1. Copyright: The Next generation Ic Card System Study group 2023
メンバー(50音順)
大日本印刷
東京工業大学
凸版印刷
日立製作所
【4.本人限定開封機能に関する調査G】
最終報告
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本人限定開封機能・検討条件
◆機能概要
◆検討するうえでの考慮事項
・今出来ていない事
・既に近しいサービスが運用されているが、安全上懸念があるもの
・利用者が多い案件
・自身の情報管理の用途も対象
出典:ASIST 第10回 社会情報流通基盤研究センター・シンポジウム資料
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検討内容及び検討実績(中間報告FM準拠)
no 項目 内容
1 検討内容 JPKIを使った本人限定開封機能の利活用
2 アウトプット ユースケースとその説明資料
3 検討スケジュール 7/12 顔合わせ・情報共有(小尾先生よりレクチャー)
7/28 方向性打合せ
10/13 ユースケース案及び課題共有
10/27 中間報告
11/17 ユースケース及び課題に関するご意見伺い
(小尾先生参加)
12/15 課題対応検討
1/26 最終報告に向けた打合せ
2/16 最終報告(発表)
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ユースケース
ユースケース
1 卒業証明書および成績証明書
2 資格取得および試験結果通知書
3 生命保険など各控除証明書の発行
4 住民票及び戸籍謄本等の写しの電子データ取得
5 PCログインパスワードなど各種パスワードの保管
6 債権に関する通知(督促状)
7 個人保有機器の履歴、データの保護
8 媒体での運搬データの保護
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1.卒業証明書および成績証明書
○内容:卒業証明書、成績証明書の取得に利用
○対象業界・業務:大学向け
○事業者のメリット:学生課業務の効率化
○利用者のメリット:証明書取得のための大学訪問や郵送不要
① 申請者(卒業者)は、マイナポータル経由で卒業証明書を申請
② 大学は、マイナポータル経由で申請を受け付け
③ 大学は、申請者(卒業者)のマイナンバーに紐づいた公開鍵を取得
④ 大学は、申請者(卒業者)の卒業証明書を公開鍵で暗号化
⑤ 申請者(卒業者)は、マイナポータル経由で暗号化済み卒業証明書を受領
⑥ 申請者(卒業者)は、マイナンバーカードに搭載してる秘密鍵を利用して暗号化済み卒業証明書を復号
マイナポータル 大学サーバー
暗号化用公開鍵基盤
申込者(卒業生)
大学職員
対象公開鍵を
取得
対象公開鍵で
対象資料を暗号化
スマホ
マイナンバーカードの
対象資料を復号
PC
①マイナポアプリから申
請
②マイナポータル経由で申請
秘密鍵
(マイナンバーカード)
③大学側は卒業生のマイナン
バーに紐づいた公開鍵を取得
④大学側は卒業生の卒業
証明書を公開鍵で暗号化
⑤マイナポータル経由で暗号化された卒業証明書
を送付
⑥暗号化された卒業証明書をマイナンバーカー
ド内に搭載された秘密鍵で復号
復号
暗号化
大日本印刷
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2.資格取得および試験結果通知書
○内容:資格取得および試験結果の通知書に利用
○対象業界:公的・民間の資格および試験
○事業者のメリット:紙ベースの通知書(合否通知や点数通知)の削減
○利用者のメリット:通知物を迅速に受領、紙ベースの通知書の紛失防止
① 申込者(受験者)は、マイナポータル経由で検定、試験を申請
② 事務局は、マイナポータル経由で検定、試験を受け付ける。
③ 事務局は、申込者(受験者)のマイナンバーに紐づいた公開鍵を取得
④ 事務局は、申込者(受験者)の通知書を公開鍵で暗号化(申込者が検定、試験を受験後)
⑤ 申込者(受験者)は、マイナポータル経由で暗号化済み通知書を受領
⑥ 申込者(受験者)は、マイナンバーカードに搭載してる秘密鍵を利用して暗号化済み通知書を復号
マイナポータル 管理サーバー
(資格、試験)
暗号化用公開鍵基盤
申込者(受験者)
事務局(資格、試験)
対象公開鍵を
取得
対象公開鍵で
対象資料を暗号化
スマホ
マイナンバーカードの
対象資料を復号
PC
①マイナポアプリから申請 ②マイナポータル経由で申請
秘密鍵
(マイナンバーカード)
③事務局は受験者のマイナン
バーに紐づいた公開鍵を取得
④事務局は受験者の通知
書を公開鍵で暗号化
⑤マイナポータル経由で暗号化された通知書を送付
⑥暗号化された通知書をマイナンバーカード内
に搭載された秘密鍵で復号
復号
暗号化
大日本印刷
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3.生命保険など控除証明書
○内容:年末調整や確定申告を行う際に用いる各控除証明書を本人限定開
封機能によって専用ソフトがなくとも電子媒体での受取を可能に
する。
○事業者のメリット:電子申請時に稀に書類を確認する作業の削減
郵便による控除証明書発行作業の削減
○利用者のメリット:電子申請での利便性向上
① 保険契約時等に公開鍵を保管
② 控除証明書発行時に暗号化・医療費通知の暗号化
③ ポータルサイト等サーバーに暗号化された状態で保管
④ 利用者は必要時にダウンロードし、復号して利用する
契約
①
暗号化
控除証明書
または医療費通知の暗号化
②
マイナポータルあるいは
保険会社等のポータルサイト
マイナンバーカードを用いて復号
年末調整や確定申告時に電子
データで送付
ダウンロード
③ ④
現在も保管はしているが、暗号化はされていない
東京工業
大学
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4.住民票及び戸籍謄本等の写しの電子データ取得
