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連立方程式を使った特殊チップのデータ整理方法
†Alone†
twitter: @alone_pangya
Data analysis method for extraordinary chip-ins by means of simultan...
はじめに
特殊のデータ取り方法には、これまで多くの方法が提案されてきました。最も単純なものと
して、ひたすらデータ数を増やす方法が挙げられます。単純な方法であるものの、いわゆ
る『難しい』といわれている特殊ではこの方法しか使えないことが多く、適...
資料の内容
 はじめに・・・この資料の使い方と注意点
 連立法の紹介・・・紹介するデータ整理方法の説明
• 概要
• 長所/短所
• 適用できるショット
• 使えるホールの例
 用語の定義/説明・・・この資料での用語の説明
 データ取り...
連立法の紹介
連立法
トマTSなどに代表される特殊チップインのための
データ整理方法です。連立方程式を使った整理
方法ですので、『連立法』と名付けておきます。
(例)AM13H・トマTSチップ
データ整理方法には他にもいくつかありますが、
他の...
使えるホールの例
適用できるショットに挙げた特殊ショットなら使えますが、参考までに、連立法で
データを私が取った/取れると聞いたホールの一部をここに示します。
IS11
素TS
IS16
トマTS
AM4
ブースタースパTS
SS9
カーブスパ...
用語の定義/説明
 境目
ずらしに対して弾道が急に変化する場所のこと。
右の画像は、AM4で境目を越えてずらした場合
のエアノートの表示を示しています。
2-3pix程度しかずらしていませんが、弾道がか
なり変わっています。このような場所がた...
データ取りの手順
連立法では、以下のような式を作ることが最終目的です。
    cba  縦風成分横風成分ずらし
風の縦横の成分にaとbという係数を掛け合わせており、それにcという定数を足
すことでずらしを求める、という式にな...
SP決定-何種類のSPを使うのか
追い風と向い風
風速1mのみを対象とするといっても、縦風成分は追い風
1mから向い風1mまで、2m分変化します(右図)。
SPを固定して狙う場合、
• 追い風1mでは入るが、向い風1mでは届かない
• 向い風1...
SP決定-SPを変える角度
何種類のSPを使うべきか、という問題には悩まされるところですが、だいたいの
目安は以下の通りです。  トマTS・・・1-2種類
 鉄トマ/素/コブラTS・・・2-3種類
 スパTS/BS・・・3種類
崖あてやゲ...
SP決定-風角度の特殊な分割
4分割でも同様に縦風成分に注目して分割すれば良いです。
前のページでは左右対称な分割方法を紹介しましたが、この方法ではカーブ
チップではうまくいきません。
例えば、カーブスパBSとなるSS9では私は以下のように風角...
SP決定-具体的なSPの決定方法
何種類のSP使うか決めたら次はSPの数値の決定です。風角度の各領域
ごとに、どのSPで打つのかを詰めていきます。
3分割の場合を例にとって説明します。
3分割の場合では3種類のSPを使い分けることになりま
す。...
SP決定-どれくらいSPを変えるか?
実際のデータ取りでは、前ページに示した風角度が来るまで待つのは面倒です。
そこで、その角度のうちどれか1つの角度だけ待ってSPを取り、他の二つは推定
します。ショットごとに、変化させるべきSPの参考値を以下...
ずらしデータ収集-指標探し
指標とは、ずらしをする際の基準となる点のことです。
例えば普通のチップインをする際、カップからずらしてい
ると思いますが、それはカップを指標としていると表現
できます。
カーブなしのTS/コロチップではカップが指標で...
ずらしデータ収集-指標の使い方
カップとは異なる場所を指標にする際の注意点を簡単に説明します。
①
② ③
①○で示した位置に指標があります。カップと
は全く違う位置・方向にありますが、これでも問
題ありません。
②指標からのずらしを測る際には...
ずらしデータ収集-採用する風角度
いよいよ、データを取っていきます。
ここでは、3分割でのデータ取りとなった、AM7の247yピンでの鉄トマTSを例として
用います。
AM7の247yピンで私が採用した風分割とSPを右に示します。
連立法のデー...
ずらしデータ収集-AM7での実践
実際にカップにいれることでずらしデータ
を収集します。
このとき、右図のように真ん中で入るよう
にしてデータをとります。
カップ
ボールの軌道
カップイン時の
ボールの進行方向
このホールでは、ウッドの射程内に...
