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読解・作文の技法公開用3(大学生活)

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東北学院大学経営学部「読解・作文の技法」という1年生向けゼミ形式授業の授業用資料として作成したものです。
3分割したファイルの3つめで,大学生活の過ごし方について扱っています。
お問い合わせは尾田 基(hoda[at]mail.tohoku-gakuin.ac.jp)へお願いいたします。([at]を@に置換してください)

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読解・作文の技法公開用3(大学生活)

  1. 1. 読解・作文の技法 大学生活の技法編 東北学院大学 経営学部 尾田 基 2016/3/8Hajime Oda1 2015年度 東北学院大学経営学部 「読解・作文の技法」授業用資料 月曜4限@32C 一般公開用
  2. 2. スライドの一般向け公開にあたって 2016/3/8Hajime Oda2  元々は尾田が学部1年生向けゼミ形式授業の授業用資料 として作成したものです。  筒井淳也(2015)『仕事と家族』中公新書をゼミで輪読しなが ら,その補助説明として用いた物です。  著作権の都合でスライドの各部分を削除しています。  元々160枚程度のスライドを4分割し,そのうちの3つを公開し ております。  お問い合わせはhoda[at]mail.tohoku-gakuin.ac.jp へお願い いたします([at]を@に置き換えてください)。
  3. 3. 全体の目次 2016/3/8Hajime Oda3 読解の技法  社会科学における読書とは  記述された因果関係の理解  専門用語の調べ方  読書メモの作り方  本の選び方,読書習慣の作り方  外形的特徴からの推論  本のコンテクスト(目的,対象)  本の入手の仕方  学問分野について  経済学・心理学・社会学の違い  因果関係の推測方法  経験科学としての社会科学  帰納法 一致法・差異法  演繹法 作文の技法  文の技法  修飾する側と修飾される側  修飾の順序  テンの打ち方  そもそも文を短くする  文と文をつなぐ  要注意の接続詞「が」「そして」  対比を明確にする  文章の構造をつくる  “逆茂木型”の文章を避ける  議論の目的を考える 非公開
  4. 4. 全体の目次(続き) 2016/3/8Hajime Oda4 読図と作図の技法  Excelの使い方を自習する方法  機能を一通り知る  やりたいことから検索  効率的な方法を覚える  グラフの選び方の基本  基本類型 分布,推移,比較,構成比, 相関  良い例から学ぶ  悪い例を覚えてまねしない  内容とグラフ  グラフは作るだけでなく解釈が重要  レポートの本文でグラフを説明する 大学生活の技法  授業料のコスト構造  学生の立場から:1回いくら?  大学の立場から:採算ラインは?  教員の立場から:1回に何人まで教え られる?  マッチングは大事,教員を動かすのも 大事  授業以外の大学設備  授業の情報量と独学の情報量の比較  その他の大学の機能  ネットワーキング  親の消費としての大学生  授業では読まないブックリスト
  5. 5. 大学生活の技法 大学生活のコスト 自学自習の効果について その他の大学の機能 2016/3/8Hajime Oda5
  6. 6. 学生にとっての授業のコスト 2016/3/8Hajime Oda6  学生にとって,1回の授業は平均いくらか?  ざっくり100万円/年×4年=400万円の学費  44単位×3年+48単位×1年の=最大180単位  400万円/180単位=2.22….万円/単位=4.44….万円/2単位  15回授業+期末テストで2単位は約16回×90分  (4.444…万円/2単位)÷(16回/2単位)≒ 2800円/回