○内容:住民票や戸籍謄本等の写しを本人限定開封機能を活用し、電子媒
体での取得を可能にする。
○事業者のメリット:郵便請求による配達作業の削減
都度写しを印刷する必要がなくなる(一度作成した
ら、変更がない限り有効)
○利用者のメリット:必要な時にダウンロードができ、タイムラグがなく
なる。
① 公開鍵を住基ネットに一斉保管(マイナンバーカード所有者対象)
未所有者は発行時に保管
② 保管されている住民票の原本から写しを作成し、写しを暗号化
③ サーバーに暗号化された状態で保管
④ 必要時にダウンロードし、復号して利用する
公開鍵の保管
①
ダウンロードし、マイナンバーカード等で復号
写し
写しを作成
暗号化
写し
②
③
④
東京工業
大学
9. Copyright: The Next generation Ic Card System Study group 2023 8
5.PCログインパスワードなど各種パスワード
○内容:PCのログイン等各種ログインパスワードを忘れてしまった場合に、
本人限定開封機能によって再発行等を可能にする。
○事業者のメリット:パスワード管理のリスク軽減
パスワードを再発行するシステムが不要
○利用者のメリット:忘れてしまっても、再発行(再設定)しなくともよ
くなる
秘密の質問等、設定が不要となる
① 各サービスにて登録情報(ログインパスワード)を入力する際に公開鍵を保管
② 設定しているパスワードを暗号化
③ サーバーに暗号化された状態で保管
④ パスワードが分からなくなった場合にダウンロードし、復号して利用する
パスワード設定
①
PC内部のセキュアな領域または
各サービス提供業者のサーバ等に
公開鍵を保管
パスワードが分からなくなった場合
ダウンロードし、マイナンバーカード等で復号
パスワード
パスワード
パスワード
②
③
パスワード
④
東京工業
大学
10. Copyright: The Next generation Ic Card System Study group 2023 9
6.債権に関する通知(督促状)
○内容:月会費、債権に関する本人へのオンライン提供
〇対象業界:公共機関、新聞・入会団体、金融機関
○事業者のメリット:郵便料金の削減、本人へのより確実な通知
○利用者のメリット:家族や周囲に露見するリスクの低減
利用者
サービス
提供
事業者
①利用時の契約の際の本人確認資料とし
てMNカード利用&公開鍵の提供
⑤サービス提供事業者のサーバ経由で暗号
化された書面を送付
公開鍵
管理
サーバ
②公開鍵管理
サーバに保管
④利用者向け
書面の暗号化
③利用者向
け書面の
作成
⑥利用者向
け書面の暗
号化
凸版印刷
11. Copyright: The Next generation Ic Card System Study group 2023 10
7.個人保有機器の履歴、データの保護
○内容:個人環境でのデータ保護
○対象業界・業務:一般
○利用者のメリット:ネガティブな「デジタル遺品」等から本人の名誉を
守る。
日立製作所
利用者
PC
暗号/復号
アプリ
一般データ
暗号領域
一般アプリ
マイナンバー
カード
12. Copyright: The Next generation Ic Card System Study group 2023 11
8.媒体での運搬データの保護
○内容:個人の運搬等の際、紛失等での検査結果データの保護
○対象業界・業務:医療関連
○事業者のメリット:本人による媒体紛失等でも検査結果漏洩を防ぐ
○利用者のメリット:本人による媒体紛失等でも検査結果漏洩を防ぐ
日立製作所
利用者
※マイナンバーカード
保持
医療機関A
医療機関B
①診察・検査
④暗号化された検査結果(媒体)
④‘暗号化された検査結果(媒体)
⑤本人による復号、
開示
マイナンバー
カード
②公開鍵の取得
③検査結果の作成、
暗号化
本人操作
鍵提供
本人操作
復号
13. Copyright: The Next generation Ic Card System Study group 2023 12
ユースケース検討通じた主な課題
①公開鍵の保管や開示方法
・ユーザ登録時に暗号化用公開鍵を合わせて登録する、公開鍵の公開基盤を準備する、利
用者証明用電子証明書から暗号化用公開鍵を手繰れるようにする等、ユーザの相対側で暗
号化用公開鍵に容易にアクセスできる環境整備が必要
・利用事業者または団体(例:大学など教育機関)限定でJLIS側で公開しててどうか。
②マイナンバーカードの紛失や更新での対応
③公開鍵登録基盤による一元管理による弊害の有無
・攻撃の際の突破率上昇等リスクが高まるのでは
④本人限定開封機能の義務的利用の推進
・健康保険証のようにある程度義務として利用する政策が必要では
14. Copyright: The Next generation Ic Card System Study group 2023 13
課題を受けての考察・提案
利便性・利用推進にあたっての観点
・いくつか課題があるなかで一番の課題は暗号化用公開鍵の使い易さや運用管理
・国や自治体は電子証明書の入手が可能である事から上記のハードルは相対的に低い
・民間は個社対応だと諸課題や受け取り側の意思確認などが必要(=ハードルが高い)
提案①
まずは国、自治体の紙の通知物のデジタル化及びその暗号利用の推進を進め、その有用性
のアピールや受信者側のリテラシー向上をはかる
デジタル化のメリット(紙との比較)
・他人に見られる可能性が下がる(送信途中で盗られても暗号化されている)
・送信履歴が残り、再送付も容易
・SDGSの観点(紙の削減)
提案②
業界での共通用途の提案と想定されるスキームを検討し、その内容に応じて法改正の提言
や業界への段階的導入の推進(例:今回ユースケース提示した大学の卒業証明書交付に
ついて現行法での実現~法改正による実現)
こちらについては必要に応じて次年度のPKI-WGのテーマとして継続検討してもよいのでは
と考えます。