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Personal Democracy Forum 2015 報告会 資料 シビックテック総まとめ

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2015年 Personal Democracy Forum (PDF) の参加報告です。2015年7月10日早稲田大学で行われた「テクノロジーで変える政治と市民社会―世界の最新事例報告―」シンポジウム資料。
Report from Personal Democracy Forum 2015 (in Japanese)

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Personal Democracy Forum 2015 報告会 資料 シビックテック総まとめ

  1. 1. Personal Democracy Forum 2015 総まとめ 「テクノロジーで変える政治と市民社会―世界の最新事例報告―」 マカイラ代表 藤井宏一郎 2015.7.10
  2. 2. 日本のシビックテックコミュニティの 心象風景には、 東日本大震災と地方創生がたぶんある。 そして少子高齢化社会への対応。 米国の心にあるものは?
  3. 3. 米国のシビックテック 背景にある社会経済の問題意識
  4. 4. • 政治に金がかかりすぎる! • 2010年Citizens United 判決 • 大企業に権力が集中、ロビイストの跋扈 • 極端な党派主義 • 機能しない議会・政府(2013年政府閉鎖) • 恣意的な選挙区割り(Gerrymandering) • オバマの“Change” 失敗への落胆 • 一方、民主主義を壊した「政治とカネ」(大統領選)がシビック テックを支える皮肉(ヒラリー候補も)。。。 「民主主義は壊れている」
  5. 5. 関連セッション (「民主主義は壊れている」) • Understanding America‘s Interested Bystanders (Kate Krontiris) → コミュニティや社会改善に関心あるが政治から遠ざかっている 「関心ある傍観者たち」。 • Public Engagement Is Broken. Are You Part of the Problem? (Catherine Bracy) → 行政広聴をテクノロジーで改善する。 • Hacking the Civic Imagination (Andrew Slack) → 企業献金が支配する選挙への抵抗を呼びかけ。シビックテックで 市民の関心のある政策を2016年大統領選に向けプレイアップ。 • The Politics of Joy (Zephyr Teachout) → 大企業への権力集中を懸念。シビックテックは口だけの宣言が 多く、まだ実際に組織的インパクトを持てていないと注文。
  6. 6. 「資本主義も壊れている」 • 知識経済社会・ポスト工業化社会・新自由主義の負の面 • 潤うのはエリートのみ • 2008年リーマンショックからの「雇用なき回復」 • (シビックテックはシリコンバレーのエリートが担う皮肉) • 貧富の差の拡大 • Occupy Wall Street(2011年) • オンデマンド経済: テクノロジーによる経済大変革 • 非正規雇用の増加(2009~15年で40%↑) • 労働者の組織率の低下
  7. 7. 関連セッション (「資本主義も壊れている」) Creative Collision: How Business and Social Movements Will Reshape Our Future(Palak Shah) → 家事労働者のためのクラウドソーシングの改善 Putting Labor in the Lab: How Workers Are Rebooting Their Future (Carmen Rojas) → 労働環境改善サービスへのファンディング Labor Codes: The Power of Employee-Led Online Organizing (Jess Kutch) → スターバックス従業員の労働環境改善のためのSNS組織化など
  8. 8. 「この社会は分断されている」 • 政治がプロのものになってしまっている。 • 一般市民には参加方法が分からない→ Interested bystanders • 無くならない人種差別・移民差別 • Ferguson暴動(2014年)、ボルチモア暴動(2015年) • Black Lives Matter • 崩壊する家庭 • DV(家庭内暴力)や性的虐待など