  7. 7. 大学の立場にたって, 大学経営の採算ラインを考えてみる① 2016/3/8Hajime Oda7  教員1人が年間3000万円稼がなければならないと仮定  教員各自の人件費+保険=1000万円  (だいたいどの業界でも自分の人件費の3倍稼げばなんとかな る)  事務方の人件費=500万円  教員ほどは人数はいないので  残りの設備・備品・消耗品・光熱費=1500万円
  8. 8. 大学の立場にたって, 大学経営の採算ラインを考えてみる② 2016/3/8Hajime Oda8  3000万円÷4.44万円=675.6(2単位・人)  年間のべ676人の学生を受け持てば,採算ライン  専任教員年間10コマだとすると,1授業の採算ラインは68人  実際にはもっと多い科目を持つことが多い  10-20人程度のゼミ形式科目や語学・情報処理概論などは 大幅な赤字科目  200人級の大教室授業は大幅な黒字なので,そこで補填して語学・ ゼミをまかなうのが文系大学の費用構造  学生の立場に戻れば,コスト上これほどお得な科目はない  ばら売りなら8000円/90分ぐらい払わないとゼミは受けられない
  9. 9. 教員の立場にとってのゼミ形式 2016/3/8Hajime Oda9  指導方法や教員の力量にもよるが,1度の指導人数に は限度がある  僕の限界は,個別指導で12人/回ぐらい,グループ指導で も3グループ/回が限度  ゼミはお得だけど,受け身ダメゼッタイ。学生同士は競 争する環境に置かれている  教員を自分のために働かせるためのテクニックが必要。 特に敬語やメールの書き方。
  10. 10. 教員もいろいろ,学生もいろいろ 2016/3/8Hajime Oda10  教員の指導スタイルもいろいろ  フレンドリーorそうではない  説明のわかりやすさ,頭が整理されているかどうか  熱意,エネルギー  準備の労力のかけ方  成績評価に対する考え方(厳格,適当)  自分にとって相性の良い教員を見つけるプロセス  マッチングチャンスは3度  ①読解・作文の技法  ②研究・発表の技法  ③3年(演習)→4年は継続が前提  大教室授業における教員は参考になる部分とならない部分がある  大教室は得意だがゼミは苦手とか,逆もある  実際に話してみるといい人,など  授業後にコミュニケーションをとってみる,質問をしてみるのもマッチングには有効
  11. 11. 授業以外の設備を活用して元を取る 400万のコストを授業だけで回収するのは大変 2016/3/8Hajime Oda11  大教室2単位の授業で口頭で伝えられる情報量は文字数換算で せいぜい新書2冊分,40単位を全力で受けても40冊程度・・・  聴く方が楽だが,実は読む方が情報量は多く入手できる  トップレベルの大学生は年間100冊ぐらい自分で読む  僕が大学卒業時に小説含めると蔵書が500-600冊ぐらいだった(当 時のものは大半は捨ててしまったが),今でも年間100冊ぐらい は目を通している  ここまで読む必要は無いが,毎週新書1冊読めば年間52冊になる, 授業よりも多く学習できる  速く読めるようになるトレーニング,難しい部分をゆっくり読む トレーニング,両方場数が必要
  12. 12. 授業以外の設備を活用して元を取る 2016/3/8Hajime Oda12  本学の図書館は,(受験偏差値の割には異常なほど に)蔵書が豊富  特に,教養学部のある泉の図書館は教員の選書眼が良い し,開架に多く良い本を並べていて,教育熱心な教員が 誰か継続的に手を入れていることが推察される  土樋の図書館は閉架の中を探すと定番書はそろっている (開架の本が古かったりするので,閉架の中を見る必要 がある)
  13. 13. 大学のその他の機能 教育経済学の知見をまとめると・・ 2016/3/8Hajime Oda13  投資としての大学生活  人的資本の蓄積(簡単に言うと,勉強して賢くなること)  公式ルート(授業,ゼミ)  非公式ルート(図書館の活用)  人的ネットワークの獲得  友人関係,同窓会など  シグナリング機能  全然知らない人が「あの大学の学生だったら,きっとこういう学力・性格だろう」と推測 してもらうためのラベル  消費としての大学生活  親の消費としての「大学生の子ども」  自分自身の消費としての大学生活  部活動,恋愛など  オプション価値(職業選択の先送り機能)としての大学生活
