳製品の例 原理
ヨーグルト、
カッテージチーズ
牛乳の中では、カゼイン・ミセルの表面は電荷を帯びてい
ます。そのため、カゼイン・ミセルは互いに反発してくっつくこ
とができません。
酸を加えると、電荷が打ち消されて...
29 / 36
●
参考資料(カゼイン・ミセル表面の電荷)
● 牛乳中では、カゼイン・ミセル表面のリン酸基 (-PO3
) はマイナスの電荷を
帯びています。酸を加えると、電荷が打ち消され、カゼイン・ミセル同士がさら
に集合して沈殿を起こすよう...
30 / 36
●
固まり方
乳製品の例 原理
バター クリームの中では、空気の泡に囲まれた水分の中に眼には
見えない脂肪の細かい粒が分散しています。
振動により脂肪の粒の膜が破れてくっつきあい、やがて眼
に見えるような大きさの脂肪の固まりにな...
31 / 36
●
参考資料(にがりで牛乳固まる?)
●
豆乳の場合、にがり(おもに塩化マグネシウム)を加えると、隣り合ったたんぱく質の表面に
顔を出しているカルボン酸基 ( -COOH ) を2価陽イオンのマグネシウムイオンが橋渡しでき
ます...
32 / 36
●
ご清聴ありがとうございました
33 / 36
●
アジェンダ1~3の参考書籍、文献
●
おいしい穀物の科学 ( ブルーバックス ) 井上 直人著 ( 講談社
刊 )
●
資源天然物化学 秋久 俊博、小池 一男ほか著他(共立出版刊)
●
健康と栄養のための有機化学 山本 勇著...
34 / 36
●
アジェンダ1~3の参考 Web サイト
●
株式会社素材機能研究所
– http://sozai-kinou.co.jp/cyanidin/
●
お米の炊き方・保管方法 ( 全農パールライス株式会社 )
– https://...
35 / 36
●
アジェンダ4~5の参考書籍、文献
●
チーズの科学 ( ブルーバックス ) 齋藤 忠夫著 ( 講談社刊 )
●
日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)
●
牛乳凝固の化学 : とくにレンニンによる凝固機構を中心として 山...
36 / 36
●
アジェンダ4~5の参考 Web サイト
●
一般社団法人 J ミルク
– http://www.j-milk.jp/index.html
●
一般社団法人 日本乳業協会
– http://www.nyukyou.jp/ind...
Upcoming SlideShare
Loading in …5
×

Comparison rice and milk products between Japan and Kyrgyz 日本とキルギスの稲作形態および乳製品の比較と科学的考察

210 views

Published on

日本とキルギスとの間で、米料理、稲作、乳製品を比較しました。 赤米の色素のタンニンやポリフェノールについて説明したり、チーズ、バター、ヨーグルトが固まる仕組みを解説します I compare rice dishes, rice farming, and dairy products between Japan and Kyrgyz. and explain tannins and polyphenols in red rice, how cheese, butter and yogurt harden.

Published in: Food
  • Be the first to comment

  • Be the first to like this

Comparison rice and milk products between Japan and Kyrgyz 日本とキルギスの稲作形態および乳製品の比較と科学的考察

