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擬似ハムバッキングピックアップの弦振動応答 (in Japanese)

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Presented at 電気関係学会四国支部連合大会 2010 (domestic conference)
北村大地, 原囿正博, "擬似ハムバッキングピックアップの弦振動応答," 電気関係学会四国支部連合大会講演論文集, vol.2010, 16-13, Ehime, September 2010.

Presented at 電気関係学会四国支部連合大会 2010 (domestic conference)
北村大地, 原囿正博, "擬似ハムバッキングピックアップの弦振動応答," 電気関係学会四国支部連合大会講演論文集, vol.2010, 16-13, Ehime, September 2010.

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擬似ハムバッキングピックアップの弦振動応答 (in Japanese)

  1. 1. 擬似ハムバッキングピックアップの 弦振動応答 String Vibration Response of Pseudo Hum-backing Pickup 北村 大地 原囿 正博 D. Kitamura M. Harazono (香川高専)
  2. 2. はじめに ・電磁型変換器(ピックアップ)を用いて 弦の振動を電気信号に変換 ・直流偏倚磁束による負スチフネスの影響から 高次振動成分には非調和性が生じる ・部分音同士の干渉によって弦振動に唸りが発生 ・単体のシングルコイルピックアップの出力を測定 ・2つのシングルコイルピックアップを擬似的に ハムバッキングピックアップとして構成し出力を測定 ・弦の任意の2箇所に永久磁石が存在する場合の 弦振動を理論解析し出力のシミュレーションを行う
  3. 3. 擬似ハムバッキングピックアップ ・2つのシングルコイルピックアップを逆の位相で 並列に配置した構造 弦振動によりコイルに流れる電流 : 同相 外部からの電磁結合によるノイズ : 逆相 ・ギターの信号のみを倍化し,ノイズをキャンセル する出力特性を持つ Hum-backing pickup Steel string N S S N
  4. 4. Waveform of pseudo hum-backing pickup response 測定結果 Waveform of single coil pick up response -100 -75 -50 -25 0 25 50 75 100 Voltage[mV] 876543210 Time [sec] -300 -200 -100 0 100 200 300 Voltage[mV] 876543210 Time [sec] 64.7SNR  [dB] 46.34SNR  [dB]
  5. 5. Simulation model 振動系のシミュレーションモデル ・弦の任意の位置 に永久磁石を設置 → 吸引力 ・2つの負スチフネスが作用する弦の振動方程式 ・ の位置に高さ なる初期変位を与える ),(n0 taySFF mmmtm  )},(){()},(){( ),(),( 22n02211n0112 2 2 2 taySFaxtaySFax x txy T t txy        ・・① max  Pseudo Hum-backing Pickup 8x x y  1a 2a 8 h h )2,1( m 1355.01 a 1535.02 a 6305.0 0010.0h [m] [m] [m] [m]
  6. 6. 振動周波数の解析 ・特性方程式 ・非調和性 Inharmonicity         )(sinsinsin)( )(sinsinsin)( 22 2n 2 11 1n 1 a c a c S c cH a c a c S c cH           n        1 2log1200 nf fn n ・・②  T c  :波速度 [cent] )(sinsin)()()( 2 2 1 2 2 2n1n 21 a c a c SS HHW      とおくと
