Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.

語彙学習方略と語彙の主観的学習困難度

1,314 views

Published on

草薙邦広・川口勇作 (2015) 「語彙学習方略と語彙の主観的学習困難度:コンジョイント分析と潜在クラスモデルによるセグメンテーション」 第55回外国語教育メディア学会全国研究大会. 千里山ライフサイエンスセンター.

Published in: Education
  • Be the first to comment

語彙学習方略と語彙の主観的学習困難度

  1. 1. 着想着想 • ある学生の振り返り – 「⻑い単語ってだけで,もういいや,って– 「⻑い単語ってだけで,もういいや,って 思っちゃう。この単語を覚える間に他の短い 単語がいくつか覚えられる。どうせテストで 思っちゃう。この単語を覚える間に他の短い 単語がいくつか覚えられる。どうせテストで も同じ点数になるだろうし。わたしは丸暗記も同じ点数になるだろうし。わたしは丸暗記 しかしないから⻑い単語が苦⼿」
  2. 2. 着想着想 • 意図的語彙学習における意思決定 – 各単語の費用対効果について意思決定し,必要で– 各単語の費用対効果について意思決定し,必要で あれば回避⾏動をとる • 個⼈がもちいる語彙学習⽅略と語彙の主観的• 個⼈がもちいる語彙学習⽅略と語彙の主観的 学習困難度は関連している学習困難度は関連している – 丸暗記するタイプは⻑い単語が苦⼿ • 語彙学習⽅略と語彙の主観的学習困難度は意• 語彙学習⽅略と語彙の主観的学習困難度は意 図的語彙学習における意思決定に影響図的語彙学習における意思決定に影響 – 達成動機づけ理論,期待価値理論,期待効用仮説
  3. 3. 着想着想 学習困難度・⽅略によって困難度が変わる 学習困難度・⽅略によって困難度が変わる ・困難度によって⽅略を変える ・主観的困難度が⾼い語彙は回避 されやすい ・回避される語彙は一般化されて 語彙学習⽅略 ・回避される語彙は一般化されて 学習困難度を強化する 語彙学習⽅略 意図的語彙学習にお意図的語彙学習にお ける意思決定・⽅略は期待価値に影響する ・意思決定の結果は⽅略を形成し 強化する強化する
  4. 4. この連関における学習者の セグメントを考えたい!セグメントを考えたい! 学習困難度・⽅略によって困難度が変わる 学習困難度・⽅略によって困難度が変わる ・困難度によって⽅略を変える ・主観的困難度が⾼い語彙は回避 されやすい ・回避される語彙は一般化されて 語彙学習⽅略 ・回避される語彙は一般化されて 学習困難度を強化する 語彙学習⽅略 意図的語彙学習にお意図的語彙学習にお ける意思決定・⽅略は期待価値に影響する ・意思決定の結果は⽅略を形成し 強化する強化する
  5. 5. 結論結論 • 語彙学習⽅略と語彙の主観的学習困難度 には関連があるには関連がある – 特定の⽅略のみを強く選好するタイプの学習– 特定の⽅略のみを強く選好するタイプの学習 者は,語彙項目の主観的学習困難度の評定に おいて,そうでない学習者に比べて特定の語おいて,そうでない学習者に比べて特定の語 彙特性による影響を受けやすい • 学習者のセグメントを理解し,ターゲッ• 学習者のセグメントを理解し,ターゲッ ティングを駆使した教材開発や学習法のティングを駆使した教材開発や学習法の 最適化を
  6. 6. コンテンツコンテンツ • 着想と結論 • 背景• 背景 • 調査⽅法• 調査⽅法 • 結果• 結果 – 語彙学習⽅略 – 主観的困難度の測定– 主観的困難度の測定 – 学習者セグメンテーション– 学習者セグメンテーション • 結論
  7. 7. 草薙邦広草薙邦広草薙邦広 名古屋大学大学院 日本学術振興会 kusanagi@nagoya-u.jp 日本学術振興会 kusanagi@nagoya-u.jp 川口勇作川口勇作 名古屋大学大学院 川口勇作 名古屋大学大学院
  8. 8. コンテンツコンテンツ • 着想と結論 • 背景• 背景 • 調査⽅法• 調査⽅法 • 結果• 結果 – 語彙学習⽅略 – 主観的困難度の測定– 主観的困難度の測定 – 学習者セグメンテーション– 学習者セグメンテーション • 結論
  9. 9. 背景背景 • 語彙サイズの質的相違問題 – 仮に語彙サイズテストの得点が2者間で等価– 仮に語彙サイズテストの得点が2者間で等価 であったとしても,2者が知識をもっている 語彙リストは等質ではない であったとしても,2者が知識をもっている 語彙リストは等質ではない – 語彙サイズが示しているのは大きさのみであ– 語彙サイズが示しているのは大きさのみであ り,位置を示さない – 依然として学習者間にはばらつきがある– 依然として学習者間にはばらつきがある – 問題はなぜそうしたばらつきが?– 問題はなぜそうしたばらつきが?
