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再生可能エネルギーの現状と今後の見通しについて

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2016年11月21日の品川区役所での講演資料です。
国内外の再エネの普及の背景・現状・将来予測や、日本国内における課題をご紹介しています。

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再生可能エネルギーの現状と今後の見通しについて

  1. 1. 再生可能エネルギーの現状と今後の見通し 産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 主任研究員 櫻井啓一郎 2016.11.21 http://ksakurai.nwr.jp 注:本スライドには、櫻井の私見が含まれます。 1
  2. 2. 産総研 太陽光発電研究センター概要 場所 茨城県つくば市 福島県のFREAとも連携 研究内容 •効率向上、コスト低減 •新型太陽電池開発 •耐久性・信頼性向上 •評価技術開発 •大量利用技術 人員構成: •研究員 •ポスドク •学生、院生(連携大学院) •テクニカルスタッフ •企業 •etc. http://unit.aist.go.jp/rcpv/ 2
  3. 3. 京都育ち。 子供の頃から機械好き。10歳からハンダゴテとパソコンを仕込まれる。 子供の頃からなんとなくハカセになろうと思っていた。 1985年のつくば万博の頃には科学少年に。 そのまま工学部に入学。 そのまま工学ハカセの道へ。 ハカセになってすぐに万博の街へ。 面白そうなので太陽電池のお仕事を始める。 そのままハマって現在に至る。 櫻井略歴 3
  4. 4. なぜ今、再生可能エネルギーか? ポイントは3つ: ・化石燃料(石油・石炭・ガス)の価格リスク 価格変動と長期的な利用コスト増大 ・地球温暖化 科学的・国際政治的に対策は不可避 ・経済・産業の環境の変化 ・化石燃料への投資リスク増大 ・再エネ、特に太陽光の劇的なコスト低下 ・対策関連産業の規模拡大 (既に化石燃料に比肩するケースも) 4
  5. 5. 原油の価格変動 乱高下&昔のような安さはもう期待できない? 「石油が安い時代は終わった」(IEA) 5
  6. 6. 増大する化石エネルギー輸入額 化石燃料の輸入金額の推移 約20兆円 2000年頃よりも年あたり20兆円近く増加 (参考:先の震災被害額(原発事故除く)が20兆円?) (「平成26年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討委託業務報告書」 (環境省)に加筆) 6
  7. 7. 増える世界のエネルギー需要 省エネにもかかわらず、エネルギー需要は増加の一途 =何もしなければ、値段が上がるばかり IEA, World Energy Outlook 2015 7
  8. 8. 化石燃料の価格想定例 ・シェールガス等の非在来型資源の開発があってもなお高騰リスク ・既存資源は質の低下、掘削コスト増大、油田あたり生産量の減少等 ・石炭は安価だが、CO2排出コストのリスク 価格が読めないことがリスク。対策不足なら高騰の可能性も。 EIA、Annual Energy Outlook 2016 8 原油価格のシナリオ例 ガス価格のシナリオ例
  9. 9. 温暖化傾向は明らか。人為的である確率も95%超(IPCC AR5)。 対策をしないのは経済面でも非合理的(国連、IEA、OECD等々) 地球温暖化 上図、左写真: 環境省「STOP THE 温暖化 2012」より 左グラフ:気象庁 9
  10. 10. 予想される影響の例 ・降水パターンの変化、気温の変化 既に影響は顕在化し始めている(AR5)。 →水資源、生態系への影響、食糧生産減少 →異常高温増加(日本も既に猛暑日・熱帯夜が増加) →砂漠拡大、洪水・渇水被害増大、難民増加、戦争誘発(実例:シリア) ・海面上昇 既に第二次産業革命(~1900年)以降、 約20cm上昇。さらに上昇へ →浸水・水没被害 →数億人の移住が必要に?(AR5) 留意点:今世紀中の海面上昇量として“80cm”等の値が報道されるが、 m単位になる可能性の指摘も複数。(例:doi:10.1038/climate.2010.29) ・平均気温2.5℃上昇でも世界経済の損失はGDPの0.2~2%に(AR5) →温暖化ガス排出を抑えるのにお金をかけた方が経済的 image: Brian Birke 10 (IPCC AR5)
