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ナレッジグラフ推論チャレンジ技術勉強会(2018/10/18)
2018 年 10月18日(木)開催の SWO研究会ワークショップ「ISWC2018参加報告&推論チャレンジ技術勉強会」 第2部:ナレッジグラフ推論チャレンジ:応募に向けた「技術勉強会」の資料
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ナレッジグラフ推論チャレンジ技術勉強会(2018/10/18)
1.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 SWO研究会ワークショップ ナレッジグラフ推論チャレンジ「技術勉強会」 人工知能学会セマンティックウェブとオントロジー(SWO)研究会 1 2018年10月18日(木)@JST東京本部「別館」
2.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 公式Webサイト 2 http://challenge.knowledge‐graph.jp/
3.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 本日の概要 本日のねらい 10月末の応募締切に向け,チャレンジの概要,想定 される推論例,応募のポイントなどを解説し,具体的 な応募イメージをつかんでいただく. 本日の予定 16:00 ナレッジグラフ推論チャレンジの紹介[古崎] ・開催趣旨,概要 ・提供するナレッジグラフの説明 16:30
SPARQLと推論ルールを用いた例+デモ[江上] 16:50 応募イメージの紹介[川村] 17:30 質疑応答 17:45 終了 3
4.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 開催趣旨 “何に”チャレンジするのか? シャーロック・ホームズのような “推理”(推論)ができるAI技術の開発 にチャレンジする! 具体的には, 与えられた事実(情報)に基づいて… 事件の犯人を,正しく突き止める その理由(証拠,トリック,etc.)を,適切に説明する →“説明能力(解釈可能性)”をもったAI技術の開発 4
5.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 タスク(課題)の概要 推理小説の内容をもとに,事件の背景,起こった出 来事,人物像などを知識化したナレッジグラフ(LOD) を用いて,“犯人を推理する” ただし,“その理由をきちんと説明できる”こと! 対象とする推理小説 「シャーロック・ホームズ」短編シリーズから人気No.1 の「まだらのひも」をナレッジグラフ(LOD)化 5 どのような“推理・推論・説明”に, どのような“知識”が,どの程度必要か? を考察するテストケースと位置づけられる. 2018/9/8 課題の概要
6.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 想定している応募内容 推理?推論?推定?する手法は,情報技術であれば なんでもOK! 手法1 SPARQLで検索して探す 例)
特定の時間に特定の場所に居た人をUnionで探す,など 手法2 一階述語論理に基づくルールを加えて推論す 例) ナイフに個人の指紋がある ⇒ 犯人である,など 手法3 オントロジーに基づいて記述論理で推論する 例) 犯人クラスを定義し,犯人候補との包摂関係を推論する,など 手法4 機械学習を用いて分類,クラスタリングして推定する 例) 他の事件における犯人の特徴群から学習・推定する,など 提供されたナレッジグラフ以外の外部知識も利用可 適切な推理を進める上で必要な“捜査戦略”や“常識知識”の 導入も,キーポイントの1つ. 6
7.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 推理(推論)の例 ジュリアの死に不審な点があると,ヘレンから相 談を受ける ↓ ←犯人は現場にいた人【外部知識】 「ジュリアが死んだ日」に現場の屋敷にいた人物 の一覧を取得する ジュリアが結婚すると,ロイロット博士に入るお金 が減る ↓
←お金は殺人の動機になりうる【外部知識】 ロイロット博士がジュリアを殺す動機になる 7
8.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 応募要領の概要 提出物 応募は本部門とアイデア部門に分かれています. アイデア部門は以下の1,2のみで結構です. 1. 応募者に関する情報 2.