  14. 14. 大学のその他の機能 簡単にコメント 2016/3/8Hajime Oda14  人的ネットワークの獲得  遊び友達,恋愛相談のできる友人は大事だが,将来についてのま じめな話を腹を割ってできる友人はかなり希少。そのような話は 恥ずかしいし青臭いものだが,成長過程として必要。まじめな話 ができる場としてのゼミを活用できるように,雰囲気作りをする 必要がある。  大学生活は“親の消費行動”でもある  親から資源を引き出すのは,教員から労力を引き出すのと同様, 学生の工夫次第であり,攻略目標であると理解すべき  入学当初の価値の大半はオプション価値(4年間という時間稼 ぎ)である。実質的な価値に変えられるかどうかは自分次第
  15. 15. 授業では読まないおもしろい本 • 大学の授業ではどうしても“授業で使いやすい” 教科書や新書が選ばれてしまうが,読書の楽し みはそれ以外の名著・良書の中に多くある。 • 以下では,教員の読んだことのある本の中でい くつか楽しみながら読める本を紹介する • 紹介文はBOOKデータベースより引用 2016/3/8Hajime Oda15
  16. 16. 授業では読まないがおもしろい本 ①新書(本講の内容に関連して) 2016/3/8Hajime Oda16  菅谷明子(2000)『メディア・リテラシー―世界の現場から (岩波新書) 』  人生の大半をメディアとともに過ごすとされる現代生活。報道の客観性や公正さ、暴力表現の影響な どが議論になっている今、メディアのあり方を具体的に解読していくことの意味とその可能性とは何 か。各国で広がっている実践を丹念に取材し、教育現場での工夫や反応、メディアを監視する市民団 体の活動などを報告、情報社会の今後を考える。  本講と関連して。メディア・リテラシーの教科書ではなく,メディア・リテラシーの教育現場のルポ ライティングである。  中野円佳(2014)『「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書) 』  昔に比べれば、産休・育休や育児支援の制度が整ったかに見える今、それでも総合職に就職した女性 の多くが、出産もしくは育休後の復帰を経て、会社を辞めている。男性と肩を並べて受験や就職活動 にも勝ち抜き、出産後の就業継続の意欲もあった女性たちでさえ、そのような選択に至るのはなぜな のか、また会社に残ったとしても、意欲が低下したように捉えられてしまうのはなぜなのか。この本 では、実質的に制度が整った二〇〇〇年代に総合職として入社し、その後出産をした一五人の女性(= 「育休世代」と呼ぶ)に綿密なインタビューを実施。それぞれの環境やライフヒストリーの分析と、選 択結果との関連を見ていく中で、予測外の展開にさまざまな思いを抱えて悩む女性たちの姿と、その 至らしめた社会の構造を明らかにする。  本講と関連するものとして。あまり本としての完成度は高くないが,元々修士論文の研究を新書化し たようだ。
  17. 17. 授業では読まないがおもしろい本 ②経営学系(新書以外含む) 2016/3/8Hajime Oda17  沼上幹(2003)『組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)』  バブル期には絶賛された日本的経営も、いまや全否定の対象とすらなる。だが大切なのは、日 本型組織の本質を維持しつつ、腐った組織に堕さないよう、自ら主体的に思考し実践していく ことだ。本書は、流行りのカタカナ組織論とは一線を画し、至極常識的な論理をひとつずつ積 み上げて、組織設計をめぐる多くの誤解を解き明かす。また、決断できるトップの不在・「キ ツネ」の跋扈・ルールの複雑怪奇化等の問題を切り口に、組織の腐り方を分析し対処する指針 を示す。自ら考え、自ら担うための組織戦略入門。  三枝 匡(2013)『増補改訂版 V字回復の経営―2年で会社を変えられますか』日本経 済新聞出版社。  実在リーダー同士による熱き対談を増補!日本的改革の要諦を説く名著。組織を「戦う構造」 に変え、骨太の「戦略ストーリー」を作り、一気呵成に逆転する方法を伝授。  安部修仁・伊藤元重(2002)『吉野家の経済学 (日経ビジネス人文庫)』  「並盛280円のドラマ」「定食と牛丼とご飯の関係」「盛りつけの秘技」「倒産からの再生 劇」「ファストフードのブランド戦略」―。日本を代表する経済学者と外食産業のリーダーが バラエティ豊かに繰り広げる牛丼談義。身近な話題に経済・経営の真理を満載。
