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Mag_201403_06_SI-5c2modec

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  1. 1. 8 2014.3 日 本 企 業 の 取 り 組 み 2 念願のアンゴラ進出 三井海洋開発は、FPSO(Floating Production, Storage and Offloading system)、TLP(Tension Leg Platform)をはじめとする浮体式石油・ガス生 産設備の建造および操業を手がける日本唯一の会社と して世界第2位の実績をもち、ブラジル、アフリカ、 オーストラリア、東南アジアといった世界中の海洋油 田・ガス田の生産開発に携わっている。そのなかでも、 アフリカにおける大規模かつ大水深海洋油田・ガス田 の開発は昨今活況を呈してきており、三井海洋開発は 2008年に、長年の念願だったアンゴラ向け初のFPSO 受注を果たした。アンゴラはこれまでFPSO業界最大 手である競合先のSBM Offshore, N.V.社の金城湯池 であったが、本案件の受注でついにその風穴を開けた。 本FPSOは、BP社が開発権を保 有するアンゴラ沖Block 31鉱区内 のPlutao、Saturno、Venusおよ びMarte(PSVM)という名前の 4つの油田からの生産に使われ、 本鉱区内で20年間継続操業可能で あるように設計されている。船上 に日量15万7000バレルの原油一次 精製能力と、日量2億4500万立方 フィートのガス生産・圧入能力、 日量30万バレルの水圧入能力をも つプロセス・プラントを有する。 中古船VLCCタンカーを改造し、 170万バレルの原油貯蔵能力もも つ。海上に浮かぶFPSOが波、 風、潮流の影響を受けるなかでも 安定して原油生産を可能にするのが、三井海洋開発の 米国子会社であるSOFEC, Inc. 社が設計したExter- nal Turret Mooringと呼ばれる係留方式で、本FPSO は海底と12本の係留索でつながっており、FPSO船体 が風見鶏のごとく360度回転できるようになっている (weather vane)。 本FPSOは、水深約2000mの海上に設置されてお り、これはアフリカ海域でこれまで据え付けられた FPSOとしては最も大水深かつ大規模な海底油田から の生産・開発である。 FPSO完工への道のり 本案件は2007年より客先と共同で基本設計(FEED) を先行し、2008年6月にBP社よりFPSO建造の発注 アンゴラ深海油田開発と 三井海洋開発 三井海洋開発株式会社 チャーター事業部 プロジェクト・ファイナンス部 プロジェクトコーディネーター 宇都宮 一史 FPSO PSVM Singaporeの造船所からアンゴラへ向けてSailing中
  2. 2. 内示書(LOI)を受領 し、主にシンガポールに て建造工事を本格的に開 始した。中古船タンカー の改造はシンガポールの ジュロン造船所、プロセ ス・プラントの建造には シンガポールのダイナマ ック社を起用、またプロ セス・プラントの詳細設 計は東洋エンジニアリン グ社を起用した。 FPSO建造工事の管理 をつかさどるプロジェク ト・マネジメントチーム を建造場所に近いシンガ ポールに置き、筆者含め 最盛期には三井海洋開発 だけで総勢400人、BP社 で100人近い人間が本案 件に従事した。 石油メジャーであるBP社の要求は、FPSO建造工 事中の安全管理、品質管理、工程・進 しん 捗 ちょく 管理、図面管 理、試運転等々どれをとってもこれまで三井海洋開発 が手がけた案件のなかでも最高レベルの難易度であっ た。三井海洋開発は関係各社と協力しながら、完工へ 向けてひとつひとつ要求をクリアしていった。 アンゴラ・ローカルコンテンツ ――アンゴラの経済発展に貢献 アンゴラでのローカルコンテンツ要求に応えるべ く、アンゴラ現地ではFPSOの一部となるSuction Piles、Process Module Stools、Pipe Rackなどを建 造した。また、アンゴラ国内の経済発展に寄与すべく、 Sonamet社がLobitoに保有するヤード内施設への投 資、アンゴラ国営石油会社Sonangol社の従業員への トレーニング・セミナーの実施、またインターナショ ナル・ペイント社と共同でアンゴラ国内にPaint Blending工場にも投資を行った。その他、FPSOが アンゴラ現地到着後の試運転時においても多くの現地 会社を起用した。 さらなる受注に向けて シンガポール・ジュロン造船所からの出航前の2011 年4月には、アンゴラからは石油省副大臣出席のもと、 命名式が盛大にとり行われ、本FPSOは“FPSO PSVM”と命名された。 本FPSOは、LOI受領から実に約5年の歳月を経 て、2012年12月6日に遂にアンゴラ現地にて原油生 産を開始し、これまでに累計約2800万バレル、日量 平均15万バレルで順調に生産を続けている。 FPSO建造期間中においては安全に十分配慮した工 程で大きな事故もなく完工することができ、また操業 開始後もこれまでメジャーな機器の損傷・事故なく順 調に操業されており、三井海洋開発がこれまで培って きたプロジェクト・マネジメントのノウハウが活かさ れた賜物といえよう。 アンゴラは引き続きFPSOによる深海油田開発の需 要は高く、三井海洋開発はアンゴラはじめアフリカ地 域でのさらなる案件受注を目指す。 アンゴラ特集 2014.3 9 “FPSO PSVM”命名式 (Naming Ceremony)での1コマ (左から Sonangol社Upstream Board MemberのGaspar Martins氏、 3人目 Anibal Silvaアンゴラ石油省副大臣、 4人目 BP社GPO LT Project Execution Vice PresidentのDavid O’Connor氏、 5人目 弊社代表取締役社長の宮崎俊郎)

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