推論・推理過程の説明 3. 実行プログラム (ただし,ソースコードの提出は必須ではありません) 審査基準 1. 正しく犯人を当てているか? 2. 説明が納得できるか? 3. 技術的な工夫 推論の仕方 拡張した知識 4. 評価観点 汎用性:一般的な知見となりうるか? 少ない知識をうまく使う vs. 多量の知識? 8
9.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 開催スケジュール(これまで) 2017/02/26 推論チャレンジ(仮称)の構想開始 in
第41回SWO研究会@志賀島 2017/11/25 第1回公開WS:推論チャレンジ(仮称)開催予告 in 第43回SWO研究会@人工知能学会合同研究会2017 2017/12/19 第2回公開WS:スキーマ検討会 2018/02/28 第3回公開WS:スキーマ設計会 2018/03/18 第4回公開WS:ナレッジグラフの構築テスト in 第44回SWO研究会@五島市(合宿)併設ワークショップ 2018/04/23 第5回公開WS:「推論チャレンジ」ワークショップ 2018/06/05 ナレッジグラフ公開・チャレンジ開始 2018/08/07 応募に向けた技術勉強会 9
10.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 今後の予定 2018/10/18:応募に向けた技術勉強会(2回目) 2018/10/30: チャレンジ応募締切 2018/11/25:
授賞式 (JIST2018@淡路島での併設イベントを予定) 2018/12月以降 応募者共著で国際会議での発表,論文投稿も予定 数年目以降は国際イベント化し,海外からの参加も募集! ナレッジグラフ構築の自動化など,タスク範囲の拡大も検討 10 詳細は公式サイト,http://challenge.knowledge‐graph.jp/ もしくは「推論チャレンジ」で検索
11.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 提供するナレッジグラフの説明 本チャレンジの課題(タスク)向けに 提供するナレッジグラフのスキーマ, データ内容についての説明します ナレッジグラフ推論チャレンジ:応募に向けた「技術勉強会」 11 ※以下の説明は,2018/08/07開催した「技術勉強会」と同じ内容です.
12.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 ナレッジグラフ化の手順検討 手順決定に至るまでの経緯 ワークショップにてスキーマ検討 テンプレートを作成し,ワークショップ入力テスト →フィードバックを受けて,構築方法再検討 コアメンバー(3名)で構築作業 構築方法の再検討結果 小説全文をKG化 →
推理に必要な部分に絞ってKG化 小説の原文を残しKG化 → 予め,簡易な日本語に直したものKG化 構築方法が決定したら,クラウドソーシングでKG化 →ワーカへの支持が難しそうなので,学生バイトで… →(1年目は)コアメンバーで手分けしてKG化 12
13.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 実際のナレッジグラフ化の手順 1. 小説の内容から,ナレッジグラフ化の対象とする部分を抽出 (赤色でマーク) 2.
1.でマークした部分を(中心に),短い文を箇条書きした形 に要約する 短い一文を「一つの場面」とする 例)ホームズはそれをヘレンに説明した。 ヘレンは真っ青になった。 3. 要約した短い文を基に,ナレッジグラフ化する情報を 「テンプレート」に記入 場面ごとにIDを付与,表記ゆれを統制,場面間の関係性の記述... 1. 全体を3つに分けて分担作業(1人7-10時間程度の作業) 途中,作業方針すり合わせのミーティングを開催(2-3回) 2. 各単文を英訳+表記統制 3. 場面の関係性,時間の記述+最終確認 4. テンプレートに記入いた内容を,プログラムでRDFに変換 13
14.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 ナレッジグラフ化の考え方 ナレッジグラフの要求仕様 犯人を推論(推理)するのに必要な知識を提供する 「推理小説」で描かれる様々な状況を,できるだけ統一的 な形式で計算機処理(検索・推論・etc.)可能にする ナレッジグラフ化の基本方針 「推理小説」の内容を,最小単位の「場面(シーン)」に分割 →場面ごとにID(IRI)を付与 「各場面の記述内容」および「場面間の関係」をグラフ化 →グラフ化に必要なクラス・プロパティを定義 場面1 場面2
場面3 場面4 場面5 ・・・ ・・・ 14
15.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 抽出した文章+要約の例 15
16.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 テンプレートのサンプル 16
17.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 スキーマ:「場面」 場面 原文 主語 述語 目的語 subject hasPredicate source その他 他の場面 場面間 主語 目的語 述語 の形でないことに注意 スキーマの基本構造 「場面」の記述に用いるプロパティ(赤字は必須)
