Successfully reported this slideshow.

【CEDEC 2017】過去のお約束を捨てることがVRの始まり ~ PlayStationRVR ヘディング工場のゲームデザインと演出

2

Share

1 of 69
1 of 69

【CEDEC 2017】過去のお約束を捨てることがVRの始まり ~ PlayStationRVR ヘディング工場のゲームデザインと演出

2

Share

Download to read offline

2017年8月30に開催されたCEDEC2017の講演スライドです。

ジェムドロップ株式会社
北尾 雄一郎 (代表取締役 / スタジオディレクター)
増田 幸紀 (アートディレクター)

http://cedec.cesa.or.jp/2017/session/GD/s58e09dc75fc72/

2017年8月30に開催されたCEDEC2017の講演スライドです。

ジェムドロップ株式会社
北尾 雄一郎 (代表取締役 / スタジオディレクター)
増田 幸紀 (アートディレクター)

http://cedec.cesa.or.jp/2017/session/GD/s58e09dc75fc72/

More Related Content

Related Books

Free with a 14 day trial from Scribd

See all

【CEDEC 2017】過去のお約束を捨てることがVRの始まり ~ PlayStationRVR ヘディング工場のゲームデザインと演出

  1. 1. 過去のお約束を捨てることがVRの始まり PlayStation®VR ヘディング工場の ゲームデザインと演出
  2. 2. 本日のお題目 ・自己紹介/弊社ご紹介/ヘディング工場ご紹介 ・開発コンセプト ・開発概要 ・過去のお約束を捨てるという結論に至った経緯 ・過去のお約束を捨てるということ ・アート/プログラム篇 ・ゲームデザイン篇 ・まとめ と VRゲーム制作の所感 ・質疑応答
  3. 3. 本日のスライドは後日公開致しますので 撮影して頂かなくてもOKです!
  4. 4. 自己紹介 / 弊社ご紹介
  5. 5. 自己紹介 ジェムドロップ株式会社 北尾 雄一郎 代表取締役 / スタジオディレクター 増田 幸紀 アートディレクター
  6. 6. 弊社紹介 VR + 家庭用 + スマートフォン + アーケード 面白そうなら 何でも手を付ける ゲーム制作会社
  7. 7. 弊社紹介 直近の制作コンテンツ 新作RPGの制作やVRコンテンツ制作なども進行中
  8. 8. ヘディング工場とは
  9. 9. ヘディング工場 コントローラー・文字・文章・説明を一切使わず 頭だけを使う VRヘディングアクションアドベンチャー 2017年2月発売 PlayStation®VR にてリリース 日本・アジア版リリース済み・欧州北米準備中
  10. 10. (ゲーム動画)
  11. 11. 開発コンセプト
  12. 12. 開発コンセプト(表) ・だれでも遊べるVRゲーム(VRが初めての人でも遊べる) ・今までのゲームのお約束を全て捨てる ・一番台数の出ているHMD向けにまずはリリースする
  13. 13. 開発コンセプト(裏) ・我々がVR初めてすぎて無理をしないように ・とにかく短期間で制作(自社パブリッシュのため) ・スペックが不定のハード向けに作るの怖い
  14. 14. キレイな言葉に置き換えると ・制限の中で最大のパフォーマンスを出す! ・問題に対してアイデアで解決する!
  15. 15. コンセプトから導き出された方針 ・コントローラー・文字・文章・説明・UI不使用 → 視線誘導重視 ・身体をコントローラとしVRでしかできないゲーム性を目指す ・テーマパークにあるライド物のアトラクションのような形 ・一人たりともVR酔いをさせない!! ・現実より非現実の世界を描く ・まずは PS VR で制作をする ・短期間開発 → PS4でも制作実績のあるUnityを採用
  16. 16. 開発概要
  17. 17. 開発スケジュール 試作 (その1 DK2) 試作 (その2 PS VR) 本制作 試作期間の6ヶ月は2名 アートコンセプトは2016年6月頃から アートアセット量産は2016年8月~11月 (途中でTGS出展なども挟みロケテストの成果と仕上げが混在しぬ) 2015年7月~2015年9月頃 約2ヶ月 2016年4月~2016年7月頃 約4ヶ月 2016年8月~2017年1月 約6ヶ月
