Evernoteクラウドが授業を解放する
- 14. “To solve world starvation”
“Improving the
situation for working
mothers”
Editor's Notes
- それでは続きまして私の方から、今まで本校がやってきた実践(いわゆる過去と)、これからどのような教育を目指していくのかという(未来)を、生徒の皆さんというよりは、今日おこしいただいているゲストの方達にむけて実践例の紹介を中心に、お話しさせていただきたいと思います。
改めまして私
- 本校は28プロジェクトという教育活動をメインに行っております。この28プロジェクトとは生徒が28歳になった時に活躍できるような女性を育成することを目的としたものです。
ですので、私どもは常に生徒が社会に出て行く未来を見据えて、教育活動を行うことを意識しております。
そこで、では彼女たちが出て行く未来はどのような社会になっているか
私の尊敬するあるお方がこのようなことを言っておられました。
- これはどういうことかと言うと、今の世の中はいろんなツールが出てきていることもあって、今日正しかったことが明日は正しくないということがたくさんある分けですよね。
正解ばかりを求める練習をしていると、正解のない世の中なのに、それに対応できなくなってしまうのではないかと言うことです。
逆に、自分の身の回りから常に自分の問題を見つけ出して、その答えを皆でコラボしながら案を出して行く練習をしている人は、どこに行っても、どんな時代になっても通用するのではないかということです。
- 私どももこれには大変共感いたしております。
飽和した社会の中から自分で問題を発見して行く。そして人との協同することで、新たな解決策を生み出し、それを実行して行く。という授業を、中等部3年生の総合学習で「デザイン思考」の授業を取り入れて実践を既に行っております。
この身の回りの問題点を人任せにしないで自ら解決しようとする精神。これは何かの精神に通じるところがあると思うのですが、何だと思いますか?これは起業家精神です。
私どもは今年度よりSGHスーパーグローバルハイスクールに指定をされました。その中で掲げたテーマは「学校と社会が連携し、「起業マインド」を持つ女性リーダーを育成する」こと。起業家を育てたいというのではなく、起業家精神を持った人たちを育成したいと思っております。
さて、そんな起業マインドを持った生徒を育成するために、私たち教員は何をすれば良いのでしょうか。
- それはポイントは3つあると思っています。
- 1つは適切な課題を提示すること。
- 2つ目は適切なヒントを与えること。
- 3つ目は、生徒に正解を求めず、生徒を解放すること。
- 先ほどの模擬授業を少し解説すると、動画や教員の導きは、適切な課題であり、適切なヒントでした。それに生徒に正解を求めない、生徒を自由に解放することで、子供たちは自らソリューションを生み出す力を身につけます。今までは、教員の導きや課題設定だけでしたが、動画を使うことで、よりイメージを膨らましたり、議論を膨らましたりすることができます。
そして、これから。
これにさらに強力なツールが加わります。
- 「クラウド」です。
- 今申し上げた通り、ディスカッションというのはこれまでも私たちの学校ではやられておりました。
- タブレットやPCが入ってきた時に、インターネットを使って、そのディスカッションを活性化させるというところまでもやっておりました。
そして、それをツールを使ってプレゼンテーションしたりもやられておりました。ここにクラウドが登場したことにより、このディスカッションがさらにパワーアップすると考えております。それはなぜか。
これは私が今家庭科の授業で行っております授業を中心にお話していきます。
- 今、高校2年生(現在ここに座っている人たちですけれども)の家庭科で、CBLというプロジェクト学習を行っております。これはオーストラリアのKolbeカソリックカレッジとの提携授業となります。身の回りに起こっている問題点を見つけ出し、そのテーマに沿って自分たちで調査を進めて解決策を打ち出して行くと言う学習です。
- 現在生徒がテーマにしているものは「食料問題」「女性の労働環境の問題」であったりします。
自分たちの設定したテーマですから、そもそもモチベーションがとても高い。それを証拠にこの2枚の写真を見てください。
- どちらかが休み時間で、どちらかが授業中なのですが、どっちがどっちか分かりますか?
これは左が...
なぜかと言うと、あそこにお弁当があって早弁しているので、あれが休み時間だと言うことが分かるんですが。
それはそうとして、普通、授業の休み時間っていうと子供たちはやれやれというかたちで羽を伸ばすんですけど、このような学習に置いては、休み時間も関係なく研究を続けます。
- また子供たちは研究動機や研究目的を書かせた研究計画書をGoogleドライブに書かせているのですが、そうすると、提携先のオーストラリアからコメントが来たりします。
子供たちは距離や時間が合わなくても意見を交換することができることを学びます。
そうすると生徒たちの議論はある程度ドライブ上で行われたりします。
意見を出したり、ある程度の議論の土台はここでできると。
ただ、もうひとつ理解します。本当に議論する時は顔を見合わせたり、お互いの声で確認をしたりしないとダメなんだということです。
よって、リアルとデジタルの使い分けを身につけております。
- さらに、これから私が目材していきたいことはEvernoteを使ったディスカッションのレベルアップです。
- 高校2年生の生徒たち200名はEvernoteビジネスのアカウント本日付けで取得しました。それまでもフリーアカウントを持っておりましたので、これまでもクラスで共有ノートブックを作って、その場をつかって資料を共有したり、スケジュールを確認したり、意見を出し合ったりしていました。
- 最近では、体育祭があったのですが、うちの体育祭は学年対抗でして、ここにいる高校2年生は毎年毎年、下の学年に負けるんですよね(笑)。来年は最高学年なので、全体に負けられないんです。
でも学年でやっていることなので、全員集めて反省会をやっている暇がなかったので、Evernote上に1枚シートを作って、そこに悔しいうちにみんな書き込みを始めたのです。
最初1枚のシートだったのが、競技ごとになったり、競技の練習のポイントだったり、なんなりを入れておいて、自分たちの知識として持っておこうとするようになったのです。
こんな感じで、使用しているEvernoteですが、もっと情報共有だけじゃない使い方があります。
- Evernoteは自分の気になったことをクリップして入れておくと、そこにはどんどん自分の頭を一回通過した情報が溜まって行きます。
そうすると何ができるかと言うと、自分に関係のあるWEBサイトがそこに構築されて行くんです。
Evernoteの中身を見れば、その人となりがすぐに分かると言いきれるぐらい、そこには自分らしい情報が溜まって行きます。
ただ、入れる時はただ単に、「自分がピンと来たもの」なのです。
そこで何が起こるかと言うと、ある課題を解決したいと思った時、その強力な検索機能で検索をしてみると、入れる時にはつながると持っていなかった情報と情報がそのひとつのキーワードでつながって、自分の中の新たなアイディアにつながるということが考えられます。
- さらにはそれを人と人と共有すると、自分の情報と人の情報がまたつながって、新たなアイディアにつながります。
- 要するに、適切な課題と適切なヒント、さらには生徒を解放することで、学びは自然に生まれ、自ら問題を発見し始め、その課題に取り組み始める。さらにクラウドという武器を使うとより新しい、より本質的なsolutionを生み出すことができます。そして結果的に自力で問題を解決しようとする起業マインドを養うことができる。
- 私どもの学校は、このように、自分の身の回りの問題を人任せせずに、強力なツールを使いこなし、より斬新で、より強力なソリューションを生み出す生徒たちを育成し、その生徒たちが社会で活躍していくことで、社会全体をよくしていく、そんなパワフルな子供たちを育成していきたいと思っております。