subject:その場面の記述において主語となる人や物 hasPredicate:その場面の内容を表す述語 場面の詳細を表す目的語:whom(だれに), where(どこで), when (いつ), what(何を), how(どのように), …etc. 場面間の関係:then,if, because, …etc. time:その場面が起こった絶対時間(xsd:DateTime) source:その場面の原文(英語/日本語のリテラル) →場面に関わる複数の 情報をまとめるため 「場面」中心に記述 17
18.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 スキーマ設計における工夫点 「事実・状況」と「発言・考え」の書き分け Aの(Bへの)発言,Aの考え :A,Bに相当する人(情報源)を記述 複数の主語・目的語の扱い AND:場面を中心とした記述にしているため,主語/目的 語を表すプロパティを複数記述することで表現 OR:「ORの組み合わせ」を表すリソースを導入することで 統一的な扱いが可能 述語の否定(〇〇しない,できない)の扱い NOT,CanNOTを表す行為クラスを導入 人やものがもつ「性質」 hasProperty+「性質」で表現 18
19.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 例:「場面」の記述 原文(英語/日本語) 各場面には 一意の ID(IRI) を与える 絶対時間※小説内に基準 日時を設定している 主語・述語・目的語は全て 「リソース」として定義 →他の場面で同じ目的語 を参照できる 述語 主語 他の場面 場面の種類(クラス)分け Scene:上位クラス -Situation:事実・状況の描写 -Statement:Aの発言 -Talk:AのBへの発言 -Thought:Aの考え 19
20.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 例:AのBへの発言 情報源となる人物A と受け手B 情報源となる人物A 受け手B ※Talkの場合のみ 20 Talk:AのBへの発言
21.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 シーン間の関係 シーン間の関係を表す プロパティ 21
22.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 シーン間の関係の種類 シーン間の関係を表す プロパティ 22
23.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 ANDの扱い 同じプロパティによるトリプルを複数記述することで表現する 23
24.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 ORの扱い ORで表された組を指すリ ソースをORobjとタイプの インスタンスとして記述 ORobjタイプ ※Objectのサブクラス ORの対象となるリソース 24
25.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 動詞の「Not」の扱い TypeをNotActionとす ることで表現 ※NotActionはActionの サブクラス →Actionタイプである ことも明記 原型のAction 「できない」の 場合は, CanNotActionと する 原型のAction 25
26.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 hasPropertyの例 kgcc:Propertyタイプ 26 「性質」を表す 任意のリソースを 導入する
27.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 クラス,プロパティ一覧 27
28.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 ナレッジグラフ利用技術の紹介 ナレッジグラフの処理に利用できるツール (データベース,API,など)や関連技術 (SPARQLなど)の情報を紹介します. ナレッジグラフ推論チャレンジ:応募に向けた「技術勉強会」 28
29.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 利用可能なデータ(テキスト) 原文 青空文庫「まだらのひも」からダウンロード ナレッジグラフ化のための加工データ Speckled Band_Soruce.docx 原文からRDF化する部分をマーク(赤字)+該当箇所を要約(青字) したもの SpeckledBand.xlsx 要約した文をもとに,テンプレートに入力したもの SpeckledBand.tsv テンプレート入力結果をTSVに変換したもの これらのテキストデータを利用した処理もOK 29
30.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 RDFデータの提供方法 RDFファイル SpeckledBand.nt,SpeckledBand.rdf,SpeckledBand.ttl
