SlideShare a Scribd company logo
1 of 26
北欧の電力需給に学ぶ

   発表者
  岩間 壮一郎
   青山 巧
贅沢な生活
• 東日本大震災後の計画停電を受けて、自
  分たちだけのエネルギーという考えが変
  わった。
• 北欧の電力自給率から、日本の自給率の
  低さを知り輸入に頼るのはいけないと思
  う
日本のエネルギー消費




図1 日本の一次エネルギー供給量
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2010年版)
図2 各国のエネルギー自給率(2007年)
使用データ:資源エネルギー庁>原子力AtoZ>>エネルギー自給率
• エコな生活

日本はエネルギーの使い
 すぎなのではないか?
各国のGDP当たりの一次エネルギー消費量
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2010年版)
青色の国は京都議定書で削減義務がある
緑色の国と中国は京都議定書で削減義務がない。アメリカは京都議定書に参加していな
い
世界のエネルギー起源二酸化炭素排出量(2005年)
使用データ:資源エネルギー庁>経済産業省、エネルギー白書 2008年版
(2008)
• 「安定供給の確保」や「環境への適合」を達
  成してもコストが高くなっては経済活動にも
  影響するので、「市場原理の活用」で効率化
  を目指さねばならない。
•  そこで、日本は持続可能な経済・社会の発
  展と、よりよいライフスタイルを築くため、
  「安定供給の確保」「環境への適合」「市場
  原理の活用」の3つをエネルギー政策の基本
  方針としている。

•    国は「新・国家エネルギー戦略」などで達
    成すべき目標をかかげているが、目標の達成
    は容易ではない
ノルウェーのエネルギー事情
• 1. ノルウェーは,世界第12位の産油国(234万B/D),世界第5位
  の天然ガス産出国(103.5bcm)。EU諸国に対して,ロシアに次
  ぐ石油・天然ガス供給国(石油:15%,天然ガスの 27%,2007
  年)。EUのエネルギー安全保障上,重要な役割を果たしている。
• 2. GDP の 20%,輸出の 64%を石油・天然ガスに依存。ノル
  ウェー大陸棚における石油・ガス生産から生じる政府収入は,「政
  府年金基金-グローバル」として積み立てており,ノルウェー経済
  への影響を考慮して,専ら国外金融市場で運用。
• 3. 自国域内生産は,推定埋蔵量(約 130 億石油換算立方メート
  ル)のうち約 40%を既に生産済み,今世紀半ばに向け緩やかに減
  少。
• 4. 国内電力供給の 96%(2009)は,豊富な水資源を利用した水
  力発電。
• 5. 海上リグ等の技術から発展した浮体式洋上風力発電施設等、再
  生可能エネルギー関連技術にも競争力を発揮。また,CCS(二酸
  化炭素回収貯留)を推進。
水力発電
• (1) 水力発電量は世界 6 位(2007)。豊富な水資
  源を活用した水力発電が国内電力供給の 96%(2009)
  を占める。その他,火力発電が 3%,風力発電 1%。
  2009 年の総発電量は 132.8TWh(前年比 6.9%減)。
  内,水力 127.1 TWh(同 9.6%減),火力 4.7 TWh
  (286.0%増),風力1.0 TWh(6.9%増)。2008 年,水
  資源を含むエネルギー資源が国民に帰属するものとの
  観点から,現在国,地方自治体,民間が実施している
  水力発電事業は,一部例外を除き今後段階的に民間撤
  退させることを決定。現在水力発電事業を行っている
  民間企業は,発電事業の期限終了(ピーク:2057 年)
  後,国の水力発電事業会社又は地方自治体に水力発電
  施設を返却,若しくは公共資金を得て民間資本を 1/3
  以下にする必要がある。
(2)ガス火力発電
• 2009 年の発電量は 4.7 TWh。国内の電力需
  要が高まる中,水力発電による電力不足
  と国
内産ガス資源の有効活用の観点から,2007
年国内初のガス火力発電所がコーシュトー
にて営業開始(スタットオイル社とスタッ
トクラフト社の合弁企業運営)。CCS 研究開
発が進まないこと,またガス火力発電所稼
働以降ガスの価格上昇及び降水量増等によ
り,ガス火力発電所の稼働率は低い。
• (3)風力発電
• 2009 年の発電量は 1.0TWh。今後生産規模
  を拡大し,2010 年の総発電量 3TWh とす
  る計画。
• ただし,厳しい気候条件下での制約や環
  境問題から陸上風力発電開発の限界も見
  えており,石油掘削用プラットフォーム
  建設等で培った技術を応用した世界初の
  浮遊式海上風力発電施設を設置し,海底
  ケーブルによる送電を試験的に開始する
  等,浮体式風力発電研究開発(Hywind)
  を進めている。
• (5)原子力発電