  10. 10. 背景背景 • 現実の語彙学習 – 普遍的な学習・習得に関わる認知的プロセス– 普遍的な学習・習得に関わる認知的プロセス (認知⼼理学,第⼆⾔語習得研究) – 学習者個々人に固有の学習プロセス– 学習者個々人に固有の学習プロセス(⽅略研究,学 習者の⼼理・⾏動計量) +さまざまな要因の影響下における+さまざまな要因の影響下における 無数の意思決定(decision making)の累積無数の意思決定(decision making)の累積 的帰結的帰結
  11. 11. 背景背景 • 語彙学習における意思決定 学習者は自分が学習する語彙をある程学習者は自分が学習する語彙をある程 度選んでいるはず!度選んでいるはず! – 意図的語彙学習 • e.g., リスト学習における学習語彙の選択や回避• e.g., リスト学習における学習語彙の選択や回避 – 偶発的語彙学習– 偶発的語彙学習 • e.g., ジャンル,トピック,ESP,ニーズなど
  12. 12. 背景背景 • 達成動機づけと期待価値理論(expectancy-value theory)theory) – ⼼理学のモデル(e.g., Atikinson, 1957) – 達成動機=特性としての動機×成功確率×誘引– 達成動機=特性としての動機×成功確率×誘引 • 期待効用仮説(expected utility hypothesis)• 期待効用仮説(expected utility hypothesis) – ミクロ経済学のモデル(e.g., Anand, 1993) 選択に関わる不確実性下においてひとは期待– 選択に関わる不確実性下においてひとは期待 効用の最大化を試みる効用の最大化を試みる – 選択によって生じる期待効用の和の比較
  13. 13. 背景背景 • 意図的語彙学習における意思決定モデル – 学習語彙の選択と回避– 学習語彙の選択と回避 • 語彙項目iにおける学習の成功と失敗についての主 観的確率(主観的学習困難度)観的確率(主観的学習困難度) – 学習成功の主観的確率が低いほど,労⼒を要する • 語彙項目iについての語彙学習の成功による効用(誘• 語彙項目iについての語彙学習の成功による効用(誘 引) – 原理的には語彙項目に固有であるが,本モデルでは便宜 的にこれを項目間で等しいと考える 原理的には語彙項目に固有であるが,本モデルでは便宜 的にこれを項目間で等しいと考える • 全体的な期待効用を最大化することは,最大とな る学習の成功数を満たす労⼒を各項目に配分するる学習の成功数を満たす労⼒を各項目に配分する こと
  14. 14. 背景背景 • 形式化 – 主観的学習困難度p と労⼒e は線形変換できる– 主観的学習困難度piと労⼒eiは線形変換できる pi = f(ei)pi = f(ei) E = e1 + e2 + e3 … eiE = e1 + e2 + e3 … ei の制約のうえで, f(e ) + f(e ) + f(e ) … f(e )f(e1) + f(e2) + f(e3) … f(ei) を最大化するeをもとめることを最大化するeをもとめること
  15. 15. 背景背景 • 主観的学習困難度 – 主観的学習困難度が⾼い語彙項目のほうが回– 主観的学習困難度が⾼い語彙項目のほうが回 避されやすい(”leave the harder until later”)避されやすい(”leave the harder until later”) – 語彙項目の主観的学習困難度はさまざまな⾔ 語学的要因の影響下にある(e.g., 第⼆⾔語習得)語学的要因の影響下にある(e.g., 第⼆⾔語習得) • 頻度,規則性,親密度,⾳韻的卓⽴性,意味的透 明性…明性… – 語彙学習の主観的学習困難度は個々⼈がもち いる⽅略との関係性もありそうだ 語彙学習の主観的学習困難度は個々⼈がもち いる⽅略との関係性もありそうだ