kgc.owl スキーマ定義(各RDFファイルにも含む) SPARQLエンドポイント http://lod.hozo.jp/repositories/kgc 参照解決可能URL http://kgc.knowledge-graph.jp/data/SpeckledBand/XXX (XXX=1から401の数字,または,k001) というURLにより,RDFデータに参照解決可能なアクセス可能 拡張子を変更することで,各種形式のRDFを取得可能 →プログラムから直接処理も可 例) http://kgc.knowledge-graph.jp/data/SpeckledBand/36 http://kgc.knowledge-graph.jp/data/SpeckledBand/36.ttl http://kgc.knowledge-graph.jp/data/SpeckledBand/36.rdf http://kgc.knowledge-graph.jp/data/SpeckledBand/36.json http://kgc.knowledge-graph.jp/data/SpeckledBand/36.jsonld 30
31.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 RDFを扱うための技術・ツール RDF用のライブラリ https://github.com/KnowledgeGraphJapan/sparql-library- examples にプログラム言語でのサンプルあり Javaを使うなら,Apache
Jenaがおススメ OWL形式のファイルを開くには protégéなどのオントロジーエディタを使用(RDFファイルも開ける) https://protege.stanford.edu/ RDFファイルをDBに格納して使用するには FusekiやVirtuosoなどのRDF-DBを使用 チュートリアル資料 Jena,Fusekiの簡単な使用方法,SPARQLクエリの書き方など https://github.com/KnowledgeGraphJapan/LODws2nd 31 RDF処理に利用可能な技術
32.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会
1 2017/11/25 JSAI合同研究会 推論チャレンジ技術勉強会 SPARQLと推論ルールを用いた例 人工知能学会セマンティックウェブとオントロジー(SWO)研究会 2018/10/18 @JST東京別館
33.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 発表内容 今年のナレッジグラフ推論チャレンジの題材 「まだらのひも」ではなく「白銀号事件」を題材に紹介 2 2017年11月の人工知能学会合同研究会@慶應矢上キャンパスで行った 「第1回公開WS:推論チャレンジ(仮称)開催予告~解釈可能な人工知能を 目指して~ 」のデモ発表内容と一部重複します。
34.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 白銀号事件 短編集「シャーロック・ホームズの思い出」より 青空文庫「白銀の失踪」 https://www.aozora.gr.jp/cards/000009/card4292 9.html あらすじ ウェセックス・カップの本命馬である白銀号が突然失踪す る。 さらに調教師のストレイカーが死体で発見され、殺人事件 として捜査が進められる。 ※本デモではネタバレがあります 3
35.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 あらすじ (1/4) 白銀号が失踪した晩、予想屋と思われる怪しい男(=フィッ ツロイ・シンプソン)が白銀号の厩舎(きゅうしゃ)にやってきた。 世話係のネッド・ハンターがその男に犬をけしかけようとす るが、すでに逃げ出していなくなっていた。 4 白銀と栗毛、確実 な予想を教えてく れませんかね 予想屋だな。 出てけ
36.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 あらすじ (2/4) その夜中の1時に、調教師のストレイカーが馬の様子を見に いったまま戻らず、 翌朝厩舎にストレイカーの妻が行ったところ、見張り当番の ネッド・ハンターが薬で眠らされており、 白銀号もストレイカーもいなくなっていた。 5 Zzz… 夫と白銀号は どこ行った?
37.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 あらすじ (3/4) ストレイカーは厩舎から4分の1マイルほど離れた茂みの中で、 頭を鈍器のようなもので殴られ、腿を刃物で切られた死体で 発見された。 死体の右手には血の付いた外科用のメス、左手には昨晩厩 舎にやってきた男がつけていたネクタイ(スカーフ)を持ってい た。 6 Zzz…
38.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 あらすじ (4/4) 警察は殺人事件の容疑者としてネクタイの持ち主、フィッツロ イ・シンプソンを逮捕し、ストレイカーがメスで傷つけたと考え る共犯を探していた。 白銀号の行方と真犯人をホームズが推理する。 7 やってない! ネクタイ君ので しょ。逮捕!
39.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 作中の主な登場人物 (KG化の際には簡略化のため何人か除外) シャーロック・ホームズ ワトソン グレゴリ警部 馬:白銀号 白銀号の調教師:ジョン・ストレイカー (死亡) 白銀号の馬主:ロス大佐 白銀号の厩舎の馬丁(ばてい):ネッド・ハンター ストレイカーの妻 ストレイカーの女中 怪しい男:フィッツロイ・シンプソン ライバル馬:デスボロ デスボロの調教師:サイラス・ブラウン ジプシー 8
40.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 事実を簡易的にKnowledge Graph化 9 今回のチャレンジ「まだらのひも」とは若干構造が異なるが、だいたい同じ
41.
CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 実行環境 MacBook Pro
High Sierra (メモリ16G, Core i7 3.5GHz) RDFストア: Stardog Community 4.1.3 (無償) 推論エンジン: Pellet (Stardogに組み込み) 10 https://www.stardog.com/
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 遺留物から推論するアプローチ 「犯行現場に落ちていた物の所有者は誰か」 SELECT *
where { ?x kgc:where kd:犯行現場 ; kd:所有者 ?s . filter(?s != kd:ジョン・ストレイカー) } 11
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 遺留物から推論するアプローチ(結果) 12 ジョン・ストレイカーの所有物以外では、フィッツロイ・シンプ ソン(予想屋)のネクタイのみ該当
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 行動から推論するアプローチ 「犯行当日に現場を通ったのは誰か」 SELECT *
where { ?action kgc:who ?s ; kgc:hasPredicate kd:通った ; kgc:where kd:犯行現場 ; kgc:when "事件当日" . } 13
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 行動から推論するアプローチ(結果) 14 ジョン・ストレイカーと白銀号のみ。 犯人が浮かび上がってこない。
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 ホームズの推理をルールとして追加 ホームズの推理 「白銀号が連れ出された時に犬が吠えなかったということは、 白銀号を連れ出した犯人は犬がよく知っている人」 Semantic Web
Rule Language (SWRL) (kd:犬 kd:not吠える ?x), (kd:犬 kd:知っている ?y) -> (?x kd:候補 ?y) 15 白銀号を連れ 出した人 ジョン・スト レイカー 犬 not吠える ネッド・ ハンター 白銀号知っている 候補
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 Stardogにルールを追加 StardogにSWRLを追加することも可能だが、SPARQLのよう にルールを書けるStardog Rules
Syntax (SRS)が推奨されて いる。ルールが増えてくると見やすくなる。 16 PREFIX rule: <tag:stardog:api:rule:> PREFIX kd: <http://kgc.knowledge-graph.jp/data/SilverBlaze/> [] a rule:SPARQLRule ; rule:content """ IF { kd:犬 kd:not吠える ?x . kd:犬 kd:知っている ?y . } THEN { ?x kd:候補 ?y . } """. 「“」3つで囲んだ中に ルールを記述 前件 後件
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 Stardogにルールを追加 Data >
Addからルールを記述したttlファイルをRDFと 同じ場所にロード 17
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 犯人を推論付きSPARQLで探す 「白銀号を連れ出した人, かつ犯行当日に現場を通った人」 SELECT
* WHERE { kd:白銀号を連れ出した人 kd:候補 ?s . ?action kgc:who ?s ; kgc:hasPredicate kd:通った ; kgc:where kd:犯行現場 ; kgc:when "事件当日" . ?s rdf:type kd:Person . } 18
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 犯人を推論付きSPARQLで探す(結果) 19 推論無しでは該当なし 推論有りではストレイカーのみ該当
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 検索経路(サブグラフ) 独自定義したルールとRDFSルールにより新たなリンクが追 加される 20 白銀号を連れ 出した人 ジョン・スト レイカー 調教師 人 rdf:type rdfs:subClassOf rdf:type kd:候補 Action4 通った 犯行現場 kgc:who kgc:hasPredicate kgc:where 事件当日 kgc:when
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 真相 (1/2) シャーロック・ホームズが調査を進め、近くの窪地に馬の足跡 を見つける。 その足跡を追うとライバル厩舎の前まで来ていた。 ライバル厩舎の調教師はレースに有利になるため白銀号を隠 し持っていたが殺人事件とは無関係。 21 魔が差した ライバル馬(デスボロ) の調教師
