Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.

官民データ活用に向けた「地方豪族企業」の考察

937 views

Published on

社会情報学会2018年学会大会の連携報告で報告した際に使用した資料です。

Published in: Economy & Finance

官民データ活用に向けた「地方豪族企業」の考察

  1. 1. 官民データ活用に向けた 「地方豪族企業」の考察 庄司 昌彦 Masahiko Shoji 国際大学GLOCOM 准教授 1 社会情報学会2018年学会大会 連携報告
  2. 2. はじめに 2
  3. 3. 「1.0」から「2.0」、「官民データ法」 へ 3 年(度) キーワード 概要 2009 米国オバマ政権 「透明性とオープンガバメントに関する覚書」 2011 東日本大震災 自発的取組み(電力・避難所・物資等)と課題の露呈 2012 萌芽的取組み 電子行政オープンデータ戦略 民間支援団体(Open Knowledge、LODI)の活動 先進自治体(鯖江、横浜、千葉、会津若松等) 2013 政府の取組み 政府データカタログサイトβ版 G8オープンデータ憲章 2014 民間活動の活性化 シビックテック(Code for Japanほか各地) 2015 オープンデータ1.0完成 政府標準利用規約2.0版 2016 オープンデータ2.0開始 1.0+課題解決型 官民データ活用推進基本法 2017 官民データ活用 官民データ活用推進計画 2018 ? 公文書管理問題、統計改革 デジタルガバメント化・デジタルファースト法案 筆者作成
  4. 4. 官民データ活用推進基本法(2016) 4 官民データ活用推進基本計画より IT総合戦略本部ウェブサイトより 重点分野の指定 自治体計画の義務化
  5. 5. はじめに 地域ごとに「官民データ」の活用を進めていく際のカギを 握るプレイヤーとして、地域に密着し多角的にビジネスを 展開している「地方豪族企業」に注目する。 そして、(庄司・永井2017)の議論を一歩進め、地方豪 族企業の特徴を整理し考察し、官民データ活用においてそ うした企業が持つ可能性を具体的に論じる。 5
  6. 6. 社会資源としてのデータ 6
  7. 7. 社会的な資源+オープン化の力 ヒト モノ・場所 カネ 情報・データ 7 財政の厳しい人口減少・縮小社会でも 枯渇しない社会的な資源 + オープン化で得られる価値・可能性 筆者作成
  8. 8. 社会資源としてのデータ 地域には、目には見えないが「データ」として把握できるものが多く 存在する。そのデータとは、温度、湿度、大気成分、音などの環境 データをはじめ、その場所にあるモノの稼働状況や、そこにいる人々 の関係性、各個人の状況(健康等)や活動(移動、購買履歴、検索・ 閲覧履歴等)に関するデータ、企業活動に関するデータ、その場所の 歴史に関するデータなど多種多様である。 どのようなデータが地域の資源として存在しているかを官民で把握し、 場合によっては生成し、自由に扱えるデータの種類や量、更新頻度な どを高めていく(比喩的に表現すれば「都市データの濃度を高めてい く」)ことで、地域の官民データ活用環境は整っていく。 そしてデータ保有者としてこの整備のカギを握るのが、地方自治体で あり、地域に密着して多角的に事業を展開する地方豪族企業である。 8
  9. 9. Icons made by Freepik from www.flaticon.com / CC BY 3.0 オープンで高濃度な都市データ環境 9 • オープンデータ政策・活用基盤がベース • 生活圏・経済圏規模での官民データエクスチェンジ • 参考:Helsinki Region InfoshareとMobility as a Service構想 筆者作成