  11. 11. 補足:地球温暖化の予測の信頼性 IPCC(気候変動に関する政府間パネル;国連の組織)による評価報告書: ・世界中の科学者数千人の知見を収集 (原則として査読済み論文) 個別に科学的信頼性を評価 ・科学史上もっとも大規模に情報収集や評価を行った、 この上無く“科学的”な報告書 ・重要な結論は必ず複数の証拠に基づく ・200近い国々がその報告書を公式に承認(@AR4) →手順等にも大きな問題が見つかっていない 一部懐疑論者: ・日本語の自著やブログのみ、まともな論文なし →そもそも世界で読まれてない(科学的なチェックを通ってない) →論拠に想像(陰謀論等)や独自解釈等が混入。信頼性が検証不能 (“まともな”情報に、“まともでない”情報が紛れ込んでいる) (IPCC webサイトより) 信頼性の差は明らか 11
  12. 12. 0 10 20 30 40 50 60 世界の年間発電量(PWh) 世界の各発電方式の発電量推移の予測(IEA) その他の再生可能エネルギー 太陽光/太陽熱 風力 バイオマス 水力 原子力 天然ガス 原油 石炭 出典:IEA, Energy Technology Perspectives,  Sep 2008, Fig.2.15 再生可能エネルギー 背景3:エネルギー・経済構造の変化 12
  13. 13. 対策無しの場合:62Gt 積極的に対策を講じた場合:14Gt 2005 2010 2010 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 70 60 50 40 30 20 10 0 炭素回収貯留(CCS) 原子力 再生可能エネルギー 発電効率改善/燃料切替 消費燃料切替 消費エネルギー効率改善 エネルギー源 での対策 需要側での 対策 年間CO2排出量(Gt) 年 排出量削減の道のり (エネルギー部門についてのIEA による見通し) (IEA, Energy Technology Perspective 2008 を基に再作成) ・あらゆる種類の対策が必要;「銀の弾丸」(silver bullet)は無い! ・エネルギー源(発電等)側での対策が半分、消費側でもう半分 「再生可能エネルギーの大量普及が必須」(IEA) 13
  14. 14. 背景の再確認 ・エネルギー資源枯渇 ・地球温暖化 いずれも 世界規模の、時間も費用もかかる取り組みが必要 しかし やらねば、それ以上の損失が予測される つまり 対策のための新しい商売を生み出す必要がある その中で 再エネも必要不可欠である 14
  15. 15. 再生可能エネルギーとは いわゆる「自然エネルギー」で、 持続的に使えるもの (使い捨てではダメ) 利用する設備などにお金はかかるが、 殆どのものは燃料が要らない。しかも涸れずにずっと使える 光 太陽光発電 バイオマス 熱 太陽熱 風力 水力 大気・海の熱 など地熱 熱 太陽 どれもあと数十億年は使えます ・「太陽・地球物理学的・生物学的な源に 由来し、自然界によって利用する以上の 速度で補充されるエネルギー」 (IPCC SRREN, 1.2.1) ・自然界に元々存在するエネルギーの 流れを利用する ・エネルギーの源は、利用する以上の ペースで再生し、繰り返し利用できる 潮汐 月や太陽の潮汐力 (地球の自転エネルギー) 15
  16. 16. さまざまな再生可能エネルギー 小規模水力太陽熱利用・太陽熱発電 風力発電 バイオマス 地熱発電・地熱利用 太陽光発電 (Wikipediaより) 16
  17. 17. 無尽蔵の再生可能エネルギー 化石燃料の残り 人類の歴史 太陽の残り寿命 : : (30~50年分程度) (~30万年程度) 約50億年 写真提供:国立天文台/JAXA : : 17
  18. 18. 無尽蔵の再生可能エネルギー 経済的に使えそうな量の見積もり 世界の電力消費量 2.3テラワット(TW)  (2008年) 太陽光発電 (54TW) 風力発電 (13TW) 水力発電 +地熱発電 (3.0TW) GLOBAL POTENTIAL OF RENEWABLE ENERGY SOURCES:  A LITERATURE ASSESSMENT BACKGROUND REPORT M.Hoogwijk, W.Graus, ECOFYS, 2007 IEA, Key Energy Statistics 2011 18