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 真相 (2/2) 睡眠薬(阿片)は匂いと味が強いため隠すのは容易ではない。 ホームズは,夕飯がカレーと知っており,あやしまれずに阿片混入 ができたストレイカーかその妻が犯人と考えた。 さらに,白銀号が連れ出された時に犬が吠えなかったことに着目 し,犯人は犬がよく知っているものと推理(今回ルールに使用) 現場にマッチ,メスが落ちており,厩舎にいた羊が何匹か足を悪 くしていることから,ストレイカーは白銀号がレースで負けるよう に手術を施す予定だったと推理。羊はその練習。 明かりに驚いた白銀号がストレイカーを蹴り殺した 22
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CC-BY4.0:人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 課題 不足していたor使用しなかった知識 馬(の蹴り)が人を殺しうる 阿片は匂いが強い 足を怪我した羊 自殺・事故の可能性 ……その他多数 推論にもいろいろ 知識をどのように追加・補完(推論)していくか どのような検索経路(推論)で真相へ辿り着くか ホームズの推理だけが答えとは限らない(?) …… 23
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第1回ナレッジグラフ推論チャレンジ2018 ~解釈可能な人工知能を目指して~ 主催: 人工知能学会 セマンティクWebとオントロジー(SWO)研究会 1
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本日の内容 別の小説「白銀号事件」をベースに少し具体的な応募イメージの説明 推論・推定処理の例 応募シート記入例 【参考】
推論チャレンジ 応募要項 http://challenge.knowledge-graph.jp/application.html 2
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推論・推定処理の設計方法 1. 小説にはないが,必要そうな知識をファクト,ルール化していく 本チャレンジは答えが分かっている問題でルールの書き方を学ぶスタンス 2.
独自の推論・推定処理を考案する さまざまな方法の組み合わせを考えるのが望ましい 前向き推論 後向き推論(プラニング) SPARQL検索 オントロジー推論 機械学習,など 3 以下の例では取り得る(適用できる)ルール,ファクトの内の1つの道筋を説明しています. 実際には,実行過程において多数の道筋が取り得て,その内の1つ,または,いくつかが 矛盾を起こさない形となって残る点に留意.
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グレゴリ警部の(間違った)推論 R: Aのモノが現場に落ちていた →
Aが犯人 F: 現場に落ちていたモノ has ?X(スカーフ); F: シンプソン has ?X(スカーフ); F: 予想屋 typeOf シンプソン; R: Aは予想屋である → Aはまっとうな人間ではない R: Bが馬を近くLに隠している → 馬が見つからない F: B exist ?L(近くの荒野); F: ジプシー exist ?L(近くの荒野); R: Bはジプシーである → Bはまっとうな人間ではない ∴ 犯人Aはシンプソンで,馬を隠しているBはジプシー 問題点: 状況証拠(モノが落ちている=犯人)と偏見に頼った推論となっている 4 F: 提供されたナレッジグラフ内のファクト R: 追加すべきルール 後ろ向き推論 ドメイン知識(ナレッジグラフ)から 前件部変数Aに入る値を検索する シンプソンが何者か検索 常識的知識を追加 ドメイン知識(ナレッジグラフ)から 前件部変数Bに入る値を検索する 常識的知識 知識>偏見(小説的ミスリード) 知識>偏見(小説的ミスリード)
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ホームズの推理 R: Aのモノが現場にあった →
Aが犯人である R: Aのモノが現場にあった → Aが犯人かもしれない R: Aが馬を連れ出した → Aが犯人である F: Aは見張り(ハンター)を眠らせた next Aは馬を連れ出した; F: ハンター眠った causedBy (夕食に入っていた)アヘン; R: ハンターの夕食の味が濃い → ハンターはアヘンを摂取する F: 夕食 has マトンのカレー煮; F: 夕食 decidedBy ストレイカー家の家族 F:ストレイカー家の家族 typeOf {ストレイカー,妻} A= {ストレイカー,妻} 5 ドメイン知識 確率的な知識という位置づけ (ただ,ホームズも現場に着くまで シンプソンが犯人と考えていた) ドメイン知識 眠った理由を検索 小説的肝① (なくてもよい) 味が濃い理由を検索 味が濃い理由を検索 F: 提供されたナレッジグラフ内のファクト R: 追加すべきルール