  9. 9. 関連セッション (「この社会は分断されている」) Segregation, Society, and the Future of Social Data (Dave Troy) → Twitter API のビッグデータで社会の分断をマッピング。 差別を可視化し、社会不安を予測。 Powerful Platform, Powerful Movements (Dante Barry) → 時給15ドルを巡る闘争の組織化、アフリカ系アメリカ人のツイッ ターコミュニティ(Black Twitter)など。テクノロジーは当局による市 民監視でなくて、市民のために使わなくてはいけない。 Reverse-Engineering the Vampire Squid (Astra Taylor) → Debt Collective: 教育ローンや医療費による過重債務者の解放 のための組織化プラットフォーム。
  10. 10. 関連セッション (「この社会は分断されている」) Winner Texts All (Nancy Lublin) → 危機的状況にある子供のためのホットライン Crisis Text Line ビッグデータ解析でトリ―アジ。どのコミュニティで自殺者が多いか なども解析(モンタナ州のネイティブアメリカン居留地)
  11. 11. シビックテックの領域と手法 選挙 議会 行政 自 由 で オ ー プ ン な ネ ッ ト イ ン フ ラ コミュニティ 市民 NPO オープン/ビッグデータによる効率化・可視化 プレイヤー間のインターフェース改善 新 し い テ ク ノ ロ ジ ー S S N に よ る 組 織 化 民 間 的 開 発 手 法 活 用 負 の 面 の 対 応 法 制 度 物 理 イ ン フ ラ
  12. 12. シビックテックが得意な分野 選挙 議会 行政 自 由 で オ ー プ ン な ネ ッ ト イ ン フ ラ コミュニティ 市民 NPO オープン/ビッグデータによる効率化・可視化 プレイヤー間のインターフェース改善 新 し い テ ク ノ ロ ジ ー S S N に よ る 組 織 化 民 間 的 開 発 手 法 活 用 負 の 面 の 対 応 法 制 度 物 理 イ ン フ ラ
  13. 13. シビックテックが得意な分野 • 社会の組織化 • SNSによる市民活動や選挙の組織化、プロファイリングなど • データの活用 • ビッグデータ・オープンデータで可視化、最適化、効率化 • 民間的手法の政府導入 • UI/UXの改善、リーン開発など民間手法を非効率な政府に。 • 途上国での活躍 • 先進国ではシビックテックは政府・行政の「補完・改善」だが、途 上国では政府やメディアを「代替」することも。
  14. 14. 関連セッション (シビックテックが得意な分野) <社会の組織化> What Kind of God Do We Want To Be? (Jim Gilliam) → Nation Builder:リーダーのためのコミュニティ構築用ソフト You Are Not a Target: What We Actually Do With Your Data (Carol Davidsen) → ビッグデータによる選挙キャンペーン Building a New Operating System for Democracy (Santiago Siri) → ネットによる直接民主主義政党をアルゼンチンで作る Imagining the Congress of the Future (Rep. Cathy McMorris Rodgers) → 政党のメディア部門をIT化、国民とネットでコミュニケーション。 共和党は民主党にテクノロジーで遅れをとっている
  15. 15. 関連セッション (シビックテックが得意な分野) <データの活用> Network Mapping the Ecosystem (Marc Smith) → ソーシャル・グラフから社会の組織構造を分析。6つの類型: 1)polarized crowd, 2)tight crowd, 3)brand clusters, 4) community clusters, 5) broadcast network, 6) support network The Civic Graph: Put Yourself On The Map (John Paul Farmer) → ソーシャル・グラフでNPOや財団、市民リーダーなどの協力関係を 可視化。資金源や協力すべき相手を見つけることができる。 Open Data and Mass Joy (Daniel X. O‘Neil) → シカゴ市におけるビッグデータなどの活用。テクノロジーとデータは 市民の幸せのために。