  16. 16. 学習困難度・⽅略によって困難度が変わる 学習困難度・⽅略によって困難度が変わる ・困難度によって⽅略を変える ・主観的困難度が⾼い語彙は回避 されやすい ・回避される語彙は一般化されて 語彙学習⽅略 ・回避される語彙は一般化されて 学習困難度を強化する 語彙学習⽅略 意図的語彙学習にお意図的語彙学習にお ける意思決定・⽅略は期待価値に影響する ・意思決定の結果は⽅略を形成し 強化する強化する
  17. 17. この連関における学習者の セグメントを考えたい!セグメントを考えたい! 学習困難度・⽅略によって困難度が変わる 学習困難度・⽅略によって困難度が変わる ・困難度によって⽅略を変える ・主観的困難度が⾼い語彙は回避 されやすい ・回避される語彙は一般化されて 語彙学習⽅略 ・回避される語彙は一般化されて 学習困難度を強化する 語彙学習⽅略 意図的語彙学習にお意図的語彙学習にお ける意思決定・⽅略は期待価値に影響する ・意思決定の結果は⽅略を形成し 強化する強化する
  18. 18. 背景背景 • 学習者セグメンテーション(learner segmentation) – マーケティングの概念– マーケティングの概念 – 学習間にある個⼈差を,学習者集団全体における 部分集合を仮定することによってとらえること 学習間にある個⼈差を,学習者集団全体における 部分集合を仮定することによってとらえること – 学習者が所属する潜在的なクラス(セグメント,グループ)– 学習者が所属する潜在的なクラス(セグメント,グループ) を推定 – セグメンテーションの⽅法は,情報を大きく節約– セグメンテーションの⽅法は,情報を大きく節約 するが,そのために応用面で強い – クラスター分析,混合分布モデリング– クラスター分析,混合分布モデリング
  19. 19. 背景背景 • 教育的・教育工学的意義 – どのような⽅略をもちいる学習者が,どのよ– どのような⽅略をもちいる学習者が,どのよ うな語彙を苦⼿とするかがわかるうな語彙を苦⼿とするかがわかる – セグメンテーションからターゲッティングへ – 学習環境・教材開発の最適化– 学習環境・教材開発の最適化 例:丸暗記的⽅略をよく使うタイプの学習者は,語⻑が⻑く,不規則的な 語彙を困難と捉え,学習を回避する傾向がある。そのような学習者に は接辞や発⾳に詳しい教材をサジェストしようは接辞や発⾳に詳しい教材をサジェストしよう
  20. 20. 背景背景 • 研究課題 – どのような⽅略をもちいる学習者が,どのよ– どのような⽅略をもちいる学習者が,どのよ うな語彙に対して主観的学習困難度を強くも つか,セグメンテーションの⽅法をもちいて うな語彙に対して主観的学習困難度を強くも つか,セグメンテーションの⽅法をもちいて あきらかにするあきらかにする – 棄却するべき仮説(H ):個人における⽅略– 棄却するべき仮説(H0):個人における⽅略 の使用(信望)と主観的学習困難度の評定の 傾向には関連性が⾒られない の使用(信望)と主観的学習困難度の評定の 傾向には関連性が⾒られない
  21. 21. コンテンツコンテンツ • 着想と結論 • 背景• 背景 • 調査⽅法• 調査⽅法 • 結果• 結果 – 語彙学習⽅略 – 主観的困難度の測定– 主観的困難度の測定 – 学習者セグメンテーション– 学習者セグメンテーション • 結論
  22. 22. 調査⽅法調査⽅法 • 調査協⼒者 – ⽇本語を⺟語として英語を学習する私⽴大学– ⽇本語を⺟語として英語を学習する私⽴大学 生,国⽴大学生(N = 198)生,国⽴大学生(N = 198) – ただし回答の欠損などによって,最終的に分 析にもちいた回答は187人分析にもちいた回答は187人分 – 学年は1年次が大半