• ノルウェーに原子力発電所は存在しない
  が,原子力発電の燃料として将来的に開
  発が期待されているトリウムを豊富に保
  有している。
• (6)石炭
• スヴァールバル諸島にて現在稼働中の炭
  坑が 2 鉱。ひとつは国営企業運営で主に
  地域発
• 電の原材料として活用。もうひとつはロ
  シア居留地バレンツブルグでロシア企業
  運営,地域発電に活用されると共に主に
  欧州に輸出。スヴァールバルには他に採
  掘可能な鉱山はあるものの,国際価格,
  気候変動問題等のため,現在は 2 鉱以外
  採掘されていない。
•    確かに日本では、ユーザーが直接電力会社
    に翌日の需要の計画を提出していない。しか
    し、現行の規則体系の下でも、新規参入小売
    り会社(PPS)とそのユーザーとの間でそう
    した契約を結ぶことは可能で、実際にPPSは
    電力会社に翌日の発電と自らの顧客の電力需
    要の計画値を提出している。

•    もちろん、PPSは必ずしもその計画に沿っ
    て発電するわけではなく、当日の自分のユー
    ザーの需要が変動すれば、それに合わせて発
    電を調整する。それでも全くぴったり発電と
    需要が合致す
貯水池が巨大な蓄電池
• ノルウェーは電源のほぼ100%が水力であり、北欧
  市場全体でも電源構成の半分は水力である。しか
  も、貯水池の容量が半端ではなく、北欧全域の年
  間消費電力量の約3割に相当する膨大な水を貯め
  ることができる。まさに巨大な蓄電池である。こ
  れだけ巨大な蓄電池を擁していれば、需要と供給
  のバランスを調整するのは容易だ。

•     ちなみに、北欧市場には、風力発電のシェアが
    20%を超え、風力大国と呼ばれるデンマークも含
    まれている。しかし、北欧全体で見れば、デン
    マークの風力も2%弱のシェアを占めるに過ぎな
    い。大きな蓄電池である水力が豊富なため、風力
    固有の出力変動対策も容易になっているのであ
    る。
•    第2は需要の価格弾力性である。北欧地域
    は電化率が非常に高い。特にノルウェーの最
    終需要端の電化率は45%と、日本のほぼ倍で
    ある。

•    これは、燃料費がタダの水力発電の電気が
    豊富なため、電気を利用した熱源が多いこと
    による。他方、渇水になると、利用できる電
    気に制約が生じ、電力価格が上昇する。そう
    いったときに備えて、石油や薪などほかの燃
    料による熱源もスペアで用意されている。通
    常、電力需要の価格弾力性は小さいといわれ
    るが、こうした熱源切り替えが可能なことに
    よって、北欧は電力需要が価格に対して弾力
    的になる
•    第3に、市場のルールを尊重する価値観が
    強いのではないだろうか。実は、ノルウェー
    はここ10年ほどの間に電気料金が大幅に上昇
    している。これは、北欧全体の需要を満たす
    ために稼動させるもっとも高い電源、つまり
    は火力発電所のコストによって市場価格が決
    まるためで、化石燃料の価格上昇が影響して
    いる。