  16. 16. 関連セッション (シビックテックが得意な分野) The Long Struggle for Open Knowledge (Rufus Pollock) → 真のオープンデータとは何か。データは使える形に。活版印刷を 発明したグーテンベルクよりも聖書を英訳したティンデールに注目。 The Public Library as Civic Hub in the Digital Age (Dr. Anthony Marx) → 市民社会の基盤となる知識・情報の源である「図書館」はまだ完全 に電子化されていない。図書館の電子化や情報の活用について シビックテックコミュニティに協力を呼びかけ。
  17. 17. 関連セッション (シビックテックが得意な分野) <民間的手法の政府導入> The U.S. Digital Service: An Improbable Public Interest Startup (Haley Van Dyck) → healthcare.gov の失敗を受け、米国政府が外部テック専門家を起用。 民間では当たり前のリーン開発やUI最適化導入により大幅改善。 From Alinsky to Zuckerberg: UX Rules for Radicals (Taren Stinebrickner- Kauffman) → 市民活動のためのUX改善。市民活動はテックでシリコンバレー企業 にまだまだ3~5年は遅れている。
  18. 18. 関連セッション (シビックテックが得意な分野) <途上国における活躍> During and After Atrocity: How Kenyans Use The Web to Heal and Deal (Nanjira Sambuli) → ケニアで政府の弾圧に対してSNSで市民を組織化・情報提供 Collaborative News: From "Narcotweets" to Journalism-as-a-Service (Andres Monroy-Hernandez) → 麻薬シンジケートの前に政府もメディアも機能不全。市民が暗号を 使ったツイッターでメディアの役割を果たす。
  19. 19. シビックテックが苦手な分野 選挙 議会 行政 自 由 で オ ー プ ン な ネ ッ ト イ ン フ ラ コミュニティ 市民 NPO オープン/ビッグデータによる効率化・可視化 プレイヤー間のインターフェース改善 新 し い テ ク ノ ロ ジ ー S S N に よ る 組 織 化 民 間 的 開 発 手 法 活 用 負 の 面 の 対 応 法 制 度 物 理 イ ン フ ラ
  20. 20. シビックテックが苦手な分野 • 政治行政の実際の仕組み・力学の知見が足りない。 → 「素人的」な議論も多い。政治の素人こそ政府に乗り込もう、 直接民主主義、シビックテック特区で全て解決、など。 • 「人間的な調整」や「ソーシャルハック」を要する場面が苦手。 • 可視化や最適化などを目的とする「形式的中立」の行政系プロ ジェクトが多く(”Content neutral”)、政治・議会・民主主義を特定 方向に動かす力となっていない。 • Tools Imperialism(ツール支配):アプリ開発、マッピングなどに 凝るばかりで、実際に政治を動かしていない。
  21. 21. 関連セッション (シビックテックが苦手な分野) People v. City: A Love Story In Three Hacks (Xavier Leonard) → サンディエゴ市当局に対する「人的ハック(ソーシャルエンジニ アリング)」の体験談 Reckoning With Power (Eric Liu) → シビックテックは可視化・効率化などばかりでなく、「正しい方向 へ権力を動かす力」になれ、との訴えかけ Can We Finally Have a Digital Democracy? (Emma Mulqueeny) → デジタル民主主義は可能か?ツールだけでは不十分。 人々の訴え:①政局より政策、②普通の言葉で、③一方通行は やめろ、④理解しないと参加できないが理解する時間がない。
  22. 22. 関連セッション (シビックテックが苦手な分野) Can the Internet Generation Come to Power? (Birgitta Jonsdottir) → アイスランドの海賊党: 財政危機下の憲法改正という一点突破 で民衆の支持を得て国会に乗り込む。「モンスター」となった政党 政治を市民の手に取り戻す試み。 Time For an “Internet Party”? (Craig Aaron CEO of Free Press) → ポピュリズム的なエネルギーをどうやって永続的な政治改革に 結びつけるか?「インターネット政党」はまだ早い。 少なくとも2016年で「インターネット政策」を主要なテーマに位置 付けるためのキャンペーンを貼ろう!