  23. 23. 調査協⼒者の能⼒についての自⼰評定 語語文文話す語語書く聞く読む書 1 2 3 4 5 RatingRating Male 性別の⽐率 全体的に,読解,聴解,語彙に対してMale 全体的に,読解,聴解,語彙に対して は苦⼿意識が⼩さく,作⽂,会話, ⽂法に苦⼿意識をもつ ⼥⼦学生が圧倒的に多いFemale ⼥⼦学生が圧倒的に多い
  24. 24. 調査⽅法調査⽅法 • 本調査内容I – 語彙学習⽅略の質問紙– 語彙学習⽅略の質問紙 • 堀野・市川(1997)の尺度を使用堀野・市川(1997)の尺度を使用 • (a)反復⽅略,(b)イメージ化⽅略,(c)体 制化⽅略の三因⼦構造(k = 17)制化⽅略の三因⼦構造(k = 17) • 本尺度は国内でもっとも顕著な使用歴があり(e.g., 前田・三浦・田頭, 2002),因⼦構造が再現されている前田・三浦・田頭, 2002),因⼦構造が再現されている • 7件法,リッカート尺度として使用
  25. 25. 調査⽅法調査⽅法 • 本調査内容II – 語彙の主観的学習困難度– 語彙の主観的学習困難度 • 未知語となるように独自の⾔語学的特性をもった擬似 語を作成語を作成 • 4要因主効果のみの直交表配置(e.g., 草薙, 2014) – 2水準系7列8⾏(L8_2_7直交表)の2反復(k = 16)– 2水準系7列8⾏(L8_2_7直交表)の2反復(k = 16) A) 音節数(1音節・3音節) B) 形態音韻的複雑性(1音節あたりの文字数:少ない・多い) C) 意味的複雑性C) 意味的複雑性(与えた訳語の性質:簡素・複雑) D) 多義性(与えた訳語の数:1・2) • 擬似語と訳語のみをリストとして与えた状況下におい• 擬似語と訳語のみをリストとして与えた状況下におい て,主観的な学習困難度を7件リッカート法で評定
  26. 26. わからない単語をチェックペンとシートを使って意味と単語を繰り返し覚えるわからない単語をチェックペンとシートを使って意味と単語を繰り返し覚える 発音しながら単語を書く 新しいわからない単語にラインを引いておく 英語から日本語,日本語から英語へと何度も書き換える ⼿と頭が完璧に覚えるまで何度も書く その単語を使っている熟語を覚えるその単語を使っている熟語を覚える 動詞の分類化(自動詞,他動詞)をする スペルが似ている単語,意味が似ている単語はまとめて一緒に覚えるスペルが似ている単語,意味が似ている単語はまとめて一緒に覚える 動詞の変化をまとめる 同一場面で使える関連性のある単語をまとめて覚える同一場面で使える関連性のある単語をまとめて覚える 同意語,類義語,反意語をピックアップしてまとめて覚える 1つの単語のいろいろな形(名詞形・動詞形)を関連させて覚える 発音がなにか他の別の⾔葉(日本語)に似ていたら語呂合わせをする 何か他の単語と関連させて連想できるようにして覚える 頭の中に単語がイメージできるように何度も⾒る頭の中に単語がイメージできるように何度も⾒る 単語をながめながらアルファベットの配列の雰囲気をつかむ 単語のスペルを頭の中に印刷の文字ごと浮かぶようにイメージする単語のスペルを頭の中に印刷の文字ごと浮かぶようにイメージする ⽅略の項目
  27. 27. 単語 訳語1 訳語2 paracreck (ものごとを)執拗に点検する 最終点検をするひとparacreck (ものごとを)執拗に点検する 最終点検をするひと farison (警備などを)配置する tatoric 非常に嬉しい 元気な launce 修理する 病気を治すlaunce 修理する 病気を治す deg (あることについて)試⾏錯誤する 試⾏錯誤をした考え elp 拾う alfranteel 留め⾦ lulth 必要以上の投資⾦ trandceasion 贈り物trandceasion 贈り物 cug 遺産相続⼿続き 遺産相続をする dan 干す jacify 書く 署名するjacify 書く 署名する maste (詐欺目的などのために,あるものを)ごまかして細工 する etbition ある美術・音楽作品などをこき下ろすこと thaph 布の切れ端 布巾 dentribed 悪意のある⾏為で台無しになった 訴訟を起こされたdentribed 悪意のある⾏為で台無しになった 訴訟を起こされた 主観的学習困難度の項目