•    加えて、ここ数年、欧州大陸で電力取引が
    活発化しているので、より価格水準が高い大
    陸側に引っ張られているということもあるだ
    ろう。次のスライドに推移を示すが、ここ10
    年くらいで2~3倍になっている。
ノルウェーの電力小売り料金の推
       移
• 市場原理で電力価格を決めるとい
  う選択をいったんした以上、その
  ルールを尊重する、というコンセ
  ンサスが国民の中にあるのではな
  いだろうか。
結果
• 私たちができることは政府が電力
  を輸入に頼ったり、環境汚染して
  しまう発電に頼らざるを得ない。
  ノルウェーを見て消費電力を減ら
  すためできる節電はなんであろう
  か。
電力使用のピークの午後6時~7
   時の消費をさける
• 料理の中でも特に電気を使うご飯は早め
  に炊いておく
• 電子レンジなどの消費電力の高い製品を
  この時間帯を外して利用する。
• 暖房の利用もピークを控える
電気の使う暖房機器の利用を抑え
       る
• エアコンや電気カーペットはなるべく使
  わない
• エアコンを使うときは設定温度を夏場な
  らば2,3度高く、冬は逆で下げる。そ
  の分着ているもので調整する。
• 部屋のドアをしっかり閉めて、暖気を逃
  げないようにする。
• 窓から熱が逃げないように厚手のカーテ
  ンを使う。
照明の使い方に気をつける。
• 不必要な電気をこまめに消す。
• 風呂やトイレの照明は少し暗めの照明に
  変える。
• 蛍光灯や電灯の傘はこまめに掃除して光
  をさえぎらないようにする
• みんながやれば供給量を減らせる
  ので 発電コストが安くなりま
  す。
• 地球のためにできることを小さな
  ことでもみんなで頑張ろう!

More Related Content

Viewers also liked (13)

Kosuge observations on lean in sweden
Kosuge observations on lean in swedenKosuge observations on lean in sweden
Kosuge observations on lean in sweden
 
11 120629
11 12062911 120629
11 120629
 
12 120705
12 12070512 120705
12 120705
 
2 121001
2 1210012 121001
2 121001
 
幸育 藤村一成
幸育 藤村一成幸育 藤村一成
幸育 藤村一成
 
8th20140514
8th201405148th20140514
8th20140514
 
5 120517
5 1205175 120517
5 120517
 
111018前川昂也
111018前川昂也111018前川昂也
111018前川昂也
 
6 121105
6 1211056 121105
6 121105
 
北欧の企業文化2012
北欧の企業文化2012北欧の企業文化2012
北欧の企業文化2012
 
Hpc120523
Hpc120523Hpc120523
Hpc120523
 
Hpc120523
Hpc120523Hpc120523
Hpc120523
 
札カフェ140128創造性
札カフェ140128創造性札カフェ140128創造性
札カフェ140128創造性
 

More from Kazuhiko Kawasaki

Takao Asano,current awareness no340, 1906
Takao Asano,current awareness no340, 1906 Takao Asano,current awareness no340, 1906
Takao Asano,current awareness no340, 1906 Kazuhiko Kawasaki
 
171026 JISS- Entrepreneurship Education in Sweden
171026 JISS- Entrepreneurship Education in Sweden171026 JISS- Entrepreneurship Education in Sweden
171026 JISS- Entrepreneurship Education in SwedenKazuhiko Kawasaki
 
Educationataglance2017 problems in Japan
Educationataglance2017 problems in JapanEducationataglance2017 problems in Japan
Educationataglance2017 problems in JapanKazuhiko Kawasaki
 
170527 sapiensからhomo deusへ
170527 sapiensからhomo deusへ170527 sapiensからhomo deusへ
170527 sapiensからhomo deusへKazuhiko Kawasaki
 
アントワネット0104 042
アントワネット0104 042アントワネット0104 042
アントワネット0104 042Kazuhiko Kawasaki
 
スウェーデンの日本人から母国への提言
スウェーデンの日本人から母国への提言スウェーデンの日本人から母国への提言
スウェーデンの日本人から母国への提言Kazuhiko Kawasaki
 
北欧に学ぶ創造性Ws⑨170121
北欧に学ぶ創造性Ws⑨170121北欧に学ぶ創造性Ws⑨170121
北欧に学ぶ創造性Ws⑨170121Kazuhiko Kawasaki
 
UppsalaTokyoTech3rdSymposium160913
UppsalaTokyoTech3rdSymposium160913UppsalaTokyoTech3rdSymposium160913
UppsalaTokyoTech3rdSymposium160913Kazuhiko Kawasaki
 
20160920.project2018.growthby diversity
20160920.project2018.growthby diversity20160920.project2018.growthby diversity
20160920.project2018.growthby diversityKazuhiko Kawasaki
 
20160425 Impressions of Japan Anette Åkesson
20160425 Impressions of Japan Anette Åkesson20160425 Impressions of Japan Anette Åkesson
20160425 Impressions of Japan Anette ÅkessonKazuhiko Kawasaki
 
Sjmf 20160425 by Sonoko Kase
Sjmf 20160425 by Sonoko KaseSjmf 20160425 by Sonoko Kase
Sjmf 20160425 by Sonoko KaseKazuhiko Kawasaki
 