  10. 10. プラットフォーマーと多角化 10 SNS 決済 EC 店舗・ 配送 ライド シェア 自転車 携帯電 話 検索・ 広告 ニュー ス 動画・ 音楽 Baidu ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ Alibaba ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ Tencent ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 楽天 ○ ○ ○ ○ LINE ○ ○ ○ ○ ○ Yahoo!/SB ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ Docomo ○ ○ ○ ○ ○ KDDI ○ ○ ○ ○ コンビニ ○ ○ ○ 地方豪族 ○ △ △ △ Google ○ ○ ○ ○ ○ Amazon ○ ○ ○ ○ ○ Facebook ○ ○ ○ ○ ○ Apple ○ ○ オンライン・オフライン融合+多角化 携帯 電話 事業 オンライン・ コンテンツ中心 国際インフラあり ポイント・店舗・交通・広告・ニュースに可能性を持つ 決済! 筆者作成
  11. 11. プラットフォーマーの収益源・内部相互補助性 11 SNS 決済 EC 店舗・ 配送 ライド シェア 自転車 携帯電 話 検索・ 広告 ニュー ス 動画・ 音楽 Baidu ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ Alibaba ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ Tencent ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ Game◎ 楽天 ○ ◎ ○ ○ LINE ◎ ○ ○ ○ ○ Yahoo!/SB ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ Docomo ○ ○ ◎ ○ ○ KDDI ○ ◎ ○ ○ コンビニ ○ ○ ○ 地方豪族 ○ △ △ △ Google ○ ○ ◎ ○ ○ Amazon ○ ◎ ○ ○ ○ Facebook ◎ ○ ○ ◎ ○ Apple ○ 端末◎ ◎ 筆者作成
  12. 12. 地域豪族企業の定義と特徴 12
  13. 13. 定義と先行研究 「ヤンキーの虎」(藤野 2016) • 「マイルドヤンキー」をまとめ、 雇う存在 • 地縁血縁をフル活用して、リスク を取って事業を行う 「新・地方豪族 ニッポンの虎」 (日経ビジネス 2015) • ばらばらな事業を手広く手掛け地 方で勢力を増す新興企業 13 どちらも地方経済の担い手として有望
  14. 14. 定義と先行研究 • 「ヤンキーの虎」のこれまで – 公共投資削減により地方経済 が急速に縮小 – その中で一部企業は多角化し 生き残りを図る – 高齢経営者の企業や、社会変 化に対応できなかった地元企 業会社等を淘汰し事業拡大 – 地方政治とも近く補助金獲得 に長けている – 貸付先に困っている地方銀行 からの融資も活用し事業拡大 • 「ヤンキーの虎」のこれから – 地方経済の縮小は続くので、 しばらくは急成長が続く – 2020年の東京五輪までは日本 全体で投資や消費が伸び、彼 らも恩恵を受ける – 2025年には団塊世代が後期高 齢者に。人口減少もあいまっ て消費が減少。成長は困難に – 2025年以降はヤンキーの虎同 士が食い合いになる (藤野2016より) 14
  15. 15. 定義と先行研究 • 「ヤンキーの虎」の3分類(藤野2016) – 1. 地場の虎 • 昔からあった古い会社が「虎化」。2代目・3代目が商圏を拡大。 土木建築業や中古車販売、ガソリンスタンドなど – 2. 在日の虎 • 「地場の虎」の派生。パチンコ店や焼肉店、 風俗店など – 3. 狭義の「ヤンキーの虎」 • 「ヤンキー」が更正し、携帯電話販売等で頭角を現し、複数の代理 店をもつなどして、それが多業種展開して「虎化」したもの – 人口3万~4万の町に1~2頭の虎が生息可能で、推定6,000社ほ どの「虎」が いる。8~9割がこの3分類のいずれかにおさまる 15