  19. 19. 製造等に消費したエネルギーの何倍もの電力が得られる (同量の燃料あたりでは、火力発電の10倍以上の電力を発電) 20GJの 一次エネルギー (石油など) 人類が使えるエネルギーを増やす 72~108GJ (消費した燃料のエネルギーの 何倍もの電力を発生) 6GJ~ 10GJ (損失により、元の燃料の エネルギー量より必ず小さくなる) 燃料を消費 せずに発電 太陽光 (無尽蔵) 効率30~50% 360~540% (設備1kWp分 変換効率14%) 設備 製造 燃焼 (火力発電) (参考:みずほ情報総研、2009年、 NEDO報告書No. 20090000000073) 19
  20. 20. 温暖化ガスの排出量 温暖化ガス(CO2)の排出量を数%以下に削減できる 0 200 400 600 800 1000 化石燃料火力発電 原子力発電 波力 海洋温度差 太陽光発電(旧来技術) 太陽光発電(最新技術) 風力発電(寿命20年) 地熱 水力 バイオマス火力(森林) 発電量あたりの温暖化ガス排出量 (g‐CO2/kWh) 再生可能 エネルギー 枯渇性 エネルギー 11 15 25~34 17~31 31~48 ~132 ~91 10~29 519~975 大幅削減(多くは数%まで減少) ・全て日本国内での見積もり。 ・風力は設計寿命の20年、他は稼働期間30年で計算。 ・波力と海洋温度差のデータは古く、これよりも向上が予想される。 26~62 20
  21. 21. 国の貿易収支への影響 21 製造費 雇用・税収 原料等輸入費 エネルギー (持続的) エネルギー (使い切り) 再生可能エネルギー: ・国産ならば、 費用の相当割合が 国内に還流 ・材料のリサイクル可能 ・輸出も可能 ・ただしバイオマス燃料輸入は 貿易赤字要因 枯渇性エネルギー: ・燃料輸入費分が 貿易赤字に ・使ったらそれっきり
  22. 22. 事故や災害に強い 影響量小 短期間 小規模分散型の電源 影響量大 長期間 大規模集中型の電源 弱点: ・個々の設備が複雑 ・影響範囲が広く大きい ・復帰するまでの期間が長い 長所: ・個々の設備が単純 ・個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい ・復帰するまでの期間が短い (注:櫻井がこのスライドを作ったのは2007年頃です) 大規模集中型の弱点を補完できる (注:短所もいっぱいある、こちらも万能ではない) 22
  23. 23. 国単位での実用例(ドイツ) 太陽光+風力が全電力需要の殆どを 発電する時間も出てきている。 23 太陽光 風力
  24. 24. 再生可能エネルギーは既に価格競争力を持ち始めている 価格でも競争する再生可能エネルギー 太陽光発電の発電コスト 24 出典:IRENA, The Power To Change: Solar and Wind Cost Reduction Potential To 2025 平均コスト@2015年: 十数円/kWh 風力発電の発電コスト
  25. 25. 25 出典: https://cleantechnica.com/2016/11/13/rooftop‐solar‐ tesla‐powerwall‐2‐already‐cost‐competitive‐grid‐australia/ 出典:https://www.tesla.com/jp/powerwall 蓄電池込みでも…? 最新の家庭用蓄電池製品 キロワット時あたりコスト:約5万円 (容量14kWh、工事費や税込みで73万円) オーストラリアの家庭における年間電力コスト比較 太陽光+蓄電 系統電力
  26. 26. 世界の再生可能エネルギー導入状況(1/2) まだ少ないが…?26 全エネルギー 需要(2014年) 発電量 (2015年末) REN21, Renewables Global Status Report 2016 より 太陽光・風力等 風力 バイオマス 太陽光 再エネ 再エネ 化石燃料 非再エネ
  27. 27. 世界の再生可能エネルギー導入状況(2/2) 急増中 27
  28. 28. 0 10 20 30 40 50 60 比率(%) 年 エネルギー需要量に対する 再生可能エネルギーの比率 燃料 熱 電力 出典:Lead Study 2008, BMU Renewable Energy Sources in figures, BMU, June 2008 予測 導入の実例(ドイツ)(1/2) 28