データ整理(係数の決定)
左下58 -105
右下2 -34
右下45 18
ノートには右のようなメモができあがりました。
このように、左にずらしたら正、右にずらしたら負としてずらしを
メモしましょう。
このメモに、横風と縦風成分を書き足します...
データ整理(係数の決定)
これで緑の領域のデータ取りが終わりました。
3ページ前で示した理想的な角度と異なる角度でデー
タを取ってますが、問題ありません。
他の領域についてもやっていきます。
角度 横風 縦風 ずらし
左上73 -0.956 0...
方程式の運用方法
    89.3913.374.78  縦風成分横風成分ずらし
    32.3582.202.80  縦風成分横風成分ずらし
    93.4131.729.79  縦風...
理論-各係数の意味
    cba  縦風成分横風成分ずらし
 a
カーブなしであれば、いわゆる『横風係数』と等価です。ですので、式を作っ
た際も、既存のデータと比較することで妥当性を評価できます。例えば、トマ
TSなら同じ...
理論-各係数の意味
 c
ずらしのオフセットを表しています。仮に風が0mだとしてもこれだけはずら
す必要がある、ということを示しており、指標の位置と密接な関係がありま
す。指標の選び方が下手だと大きくなり、ずらしが大変になります。
cが小さく...
応用-計算量の圧縮
    cba  縦風成分横風成分ずらし
ここからは高校レベルの数学的知識を前提として説明します。
運用する際の計算量が少ないという特徴を持つ連立法ですが、覚える項目の数
を増やさずに更に計算量を圧縮できま...
応用-計算量の圧縮・具体例
c
a
b
ba 





 arctansin22
ずらし
前ページで上のような式が得られたのでした。この式で、下の式を変形してみる
ことにしましょう。
    89.3913.37...
応用-データ数の低減
1分割では3データ、2分割では6データ・・・という風に分割数の3倍のデータ数が
連立法では必要となります。特殊のデータ取りとしては決して多くありませんが、
必要なデータ数を低減できれば楽になるでしょう。
ここで紹介する方法...
応用-データ数の低減・具体例
    89.3913.374.78  縦風成分横風成分ずらし
ずらしデータ収集のページにおいて、緑の領域の式を最初に完成させたのでした。
その後、青や赤の領域でも3つデータを取ることでそれらの式...
応用-データ数の低減・妥当性
    89.3913.374.78  縦風成分横風成分ずらし
    81.3413.374.78  縦風成分横風成分ずらし
    50.3513.374.78 ...
応用-データ数の低減・妥当性
風角度は上のようにしてとっています。グラフの色分けは各領域を表しています。
どちらの方法も良く一致していることから、改良連立法の妥当性が示されました。
0 100 200 300
-100
-50
0
50
風角度...
数学的に厳密な証明
ごく一部の細かいことが気になる方々のために、連立法の妥当性を数学的に
厳密な方法で証明しておくことにします。完全に自己満足です。大学教養レベ
ルの数学的知識を要求します。
    cba  縦風成分横風成分...
テイラー展開による証明
以下のような、1変数関数のときのテイラー展開をご存知かと思います。
   
 



0
00
!n
n
n
xf
n
h
hxf
2変数関数の時には以下のようになります。
   

...
テイラー展開による証明
       0,00,00,0, ff
y
f
x
f 















 
上の式において、f(0,0)及びその偏微分係数は定数ですので...
フーリエ展開による証明
  









1
0 2
cos
2
sin
2 n
nn
T
nx
b
T
nx
a
a
xf

cba   cossinずらし
計算量の圧縮のページで、以下のような...