  18. 18. 授業では読まないがおもしろい本 ③良い新書(古典) 2016/3/8Hajime Oda18  服部 正也(1972;2009)『ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新 書) 』  一九六五年、経済的に繁栄する日本からアフリカ中央の一小国ル ワンダの中央銀行総裁として着任した著者を待つものは、財政と 国際収支の恒常的赤字であった―。本書は物理的条件の不利に屈 せず、様々の驚きや発見の連続のなかで、あくまで民情に即した 経済改革を遂行した日本人総裁の記録である。今回、九四年のル ワンダ動乱をめぐる一文を増補し、著者の業績をその後のアフリ カ経済の推移のなかに位置づける。  宮崎市定(1963) 『科挙―中国の試験地獄 (中公新書 (15))』  二万人を収容する南京の貢院に各地の秀才が官吏登用を夢みて集 まってくる。老人も少なくない―。完備しきった制度の裏の悲し みと喜びを描きながら、凄惨な試験地獄を生み出す社会の本質を さぐる名著。
  19. 19. 授業では読まないがおもしろい本 ④良い新書(最近の物) 2016/3/8Hajime Oda19  磯田道史(2003)『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)』  「金沢藩士猪山家文書」という武家文書に、精巧な「家計簿」が例を見ない完全な姿で遺され ていた。国史研究史上、初めての発見と言ってよい。タイム・カプセルの蓋を開けてみれば、 金融破綻、地価下落、リストラ、教育問題…など、猪山家は現代の我々が直面する問題を全て 経験ずみだった!活き活きと復元された武士の暮らしを通じて、江戸時代に対する通念が覆さ れ、全く違った「日本の近代」が見えてくる。  学術研究が映画化まで至った稀な例。映画もよいが新書もよい。  平山昇(2012)『鉄道が変えた社寺参詣―初詣は鉄道とともに生まれ育った (交通新 聞社新書) 』  日本人にとって最もメジャーかつ“伝統的”な年中行事「初詣」は、意外にも新しい行事だった …?!そしてその誕生の裏には、近代化のなかで変化する人々の生活スタイルと、鉄道の開業・ 発展、そして熾烈な集客競争があった―“社寺参詣のために敷設された鉄道は多い”という語り 方で語られてきた「鉄道と社寺参詣」の関係に一石を投じ、綿密な史料調査をもとに通時的に 解き明かす、鉄道史・民俗学を結ぶ画期的な一冊。
  20. 20. 授業では読まないがおもしろい本 ⑤新書以外での良作 2016/3/8Hajime Oda20  渡辺 靖(2004)『アフター・アメリカ―ボストニアンの軌跡と<文化の政治 学> 』慶應義塾大学出版会。  「保守」と「リベラル」を超えて。アメリカ最古で最上の名門家族である「ボス トンのバラモン」。アメリカン・ドリームを体現したアイルランド系移民家族の 「ボストン・アイリッシュ」。2つの世界を通してアメリカ市民社会の最深部を浮 き彫りにした新進気鋭の文化人類学者による画期的論考。  森本あんり(2015)『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―(新 潮選書)』  アメリカでは、なぜ反インテリの風潮が強いのか。なぜキリスト教が異様に盛ん なのか。なぜビジネスマンが自己啓発に熱心なのか。なぜ政治が極端な道徳主義 に走るのか。そのすべての謎を解く鍵は、米国のキリスト教が育んだ「反知性主 義」にある。反知性主義の歴史を辿りながら、その恐るべきパワーと意外な効用 を描く。

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