  29. 29. 導入の実例(ドイツの初期段階)(2/2) ・助成の費用 総額が約53億ユーロ(2009年) ・電力消費の約25%が再生可能エネルギーに(2012末) ・経済効果(2009): 投資誘発20億ユーロ、付加価値誘発55億ユーロ 雇用創出約34万人 (2010年:37万人) 国全体でも(負の影響を差し引いてもなお)プラス ・枯渇性エネルギーの輸入量を削減 価格も抑制:50億ユーロぐらいの節約?(2008) ・温暖化ガスの排出量削減割合(1990年比) 京都議定書義務‐21% → 2009年末で‐29%達成 環境保護も経済成長も実現 データ: ドイツ環境省(BMU)、同経産省(BMWi) 29
  30. 30. ・エネルギー資源枯渇への対策 ・地球温暖化への対策 ・経済成長の確保 再生可能エネルギーが導入される理由 再生可能エネルギーなら全部並立する! 「なんか文句ありますか?」(ドイツ) 「ありませんっ!つかうちもやらんとまずいやん」(他国) 30
  31. 31. 再掲:国単位での実用例(ドイツ) 「太陽光だけ」、「風力だけ」ではバランス悪い 再エネは組み合わせて使うのが基本 31 太陽光 風力 出典:energy‐charts.de
  32. 32. 明日は曇りでこのぐ らい発電、精度は7 8%です。 発電量予測 明日は快晴でたくさ ん発電、精度は9 3%です。 電力会社 明日は火力発電の 燃料を節約しよう。 発電量 0時 12 24 発電量 0時 12 24 明日は火力発電を 多めに運転させよ う。 出力予測で化石燃料を節減 32
  33. 33. 発電量 0時 12 24 発電量 0時 12 24 需要だって変えられる(需要制御) 33 明日は曇り、夜の方が電気代安い! ↓ 深夜に蓄熱(エコキュート、空調等) 電気自動車充電 家電利用(洗濯乾燥等) 工場の自動工程稼働 ・ ・ ・ 明日は晴れ、昼の方が電気代安い! ↓ 昼間に蓄熱(その方が高効率) 電気自動車充電 電力を食う工程を多めに(工場等) ・ ・ ・
  34. 34. 予測と「見える化」の実例 風力や太陽光の出力予測と現時点での出力が毎日公表されている (電力の取引価格もそれに伴って変動する) 34出典:https://www.energy‐charts.de/power.htm
  35. 35. 35 送電網も増強 ドイツ北部:風力資源豊富 ドイツ南部:電力需要地 ・相応に時間と資金が必要、反対運動も起きる ・その分、(燃料いらずの)風力や太陽光を活用できる→長い目でみて元が取れる (長期計画が必要!) http://spectrum.ieee.org/energy/renewables/germany‐takes‐the‐lead‐in‐hvdc
  36. 36. 36 社会も変わる ドイツにおける一日の電力価格の相対的変化 出典:The power of transformation, IEA, 2014 ・太陽光の普及で、昼間の電力価格が夕方~夜よりも安くなる →電気の使い方自体も変化していくことに
  37. 37. 37 蓄電無しでも… “太陽光や風力のような変動性電源を 大量に(例えば年間需要の25~40% を)使うことは、長期的なコストを大きく 増やさずに可能である。 “ (IEA)
  38. 38. シナリオによる違い 出典:REN21 Renewables Global Futures Report 2013 世界の全エネルギーに占める割合(%) IEA, EIA等のシナリオは良く引用されるが、エクソンモービル等と同様、最も悲観的な部類 また再エネに関する予測も、実績としていつも悲観的すぎる方向に外れている (IEAやEIAのシナリオだけを断り無しに引用したら、知見や意図を疑われても仕方ない) 38
  39. 39. 拡大する再生可能エネルギー市場 世界の新設発電所の半分 39 BNEF,UNEP,Frankfurt School, Global Trends in Renewable Energy Investment 2016より
  40. 40. 化石エネルギーを越える投資額 電力ビジネスは、もはや再生可能エネルギー抜きに語れない 40 再エネ発電への投資額 (大規模水力除く) 化石燃料発電への投資額 大規模水力への投資額 同、原子力