編集履歴
2017/06/15 第一稿
2017/06/16 『使えるホールの例』、『応用-計算量の圧縮・具体例』を修正
2017/07/22 細かいレイアウトの修正、『数学的に厳密な証明』の追加
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連立法解説

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連立法解説

  1. 1. 連立方程式を使った特殊チップのデータ整理方法 †Alone† twitter: @alone_pangya Data analysis method for extraordinary chip-ins by means of simultaneous equations
  2. 2. はじめに 特殊のデータ取り方法には、これまで多くの方法が提案されてきました。最も単純なものと して、ひたすらデータ数を増やす方法が挙げられます。単純な方法であるものの、いわゆ る『難しい』といわれている特殊ではこの方法しか使えないことが多く、適用性の面では最 高の方法と言えます。しかし、データ取りにかかる労力は相当なものであり、それが欠点で しょう。 そこまでしなくてもチップインが可能なホールはいくつもあります。そのようなホールで、少 ない労力で精度の高い特殊データを作ることができるデータ整理方法をこの資料で紹介し ます。 この方法は既にブログなどで紹介されており私が開発したものではありません。説明の便 宜上、この方法を『連立法』と名付けましたが、これは私が開発したことを主張する意味は 含んでいません。 この資料は素BI/トマのデータを自分で取り、2-3ミス以下で回れる方を対象としています。 また、できる限り数学的知識を求めないようにしました。 次ページに目次を示していますが、本来初めにあるべき『理論』の説明が最後にあるのは、 連立法を使う上で理解する必要はないとの考えからです。十分にこの方法に慣れた後で 読むぐらいで良いかと思います。 この方法を開発された方に敬意を表して、内容の説明に入っていくことにします。 2/32
  3. 3. 資料の内容  はじめに・・・この資料の使い方と注意点  連立法の紹介・・・紹介するデータ整理方法の説明 • 概要 • 長所/短所 • 適用できるショット • 使えるホールの例  用語の定義/説明・・・この資料での用語の説明  データ取りの手順及び方法・・・できる限りわかりやすくします • 手順の紹介 • SP決定 • ずらしデータ収集  データ整理・・・取ったデータを使えるようにします、ここがキモ  方程式の運用・・・実戦での使い方の説明  理論・・・何故連立法という方法が成り立つのか  応用・・・上級者向け(?) 3/32
  4. 4. 連立法の紹介 連立法 トマTSなどに代表される特殊チップインのための データ整理方法です。連立方程式を使った整理 方法ですので、『連立法』と名付けておきます。 (例)AM13H・トマTSチップ データ整理方法には他にもいくつかありますが、 他の方法と比べて以下のような特徴があります。 長所 - 少ないデータ数で一般化可能 - 精度が高い - 少ない計算量でチップイン可能 短所 - 基本的に1mのみでしか入らない - 慣れるまでデータ取りに手間がかかる - 境目(意味は後述)があると使えない これらの特徴は慣れやホールによって変わりますが、大体こんなところです 適用できるショット • トマ/コブラ/スパイク/素TS • カーブトマ/コブラ/スパイク/素BS • 崖あてトマ/コブラ/スパイクコロ • ゲートチップ ※BIでの特殊チップには適用し辛そうで す。 4/32
  5. 5. 使えるホールの例 適用できるショットに挙げた特殊ショットなら使えますが、参考までに、連立法で データを私が取った/取れると聞いたホールの一部をここに示します。 IS11 素TS IS16 トマTS AM4 ブースタースパTS SS9 カーブスパBS WizW16 カーブ素BS AM13 トマ/コブラTS AM7 鉄トマTS ※全て276+6でやっています。 DI8 崖あてトマ ざっくり言うと,簡単といわれている特殊には全て適用できます. 5/32
  6. 6. 用語の定義/説明  境目 ずらしに対して弾道が急に変化する場所のこと。 右の画像は、AM4で境目を越えてずらした場合 のエアノートの表示を示しています。 2-3pix程度しかずらしていませんが、弾道がか なり変わっています。このような場所がたくさんあ るホールでは連立法は適用できませんので、狙 い方を変える(カーブかけるorショットを変える)か、 諦めましょう。 境目による弾道変化  SPの表し方 SPは10%ごとに36分割されています。即ち、2.5%ごとに9dotあります。この 資料では、『92+5』は92.5%+5dot、『85+3』は85%+3dotを表していることに します。 左下15 左上49 右上30  風角度の表し方 右の3つの画像が示すように、『矢印が向いてい る方向』+『縦風からの角度』で角度を表すことに します。また、全てカップの上での角度とします。  横ずらしの単位 単位はピクセルです。私は800*600でやってます。 6/32