  23. 23. 新しい技術の活用 選挙 議会 行政 自 由 で オ ー プ ン な ネ ッ ト イ ン フ ラ コミュニティ 市民 NPO オープン/ビッグデータによる効率化・可視化 プレイヤー間のインターフェース改善 新 し い テ ク ノ ロ ジ ー S S N に よ る 組 織 化 民 間 的 開 発 手 法 活 用 負 の 面 の 対 応 法 制 度 物 理 イ ン フ ラ
  24. 24. 新しい技術の活用 • ドローン • 商業利用もまだ開発途上だが、シビックテックでも活用を模索。 • 市民に「対して」(当局が)監視に使うことも心配されている。 • ブロックチェーン • ビットコイン(貨幣的価値)だけでなく、アイデンティティ、評判、 その他あらゆる価値を記録して流通させることができる。 • シビックテックでブロックチェーンの理解はまだまだ浅い。 新しい技術は商業利用もシビックテックもまだ活用方法を模索中。 ただし、やはり商業利用の方がスピードは速い。
  25. 25. 関連セッション (新しい技術の活用) Do-it-Yourself Drones for Good (Emily Jacobi) → アマゾン原住民が森を守るための監視・管理に活用。 Blockchain As the Next Platform (Brian Forde) → ブロックチェーンの基本知識と、市民のための応用の可能性 の説明。シビックテック・コミュニティに、新たな利用方法の開発を 呼びかける。
  26. 26. テクノロジーの負の側面への対応 選挙 議会 行政 自 由 で オ ー プ ン な ネ ッ ト イ ン フ ラ コミュニティ 市民 NPO オープン/ビッグデータによる効率化・可視化 プレイヤー間のインターフェース改善 新 し い テ ク ノ ロ ジ ー S S N に よ る 組 織 化 民 間 的 開 発 手 法 活 用 負 の 面 の 対 応 法 制 度 物 理 イ ン フ ラ
  27. 27. テクノロジーの負の側面への対応 「人間疎外」が一番大きな問題 • SNSに振り回される人間 • 常によい顔。本当の自分になれない。 • Attention Economy(”関心経済”)。人々の有限な時間と関心 を奪い合うネットサービス • 監視社会: 政府や巨大ネット企業のプライバシー侵害。 • 当局によるドローンや顔認識など新技術の活用 • アルゴリズム: 素人には分からない「コード」が支配する社会 • IoT: もはや自分の「モノ」すら自由に利用処分できない世界
  28. 28. 関連セッション (テクノロジーの負の側面への対応) Imagine All the Feelz (Deanna Zandt) → 女子の74%は他の女子がネットで自分を実際より良く見せてい ると思っている。SNSで社会は集団”うつ”に? Constantly Distracted? Design for Time Well Spent (Tristan Harris) → 時間と関心を奪い続けるスマホはスロットマシーンと一緒だ。 より有意義に時間を過ごせるためのプロダクトデザインとは? Weapons of Math Destruction (Cathy O‘Neil) → 見えないアルゴリズムが人々をランク付けして社会を支配する。 勤務評定や法執行の場面で。
  29. 29. 関連セッション (テクノロジーの負の側面への対応) Fear Fear (Lila Tretikov) → 政府の監視に対抗するツールを作る。 An Internet of Things That Do As They‘re Told (Cory Doctorow) → IoTの世界は、家電も車も家も、すべてが「インクジェットプリン ター」のようになる。DRM(著作権管理技術)に守られ、 純正品しか使えず、自分で修理もできない。
  30. 30. シビックテックを支える制度的基盤 選挙 議会 行政 自 由 で オ ー プ ン な ネ ッ ト イ ン フ ラ コミュニティ 市民 NPO オープン/ビッグデータによる効率化・可視化 プレイヤー間のインターフェース改善 新 し い テ ク ノ ロ ジ ー S S N に よ る 組 織 化 民 間 的 開 発 手 法 活 用 負 の 面 の 対 応 法 制 度 物 理 イ ン フ ラ
  31. 31. シビックテックを支える制度的基盤 • 「自由でオープンなインターネット」を守る法制度 • 市民的自由と参加の基盤として、守ってきた歴史 • SOPA・PIPA、ACTA、愛国者法、ネット中立性、TPPとの戦い • アクセスを保証するインフラ整備 • デジタルデバイドの解消 • ネットへのアクセスはもはや市民の権利
  32. 32. 関連セッション (シビックテックを支える法制度的な基盤) The Net as a Public Utility (Harold Feld) → 通信インフラは「公共財」。通信事業へは政府の介入が必要。 The Perils and Prospects of Bringing the Next Billion Online (Sunil Abraham) → Internet.orgは囲い込み。途上国にも自由でオープンなネットを。 Same As The Old Boss? (Danny O‘Brien) → 政府監視との戦い。巨大ネット企業による監視も問題。
  33. 33. Thank you. Questions?

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