(乞御批判)初期ヨウ素被ばく検証の一つの試み

7,883 views

Published on

宮内 丈氏のブログで公開された貴重な記録「2011年3月原発事故発生:日記、周辺線量、被ばく値」をもとに,特にヨウ素被ばくに的を絞って
① 行動記録
② ヨウ素131のWBC実測
③ SPEEDIシミュレーション
を突き合わせてみた

  • Be the first to comment

(乞御批判)初期ヨウ素被ばく検証の一つの試み

  1. 1. (乞御批判) 初期ヨウ素被ばく検証の一つの試み 2012.12.30 早野龍五宮内 丈氏のブログで公開された貴重な記録「2011年3月原発事故発生:日記、周辺線量、被ばく値」をもとに,特にヨウ素被ばくに的を絞って① 行動記録 ← 行動記録とWBC実測が揃っているデータは非常に貴重② ヨウ素131のWBC実測 (この他にも長崎大学等にも若干存在.公開が待たれる.)③ SPEEDIシミュレーションを突き合わせてみた結論1. 原子力安全・保安院が公開したSPEEDIの計算結果は,WBC実測を再現しない2. 他の計算(例えば国立環境研究所 NIES)ではWBC実測を再現できるものもある(しか し1例のみの比較なので,これでNIESの計算がOKという証拠にはならない)3. 津島地区のヨウ素について,NIESシミュレーションと床次論文との比較も試みた. 完 全には一致しないが,桁は合う(シミュレーションとしては非常に良く合っていると言うべきか).Blog URLは http://app.m-cocolog.jp/t/typecast675796/566631/74686083
  2. 2. ① 行動記録行動記録は 2011/3/15, 16, 17, 18, 19, 20の分が公開されているが,大気中ヨウ素濃度が高かったと考えられるのは3/15の夜であるので,今回は3/15の行動記録(下記)のみを考慮した.
  3. 3. ① 行動記録を地図上に表示 3/15 19:00出発 3/15 22:30帰還 → → 3/15 20:35
  4. 4. ちなみに2011/3/15 午後7-10は,福島第一原発から福島市に向かう方向(114号線沿い)にもっとも高濃度のヨウ素が飛散したと思われる頃.下図は,海洋研究開発機構(JAMSTEC)がシミュレートした大気中ヨウ素濃度(3/15 8pm)を首都大 渡邉英典先生が地図に重ねて下さったもの. 福島市 郡山市
  5. 5. ここに着目② WBCの結果 SPEEDIはこれを 再現できるか?
  6. 6. ③ SPEEDIの結果まずはH24.4.23に原子力安全・保安院が公開(現在は原子力規制委員会のHPにて公開)した大気中濃度のメッシュデータと比較 これ↓http://www.nsr.go.jp/archive/nisa/earthquake/speedi/230724/230724.html
  7. 7. 40 000 30 000 出発地点 公開されたSPEEDIは I-131 Bqêm3 20 000 I-131の濃度を過小評価. 10 000 0 18 19 20 21 22 23 24 WBC結果と全く合わない. 3/15 時 19:00 40 000 → MPC 40 000 30 000 出発30分後 (浪江大柿)I-131 Bqêm3 30 000 I-131 Bqêm3 20 000 20 000 10 000 → 10 000 0 18 19 20 21 22 23 24 0 18 19 20 21 22 23 24 時 時 40 000 3/15 30 000 出発60分後 20:35 I-131 Bqêm3 20 000 10 000 0 18 19 20 21 22 23 24 時
  8. 8. ③ 国立環境研究所のシミュレーション この計算をなさった森野さんから,メッシュデー タの提供を受け,SPEEDIの場合と同じように計 算したのが次のページ 論文はこれ Morino, Y., T. Ohara, and M. Nishizawa (2011), Atmospheric behavior, deposition, and budget of radioactive materials from the Fukushima Daiichi nuclear power plant in March 2011, Geophys. Res. Lett., 38, L00G11, doi:10.1029/2011GL048689. http://www.agu.org/pubs/crossref/ 2011/2011GL048689.shtml
  9. 9. 40 000 30 000 出発地点 国環研(NIES)版だと I-131 Bqêm3 WBC結果をほぼ再現できる 20 000 10 000 0 この経路を往復した時のヨウ素濃度積分値は(浪江での滞 18 19 20 21 22 23 24 時 在時間等の詳細が不明なため)多めに見積もって 3/15 19:00 20000Bq/m3・時間. これからICRPの係数を用いて求めた甲状腺等価線量は約 6.5mSv.これはWBC結果と矛盾しない. 40 000 → MPC 40 000 30 000 出発30分後I-131 Bqêm3 30 000 (浪江大柿) I-131 Bqêm3 20 000 20 000 10 000 → 10 000 0 18 19 20 21 22 23 24 0 18 19 20 21 22 23 24 時 時 40 000 3/15 30 000 出発60分後 20:35 I-131 Bqêm3 20 000 10 000 0 18 19 20 21 22 23 24 時
  10. 10. 国環研(NIES)版で津島地区 を計算してみる 2011/3/15の夕方,津島地区における大気中ヨウ素濃度 の積分値は約32000Bq/m3.ここでずっと屋外に立って いたとした場合の甲状腺等価線量は,5歳児で22mSv. これは床次論文 http://www.nature.com/srep/ 2012/120712/srep00507/full/srep00507.html での5歳児の推定値 63mSvよりも少ない(桁は合ってい る). 床次論文では高濃度が4時間継続と仮定しているが,NIES の計算ではピークが2時間程度と短いことも一因か. 40 000 国環研シミュレーションによる 30 000 津島地区でのヨウ素131濃度のI-131 Bqêm3 時間変化(2011/3/15午後) 20 000 10 000 0 12 14 16 18 20 22 24 時

×