  1. 1. 1 / 36 稲作形態および乳製品の比較と科学的考察 2017.12.09 吉田 悟 (20171210 に、参考資料付加、一部写真などを除去し、公開しました )
  2. 2. 2 / 36 アジェンダ ● 1.日本とキルギスでの赤米の存在感の違い ● 2.赤米・黒米の色素と作用 ● 3.米料理・稲作との関わり ● 4.日本の乳製品 ● 5.キルギスの乳製品
  3. 3. 3 / 36 ● 日本とキルギスでの赤米の存在感の 違い ● 赤米 110-160 som/kg – 約 175-260 円 /kg ● 白米 60-70 som /kg – 約 100-110 円 /kg 日本では、白米主体、赤米は 細々と販売
  4. 4. 4 / 36 ● 日本での赤米の歴史 ● もともとの野生種は赤茶色。白米は、突然変異により赤茶色の 色素が作れなくなった品種。赤米よりも味がよく、収穫量が多目 なため、好まれてきた。 ● 明治政府により白米推進。赤米など色のついた米は、山間部 の農家だけがかろうじて栽培するように縮小した – 冷害、低い水温、旱魃(かんばつ)などに強いため、明治 時代にはいるまでは、地域によっては3割~5割が赤米
  5. 5. 5 / 36 ● 日本での赤米の歴史 ● 赤米、黒米が「健康によい」という価値をもつようになってきた。 =>いわゆる「古代米」。 ● しかし皮肉なことに、実は今でも野生種は「雑草」としてはえてく ることあり。 ● 赤米、黒米を栽培する場合は、花粉が飛んでいかないようにす るため、白米の水田から遠ざける必要あり。
  6. 6. 6 / 36 ● 赤米・黒米の色素と作用 種類 主な色素の種類 動物や微生物による忌避 (食べられにくい) 抗酸化性 白米 低い 低い 赤米 カテコール・タンニン (赤茶色) 高い 中間 黒米 アントシアニン類 (紫~黒色) 低い~やや低い 高い ● 色素は主に玄米の外皮や胚乳(米ヌカ)部分に含まれます。精米す ると、違いがわかりにくくなります。 ● カテコール・タンニンは、渋柿などにも含まれます。アントシアニン類は、さ まざまな花の色や、ブドウ、ベリーなどの色のもとにもなります。
  7. 7. 7 / 36 ● 実は両方ともポリフェノールの一種です 色素の種類 なりたち カテコール・タンニン (左下) 下中央のカテキン類(無色)が重合したもの アントシアニン類 (右下) シアニジンなどの色素+ブドウ糖 カテキン類とアントシアニン 類の違いはこの部分
  8. 8. 8 / 36 ● 参考資料(ポリフェノール) ● フェノール:一番左上。ベンゼン環に水酸基 (-OH) がついたもの ● ポリフェノール:ベンゼン環+水酸基の組み合わせを複数持つ化合物の総 称。約 7000 種以上あります。前ページのカテキン類とアントシアニン類は、 ポリフェノールの中でも特にフラボノイドと言うグループに属しています。 – 上中央は、ポリフェノールに含まれる構造の1つの例。この場合の構造 を特にカテコール基と呼びます。カテコール基は、活性酸素に水素原子 (H) を与えて水などへ変化させ(還元作用)、自分自身は一番右の 構造(オルト・ジ・ケトン基)に変化します。
  9. 9. 9 / 36 ● 参考資料(タンニン) ● ポリフェノールのうち、たんぱく質、金属などと結合して沈殿しやすい化合物の総称。 加水分解できるかどうかにより、縮合型と加水分解型の2種類に分けられます。 ● 縮合型:既出。別名 カテコール・タンニン。加水分解することはできない。 ● 加水分解型:ポリフェノール・カルボン酸(没食子酸など)と多価アルコール(水 酸基 (-OH) を複数持つ化合物)が結合したもの。1つの例として、下中央の没 食子酸と左下のエピガロカテキンが結合したエピガロカテキンガレート(右下)は加 水分解型タンニンです。お茶に含まれる強力な抗酸化成分としても知られます。  没食子酸とエピガロカテキンに分解することができます。
  10. 10. 10 / 36 ● 米料理との関わり ● タンニンのデメリット – たんぱく質を凝固させてしまうため、えぐみ、渋みの原因にな り、たんぱく質の消化も妨げます。 – 鉄分などのミネラルなどを捕まえて離さなくなってしまい、小腸 での吸収を妨げます。 ● メリット – 活性酸素とすぐに反応して除去 – コレステロールを原料にして作られる胆汁酸も捕まえて離さな くなり、排泄を助けます
  11. 11. 11 / 36 ● 米料理との関わり ● 日本の炊飯(全農パールライス株式会社 Web サイトより) – 米をとぐ=>しばらく吸水させる=> – 強火=>弱火=>一瞬強火=>蒸らし ● キルギスの例 ( 日刊・キルギス食生活 中央アジアへようこそ!より ) – 米をとぐ=>吸水させておく – 鍋で油を熱する(米 1.5kg にたいし1カップ以上)=> – 肉を炒める=>骨を1本=>たまねぎ、人参を炒める=> – 吸水させておいた米を投入=>トマト投入=>弱火