  7. 7. 3135.93393135.96063135.93683135.963516 2939.93022939.94252939.95342939.965815 2743.93892743.93902743.96802743.968114 2547.94962547.96202547.95792547.970313 2351.93572351.97042351.93792351.972612 2155.91262155.94602155.94162155.974911 1959.92571959.93471959.96821959.977210 1763.96171763.96381763.97741763.97959 1567.94731567.98031567.94881567.98178 1371.88021371.94341371.92081371.98407 1175.86761175.91361175.94031175.98636 979.9486979.9533979.9838979.98865 783.9700783.9901783.9707783.99094 587.7914587.9103587.8741587.99323 391.5630391.7743391.7844391.99542 195.6103195.7848195.8242195.99771 Ideal Partial No. only 2nS only andn1S Vibration frequencies affected by 1 or 2 negative stiffness 振動周波数の算出 2nSn1S
  8. 8. Inharmonicities affected by 1 or 2 negative stiffness 非調和性 Inharmonicity 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 Inharmonicity[cent] 16151413121110987654321 Partial No. Sn1 and Sn2 Sn1 only Sn2 only
  9. 9. 出力のシミュレーション ・弦の変位により誘導される起電力 ・エレクトリックギターで使用される第3弦のG3音を シミュレーションの対象とする ・ハムバッキング・ピックアップの出力特性を再現 →2つの永久磁石からの出力を合成する dt txdy txy NU Em ),( )},({ 2      R      1 cossin),( n n t n t xn eAtxy n    S01   8 sin )(7 128 2   n n h An  , ,
  10. 10. Measured waveform シミュレーション結果 Simulated waveform -300 -200 -100 0 100 200 300 Voltage[mV] 876543210 Time [sec] 300 200 100 0 -100 -200 -300 Voltage[mV] 876543210 Time [sec]
  11. 11. シミュレーション結果 Simulated and measured waveform(0.00-0.05). Simulated and measured waveform(0.50-0.55). -300 -200 -100 0 100 200 300 Voltage[mV] 0.050.040.030.020.010.00 Time [sec] simulated measured -300 -200 -100 0 100 200 300 Voltage[mV] 0.550.540.530.520.510.50 Time [sec] simulated measured
  12. 12. シミュレーション結果 Simulated and measured waveform(1.00-1.05). Simulated and measured waveform(2.00-2.05). -300 -200 -100 0 100 200 300 Voltage[mV] 1.051.041.031.021.011.00 Time [sec] simulated measured -300 -200 -100 0 100 200 300 Voltage[mV] 2.052.042.032.022.012.00 Time [sec] simulated measured
  13. 13. まとめ ・シングルコイルピックアップと擬似ハムバッキング ピックアップの出力を測定結果から比較 ・2つの負スチフネスの影響を加味した弦の振動 について理論的に解析し,擬似ハムバッキング ピックアップの出力シミュレーションを行った ・ハムバッキングピックアップの出力特性が確認された ・シミュレーションによる出力波形は高精度で 実測値と一致し,理論解析の妥当性が確認された 今後の課題 ・ボディの形状が弦振動に及ぼす影響の解析