  28. 28. 調査⽅法調査⽅法 • 分析の工程I 1. ⽅略の回答の記述統計・回答の正規性の確認1. ⽅略の回答の記述統計・回答の正規性の確認 2. ⽅略の回答について探索的因⼦分析・検証的因 ⼦分析をし,3下位尺度の尺度得点を得る⼦分析をし,3下位尺度の尺度得点を得る • 推定⽅法は最尤法,回転⽅法は斜交回転(Promax), 因⼦数は3で固定因⼦数は3で固定 3. 尺度得点を変数としてセグメンテーション • 混合分布モデリング(mixture modeling)• 混合分布モデリング(mixture modeling) – モデルベース・クラスタリングのひとつ – 外国語教育研究での使用例は草薙・川⼝(2015)など– 外国語教育研究での使用例は草薙・川⼝(2015)など – ベイズ情報量基準(BIC)を基準として,クラス数および モデルの型から総合的に決定
  29. 29. 調査⽅法調査⽅法 • 分析の工程II 1. 主観的学習困難度の評定値についてコン1. 主観的学習困難度の評定値についてコン ジョイント分析(conjoint analysis)ジョイント分析 2. モデルの評価および各要因の効果を推定し, 個々⼈に各要因における部分効用(partial個々⼈に各要因における部分効用(partial utility)を推定 3. 個々人の各要因における部分効用を変数と3. 個々人の各要因における部分効用を変数と して,おなじく混合分布モデリングによっ てセグメンテーション して,おなじく混合分布モデリングによっ てセグメンテーション
  30. 30. 調査⽅法調査⽅法 • 分析の工程III 1. 2軸(⽅略・主観的学習困難度)を独⽴に推1. 2軸(⽅略・主観的学習困難度)を独⽴に推 定したクラスを対象としてクロス集計定したクラスを対象としてクロス集計 • ジョイントセグメンテーション 2. 各クラスの関連性を検討2. 各クラスの関連性を検討 • フィッシャーの正確確率検定 • 標本化した大学によって層別にし,交差妥当化• 標本化した大学によって層別にし,交差妥当化 (cross validation) – コクラン・マンテル・ヘッツェル検定– コクラン・マンテル・ヘッツェル検定
  31. 31. コンテンツコンテンツ • 着想と結論 • 背景• 背景 • 調査⽅法• 調査⽅法 • 結果• 結果 – 語彙学習⽅略 – 主観的困難度の測定– 主観的困難度の測定 – 学習者セグメンテーション– 学習者セグメンテーション • 結論
  32. 32. 756 Rating 34 Rating 12 OGZ1 OGZ2 OGZ3 OGZ4 OGZ5 OGZ6 OGZ7 IMG1 IMG2 IMG3 IMG4 IMG5 RPT1 RPT2 RPT3 RPT4 RPT5 0.6 IMG2IMG2IMG2IMG2IMG2IMG2IMG2IMG2 各項目への反応を示す箱ひげ図 0.20.40.6 OGZ1 IMG1 IMG3 IMG4 IMG5 OGZ1 IMG1 IMG3 IMG4 IMG5 OGZ1 IMG1 IMG3 IMG4 IMG5 OGZ1 IMG1 IMG3 IMG4 IMG5 OGZ1 IMG1 IMG3 IMG4 IMG5 OGZ1 IMG1 IMG3 IMG4 IMG5 OGZ1 IMG1 IMG3 IMG4 IMG5 OGZ1 IMG1 IMG3 IMG4 IMG5 各項目への反応を示す箱ひげ図 各項目の積率相関係数⾏列にもとづく多次 元尺度構成法(MDS)による可視化 -0.20.00.2 y OGZ1 OGZ2 OGZ3 OGZ4 OGZ5 OGZ6 OGZ7 IMG3 RPT3 RPT5 OGZ1 OGZ2 OGZ3 OGZ4 OGZ5 OGZ6 