  12. 12. 12 / 36 ● 米料理との関わり ● 日本では赤米は味がよくない、と避けられてきた – 米をといだあとに残ったヌカのなかのタンニンが加熱中に溶け 出して全体に広がってしまうため。 ● キルギスではプロフを赤米で作るほうがおいしいといわれる – タンニンは、肉、骨、野菜から出たたんぱく質やミネラルなどの 一部とくっつき、水に溶けなくなります=>舌でもタンニン由来 の苦味を感じなくなる – 「おいしい」という理由についてはさらなる解明が必要
  13. 13. 13 / 36 ● 稲作との関わり ● 日本:移植法  苗床を作って苗を育ててから植える ● キルギス:直播法  田に直接種をばらまく ● 白米は、低温のストレスに弱く、最初は過保護にして育てる必 要あり。ほかの植物にも負けやすい。 ● 赤米、黒米は、各種ストレス時に発生する活性酸素を除去す る能力が高い。 – 日本の農家の古くからの言い伝え 「赤米は、冷水が注ぐ水 口に植えても冷害に強く、旱魃にも強い」
  14. 14. 14 / 36 ● 日本の乳業(国内の生乳から) 乳製品の例 2016 年度 生乳換算 一人当たり 牛乳 398 万 t 30.4ℓ ( 比重 1.03kg/ℓ として ) 生クリームなど 126 万 t 772g (45% クリームとして、 バターの場合はさらに約半分 ) チーズ 42 万 t 367g ( チェダーチーズ換算 ) その他各種の加工 原料として 155 万 t ヨーグルト、アイスクリーム、乳酸 菌飲料、練乳、粉乳、など
  15. 15. 15 / 36 ● 日本の乳業(海外から) 乳製品の例 2016 年度 生乳換算 一人当たり チーズ 322 万 t 2.8kg ( チェダーチーズ換算 ) アイスクリームなど 63 万 t - 脱脂粉乳 48 万 t 583g その他 21 万 t -
  16. 16. 16 / 36 ● キルギスの乳業 ● すべての乳製品の原料になる、生乳の生産量は日本( 735 万 t, 2016 年度)の 約5分の1。 – 一人当たりの生産量( 226ℓ )は、日本( 56ℓ )の約 4 倍 ● 人口( 602 万 , 2016 年)は日本( 1.27 億 , 2016 年)の約 20 分の 1 。 千葉県よりもやや人口が少なく、兵庫県や北海道よりも多い。
  17. 17. 17 / 36 ● キルギスの乳業 約 4 分の3がバターおよびチーズに 加工される。飲用は 1 割強 日本は 5 割強が飲用、 2 割弱がク リーム、チーズ向けは6%
  18. 18. 18 / 36 ● キルギスの乳業 ● 輸入は、ロシアおよびカザフスタンから、 輸出はカザフスタンへ、が多い ● 生乳輸出量は、多いように見えるが一人当たり約 1.7kg
  19. 19. 19 / 36 ● 首都 ビシュケクのスーパー
  20. 20. 20 / 36 ● キルギスの乳製品
  21. 21. 21 / 36 ● キルギスの乳製品
  22. 22. 22 / 36 ● キルギスの乳製品
  23. 23. 23 / 36 ● キルギスの乳製品
  24. 24. 24 / 36 ● 固まり方 乳製品の例 方法 ヨーグルト、 カッテージチーズ 酸(酢、レモン)などを加える チーズ 凝乳酵素を加える バター クリームを振動させる
  25. 25. 25 / 36 ● 牛乳の成分 (100g 中 ) 成分 筆者注 水分 87.4g 炭水化物  4.8g 主に乳糖。ヨーグルトなどの製造中に乳酸菌により 酸味のもとになります 脂質  3.8g 生クリームおよびバターのもとになります たんぱく質  3.3g 主にカゼイン。ヨーグルトやチーズが固まるために必要 です 灰分  0.7g カリウム、カルシウム、リン、ナトリウムなど 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  26. 26. 26 / 36 ● 脂質やたんぱく質は、小さな粒として分散しています 「ミルクは何故白いのか? ~その白さの奥に広がる神秘の世界~」雪印メ グミルク株式会社 ミルクサイエンス研究所農学博士 堂迫俊一 より
  27. 27. 27 / 36 ● カゼイン・ミセルの構造 ● カゼインがいくらか集まったものに、リン酸カルシウムが付着し (a) 、さらにそれらが集まっ てミセル (b) になっています。 ● ミセルの表面には、何種類かのカゼインの中でも、水とお友達になりやすい κ カゼイン が顔を出しています。