Editor's Notes

  • それでは,「擬似ハムバッキングピックアップの弦振動応答」と題しまして,香川高専の北村大地が発表させていただきます.
  • はじめに,エレクトリックギターは,ピックアップを用いて,弦の振動を電気信号に変換し,発音する楽器です.
    このピックアップの永久磁石からの,直流偏倚磁束による負スチフネスの影響を受け,ギターの弦振動の高次振動成分には非調和性が生じ,部分音となります.
    そしてこの部分音同士の干渉によって,1本の弦振動に対しても唸りが発生します.
    今回は,まず単体のシングルコイルピックアップをギターに搭載して,その出力を測定します。
    次に2つのシングルコイルピックアップを擬似的なハムバッキングピックアップとして使用したときの出力を測定します.
    さらに,擬似ハムバッキングピックアップの測定と同じ条件のシミュレーションモデルを立て,弦の2箇所に,ピックアップに代えた永久磁石が存在する場合の弦振動を理論的に解析し,出力のシミュレーションを行いました.
    そして,測定によって得られた出力とシミュレーション結果の比較検討を行いました。
  • ここで,今回作成した擬似ハムバッキング・ピックアップとは,図に示したように,2つのシングルコイルピックアップを逆の位相で並列に並べた構造です.
    弦振動によりそれぞれのコイルに流れる電流は同相で検出され,電磁結合によって生じるノイズは逆相で検出されます。
    すなわち,ハムバッキングピックアップはギターの信号だけを倍化し,ノイズをキャンセルするという出力特性を持っています.
  • こちらは測定の結果得られた波形を示しています.
    上の波形がシングルコイルピックアップからの出力波形であり,下の波形が擬似ハムバッキングピックアップからの出力を示しています.
    両者の波形を比較すると,擬似ハムバッキングピックアップの出力の方が高出力であり,波形に現れる唸りも強いことがわかります。
    また,それぞれの波形にカットオフ周波数8[kHz]のローパスフィルタをかけ,信号と雑音を分離したうえで,4秒~5秒の間のSN比を算出した結果,シングルコイルピックアップは7.64[dB],擬似ハムバッキングピックアップは34.46[dB]という結果になりました。
    したがって,擬似ハムバッキングピックアップはシングルコイルピックアップに比べ,高出力かつ低雑音の出力特性を持っていることが確認されます。
  • 次に,ハムバッキングピックアップの振動系のシミュレーションモデルについてご説明いたします.
    いま,下に示した図のようなシミュレーションモデルを想定します.
    弦の任意の位置x=amに,ピックアップを想定した永久磁石があるものと考えます。
    金属製の弦を永久磁石がひきつける吸引力Ftmを,静的成分F0mと動的成分にわけて一次式として表現します。動的成分中のy(am,t)はx=amにおける弦の時間的な変位であり,その係数Snmを負スチフネスと呼びます。
    この吸引力が2つの永久磁石の直上のみで作用するように,ディラックのデルタ関数をもちいて表現すると,弦の振動方程式を①式のように立てることができます.
    今回のモデルでは,実際にギターを演奏する場合に弦をはじく位置を参考にして,x=ℓ/8の位置をピッキングポイントとし,そこに高さhの初期変位を与えるものとして考えます.
  • 振動周波数の解析方法についてご説明いたします.
    先ほどの①式はラプラス変換を用いて解くことができます.
    a1とa2の負スチフネスがそれぞれ単独に作用する場合の特性方程式はH1とH2のように求まります。それぞれの負スチフネスは,弦の振動周波数(右側)に対して,このように作用します。
    a1とa2の負スチフネスが同時に作用した場合の特性方程式は単純にH1とH2の積ではなく2式のようになります。
    さらに,非調和性を表す尺度のInharmonicity δnは,このように定義されます.
    ここで,centという単位についてですが,Inharmonicity値がちょうど100[cent]であった場合,音階でいう半音のずれが生じている,ということを示しています。
  • さらに,出力のシミュレーションについてご説明いたします.
    ピックアップ直上の弦の変位によって,誘導される起電力Emは次のような式になります.
    式中の分母はピックアップのレラクタンスを,静的成分と動的成分に分けて表しています。
    そして,弦の変位であるy(x,t)は,このフーリエ級数の式で求まります。
    今回は,エレクトリックギターで使用される,第3弦の開放音であるG3音の出力をシミュレーションの対象とします.
    また,ハムバッキング・ピックアップの出力特性を再現するため,a1とa2の並列した2つの永久磁石からの出力を合成します.
  • シミュレーションの結果はこのようになっています.
    上の波形がシミュレーションによる出力波形であり,下の波形が実際のギターの出力を示しています.
    この結果を見ると,負スチフネスによる非調和性に起因した唸が,再現できていることがわかります.
    また,波形全体の大まかなエンベロープを再現できていることも確認できます.
  • こちらは先ほどの出力波形の時間軸を拡大した波形です.
    赤色で示したのが実測値,白色がシミュレーション波形となっています.
    上の波形が0秒から0.05秒,下の波形が0.5秒から0.55秒のグラフです.
  • さらに,1秒から1.05秒,2秒から2.05秒の波形です.
    これらの結果を見ると,エレクトリックギターの出力波形は,基本波の非整数倍の部分音が発生しているために,周期性を失い,波形が時間とともに変化していくのが分かります.
    そして,その波形の時間的な変化を,非常に高い精度で再現できていることが確認できます.
  • まとめといたしまして,今回はシングルコイルピックアップと擬似ハムバッキングピックアップの出力を測定結果から比較しました。
    加えて,2つの負スチフネスの影響を加味した弦の振動について理論的に解析し,擬似ハムバッキングピックアップの出力シミュレーションを行いました.
    その結果,ハムバッキングピックアップはシングルコイルピックアップに比べ,高出力かつ低雑音であるという出力特性が確認されました。
    さらに,ハムバッキングピックアップのシミュレーションによる出力波形は非常に高い精度で実測値と一致し,理論解析の妥当性が確認さました.
    今後の課題といたしましては,複数の弦が同時に振動した場合の理論的な解析などについて研究を進めていく予定であります。
    以上で発表を終わります.ご静聴ありがとうございました.
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