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20150912日本の情報社会論とその欲望

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西田亮介,2015,「日本の情報社会論とその欲望ーーーー『護送船団』の旗振り役を越えた「使命」はありうるのか」2015年社会情報学会学会大会@明治大学リバティタワー.

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20150912日本の情報社会論とその欲望

  1. 1. 日本の情報社会論と その欲望 ーー『護送船団』の旗振り役を越えた「使命」はありうるのか 2015年9月12日(土) 西田亮介@東京工業大学 2015年社会情報学会学会大会@明治大学リバティタワー ワークショップ「『情報社会論』の変遷と再編――統治の再設計に向けて」 ryosukenishida@gmail.com
  2. 2. 2015年に「情報社会論」は可能か • 「情報社会」が「社会」になった時代 • 精緻な社会分析、政策分析への需要/情報社会論の役割とは? • 前提条件としての日本において情報社会論とその機能の再検討 • 『護送船団』の旗振り役を越えた「使命」はありうるのか • 日本型情報社会論の「論理」構造: 根拠なき「AがBを変える」 • 情報社会論から情報社会分析、情報社会政策分析へ 2
  3. 3. 「情報社会」から「社会」へ • インターネットの普及一巡 • 「想像力」と「現実」の速度ギャップの縮小、あるいは、逆転 • 「情報社会」から「社会」へ 3
  4. 4. 4 図1:インターネットの人口普及率と利用者数。『平成27年版情報通信白書』より引用。
  5. 5. 5 図2:世代別インターネット普及率の変化。『平成27年版情報通信白書』より引用。 ・労働生産人口においては、ほぼインターネットの普及が一巡。 ・逆ピラミッドの人口構造のため、社会全体での普及率は低く見える。 ・未来学としての情報社会論の困難。
  6. 6. 情報社会論の3つの系譜 • 文明論 • アルビン・トフラー「第三の波」 • ダニエル・ベル「知識社会の衝撃」 • マーシャル・マクルーハン『メディア論』 • 未来学、未来社会論 • 増田米二『原典 情報社会』(原著は英語で書かれたThe Information Society, As Post-Industrial Society) • 林雄二郎『情報化社会』 • 公文俊平『情報社会学序説』 • 未来産業論 • フリッツ・マッハルプ「知識産業論」 • ニコラス・ネグロポンテ『ビーイング・デジタル』 • 梅棹忠夫『情報の文明学』(「情報産業論」) 6
  7. 7. 日本型情報社会論の「欲望」と「功罪」 • 「想像力」と「現実」の速度ギャップに依拠した「楽観的希望」 • IT部門における公共投資の促進: 『護送船団』の旗振り役 • 変化に対する抵抗力の強い社会における政策的「起爆剤」 • 根拠と論理の不透明な「A(技術)はB(社会、政治、経済etc)を変える」というストーリーの神話化 • 公共投資に依存したIT産業 • 技術が一巡した時代における存在理由の不透明さ • 佐藤俊樹『社会は情報化の夢を見る [新世紀版]ノイマンの夢・近代の欲望』等における総合的批判  「もの珍しさ効果」  「くり返される夢」  「アナロジー」過剰 7
  8. 8. 例:自治体オープンデータ • 自治体オープンデータはコストカットの「道具」か、市民主体のまちづくりの「道具」か、それとも導入自体が目 的か  「自治体オープンデータは自治体を変える」言説  外資系企業主導の地図情報プラットフォームを促進(初期投資と年次投資)  前例主義に基づく「導入事例」獲得のための無償提供戦略 • IT導入の民間企業のインセンティブ • IT企業と関連団体は、規模の大きさからIT部門への投資を欲し、促進するオピニオン形成を実施。 • 例:Open Government vs Gov2.0 業界団体が新しい言説を流布 → IT企業の投資と参加 → 公的機関での実証実験と導入 → その実績をもとに次の案件獲得へ • 工藤報告も参照のこと • 地域通貨、地域SNS、オープンデータetc 8
  9. 9. 速度ギャップ喪失後の無謬性原則と漸進的改良 主義の対立 日本の政治・行政・ 経済システム (無謬性原則の世界) • 執行機関としての行政 • 正統性に基づく統治 • 行政の連続性と一貫性 IT文化圏 (漸進的改良主義の世界) • リーン・スタートアップ • ピポット • カリフォルニアン・ イデオロギー設計思想の違い 接合のためのガバナンスの工夫が必要 • ミッション・マネジメント、意思決定、ガバナンス etc • 闇雲な導入だけでは、情報技術のポテンシャル(即時性、双方向性、情報伝播性etc)を引 き出せない • 古き良き情報社会論のロジックは、こうしたアプローチを毀損する。 9
  10. 10. 物語から分析へ? • 人工知能やビッグデータ、機械学習が陳腐な想像力を越えた結果を 提示 • Google「Deep Dream」 • 他方で、技術と社会、政策(制度)、経済の齟齬、摩擦は激化。両者 の調停ニーズは増加 • 物語から分析へ: 情報社会論から情報社会分析、情報政策分析 へ? 10

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