  18. 18. スタッフ構成 ・ディレクター ・プログラマー ・ゲームデザイナー ・アーティスト ※QAも自社で完結 ・キャラクター ・モーション/エフェクト/カットシーン ・マップアセット/レイアウト ・アート/環境/ライティング 1名 1名 (別でシニアプログラマーがヘルプ+監修) 1名 (コンセプトが固まってから合流) 1名 1名 (別でヘルプ1名) 4名 (別でヘルプ1名) 1名
  19. 19. 2016年9月時点のゲーム動画 TGS2016出展の10日前 マスターアップの約5ヶ月前
  20. 20. (開発中のゲーム動画)
  21. 21. 過去のお約束を捨てる という結論に至った経緯
  22. 22. VRの試作を進めてみて分かった問題 ・UI問題 ・演出問題 ・オエー(酔い/ベクション)問題 ・VRにおけるゲームの違和感
  23. 23. VRの試作を進めてみて分かった問題 ・UI問題 → キモい!! ・演出問題 → キモい!! ・オエー(酔い/ベクション)問題 → キモい!! ・VRにおけるゲームの違和感 → キモい!!
  24. 24. 過去のお約束を捨てる (アート/プログラム篇)
  25. 25. 過去のお約束を捨てる(アート/プログラム篇) アート側がVRで気をつけたこと ・世界レイアウト ・酔いカメラ ・負荷 ・立体感
  26. 26. 世界レイアウト
  27. 27. 世界レイアウト だいたいのゲームでは画面の下半分は地面
  28. 28. 世界レイアウト 主に見渡すのは正面から上の範囲まで 現実の日常風景レイアウトに近い →VRで現実を再現してどうするよ? もっと非現実のVR体感を上げたいよ!
  29. 29. 世界レイアウト 地面を排除! 360度観てもらう!
  30. 30. 360度レイアウトにした結果 ・地面排除でアセット削減 ・上も下もよく観察してくれた ・高所感がでた ・おまけに風景の異質感がでた 世界レイアウト
  31. 31. 酔いカメラ
  32. 32. 「ヘディング工場」は レールカメラ一本道のゲームです 酔いカメラ
  33. 33. レール移動中、視界全体で強い映像変化を 与え続けるとオエーっと酔いやすい 酔いカメラ (移動カメラ) メインプログラマ
  34. 34. 対応1: 移動速度をかなり抑える 酔いカメラ (移動カメラ) メインプログラマ
  35. 35. 対応2: 通路左右カーブや上下の変化も緩めにする 10~20度くらいに制限 酔いカメラ (移動カメラ) 移動ルート
  36. 36. 坂道で上下方向にカメラを強制するとオエー 酔いカメラ (強制カメラ) メインプログラマ
  37. 37. 対応:なにもしない!プレイヤにまかせる! 酔いカメラ (強制カメラ) メインプログラマ
  38. 38. イベントで注目してほしいところへ カメラを強制的に向けるとオエー なにか絵 酔いカメラ (強制カメラ) メインプログラマ
  39. 39. 対応:何もしない! 視線誘導するけど、プレイヤにまかせる! 酔いカメラ (強制カメラ) メインプログラマ
  40. 40. 負荷
  41. 41. PS VR は60fpsが最低条件 (これ未満だとそもそも酔いやすい) 現在のVR解像度だとジャギも目立ち これが視界全体から酔いに繋がる可能性 MSAAをかけるも負荷が増し処理落ちした 負荷
  42. 42. 対応:GPU/CPUが安定するまで削減した アーティスト側 ・ポリゴン削減 ・オブジェクト削減 プログラマー側 ・カリング処理 負荷 24000 → 12000
  43. 43. 立体感
  44. 44. VRは立体視なので凸凹感で嘘をつけない 例えばシャボン玉エフェクトでは・・・ ビルボードの板々しさがバレた 立体感
  45. 45. 対応:真面目にメッシュで作ったよ! 立体感
  46. 46. 過去のお約束を捨てる (ゲームデザイン篇)
  47. 47. 過去のお約束を捨てる(ゲームデザイン篇) ・ビデオゲームのお約束を捨てる ・VRという体験を最大限に使う
  48. 48. ビデオゲームのお約束を捨てる