Cats in retirement homes Susanne Gaje 160425
Cats in retirement homes Susanne Gaje 160425Cats in retirement homes Susanne Gaje 160425
Cats in retirement homes Susanne Gaje 160425Kazuhiko Kawasaki
 
第8回北欧に学ぶ創造性教育160323
第8回北欧に学ぶ創造性教育160323第8回北欧に学ぶ創造性教育160323
第8回北欧に学ぶ創造性教育160323Kazuhiko Kawasaki
 
Why do young people have little hope in japan?
Why do young people have little hope in japan?Why do young people have little hope in japan?
Why do young people have little hope in japan?Kazuhiko Kawasaki
 
Why do we need outdoor education in japan?
Why do we need outdoor education in japan?Why do we need outdoor education in japan?
Why do we need outdoor education in japan?Kazuhiko Kawasaki
 
モータラのアウトドア環境教育から学びたい日本
モータラのアウトドア環境教育から学びたい日本モータラのアウトドア環境教育から学びたい日本
モータラのアウトドア環境教育から学びたい日本Kazuhiko Kawasaki
 

More from Kazuhiko Kawasaki (20)

Takao Asano,current awareness no340, 1906
Takao Asano,current awareness no340, 1906 Takao Asano,current awareness no340, 1906
Takao Asano,current awareness no340, 1906
 
171026 JISS- Entrepreneurship Education in Sweden
171026 JISS- Entrepreneurship Education in Sweden171026 JISS- Entrepreneurship Education in Sweden
171026 JISS- Entrepreneurship Education in Sweden
 
Educationataglance2017 problems in Japan
Educationataglance2017 problems in JapanEducationataglance2017 problems in Japan
Educationataglance2017 problems in Japan
 
170527 sapiensからhomo deusへ
170527 sapiensからhomo deusへ170527 sapiensからhomo deusへ
170527 sapiensからhomo deusへ
 
アントワネット0104 042
アントワネット0104 042アントワネット0104 042
アントワネット0104 042
 
スウェーデンの日本人から母国への提言
スウェーデンの日本人から母国への提言スウェーデンの日本人から母国への提言
スウェーデンの日本人から母国への提言
 
松本英久170121
松本英久170121松本英久170121
松本英久170121
 
北欧に学ぶ創造性Ws⑨170121
北欧に学ぶ創造性Ws⑨170121北欧に学ぶ創造性Ws⑨170121
北欧に学ぶ創造性Ws⑨170121
 
松本英久170121
松本英久170121松本英久170121
松本英久170121
 
UppsalaTokyoTech3rdSymposium160913
UppsalaTokyoTech3rdSymposium160913UppsalaTokyoTech3rdSymposium160913
UppsalaTokyoTech3rdSymposium160913
 
20160920.project2018.growthby diversity
20160920.project2018.growthby diversity20160920.project2018.growthby diversity
20160920.project2018.growthby diversity
 
SCF 4th Workshop 160525
SCF 4th Workshop 160525SCF 4th Workshop 160525
SCF 4th Workshop 160525
 
20160425 Impressions of Japan Anette Åkesson
20160425 Impressions of Japan Anette Åkesson20160425 Impressions of Japan Anette Åkesson
20160425 Impressions of Japan Anette Åkesson
 
Sjmf 20160425 by Sonoko Kase
Sjmf 20160425 by Sonoko KaseSjmf 20160425 by Sonoko Kase
Sjmf 20160425 by Sonoko Kase
 
Cats in retirement homes Susanne Gaje 160425
Cats in retirement homes Susanne Gaje 160425Cats in retirement homes Susanne Gaje 160425
Cats in retirement homes Susanne Gaje 160425
 
第8回北欧に学ぶ創造性教育160323
第8回北欧に学ぶ創造性教育160323第8回北欧に学ぶ創造性教育160323
第8回北欧に学ぶ創造性教育160323
 
Why do young people have little hope in japan?
Why do young people have little hope in japan?Why do young people have little hope in japan?
Why do young people have little hope in japan?
 
Project 2018 - 160226
Project 2018 - 160226Project 2018 - 160226
Project 2018 - 160226
 
Why do we need outdoor education in japan?
Why do we need outdoor education in japan?Why do we need outdoor education in japan?
Why do we need outdoor education in japan?
 