OGZ7 IMG3 RPT3 RPT5 OGZ1 OGZ2 OGZ3 OGZ4 OGZ5 OGZ6 OGZ7 IMG3 RPT3 RPT5 OGZ1 OGZ2 OGZ3 OGZ4 OGZ5 OGZ6 OGZ7 IMG3 RPT3 RPT5 OGZ1 OGZ2 OGZ3 OGZ4 OGZ5 OGZ6 OGZ7 IMG3 RPT3 RPT5 OGZ1 OGZ2 OGZ3 OGZ4 OGZ5 OGZ6 OGZ7 IMG3 RPT3 RPT5 OGZ1 OGZ2 OGZ3 OGZ4 OGZ5 OGZ6 OGZ7 IMG3 RPT3 RPT5 OGZ1 OGZ2 OGZ3 OGZ4 OGZ5 OGZ6 OGZ7 IMG3 RPT3 RPT5 元尺度構成法(MDS)による可視化 各反応の正規性は十分だと判断 -0.6-0.4 RPT1 RPT2 RPT4 RPT1 RPT2 RPT4 RPT1 RPT2 RPT4 RPT1 RPT2 RPT4 RPT1 RPT2 RPT4 RPT1 RPT2 RPT4 RPT1 RPT2 RPT4 RPT1 RPT2 RPT4 -0.5 0.0 0.5 x
  33. 33. 0.40 0.44 0.62 0.67 OGZ1RPT5 0.46 0.57 0.58 0.62 0.75 0.78 OGZ1 OGZ2 OGZ3RPT3 RPT4 RPT5 0.57 0.620.62 0.63 0.65 0.65 0.65 0.660.67 0.74 OGZ4RPT1 OGZRPT 0.22 0.53 0.57 0.57 0.580.71 0.83 0.95 OGZ5 OGZ6IMG3 IMG5 IMG 0.31 0.50 0.57 0.68 0.68 0.72 OGZ6 OGZ7 IMG1 IMG2 IMG3 探索的因⼦分析(最尤法,Promax回転)の結果,1項目(IMG4)を除き,堀 野・市川(1997)の3因⼦構造を再現 0.68 探索的因⼦分析(最尤法,Promax回転)の結果,1項目(IMG4)を除き,堀 野・市川(1997)の3因⼦構造を再現 検証的因⼦分析を⾏ったところ,CFI = .92, TLI = .91, RMSEA = .07 90% CI [.05, .08], SRMR = .06であり,妥当なモデルだと評価 すべての観測変数の測定⽅式における標準化係数は有意 CI [.05, .08], SRMR = .06であり,妥当なモデルだと評価 すべての観測変数の測定⽅式における標準化係数は有意 各尺度得点の信頼性係数は,体制化⽅略:α = .86 [.80, 92], 反復⽅略: α = .74 [.64, .84], イメージ化⽅略:α = .61 [.45, .75]= .74 [.64, .84], イメージ化⽅略:α = .61 [.45, .75]
  34. 34. Class 1 1.0 Class 2 1.0 -2 -1 0 1 2 -1.00.0 -1.00.0 体体体 -101 OGZ RPT IMG OGZ RPT IMG -2-101 反反 Class 3 1.0 Class 4 1.0 -2 イイイイ体 012 OGZ RPT IMG -1.00.0 OGZ RPT IMG -1.00.0 -1 0 1 2 -2 -1 0 1 2 -2-1 混合分布モデルによるクラスタリングを吟味した結果,4 OGZ RPT IMG OGZ RPT IMG 1 2 混合分布モデルによるクラスタリングを吟味した結果,4 クラス,楕円形・同体積・同⽅向のモデル(EEEモデ ル)を採択:BIC = -1254.13, 対数尤度 = -572.14 1. イメージ化⽅略を好み,体制化⽅略を好まないクラス 1 1. イメージ化⽅略を好み,体制化⽅略を好まないクラス 2. どの⽅略も同程度に好むクラス 3. どの⽅略も同程度に好まないクラス 3 4 3. どの⽅略も同程度に好まないクラス 4. 体制化⽅略と反復⽅略を好むクラス