  28. 28. 28 / 36 ● 固まり方 乳製品の例 原理 ヨーグルト、 カッテージチーズ 牛乳の中では、カゼイン・ミセルの表面は電荷を帯びてい ます。そのため、カゼイン・ミセルは互いに反発してくっつくこ とができません。 酸を加えると、電荷が打ち消されて、カゼイン・ミセルが互 いにくっつくことができるようになります。 チーズ kカゼインの中に、水とお友達になりやすい性質を決めて いる部分があります。 その部分をレンネットやキモシンなどの酵素で切り取ると、カ ゼイン・ミセルは水に溶けていることができなくなって、互いに くっつきあうようになります。
  29. 29. 29 / 36 ● 参考資料(カゼイン・ミセル表面の電荷) ● 牛乳中では、カゼイン・ミセル表面のリン酸基 (-PO3 ) はマイナスの電荷を 帯びています。酸を加えると、電荷が打ち消され、カゼイン・ミセル同士がさら に集合して沈殿を起こすようになります。 (pH4.6 でもっとも沈殿しやすくな ります ) 酢酸
  30. 30. 30 / 36 ● 固まり方 乳製品の例 原理 バター クリームの中では、空気の泡に囲まれた水分の中に眼には 見えない脂肪の細かい粒が分散しています。 振動により脂肪の粒の膜が破れてくっつきあい、やがて眼 に見えるような大きさの脂肪の固まりになります。このとき、 粒の中に含まれていたカロチンも外に出てきて色がつく原 因になります。 この固まりをさらに機械で練ることにより、市販されているよ うなバターの固まりになります。
  31. 31. 31 / 36 ● 参考資料(にがりで牛乳固まる?) ● 豆乳の場合、にがり(おもに塩化マグネシウム)を加えると、隣り合ったたんぱく質の表面に 顔を出しているカルボン酸基 ( -COOH ) を2価陽イオンのマグネシウムイオンが橋渡しでき ます。代わりに塩化カルシウムを使っても、2価陽イオンのカルシウムイオンで橋渡しできます。 ● 牛乳では、カゼイン同士はリン酸基の間をカルシウムイオンで橋渡しされて、すでに集合化し たミセルになっています。そのため、にがりを追加してもマグネシウムイオンが入り込む余地がほ とんどありません。
  32. 32. 32 / 36 ● ご清聴ありがとうございました
  33. 33. 33 / 36 ● アジェンダ1~3の参考書籍、文献 ● おいしい穀物の科学 ( ブルーバックス ) 井上 直人著 ( 講談社 刊 ) ● 資源天然物化学 秋久 俊博、小池 一男ほか著他(共立出版刊) ● 健康と栄養のための有機化学 山本 勇著  ( 建帛社刊 ) ● 「古代米」から稲の世界へ 県立広島大学生命環境学部 猪谷 富雄 (日本醸造協会誌 第 107 巻 10 号、 2012 年 10 月) ● プロアントシアニジン類の化学合成と生理活性 富山県立大・生 物工学研究センター 中島範行 (フォーラム富山「創薬」平成 17 年度総会・第 16 回研究会、 2005 年 5 月)
  34. 34. 34 / 36 ● アジェンダ1~3の参考 Web サイト ● 株式会社素材機能研究所 – http://sozai-kinou.co.jp/cyanidin/ ● お米の炊き方・保管方法 ( 全農パールライス株式会社 ) – https://www.zpr.co.jp/fun/iroha/index.html ● 家庭のプロフの作り方 ( 日刊・キルギス食生活 中央アジアへよう こそ! ) – https://ameblo.jp/1aysn/entry-11773764338.html
  35. 35. 35 / 36 ● アジェンダ4~5の参考書籍、文献 ● チーズの科学 ( ブルーバックス ) 齋藤 忠夫著 ( 講談社刊 ) ● 日本食品標準成分表 2015 年版(七訂) ● 牛乳凝固の化学 : とくにレンニンによる凝固機構を中心として 山内 邦男 東京大学農学部農芸化学科 ( 化学と生物 第 3 巻 9 号 1965 年 ) ● 分子集合としての乳蛋白質力ゼイン 小野 伴忠 岩手大学農学部農芸 化学科  ( 蛋白質 核酸 酵素 第 34 巻 11 号 1989 年 ) ● キルギス国 乳・乳製品の品質及び安全性検査 マスタープランプロジェクト ファイナルレポート 独立行政法人 国際協力機構 , 海外貨物検査株式 会社 , 一般社団法人北海道総合研究調査会 (2016 年 8 月 )
  36. 36. 36 / 36 ● アジェンダ4~5の参考 Web サイト ● 一般社団法人 J ミルク – http://www.j-milk.jp/index.html ● 一般社団法人 日本乳業協会 – http://www.nyukyou.jp/index.html ● ビシュケクのスーパーの乳製品売場 ( 日刊・キルギス食生活 中央アジアへようこそ! ) – https://ameblo.jp/1aysn/entry-11604576160.html

×