モータラのアウトドア環境教育から学びたい日本
モータラのアウトドア環境教育から学びたい日本モータラのアウトドア環境教育から学びたい日本
モータラのアウトドア環境教育から学びたい日本
 

F北欧の電力需給に学ぶ青山巧、岩間壮一朗

  • 1. 北欧の電力需給に学ぶ 発表者 岩間 壮一郎 青山 巧
  • 3. • 東日本大震災後の計画停電を受けて、自 分たちだけのエネルギーという考えが変 わった。 • 北欧の電力自給率から、日本の自給率の 低さを知り輸入に頼るのはいけないと思 う
  • 9. • 「安定供給の確保」や「環境への適合」を達 成してもコストが高くなっては経済活動にも 影響するので、「市場原理の活用」で効率化 を目指さねばならない。 • そこで、日本は持続可能な経済・社会の発 展と、よりよいライフスタイルを築くため、 「安定供給の確保」「環境への適合」「市場 原理の活用」の3つをエネルギー政策の基本 方針としている。 • 国は「新・国家エネルギー戦略」などで達 成すべき目標をかかげているが、目標の達成 は容易ではない
  • 10. ノルウェーのエネルギー事情 • 1. ノルウェーは,世界第12位の産油国(234万B/D),世界第5位 の天然ガス産出国(103.5bcm)。EU諸国に対して,ロシアに次 ぐ石油・天然ガス供給国(石油:15%,天然ガスの 27%,2007 年)。EUのエネルギー安全保障上,重要な役割を果たしている。 • 2. GDP の 20%,輸出の 64%を石油・天然ガスに依存。ノル ウェー大陸棚における石油・ガス生産から生じる政府収入は,「政 府年金基金-グローバル」として積み立てており,ノルウェー経済 への影響を考慮して,専ら国外金融市場で運用。 • 3. 自国域内生産は,推定埋蔵量(約 130 億石油換算立方メート ル)のうち約 40%を既に生産済み,今世紀半ばに向け緩やかに減 少。 • 4. 国内電力供給の 96%(2009)は,豊富な水資源を利用した水 力発電。 • 5. 海上リグ等の技術から発展した浮体式洋上風力発電施設等、再 生可能エネルギー関連技術にも競争力を発揮。また,CCS(二酸 化炭素回収貯留)を推進。
  • 11. 水力発電 • (1) 水力発電量は世界 6 位(2007)。豊富な水資 源を活用した水力発電が国内電力供給の 96%(2009) を占める。その他,火力発電が 3%,風力発電 1%。 2009 年の総発電量は 132.8TWh(前年比 6.9%減)。 内,水力 127.1 TWh(同 9.6%減),火力 4.7 TWh (286.0%増),風力1.0 TWh(6.9%増)。2008 年,水 資源を含むエネルギー資源が国民に帰属するものとの 観点から,現在国,地方自治体,民間が実施している 水力発電事業は,一部例外を除き今後段階的に民間撤 退させることを決定。現在水力発電事業を行っている 民間企業は,発電事業の期限終了(ピーク:2057 年) 後,国の水力発電事業会社又は地方自治体に水力発電 施設を返却,若しくは公共資金を得て民間資本を 1/3 以下にする必要がある。
  • 12. (2)ガス火力発電 • 2009 年の発電量は 4.7 TWh。国内の電力需 要が高まる中,水力発電による電力不足 と国 内産ガス資源の有効活用の観点から,2007 年国内初のガス火力発電所がコーシュトー にて営業開始(スタットオイル社とスタッ トクラフト社の合弁企業運営)。CCS 研究開 発が進まないこと,またガス火力発電所稼 働以降ガスの価格上昇及び降水量増等によ り,ガス火力発電所の稼働率は低い。
  • 13. • (3)風力発電 • 2009 年の発電量は 1.0TWh。今後生産規模 を拡大し,2010 年の総発電量 3TWh とす る計画。 • ただし,厳しい気候条件下での制約や環 境問題から陸上風力発電開発の限界も見 えており,石油掘削用プラットフォーム 建設等で培った技術を応用した世界初の 浮遊式海上風力発電施設を設置し,海底 ケーブルによる送電を試験的に開始する 等,浮体式風力発電研究開発(Hywind) を進めている。
  • 14. • (5)原子力発電 • ノルウェーに原子力発電所は存在しない が,原子力発電の燃料として将来的に開 発が期待されているトリウムを豊富に保 有している。