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ホームズの推理 cont’d R: Bが馬を連れ出した@時刻T
→ Bが犯人 R: 見張りが寝ていた@時刻T → 馬を連れ出せた R: 静かだった@時刻T → 見張りが寝ていた(起きなかった) R: 犬が吠えなかった@時刻T → 静かだった R: Bが犬を飼っている → 犬はBに吠えない F: {ストレイカー,見張り(馬丁)3人,ロス大佐} keep 犬; B= {ストレイカー,見張り(馬丁)3人,ロス大佐} A ∩ B = {ストレイカー} 6 時刻Tに絞って ドメイン知識を 後ろ向きにトレース 小説的肝② ドメイン知識からBを検索 結論1 F: 提供されたナレッジグラフ内のファクト R: 追加すべきルール 一般的なルールを上手に使いまわして推論する場合や, ドメインに依存したルールをたくさん用意して少ないステップで推論する場合などがある
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ホームズの推理 cont’d R: Cが馬を近くLに隠している
→ 馬が見つからない F: C exist ?L(ブラウンの厩舎); F: ブラウン exist ?L(ブラウンの厩舎); R: Dがストレイカーを殺した → Dが犯人 R: Dは殺人現場Sに居た → Dがストレイカーを殺した F: {ストレイカー,馬} exist 殺人現場S R: Dはストレイカーである → ストレイカーがストレイカーを殺した! 必然的にもう1つの可能性{馬}となる ∴犯人A,Bはストレイカー,馬を隠しているCはブラウン,ストレイカーを殺したDは馬である 7 結論2 変数Cに入る値を検索 常識的知識 常識的知識 確率的知識 変数Dを検索 【矛盾】 結論3 F: 提供されたナレッジグラフ内のファクト R: 追加すべきルール
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別の推理の可能性 例) 動物(馬)も人を殺せる点を推論過程に入れる オントロジー推論(この場合,プロパティ推論) Person
is-a Mammal; Person canKill Animal; Person canKill Person; 定義済みプロパティとする Animal is-a Mammal; Animal canKill Animal ; (Animal canKill Person ;) 兄弟概念であるAnimalに上記プロパティを追加 例) 羊を使って馬の脚を怪我させる実験をしていた点をいれてもよい 機械学習(この場合,ナレッジグラフ補完) ストレイカー has 羊; ストレイカー hurt 羊; ストレイカー has 馬;(ストレイカー hurt 馬;) 欠損(missing)プロパティとして推定 8
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応募シート1.応募者に関する情報 氏名またはチーム名: 推論 太郎 所属:
IT Tech. Inc. メールアドレス(代表): it@tech.com 9
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応募シート2.推論・推理過程の説明 プログラムのログなどを用いてポイントを解説.アイデアの場合は自由形式. (図などを用いて分かりやすく説明してください) 推論・推定処理における流れ,工夫点などをアピールしてください 使用した知識の範囲(ID) ID:
100-200など 推論・推理のために追加した知識についての記述 (追加した知識をWeb上で公開されている場合は,入手先のURL等も記載. ただし,追加した知識の公開は必須ではありません) 追加した知識についてまとめて記載してください パフォーマンス情報(計算機のスペック,実行時間,使用するメモリなど) MacBook Pro, Memory 8GB, Core i5 2.6 GHz, OS X12 参考情報(もしあれば応募者のWebサイトや関連する論文など) http://www.it.tech.com 10
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応募シート3.実行プログラム 実行形式のアプリケーションがダウンロードできるURL,またはWebサービスの URL (ただし,ソースコードの提出は必須ではありません) http://www.it.tech.com/application 実行方法の説明
上記サイトからkgc.zipをダウンロードをしてjavaでapp.jarを実行 既存ツールを利用する場合は,ツールの詳細(名称,バージョン,有償/無償など) Java 1.8 Stardog Community 4.1.3 (RDFデータベース) Pellet (推論エンジン) 11
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是非,チャレンジにご参加ください 12
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