  41. 41. 41 出典:平成25年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討報告書 各国のエネルギー自給率
  42. 42. 42 参考:ドイツにおける電源構成想定例 太陽光の割合は最終的に(多少の蓄電や輸入等を使っても)1~2割程度まで 単純な発電コストよりも、需要との整合性で決まる (余談:ドイツはもともと地熱や水力の資源が少ない点には注意が必要) 出典:DLR/FhIWES/IfnE, Leitstudie2011 太陽光(国内) 風力 地熱 水力 バイオマス コジェネ
  43. 43. 43 日本の発電量の内訳 出典:自然エネルギー白書、ISEP
  44. 44. 44 日本の再エネの状況 (データ:経産省webサイトより) 合計設備容量:約25GW 発電量に占める割合:5%(2011年度) (現時点で6%程度か?) 追加設備容量:約4GW 太陽光に偏っている(風力も地熱も、資源はもっとあるのに)
  45. 45. 45 太陽電池モジュールの価格の相場 世界の価格相場:0.48~0.62ユーロ/Wp (2016年6月、pvXchange調べ、結晶シリコン) =58~74円/Wp (1ユーロ=120円換算) =6~7万円/kWp 日本の条件では年間1000kWh/kWpぐらい発電、20~30年間で20000~30000kWh つまり発電コストのうち、太陽電池モジュール(パネル)の分は ~ 円 ぐらい。 (参考:燃料費は原油火力で9円/kWh(50$/バレル)、ガス火力は5~8円/kWhぐらい) モジュールを輸入したとしても、今の日本にとって最も安いエネルギー源のひとつ。 しかも一度輸入すれば、リサイクルして繰り返し使える 世界の平均発電コストも、10円台前半/kWhに →ではなぜ、今の日本の買い取り価格はあんなに高いのか?
  46. 46. 上図以外に土地代等も。 発電コストの半分(以上)はソフトコスト。 コストの内訳 ハード以外のコストの削減が重要→規模の経済、人材教育、技術・ノウハウの向上 46 みずほ情報総研、NEDO報告書No.20140000000605、 太陽光発電における産業構造等に関する分析、H26.2より
  47. 47. 日本の太陽光のコスト低減は遅れている 買い取り価格で2倍の差 システム費用のバラツキが大きい(トップクラスの企業は既に他国並み) 47 再生可能エネルギーの導入状況と固定価格買取 制度見直しに関する検討状況について 、 平成28年1月 、資源エネルギー庁
  48. 48. 何をするべきなのか:米独の比較例 導入費用の分布を低価格側に”寄せる”必要性がある 出典:Lawrence Berkeley National Laboratory, Why Are Residential PV Prices in Germany So Much Lower Than in the United States?, Feb 2013 48 ←低価格で提供できる企業だけが生き残り
  49. 49. 買取価格をどんどん下げる 買取価格をタイムリーに下げたことがドイツの成功を生んだ (心を鬼にしてでも下げていく覚悟が必要) Source:Why are residential PV prices in Germany so much lower than in the united states?, LBNL, Feb 2013 Revision FITのタリフ (買取額) 設備価格 (10kW未満の平均) 49
  50. 50. 50 日本の太陽光の課題(他の再エネも共通点多し) ・現行の全量買い取り制度(FIT)は、今のようなハイペースでの導入を想定していない ・元々の予定では、大規模設備は年2~300MW程度から→実際は年数GW そんなハイペースにするなら、、 ・統計公表や買い取り価格(タリフ)の見直しを高頻度にするのが普通 しかし実際は1年ごとのみ (他国例:導入量はリアルタイム集計&それに応じてタリフ自動調整、等) ・市場が過熱した時のフェイルセーフが不足(例外条項はあるが、大臣が動く必要あり) ・品質への懸念 ・急激な市場拡大で現場は人員不足 高電圧がかかる機器を野ざらしで何十年も稼働させるのはノウハウの塊 だが人材育成が追いついていない →故障・事故(発電量低下、感電、火災、強風被害等)増加の懸念 ・資金の使途 ・コスト低減のための技術開発や人材育成、設備投資に回すのが本来の姿 しかし実際は塩漬け土地の処分に…? (→2017年4月から改正法施行予定。どこまで改善されるか?)