  7. 7. データ取りの手順 連立法では、以下のような式を作ることが最終目的です。     cba  縦風成分横風成分ずらし 風の縦横の成分にaとbという係数を掛け合わせており、それにcという定数を足 すことでずらしを求める、という式になっています。 文字だらけで難しそうな式になってますが、 例えば、上の式が下みたいになったら風角度からずらしを求められそうでしょ?     3816218  縦風成分横風成分ずらし データ取りの手順を並べると以下のとおり。 1. SP決定・・・どの角度のとき,どのSPで打つのか、を決定します 2. ずらしデータ収集・・・決定したSPで、ど真ん中に入るずらしを収集します 詳しく説明していきます→ このようにするために、データを取ることでa, b, cを決定します。 7/32
  8. 8. SP決定-何種類のSPを使うのか 追い風と向い風 風速1mのみを対象とするといっても、縦風成分は追い風 1mから向い風1mまで、2m分変化します(右図)。 SPを固定して狙う場合、 • 追い風1mでは入るが、向い風1mでは届かない • 向い風1mでは入るが、追い風1mではカコる ということが起こり得ます。故に、角度によってSPを 変える必要があることが多いです。 また、SPが変わるとa, b, cは変わるため、SPごと にデータ取りをする必要があります。 ですので、360度全ての角度でチップインするために何種類のSPを使うのかを データ取りの前に検討しておく必要があります。 そこで、360度を適切に分割し、SPごとの風角度の担当範囲を決めます。 例えば、追い風ならSP95+2、向かい風ならSP95+4にする、といった感じです。 できるだけ少ない種類のSPで入れられるようにするのが連立法です。 強すぎてカコる 8/32
  9. 9. SP決定-SPを変える角度 何種類のSPを使うべきか、という問題には悩まされるところですが、だいたいの 目安は以下の通りです。  トマTS・・・1-2種類  鉄トマ/素/コブラTS・・・2-3種類  スパTS/BS・・・3種類 崖あてやゲートチップはわかりませんが、1-4種類となることが多いようです。 1種類とは、360度どの角度でもある特定のSPで全てチップイン可能ということです。 これが理想です。 2種類で向い風と追い風でSPを変化させます。 3種類では、風角度を3つに分割することになります。この時、縦風成分が均等にな るように分割します。縦風は360度で2m変化するので、各領域で縦風の変化量が 0.67mになるように分割することになり、左上70~右上70、右下70~左下70、そ れ以外で分割することになります(左下図)。 正しい分割法 ・縦風が0.67mで均等に 変化するように分割して いる ・上下対称 間違った分割法 ・角度を均等にしていて、 縦風が均等でない ←これでも出来ないわけではありません。 9/32
  10. 10. SP決定-風角度の特殊な分割 4分割でも同様に縦風成分に注目して分割すれば良いです。 前のページでは左右対称な分割方法を紹介しましたが、この方法ではカーブ チップではうまくいきません。 例えば、カーブスパBSとなるSS9では私は以下のように風角度を分割しました。 もちろん、ここでも風角度はカップの上で読んでいます。 分割数も分割法も、最適なものを見つけるのは慣れが必要で、私もカーブ素BS 等、まだやっていないショットはわかっていません。 このように分割全体を回転させる必要があるのは、『上昇時に風の影響を強く受 ける』というスパイクの特性によるものと考えられます。実際、右カーブスパを 使っていますが、ボールの進行方向に分割全体を回転させています。 SS9でのボールの軌道 10/32
  11. 11. SP決定-具体的なSPの決定方法 何種類のSP使うか決めたら次はSPの数値の決定です。風角度の各領域 ごとに、どのSPで打つのかを詰めていきます。 3分割の場合を例にとって説明します。 3分割の場合では3種類のSPを使い分けることになりま す。 追い風(赤)、真横付近(青)、向い風(緑)に分割しており、 SPの強さは 向い風>真横>追い風 となります。 SPは、各領域で最も追い風成分が大きいときにカコらない 最大のSPをその領域のSPにします。 つまり、 赤の領域では追い風1m 青の領域では右上/左上70度 緑の領域では右下/左下70度 でカコらない最大のSPをそれぞれ見つけます。 こうすることで、他の角度では追い風成分が小さくなるので必ずカコりません。 ※ぴったりの角度はなかなか 来ないのでだいたいでいいです。 左上70度 左下70度 追い風1m SPをだんだん下げていって、カコらなくなるSPを探せばいいです。 11/32
