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順推論と逆推論

生理研のトレーニングコースで話したスライドです。順推論と逆推論の基本的な話をまとめています。

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順推論と逆推論

  1. 1. 順推論と逆推論の問題 生理学研究所 脳機能計測・支援センター 准教授 近添淳一
  2. 2. Forward and reverse inference (順推論と逆推論) Forward inference (順推論) Reverse inference (逆推論) 課題によって生じ た精神活動 P(A|M) A: Brain activity (脳活動) M: Mental state (精神活動) P(M|A) 精神活動
  3. 3. 嫌悪 不適切なReverse inferenceの例 結論: 被験者はgo/no-go課題が難しすぎるために、実験に対し て嫌悪感を抱いた、と考えられる。 反応抑制 (task: go/no-go) 島皮質で最も 強い脳活動 (Wright et al., 2004)
  4. 4. 不適切なReverse inferenceの例 結論: 被験者はgo/no-go課題を遂行するために、課題のルール を短期記憶を使って保持する必要があった、と考えられる。 反応抑制 (task: go/no-go) 島皮質で最も 強い脳活動 短期記憶 (Engström et al., 2015)
  5. 5. 不適切なReverse inferenceの例 結論: 困難な課題で成功することはそれ自体で報酬となるため、 被験者は「甘い」気分になっている、と考えられる。 反応抑制 (task: go/no-go) 島皮質で最も 強い脳活動 味覚 (甘味) (Chikazoe et al., in preparation)
  6. 6. 不適切なReverse inferenceの例 結論: 被験者は「酸っぱい」気分になっている。なぜなら・・・ 反応抑制 (task: go/no-go) 島皮質で最も 強い脳活動 味覚 (酸味) (Chikazoe et al., in preparation)
  7. 7. reverse inferenceの問題は何か? Bayesの公式: P(M|A) = P(A) P(A|M) x P(M) M: Mental process (精神活動) A: Brain activation (脳活動) 事後確率 (脳活動を見た後で 推定された精神活動) 事前確率 (脳活動をみる前に 推定された精神活動) 観察
  8. 8. 不適切なreverse inferenceの場合 Bayesの公式: P(M|A) = P(A) P(A|M) x P(M) M: Mental process (精神活動) A: Brain activation (脳活動) 観察 自分のストーリーを サポートする論文を 恣意的に選択
  9. 9. reverse inferenceの問題は何か? Bayesの公式: P(M|A) = P(A) P(A|M) x P(M) M: Mental process (精神活動) A: Brain activation (脳活動) 事前確率 (脳活動をみる前に 推定された精神活動) 著者の主観的信念に 従い、恣意的に設定
  10. 10. 二重の恣意性によって推論が歪む 1.客観的なデータ観察の代わりに、恣意的な 論文選択 2.事前確率に著者の信念を直接反映させる
  11. 11. 解決策 1.Neurosynthを用いる。 実際のdataに基づいた客観的なreverse inferenceが可能。 2.Taskを条件として加える。 Inferenceの範囲を限定する。 (視覚を使う実験をしている場合には、被験者が聴覚経験 をしている可能性を考える必要がない。)
  12. 12. Neurosynth (http://neurosynth.org/) Meta-analysis P(pain|activation) Automated coordinate extraction Related studies Term-based search ‘Pain’ Yarkoni et al., 2011, Nature Methods P(M|A) = P(A) P(A|M) x P(M) 過去のfMRI研究を網羅的に調べることにより計算 0.5に設定 (無情報分布) Term-based search ‘Pain’
  13. 13. Neurosynthの使い方
  14. 14. Coordinateを用いる方法 単語と領域の 関連の強さ Reverse inferenceの結果
  15. 15. 全脳の脳活動のパターンを用いる方法
  16. 16. 全脳の脳活動のパターンを用いる方法
  17. 17. 全脳の脳活動のパターンを用いる方法
  18. 18. Neurosynthを使うことのメリット • 恣意性を排除できる。 • 複数の仮説(解釈)の間で、どれがどの程度確か らしいかを定量的に評価できる。
  19. 19. Neurosynthを使うことのデメリット • 論文を精読して細かく振り分けたわけではないた め(コンピュータが論文の中の単語の出現頻度を 機械的にカウント)、ノイズも多く含まれる。 • 事前確率が非常に重要であるにもかかわらず、こ の部分を正確に評価できていない。 P(M|A) = P(A) P(A|M) x P(M) 過去のfMRI研究を網羅的に調べることにより計算 0.5に設定 (無情報分布)
  20. 20. 課題を条件として加える方法 例:視覚実験を行っている場合は、視覚刺激が与え られているということを事前に実験者は知っている。 この場合、聴覚刺激が与えられている可能性を考え なくてよい。 (MVPAを使ったDecodingはこれを利用している) P(M|A ∩Task) = P(A|Task) P(A|M ∩ Task) x P(M |Task)
  21. 21. 参考文献 • Poldrack, Inferring Mental States from Neuroimaging Data: From Reverse Inference to Large-Scale Decoding. Neuron. 2011 Dec 8;72(5):692-7. doi: 10.1016/j.neuron.2011.11.001. • Yarkoni et al., Large-scale automated synthesis of human functional neuroimaging data. Nature Methods 8, 665–670 (2011) doi:10.1038/nmeth.1635 • Hutzler, Reverse inference is not a fallacy per se: cognitive processes can be inferred from functional imaging data. Neuroimage. 2014 Jan 1;84:1061-9. doi: 10.1016/j.neuroimage.2012.12.075.

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