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20160309ゲンロンカフェ「『民主主義』復刊とその現代的意義」

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西田亮介,2016,『民主主義』復刊とその現代的意義」2016年3月9日@ゲンロンカフェ.

http://peatix.com/event/148233

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20160309ゲンロンカフェ「『民主主義』復刊とその現代的意義」

  1. 1. 『民主主義』復刊と その現代的意義 西田亮介 東京工業大学准教授 ryosukenishida@gmail.com 2016年3月9日@ゲンロンカフェ
  2. 2. 自己紹介 • 東京工業大学大学マネジメントセンター准教授。博士(政策・メディア)。 • 専門は社会学、公共政策学、情報社会論、ジャーナリズム研究。情報化と社会変容、情報と 政治(ネット選挙)、社会起業家の企業家精神醸成過程や政策としての「新しい公共」、地域 産業振興等を研究。 • 1983年京都生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士 課程修了。同大学院政策・メディア研究科後期博士課程単位取得退学。2014年に慶應義塾 大学にて、博士(政策・メディア)取得。同大学院政策・メディア研究科助教(有期・研究奨励 Ⅱ)、(独)中小機構経営支援情報センターリサーチャー、東洋大学、学習院大学、デジタル ハリウッド大学大学院非常勤講師、立命館大大学院特別招聘准教授等を経て2015年9月よ り現職。 • 単著に『メディアと自民党』(角川書店)、『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容』(東洋 経済新報社)、「ネット選挙とデジタル・デモクラシー」(NHK出版)。 • (共)編著・共著に『民主主義 〈一九四八-­‐五三〉中学・高校社会科教科書エッセンス復刻版』 (幻冬舎)、『無業社会 働くことができない若者たちの未来』(朝日新聞出版)、『「統治」を創 造する』(春秋社)『大震災後の社会学』(講談社)ほか。 • NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」Tokyo   MX「モーニングクロス」等メディア出演多数。JFN 各局月曜AM5:30〜「Ride   On  the  Politics」パーソナリティ。 2
  3. 3. • 近刊(1月29日発売)『民主主義 〈一九四八-­‐五三〉中学・高校社会科教科書 エッセンス復刻版』(2016年,幻冬舎) • 『メディアと自民党』(2015年,角川書店) • 『無業社会 働くことができない若者たちの未来』(2014年,朝日新聞出版) • 『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容』(2013年,東洋経済新報社) • 『ネット選挙とデジタル・デモクラシー』(2013年,NHK出版) • 毎日新聞社ネット選挙報道 (2013年参院選、2014年東京都知事選、2014年衆院選) • 問題意識: • 与件としての「新自由主義」のもとで、「寛容な社会」を擁護する論理と政策は、いかに して可能か • 社会政策と政治参加の同時再検討 3
  4. 4. 4
  5. 5. 『民主主義』概略 • 1948年〜1953年(上巻1948年、下巻1949年)、中学、高校を対象に頒布。 • 尾高朝雄、大河内一男ら、当時の知識人が執筆。 • 尾高が全体の筆致を統括。 • 民主主義について、その歴史、発展の概要、各国の制度、日本の近代民主主 義史、日本国憲法の解題、利点と課題等について、左右双方の思想に対して 距離を取りながら、抑制的に、しかし格調高い筆致で言及。 • 「民主主義のはんらん」、宣伝戦、言論の自由、共産主義への警戒感、女性参 政権など、ユニークな章立てに。 ※ ただし、記述の内容は、日本独立以前のものであり、また東西冷戦はおろか、朝 鮮戦争、日米安保、非対称戦以前のものであり、その点、考慮の必要あり。 5
  6. 6. 尾高朝雄と『民主主義』 • 尾高朝雄は法哲学者。ケルゼンの翻訳者としても知られる。1930年台の ウィーン留学中、ケルゼン、フッサール、シュッツなどから学ぶ。 • 戦時中は、京城帝国大学で教鞭を執る。 • 法学では、1947年頃の、尾高・宮沢論争でも知られる。 • 主権が、社会規範上に存在(大日本帝国憲法と日本国憲法の連続性を念頭 に?)という議論を展開するが、論争には敗れたというのが定説。 • 日本初のペニシリンショックの死亡事例としても知られる。 • GHQ/CIE、文部省が適任者を探すも引き受けてが乏しく、最終的に尾高が監修 を引き受けることになった。 (吉良貴之先生の「尾高朝雄のためのノート」(2016.2.25)に基づくレクチャー等を参考に) 6