  16. 16. 定義と先行研究 • 新・旧の地方豪族の違い(日経ビジネス2015) – 旧・地方豪族 • かつての大企業の工場や支店とともに地方を支えた • 江戸・明治から受継いだ圧倒的資産と地盤の上に成立 – 新・地方豪族 • バブル崩壊後に発生 • 粗削りだが、成熟した旧地方豪族にはないハングリー精神や パワーを持つ 16
  17. 17. 定義と先行研究 • 「新・地方豪族」の時代背景(日経ビジネス2015) – 地方経済が衰退 • 地場産業衰退と雇用減少、公共事業減少に伴い建設業等が縮小 – 中小企業の多角化 • 地域の生活インフラと自分たちの雇用を守るため • 建設業など地場産業を軸にコンビニ経営や介護、中古車販売、 飲食などに進出してコングロマリット化する • 衰退した観光インフラや地元中小企業を次々と買収。地元が求 める業態は何でも手がけ、生き残るためには東京の大企業相手 にも一歩も引かない経営姿勢を持つ 17
  18. 18. リスト化と分類 「地方豪族」の定義・特徴 ※今後の地域経済の担い手は「ヤンキー・新」でなくてもよい 1. 生活に密着した業種 – 飲食や交通、サービスなど一般消費者の生活に密着した事業 – 飲食店を多ジャンル展開する企業は除外 2. コングロマリット – 既存事業のノウハウを生かし異分野の事業も幅広く手掛ける 3. スピード感 – 業績によっては素早く事業内容を転換する 4. フランチャイズ店舗の経営(独自ブランドに拘らない) – フランチャイズから独自の事業展開を始めることも 18 既に「新・地方豪族」や「ヤンキーの虎」として挙げられている企業に加え、『現代ビジネ ス』「全国長者番付」(2012年)にランクインした企業等から該当する企業約130社を抽出。
  19. 19. リスト化と分類 企業名 本社 業務内容 創業時 の事業 創業 年 代表者 何代目 創業者 親会社 資本金 年商 (連結) 上場市場 株式会社 タカハシ 北海道網走市 南6条西2丁 目2番地 カラオケ・アミュー ズメント・外食・漢 江、観光、バス、ハ イヤー、店舗デザイ ン 劇場 1954髙橋洋一 (3) 髙橋貫一 40 百万円 4,830 百万円 非上場 株式会社 ネオコーポ レーション 北海道札幌市 北区新琴似8 条12丁目1- 移動体通信事業、外 食事業、アウトソー シング事業 1995岩佐将典 (1) 40 百万円 7,310 百万円 非上場 株式会社 ニトリホール ディングス 北海道札幌市 北区新琴似七 条1丁目2番 39号 家具・インテリア用 品の企画販売、新築 住宅のコーディネー ト、海外輸入品・海 外開発商品の販売事 業 家具 販売 1967白井俊之 (2) 似鳥昭雄 13,370 百万円 417,285 百万円 東証一部 札証 19 全体はこちら http://goo.gl/OT03dI (例)北海道の地方豪族 筆者作成
  20. 20. リスト化と分類 • 分類 – 多角化がされているか(縦軸) • 事業内容の種類の多さや関連性に着目 – 全国進出化がされているか(横軸) • 店舗・事業拠点の本社から見た広がりに着目 – 県内・周辺地域内・地方内・大都市・各都道府県内・海 外のどのレベルまで広がっているのかを調査 20
  21. 21. 拠点拡大 多角化 関 連 産 業 地域 □株式会社タカハシ □株式会社ネオコーポレーション □株式会社田名部組 □株式会社ナスキー 株式会社コシダカホールディングス◆ 株式会社ヤマダ電機◆ 株式会社丸和運輸機関◆ □株式会社ネクストワンインターナショナル イオン株式会社◆ 株式会社ニトリホールディングス◆ アパホールディングス株式会社● □株式会社メディケア― 株式会社コメリ● □株式会社エル・ローズ ●株式会社バローホールディングス ●鈴与株式会社 ●ヨシコン株式会社 ●株式会社トーシン リゾートトラスト株式会社● ●株式会社東祥 ●株式会社諸戸ホールディングス □株式会社ヨネダ ◆株式会社ファーストグループ ●株式会社田部 ●両備ホールディングス株式会社 □株式会社A&C ●山田石油株式会社 ●株式会社タカガワホールディングス □株式会社エイトワン ●入交グループ本社株式会社 株式会社麻生◆ ●株式会社ワールドホールディングス ●昭和自動車株式会社 ●株式会社日米商会 ●岩崎産業株式会社 ●株式会社りゅうせき 関連事業のみで全国展開 地元に根付き、多様な事業を行う企業 都道府県内 地方内 全国化 一 つ の 事 業 分 野 を 中 心 に 発 展 事 業 分 野 が 多 角 化 ◆:「ヤンキーの虎」の企業、□:「新・地方豪族」の企業、 □株式会社NSGホールディングス ●三谷商事株式会社 株式会社両備システムズ● 株式会社インテック● ●株式会社TKC 21 筆者作成
  22. 22. 右下は 「地域拡大型地方豪族」 ・多角化は限定的で、基幹事業と 関連事業分野のみで地域を拡大 22 左上は 「分野拡大型地方豪族」 ・地域に根付き多様な事業を行う ・全ての企業が全国区を目指して 成長するわけではなく、地域に密 着しながら事業分野を広げる企業 もある(=典型的な地方豪族)。 筆者作成
  23. 23. 地域豪族企業の定義と特徴 今後、IoT(Internet of Things)などの技術を通じて、身の回りのあ らゆる分野に情報通信機器が入り込み、さまざまなデータを取得する ような社会になっていくようになっていくとするならば、地域に根付 き、人々の生活に密着した分野で多種多様なビジネスを立ち上げてき た地方豪族企業には、ある特定の地域において分野横断的にデータを 取得し、活用していく動きを手動していくことができる可能性がある といえる。 つまり、IoT時代におけるデータ活用の担い手は、世界的な大手ネット 企業(プラットフォーマー)であるとは限らない。地域で人々が購買 し、移動し、消費する「現場」において人々と直接的に接している地 元企業、すなわち地方豪族企業にも、データを生成・取得し活用の可 能性が開かれているといえよう。 23
  24. 24. 分類の詳細化と 多角化の種類の考察 24
  25. 25. 分類の詳細化と多角化の種類の考察 1. 地方大名 =都道府県規模で活動する大企業 2. 地方豪族 =複数市町村(=郡)範囲で活動する中規模企業 3. 虎 =単独市町村の範囲で活動する小規模・新興企業 25
  26. 26. 分類の詳細化と多角化の種類の考察 1. 鉄道系企業 2. 建設系企業 3. エネルギー系企業 4. その他 (運送系、スーパーマーケット系など) 26
  27. 27. 交通系地方豪族 • 両備(岡山県):1910年に西大寺鐵道(現在は廃止)として創立 • 麻生(福岡県):1897年に九州鉄道(JR鹿児島本線の一部)創立 • 大手私鉄15社 は鉄道・交通以外に幅広い分野を手がける地方豪族 27 鉄道以外の事業 主な企業 交通関連(バス、タクシー、パーキングエリア) 大半の企業 鉄道車両整備事業 京成、京王、小田急等 旅行・レジャー事業 全社 建設業、不動産業 全社 ホテル業 東武、東急、小田急、西武、相鉄、名鉄、近鉄 ビル・百貨店・流通業、クレジットカード 全社 ビル管理事業 京王、京急、小田急、相鉄、名鉄、近鉄 筆者作成
  28. 28. 交通系地方豪族 28 鉄道以外の事業 主な企業 人材派遣事業 京王、小田急、相鉄、名鉄 ソフトウェア・情報処理 京王、京急、小田急、名鉄、近鉄、南海、阪神 経理事業 京王、小田急等 広告代理店 東武、名鉄、近鉄等 保険代理業 京成、西武、相鉄、名鉄、近鉄 葬儀事業 京王、西武 自動車学校・学校 京成、京急、西武、名鉄、近鉄 プロ野球チーム 阪神、西武 筆者作成
  29. 29. 両備バス問題 • 両備グループが合計31 路線のバス路線廃止届を 中国運輸局に提出 • 採算路線からの黒字で不 採算路線を支えていたと ころ、競合他社の採算路 線への低価格参入が認め られたことへの反発 • 両備は各地の不採算公共 交通の再生事業に実績 29 右画像:両備グループウェブサイトより