  35. 35. 標準化係数 標準誤差 t値 p値 ベイズ因⼦標準化係数 標準誤差 t値 p値 ベイズ因⼦ 切⽚ 310.56 0.02 140.37 < .01 音節数 -0.37 0.02 16.88 < .01 82.97 形態音韻的複雑性 -0.42 0.02 19.35 < .01 99.02形態音韻的複雑性 -0.42 0.02 19.35 < .01 99.02 意味的複雑性 -0.12 0.02 5.52 < .01 11.40 訳語の数 -0.07 0.02 3.24 < .01 2.53 コンジョイント分析の結果, すべての要因は統計的に有意 1.0 すべての要因は統計的に有意 だった。また,モデルも良好 だと判断した:F(4, 2987) = 175.10, p < .01, 修正済み 0.51.0 だと判断した:F(4, 2987) = 175.10, p < .01, 修正済み 決定係数 = . 19 信頼性係数はα = .89 [.86, .93] 0.0信頼性係数はα = .89 [.86, .93] -1.0-0.5 short long simple complex simple complex one two -1.0
  36. 36. Class 1 1.0 Class 2 1.0 0.60.8 0.60.8 0.00.20.4 0.00.20.4 音音音 形形音形形形形形 意意形形形形 訳語の音 0.0 音音音 形形音形形形形形 意意形形形形 訳語の音 0.0 混合分布モデルによるクラス タリングを吟味した結果, 2クラス,円形・同体積の 音音音 -1.0 -0.5 0.0 -0.5 0.0 0.5 -0.50.0 1 2クラス,円形・同体積の モデル(EIIモデル)を採 択:BIC = -134.82, 対数 尤度 = -41.26 音音音 -1.0-0.5 -0.50.0 形形音形形形形形 1 尤度 = -41.26 1. すべての要因から同程度に 影響を受ける。相対的に意 味的複雑性,訳語の影響を -1.0 意意形形形形 -1.00.00.5 味的複雑性,訳語の影響を 強く受けるクラス 2. ⾳節数と形態⾳韻的複雑性 の影響を強く受けるクラス -1.0 -0.50.00.5 訳語の音 2 2. ⾳節数と形態⾳韻的複雑性 の影響を強く受けるクラス-1.0 -0.5 0.0 -1.0 -0.5 0.0 0.5
  37. 37. 体制化⽅略 イメージ化 ⽅略を好む ⾼水準 バランス型 低水準 バランス型 体制化⽅略 と反復⽅略 を好む 1 2 3 41 2 3 4 1 主主形主主主主主形主主主主主形主主主 2 方方
  38. 38. 体制化⽅略 イメージ化 ⽅略を好む ⾼水準 バランス型 低水準 バランス型 体制化⽅略 と反復⽅略 を好む 1 2 3 4 特に苦⼿は 1 2 3 4 1 特に苦⼿は ない 主主形主主主主主形主主主 ⻑くて複雑 主主形主主主 2 ⻑くて複雑 な単語が 苦⼿ 方方
  39. 39. 体制化⽅略 イメージ化 ⽅略を好む ⾼水準 バランス型 低水準 バランス型 体制化⽅略 と反復⽅略 を好む 1 2 3 4 特に苦⼿は 1 2 3 4 1 特に苦⼿は ない 5%(9) 6% (11) 主主形主主主 21% (39) (11) 21% (39) 主主形主主主 ⻑くて複雑 (39) 9% 主主形主主主 2 ⻑くて複雑 な単語が 苦⼿ 9% (17) 10% 18% (33) 10% (19) 10% (20) (33) 方方
  40. 40. 体制化⽅略 イメージ化 ⽅略を好む ⾼水準 バランス型 低水準 バランス型 体制化⽅略 と反復⽅略 を好む 1 2 3 4 特に苦⼿は 1 2 3 4 1 特に苦⼿は ない 5%(9) 6% (11) 主主形主主主 21% (39) (11) 21% (39) 主主形主主主 ⻑くて複雑 (39) 9% 主主形主主主 2 ⻑くて複雑 な単語が 苦⼿ 9% (17) 10% 18% (33) 10% (19) 10% (20) (33) 方方