  7. 7. 『民主主義』の現代的意義? • 歴史的意義 Ø 日本人(全員)が、民主主義に向き合った/向き合わざるをえなかった時代に、民主主義 がどのように教授された/されようとしたか。 Ø 複数の憲法周知宣伝の教材が存在したが、本書は異色の存在感を有する。 Ø 「あたらしい憲法のはなし」「新憲法の解説」など、日本国憲法の平易な逐条解説が中心。 Ø 法学、社会科教育研究のあいだの狭間に落ちている。 • 現代日本型民主主義の「参照点」としての意義 Ø 1.)民主主義の共通感覚、2.)日本の民主主義の相場観、3.)政局を理解するための道具 立て、それぞれの不在。 Ø 時代背景、制作過程、その後の政治教育等について、補完することで、それらを補完す る市民性教育の教材になりうる? • 政治批評的意義? Ø 保革双方から批判を受けたテキスト。 Ø 上巻刊行後、文部省と尾高は共産党から職権乱用で訴えられている(不受理)。「官製民 主主義」批判。 Ø 現代保守の言論の自由批判、民主主義批判への再反論の足がかりとして 7
  8. 8. 8 政治のフレームワーク、学習機会、 「参照点」の不在? • 政治と政局を判断する合理的なフレームワークと、学習機会、「参照点」が不在? • 日本史:近代史までが中心 • 政治経済:原理と原則が中心 • 現代社会:主題別カリキュラム構成 • 模擬選挙は、各種社会状況を資料に、政党別の政策を参照した選択中心で、実際の投票行動とは異 なる? • 教育基本法第14条(旧8条)の問題 • 1947年3月成立、準憲法的性質を有する、とされ、完成度の高さが指摘されていた。 • (政治教育) • 第十四条 良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。 • 2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしては ならない。 • 市民性教育に先行する「18歳選挙権」問題。
  9. 9. 市民性教育に 先行する「18歳選挙権」問題 • 2022年度(!)から、高校に「公共」「歴史総合」(仮称) が必修科目として設置予定。 • 公共:政治参加、社会保障、契約、家族制度、雇用、消費行 動等を学習予定 • 歴史総合: 日本史と世界史の近現代部分を中心に。 ※ 投票年齢の引き下げは2016年参院選から実施。両者の 関係をどのように捉えるか 9
  10. 10. 10 政党の広報戦略向上と民主主義の共通感覚 不在、道具立て(リテラシー)のあり方 • 与党一極集中のネット選挙と「統合運用」能力の向上。いかにして、誰が、読み解き、どの ようにして政治に緊張感をもたらすか。 • 市民性教育について、何を、どのように提供するべきか。日本における民主主義の固有性、質感、 手触りとはなにか。 • 民主主義の共通感覚(コモンセンス)の不在。 • 政治のメディア戦略と市場の論理に基づく大きなうねりへの防波堤が不在? • 衆参同日選挙と、憲法改正発議の状況下における投票運動への対応をどうするか。 • 2016年参院選後の憲法改正発議の「現実味」。改憲にせよ、護憲にせよ、日本の憲政と民主主 義の新しい段階に? 「民主主義と普及啓発の社会学」 • 技術的には、大都市地域特別区設置法(施行令)と国民投票法の類似性(次スライド参照のこと) • 大阪における住民投票運動のような国民投票運動が、護憲、改憲をめぐって、全国で生じる? • 他のオプション: メディアの「中立」、「公平公正」、「不偏不党」概念の現代的意味とはど のようなものか。 • 「規範的なジャーナリズム」「機能的なジャーナリズム」「インターネット化への過剰期待」 • 「速報、取材、告発」から「整理、分析、啓蒙」へ? • 「オープン化に適応する自民党」への対応
  11. 11. Ex.1  )  国民投票運動と選挙運動 国民投票運動(国民投票法) 選挙運動(公職選挙法) 支出金額 制限なし 候補者の人数と政令で規定 期間 制限なし 選挙によって異なるが、 参院選17日。衆院選12日 文書図画の規定 制限なし 大きさ、枚数、証紙等の規制 テレビ広告 投票日から2週間の間は国民 投票広報協議会と政党等によ る規定のもののみ可能 原則として利用不可 ネット選挙 制限なし 電子メール等を除き利用可能 自動車、拡声器の利用(宣伝カー) 制限なし 台数等に制限あり 11
  12. 12. Ex.2)  日本政治のメディア戦略 時期 慣れ親しみの時代 (2000年代以前) 移行と試行錯誤の時代 (2000年代) 対立・コントロール期 (2012年、第2次安倍内閣以 後) メディアとの関係性 「慣れ親しみの関係」 ・ 長期的で、安定的な 信頼関係の構築 ・ 政治とメディアの人材 交流 「関係性の再構築」 ・ 連続する短命政権と、不安 定な民意。 ・ 長期の信頼関係構築のいっ そうの困難 「対立・コントロール関係」 ・ 短期的な利害関係 ・ 相互に直接的な影響 力の行使を追求。 ・ 変化に敏感な政治優 位 有権者との関係性 間接的(マスメディアを除く広 報手段の限定) ネットの普及、メディアの力学の変 化のなかで、政治と有権者の直接 対峙が可能に 戦略的意図をもってデザイン された直接、間接の関係性構 築の追求 戦略の起点 属人的 個人と組織の併存 組織化と体系化 (未完成) 12

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