  51. 51. 51 http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/302961/112500007/ 太陽光発電設備における事故事例 相手は自然界。人間のサボりを見逃してくれない 市場規模の拡大は、人材育成や法制度整備と歩調を合わせて行うべし http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1601/28/news051.html ・法的な耐風設計基準がかなり緩かった(個々の業者の腕に頼っていた)→順次、改訂中 ・そもそも、その法令すら守っていない例が多発
  52. 52. 日本の再エネ全体の課題 ・国全体のマスタープランの欠如 どの地域に、どの再エネを、どれだけ、どんなペースで導入するか 送電線をどこにどれだけ設置するか 例:北海道は冬期や夜間の電力需要が多い。太陽光以外が重要 (北本連系線を増やさない限り、昼間に電力が余ってしまう) ・変動性電源活用のための情報不足&インフラ不足 ・設備の台帳と稼働データのリアルタイム収集 ・出力予測、需給変動に応じた価格設定とスポット市場 ・遠隔操作による出力抑制 ・広域運用化(=出力予測の誤差減少、化石燃料節約) ・構造問題 ・変化への対応そのものが遅い(バブルぼけ?) 例:新興国市場開拓での出遅れ これからインフラ関係で大きな伸びが見込まれるのに…?(再エネに限らない) ・少子高齢化・教育問題&デマの横行等がそれに拍車をかけている ・電力だけに議論が偏りすぎ。熱利用・コジェネや省エネ(建物断熱強化等)も進めないと、 化石燃料消費量は充分減らせない。 ・化石燃料由来リスク(本資料冒頭)の無視や過小評価。特にコストの議論では算入必須。 ・地域の参加過少(利益の大部分を外部資本に取られている例多し) (EEX webサイトより) 52
  53. 53. 53 再エネの普及予測例 ・石炭やガスが安くなっても、世界の電力の低炭素化は止まらない ・2040年には発電所の6割の設備が低炭素に ・風力や太陽光はさらに安価に、太陽光は最も安価な電源に ・太陽光+風力のシェア:現在5%→2040年迄に30% ・電気自動車は世界の自動車の25%に(電力需要の8%)
  54. 54. 54 日本でのシミュレーション例 日本の再エネは環境省が一番データを持ってい て、普及シミュレーションも行っている。 最新版は「2050年再生可能エネルギー等分散型 エネルギー普及可能性検証検討委託業務報告 書」(H27) コストも手間もかかるが、経済面を含めて 国全体に便益をもたらすことが可能。 (ただし、それなりに効率的に普及させる事も前提!)
  55. 55. 今後はこれが当たり前に (群馬県 太田市 パルタウン) 55 出典:NEDO 出典:METI(八丁原地熱発電所)
  56. 56. ・再生可能エネルギーの普及は: ・金がかかる、リスクもある。 ・だが、経済・エネルギー・環境の並立に貢献する。 ・低炭素化は「負担」と考えるな。 人・物・金の流れを変えるのが真の負担、同時に商機。 ・日本の再エネ: ・コスト低減や普及を妨げているのは、主に人的要因。 技術は既に主因ではない。 ・技術の長所を伸ばし、短所を補う工夫を。 手間だが、その価値はある。 ・電力、特に太陽光だけに偏っている。是正を強く推奨。 ・情報不足の解消、詭弁・デマの抑制を。 まとめ 56
  57. 57. アドバイス(やや毒舌) ・ニセ科学や陰謀論に注意 この状況で”石油もっと使え”はあり得ない どんなに耳に痛くても、信頼性の高い情報を。 ・万能の解決策は無いと知れ いますぐに使える対策が全て必要 他国へもセットで売り込むべし ・ネガティブ禁止 変化は不可避と悟れ。 ・解決策は必ずある。 挑戦すればリスク+チャンス ・抵抗すればジリ貧(ゆでガエルのリスク) 57
  58. 58. 解説資料 太陽光発電全般 ・「トコトンやさしい太陽電池の本 第2版」 (2013.10.28発売) 最新動向も保守点検も政策もカバー ・産総研 太陽光発電研究センターの解説「太陽光発電とは」 http://unit.aist.go.jp/rcpvt/ci/about_pv/index.html ・「波に乗れ にっぽんの太陽電池」 各国動向と助成制度のポイントを解説 ・「太陽と風のエネルギー」 小・中学生向け図鑑(やや高価) ・「太陽光発電システムの不具合ファイル」 太陽光発電所だって故障します 助成制度 ・なっとく!再生可能エネルギー http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/index.html ・「フィードインタリフ制度」(固定価格買取制度)解説 http://ksakurai.nwr.jp/R/slides/WhyFIT/ だまされないために ・ニセ科学の見分け方 http://ksakurai.nwr.jp/R/slides/Nisekagaku.pdf 58
  59. 59. ご清聴有難う御座いました 光(光子) ‐ + 電子 59

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