  41. 41. 大大A (n =126) 大大B (n =61) 1 2 3 4 1 1 2 3 4 1 主主形主主主 主主形主主主 1 主主形主主主 2 主主形主主主 2 方方 方方方方 方方 フィッシャーの正確確率検定:p = .01 サンプリングした大学を層別にしたコクラン・マンテル・ヘンツェル検定:サンプリングした大学を層別にしたコクラン・マンテル・ヘンツェル検定: CMH統計量 = 9.40, p = .02
  42. 42. 結果結果 • まとめ – ある特定の⽅略を強く選好するクラス(約– ある特定の⽅略を強く選好するクラス(約 30%)のひとは,⾳節数や形態⾳韻的複雑性を もつ語に強い学習困難性をもつクラスに所属すもつ語に強い学習困難性をもつクラスに所属す る確率が倍近く⾼い – 全体的にどの⽅略も同程度に好むクラス(約– 全体的にどの⽅略も同程度に好むクラス(約 30%)のひとは,逆にどのような要因をもつ語 であっても困難性を感じないクラスに所属するであっても困難性を感じないクラスに所属する 確率が倍近く⾼い – 語彙学習⽅略と語彙の主観的学習困難度には関– 語彙学習⽅略と語彙の主観的学習困難度には関 連がある!
  43. 43. コンテンツコンテンツ • 着想と結論 • 背景• 背景 • 調査⽅法• 調査⽅法 • 結果• 結果 – 語彙学習⽅略 – 主観的困難度の測定– 主観的困難度の測定 – 学習者セグメンテーション– 学習者セグメンテーション • 結論
  44. 44. 学習困難度・⽅略によって困難度が変わる 学習困難度・⽅略によって困難度が変わる ・困難度によって⽅略を変える ・主観的困難度が⾼い語彙は回避 されやすい ・回避される語彙は一般化されて 語彙学習⽅略 ・回避される語彙は一般化されて 学習困難度を強化する 語彙学習⽅略 意図的語彙学習にお意図的語彙学習にお ける意思決定・⽅略は期待価値に影響する ・意思決定の結果は⽅略を形成し 強化する強化する
  45. 45. 結論結論 • 学習者のセグメントを理解し,ターゲッ ティングを駆使した教材開発や学習法のティングを駆使した教材開発や学習法の 最適化を!最適化を! – 学習者は意思決定をおこなう主体である • ⽅略研究から意思決定研究へ• ⽅略研究から意思決定研究へ • 認識論的⽅略から⾏動として⽅略へ – ターゲッティング– ターゲッティング • 個人がもちいる⽅略に応じた語彙学習教材• 個人がもちいる⽅略に応じた語彙学習教材 • 対象とする項目に応じた⽅略指導
  46. 46. 結論結論 • 限界 – 単純なリスト学習という一側面のみを前提として– 単純なリスト学習という一側面のみを前提として いる – 擬似語をもちいている– 擬似語をもちいている – 分析上の標本サイズは十分だが,一般化にはここ ろもとないろもとない • 展望 実際の学習に関わる意思決定の過程を観察し,数 展望 – 実際の学習に関わる意思決定の過程を観察し,数 理的なモデルを構築していくこと理的なモデルを構築していくこと – 発達段階と⽅略,学習困難度,意思決定の関係
  47. 47. イメージ化 ⽅略を好む ⾼水準 バランス型 低水準 バランス型 体制化⽅略 と反復⽅略 を好む 1 2 3 4 ⽅略を好む バランス型 バランス型 を好む 特に苦⼿は 主主形主主主 1 特に苦⼿は ない 5%(9) 21% 6% (11)21% 主主形主主主 ⻑くて複雑 21% (39) 21% (39) 主主形主主主 2 ⻑くて複雑 な単語が 苦⼿ 9% (17) 10% 18% (33) 10% (19) 方方 10% (20) (33) 草薙邦広草薙邦広 名古屋大学大学院 日本学術振興会 kusanagi@nagoya-u.jp 川口勇作川口勇作 名古屋大学大学院

×