  12. 12. SP決定-どれくらいSPを変えるか? 実際のデータ取りでは、前ページに示した風角度が来るまで待つのは面倒です。 そこで、その角度のうちどれか1つの角度だけ待ってSPを取り、他の二つは推定 します。ショットごとに、変化させるべきSPの参考値を以下に示します。  トマTS・・・1-1.5dot  素/コブラTS・・・1-2dot  スパTS/BS・・・1.5-2dot 1.5dotというのは、右図のように、3分割の場合は変化 量を1dotと2dotにするということです。 SP:95+2 SP:95+3 SP:95+5 3分割におけるSPの例 この場合、追い風1mだけ待って、SP95+2でギリギリカコらないというデータを取り、 青と緑の領域のSPは使うショット(この例はトマTS)から推定します。 このとき、ある1つの角度でカップに入れるわけですから、指標(意味は後述)を決 めておくといいです。また、指標からのずらしもメモっておきましょう。 ここまでくれば後はただの作業です。 1dot増加 2dot増加 ※分割数に関わらずだいたい これです。 ※カーブありでも同じです。 12/32
  13. 13. ずらしデータ収集-指標探し 指標とは、ずらしをする際の基準となる点のことです。 例えば普通のチップインをする際、カップからずらしてい ると思いますが、それはカップを指標としていると表現 できます。 カーブなしのTS/コロチップではカップが指標でほぼ問 題ありません。 カーブありではカップとは違う方向を向かって打つことに なり、カップを指標に出来ません。そこで、コース上にあ るオブジェクトや模様を指標にすることになります。 例として、SS9(カーブスパBS)とIS16 (トマTS)での私 が使った指標を示します。 SS9では、カーブであるため、カップとは異なる方向に ある、ピラミッドのカドを指標としました。 IS16では、カーブでないものの、坂によりボールの軌道 が左に曲がるため、カップより少し右にある、グリーン上 の模様を指標としました。 カップを指標としたずらし このようにボールを打ち出す方向でわかりやすい指標 を探しましょう。 IS16 SS9 13/32
  14. 14. ずらしデータ収集-指標の使い方 カップとは異なる場所を指標にする際の注意点を簡単に説明します。 ① ② ③ ①○で示した位置に指標があります。カップと は全く違う位置・方向にありますが、これでも問 題ありません。 ②指標からのずらしを測る際には、必ず指標を 画面中央に持ってきて最大拡大します。 ③そして定規等を使ってずらしを測ります。 できれば、指標はラフやOBの模様ではなく、こ のようなオブジェクトのカドや折れ目にするの が良いでしょう。 14/32
  15. 15. ずらしデータ収集-採用する風角度 いよいよ、データを取っていきます。 ここでは、3分割でのデータ取りとなった、AM7の247yピンでの鉄トマTSを例として 用います。 AM7の247yピンで私が採用した風分割とSPを右に示します。 連立法のデータ取りには2つのルールがあります。 SP:100-3 SP:100-1 SP:100 1. 各領域ごとに3つの風角度でずらしデータをとる 2. その3つの角度はできるだけばらけさせる 理想的には、赤の領域では、できれば右上70、右上0、左上70の3つの角度で入 るずらしを調べます。似たような角度3つじゃダメだよってことです。 青の領域では、右上70、左上70、右下70、左下70のうちどれか3つの角度がいい でしょう。 緑の領域では右下70、右下0、左下70です。 各領域で3つデータを取りますので、分割数を無闇に増やすと大変です。 しかし、実際のデータ取りでは都合よくこれらの角度を引くのは難しいです。 実際にどうやるか、次のページで説明します。 15/32
  16. 16. ずらしデータ収集-AM7での実践 実際にカップにいれることでずらしデータ を収集します。 このとき、右図のように真ん中で入るよう にしてデータをとります。 カップ ボールの軌道 カップイン時の ボールの進行方向 このホールでは、ウッドの射程内にカップ があったので、Del+0の画面でカップを 指標としてデータを取りました。 右の画像は左下58度でのSSです。この 角度は緑の領域です。 この風角度では、SP100で右に105pix ずらすことで真ん中に入りました。 AM7でのデータ取り(左下58度) そこで、ノートに以下のようにメモします。 左下58 -105 続いて、右下2度では右に34pix、右下 45度では左に18pixで入りました。 右下2 -34 右下45 18 ※右にずらしたらマイナス をつけます 16/32