  30. 30. 建設系地方豪族 • 土木・建築事業などを通じて、土壌や地下埋設物 に関する情報、社会インフラの老朽化の状況など メンテンスに関する情報、不動産市場の動向や空 き家の活用に関する情報などを保有している。 • こうした情報が開放されたり、取引可能になった りすると、行政のオープンデータと組み合わせて 都市開発や災害対応などに役立つ可能性がある。 30
  31. 31. エネルギー系地方豪族企業 • 自動車修理販売・燃料販売・不動産・住宅関 連・保険代理店は手を出しやすい • 地域におけるエネルギー需要の動向や人々の自 動車利用状況の変化に関する情報を保有 • 電力事業を手がけている場合には、事業所や家 庭におけるエネルギー使用状況のデータや、再 生可能エネルギーの発電状況などを把握しうる。 31
  32. 32. 豊橋鉄道株式会社 • 事業内容 – 鉄道、バス、タクシー、不動産業、 リフォーム、太陽光発電、ホテル、 駐車場、交通広告、自動車販売、旅 行・ツアー、自動車整備 • 近年の注力事業 – 渥美線沿線のパーク&ライド事業推 進に伴う駐車場の新たな整備を行っ ており、複数年構想でさらなる駐車 場の新設や拡大が進行中 – 「渥美半島菜の花祭り」、「奥三河 再発見ツアー」、「おでんしゃ」な ど地域のイベントや鉄道内でのイベ ントを多く開催し、鉄道の利用を喚 起している。 32 • 概要 ⁻ 分類:鉄道・サービス系 ⁻ 本社:愛知県豊橋市 ⁻ 支部支店:愛知県内に13 ⁻ 年商:約6,877百万円(連 結・平成29年3月期) ⁻ 上場:非上場 ⁻ 創業年:1924年 ⁻ 創業時の事業:豊橋市市内を 走る鉄道事業 上画像:豊橋鉄道ウェブサイトより
  33. 33. 分類の詳細化と多角化の種類の考察 33 分類 活動範囲 歴史 主要事業 大名 県規模 非常に古い 鉄道・インフラ 豪族 郡規模 やや古い 建設 エネルギー 虎 市町村 新しい傾向 その他 最近のビジネス • 大名は事業以外の面での地域貢献や評価がある「名士」として存在感 • 巨大投資が必要な事業は大名しか事実上行えない/行った企業が大名(鉄道等) • 豪族には、エネルギー系が多く、交通系のうちバス会社も含まれる。創業時の事 業をモータリゼーションやオイルショック、宅地開発など、時代の流れとともに 多角化・転換してきた • 大きさにかかわらず非上場の企業が多い • 規模と歴史に相関があるのではないか 筆者作成
  34. 34. データ提供・活用以外の可能性 34
  35. 35. データ提供・活用以外の可能性 • 地方豪族企業、特に長い歴史をもつ一部の「地方大名」級の企業は、 鉄道、病院、学校などの社会資本整備や、地域の開発など半公共的 な役割を果たしてきた。事業以外でも、資料館・博物館・美術館の 開設や文化イベント・スポーツイベントの主催・協賛、メディアや スポーツチームへの出資などを通じて、いわば地域社会における公 共投資の一翼を担ってきたともいえる。 • 今後の本格的なデータ活用時代において、データ活用環境の整備や 人材育成など、地域において公共性と重要度が高い社会インフラに 対して、地方自治体とともに地方豪族企業自身が投資をしたり、地 域の企業を束ねたコンソーシアムを作っていく際の中核を担って いったりすることも期待される。 35
  36. 36. 今後の課題 • 具体的な事例を掘り下げ、地方豪族企業が保有するデータと その活用可能性をより詳細に把握すること • 地方豪族企業が官民データ活用に実際に関わっている事例 (の有無)を調査すること • 地方豪族企業が、21世紀の社会資本整備として地域のデータ 活用基盤や人材育成に関わる可能性とその際の動機、関わり 方などを理解すること • 地方豪族企業のデータ面での地域貢献を定量的に計測する方 法を作り出すこと 36
  37. 37. 参考文献 • 庄司昌彦・永井公成(2017): 「「地方豪族企業」 の収集と分類 ~縮小時代の公共の担い手となる か~」、2017年 社会情報学会 (SSI) 学会大会 • 藤野英人(2016): 『ヤンキーの虎』 東洋経済新 報社. • 日経ビジネス(2015): 「スペシャルリポート[虎 たちの人事組織]大事なのは結果のみ 組織の形な んてどうでもいい」『日経ビジネス』 2015/08/10 37

×