  49. 49. ビデオゲームのお約束を捨てる VRの世界に入っていることを満喫して頂くための対応 ・ロードやセーブの概念を排除 → 自動ロード&セーブ ・メニューの類は全て排除 → タイトル画面やオプション画面なし ・コントローラーは握らせない ・文字や音声を使わない
  50. 50. 文字やメニューを排除した結果 ビジュアルの醸す不思議な感じと 言葉の無い世界設定が上手くマッチした! ストーリーも言葉では説明されないため どのユーザーさんもゲーム中の進行やエンディング(2種)の 内容について各自で見解が違っており良い結果が出た! → アレって◯◯ってこと? ここは××なのか?
  51. 51. ナビゲーションキャラクターの工夫 彼をバディとして とにかく彼を見てほしいという設計にした
  52. 52. ナビゲーションキャラクターの工夫 彼に機能を持たせて集約した ・攻撃手段である球を飛ばしてくる ・VR世界で迷わないようにナビする ・やるべきことを先に見せてくれる (チュートリアル) ・プレイヤーの感情を揺さぶる
  53. 53. (開発中のゲーム動画)
  54. 54. VRという体験を最大限に使う
  55. 55. VRという体験を最大限に使うとは? 「HMD=自分」「ユーザーさんは仮想世界という現実 世界に居る」ということを創り手側が最大限に意識す ること ・現実世界ではありえないことを体験させない ・現実世界ではありえない体験をして頂く
  56. 56. 体験させたくないこと 違和感のある体験 (違和感のある「ありえない体験」) ・時間経過が中断される → ポーズ/演出/メニュー ・空中にウィンドウが出てメッセージが書かれている ・視点を強制的に奪われる(カメラ演出など) ・リアクションが薄い
  57. 57. 体験させたいこと 違和感のない体験 (違和感のない「ありえない体験」) ・簡単操作のヘディングで遠くにボールを爽快に飛ばす ・飛ばしたボールを使って爽快にオブジェクトを破壊する ・空に浮かんだ不思議な世界を旅する (本来なら死ぬ…) ・自分が乗り物に固定されているという状況を活かした演出 → ユーザーの感情を揺さぶる
  58. 58. 乗り物に固定されている状況を活かした演出 (ゲーム動画)
  59. 59. とにかくVR世界に居ることを意識する! VRの世界に居ることを使った遊びを考える (ヘッドセットを付ける手間をかけさせた上での体験を意識する) ユーザーさんを冷めさせない工夫や おもてなしを大切にすること ただし酔いの問題解決などのために 「違和感のない範囲で」必要に応じてウソをつく
  60. 60. まとめ と VRゲーム制作の所感
  61. 61. まとめ (ある意味ラッキーだった点) ・予算と人員とスケジュールに大きな制限があることが好転した → これらの結論に至った始まりは全てこれ → 各セクションが「アイデアで解決しよう」と動いた → 一つのアイデアで複数の問題を解決することの意識 → お約束を捨てることでオーバーヘッドを大幅にカット ・でも予算とスケジュールは大事 → PS VR のローンチを逃したのは大きい → プロモーションなどが今後の課題
  62. 62. まとめ (VRゲーム制作の所感) ・HMDのハードウェアは日々進化している ・入力装置も日々進化しておりモーキャプの代用も ・ARやMRにも取り込める知見がある ・新しい表現や新しいゲームデザインがまだまだ可能 → チーム全体でVRを理解して一体で取り組む必要あり → 特にアートのスタッフとの連携は重要 まだVRなら新しいゲーム体験を発明できる余地はある!
  63. 63. ご清聴ありがとうございました
  64. 64. お知らせ 1 ボーンデジタルさんの「ゲームグラフィック2017」に「 ヘディング工場」掲載されています!グラフィック内容に 関してはコチラにタップリ載ってます! ※2階のCEDEC書房で買えます
  65. 65. お知らせ 2 ★ 開発スタッフ募集中 ★ ゲームデザイナー/プログラマー/アーティスト VR・家庭用ゲーム・スマートフォン・インディー
  66. 66. 質疑応答 4階にある Made with Unity のブースにて 本作の実機展示もしております。ぜひ試遊してみて下さい! お問い合わせ・ご質問はこちらまで contact@gemdrops.co.jp

×