  • 15. • (6)石炭 • スヴァールバル諸島にて現在稼働中の炭 坑が 2 鉱。ひとつは国営企業運営で主に 地域発 • 電の原材料として活用。もうひとつはロ シア居留地バレンツブルグでロシア企業 運営,地域発電に活用されると共に主に 欧州に輸出。スヴァールバルには他に採 掘可能な鉱山はあるものの,国際価格, 気候変動問題等のため,現在は 2 鉱以外 採掘されていない。
  • 16. 確かに日本では、ユーザーが直接電力会社 に翌日の需要の計画を提出していない。しか し、現行の規則体系の下でも、新規参入小売 り会社(PPS)とそのユーザーとの間でそう した契約を結ぶことは可能で、実際にPPSは 電力会社に翌日の発電と自らの顧客の電力需 要の計画値を提出している。 • もちろん、PPSは必ずしもその計画に沿っ て発電するわけではなく、当日の自分のユー ザーの需要が変動すれば、それに合わせて発 電を調整する。それでも全くぴったり発電と 需要が合致す
  • 17. 貯水池が巨大な蓄電池 • ノルウェーは電源のほぼ100%が水力であり、北欧 市場全体でも電源構成の半分は水力である。しか も、貯水池の容量が半端ではなく、北欧全域の年 間消費電力量の約3割に相当する膨大な水を貯め ることができる。まさに巨大な蓄電池である。こ れだけ巨大な蓄電池を擁していれば、需要と供給 のバランスを調整するのは容易だ。 • ちなみに、北欧市場には、風力発電のシェアが 20%を超え、風力大国と呼ばれるデンマークも含 まれている。しかし、北欧全体で見れば、デン マークの風力も2%弱のシェアを占めるに過ぎな い。大きな蓄電池である水力が豊富なため、風力 固有の出力変動対策も容易になっているのであ る。
  • 18. 第2は需要の価格弾力性である。北欧地域 は電化率が非常に高い。特にノルウェーの最 終需要端の電化率は45%と、日本のほぼ倍で ある。 • これは、燃料費がタダの水力発電の電気が 豊富なため、電気を利用した熱源が多いこと による。他方、渇水になると、利用できる電 気に制約が生じ、電力価格が上昇する。そう いったときに備えて、石油や薪などほかの燃 料による熱源もスペアで用意されている。通 常、電力需要の価格弾力性は小さいといわれ るが、こうした熱源切り替えが可能なことに よって、北欧は電力需要が価格に対して弾力 的になる
  • 19. 第3に、市場のルールを尊重する価値観が 強いのではないだろうか。実は、ノルウェー はここ10年ほどの間に電気料金が大幅に上昇 している。これは、北欧全体の需要を満たす ために稼動させるもっとも高い電源、つまり は火力発電所のコストによって市場価格が決 まるためで、化石燃料の価格上昇が影響して いる。 • 加えて、ここ数年、欧州大陸で電力取引が 活発化しているので、より価格水準が高い大 陸側に引っ張られているということもあるだ ろう。次のスライドに推移を示すが、ここ10 年くらいで2~3倍になっている。
  • 21. • 市場原理で電力価格を決めるとい う選択をいったんした以上、その ルールを尊重する、というコンセ ンサスが国民の中にあるのではな いだろうか。
  • 22. 結果 • 私たちができることは政府が電力 を輸入に頼ったり、環境汚染して しまう発電に頼らざるを得ない。 ノルウェーを見て消費電力を減ら すためできる節電はなんであろう か。
  • 23. 電力使用のピークの午後6時~7 時の消費をさける • 料理の中でも特に電気を使うご飯は早め に炊いておく • 電子レンジなどの消費電力の高い製品を この時間帯を外して利用する。 • 暖房の利用もピークを控える
  • 24. 電気の使う暖房機器の利用を抑え る • エアコンや電気カーペットはなるべく使 わない • エアコンを使うときは設定温度を夏場な らば2,3度高く、冬は逆で下げる。そ の分着ているもので調整する。 • 部屋のドアをしっかり閉めて、暖気を逃 げないようにする。 • 窓から熱が逃げないように厚手のカーテ ンを使う。
  • 25. 照明の使い方に気をつける。 • 不必要な電気をこまめに消す。 • 風呂やトイレの照明は少し暗めの照明に 変える。 • 蛍光灯や電灯の傘はこまめに掃除して光 をさえぎらないようにする
  • 26. • みんながやれば供給量を減らせる ので 発電コストが安くなりま す。 • 地球のためにできることを小さな ことでもみんなで頑張ろう!