  17. 17. データ整理(係数の決定) 左下58 -105 右下2 -34 右下45 18 ノートには右のようなメモができあがりました。 このように、左にずらしたら正、右にずらしたら負としてずらしを メモしましょう。 このメモに、横風と縦風成分を書き足します。 角度 横風 縦風 ずらし 左下58 -0.848 -0.530 -105 右下2 0.035 -0.999 -34 右下45 0.707 -0.707 18 y x 横風は右が正、縦風は上を正としま しょう。xyグラフと同じですね。 『3元連立方程式』と検索し、 このウェブサイト(http://keisan.casio.jp/exec/system/1278925262)にアクセスします。 メモを見ながら、ウェブサイトに右のように入力していきます。 j=1の列に横風、j=2に縦風、j=3は全て1を入れます。 biにはずらしを入れます。入れたら計算ボタンを押します。 右のような結果が出てきます。上から順に、これらがa,b,cです。 よって、以下の式が得られました。これが緑の領域での式です。     89.3913.374.78  縦風成分横風成分ずらし 17/32
  18. 18. データ整理(係数の決定) これで緑の領域のデータ取りが終わりました。 3ページ前で示した理想的な角度と異なる角度でデー タを取ってますが、問題ありません。 他の領域についてもやっていきます。 角度 横風 縦風 ずらし 左上73 -0.956 0.292 -111 右上73 0.956 0.292 42 左下74 -0.961 -0.276 -113 青の領域では右のようになりました。同様に 先ほどのウェブサイトに入力することで、以下 の式が得られます。     32.3582.202.80  縦風成分横風成分ずらし 角度 横風 縦風 ずらし 左上49 -0.755 0.656 -97 右上73 0.956 0.292 36 右上7 0.122 0.993 -25 赤の領域では右のようになりました。 右上73は赤の領域ではありませんが、赤に入 れてしまって良いです。だいたい10度ぐらいは 超えて良いです。もちろん、SPは赤の領域のも ので取ります。     93.4131.729.79  縦風成分横風成分ずらし これでデータ取りは終わりです。 18/32
  19. 19. 方程式の運用方法     89.3913.374.78  縦風成分横風成分ずらし     32.3582.202.80  縦風成分横風成分ずらし     93.4131.729.79  縦風成分横風成分ずらし これまでのデータ取りで、以下の三つの式が得られました。 上のように、式とSPと分割した領域をメモしておくと良いでしょう。 実戦では、風角度に応じて使う式を選び、風角度を読んで縦横成分を代入すれば ずらしが求まります。そして風角度に応じたSPで打てば入ります。簡単でしょう? 実はこの式、風速1mでなくても縦風成分が±1m以内であれば使えます。縦風成 分だけに注目して式を使い分けましょう。 これで連立法の基本的な使い方はこれで終わりです。 これ以降は連立法の理論と応用を説明しますが、必要な知識ではありません。 IS16のトマTSが連立法の入門としては最適です。276+6なら全ピンとも1分割で 良いです。ぜひ、連立法を試してみてください。 ここまで目を通してくださった方、ありがとうございました。 19/32
  20. 20. 理論-各係数の意味     cba  縦風成分横風成分ずらし  a カーブなしであれば、いわゆる『横風係数』と等価です。ですので、式を作っ た際も、既存のデータと比較することで妥当性を評価できます。例えば、トマ TSなら同じSPのトマBSと係数が近い値になります。カーブチップの場合に は少し意味が変わり、横風係数とは異なる値になることがあります。  b これは『縦風係数』ではなく、G傾斜を表しています。TSやコロ の場合、最後は転がっていくのでG傾斜の影響を受けて軌道が 変わるということを反映しています。 右のようなG傾斜でのパットを考えてみてください。 当然、左にずらす必要がありますが、このずらし量は打つ強さ によって変わり、強く打つほどずらしが少なくなります。 同じことをTS等でも考える必要があり、カップに入るときに勢い があるときはG傾斜の影響が小さく、勢いがないときはG傾斜 の影響が大きくなります。そのため、ある風角度の領域におい てSPを固定して入れる連立法では重要な要素となります。 G傾斜がきついホールではbは大きくなります。また、カーブチッ プやゲートチップではaと同じような大きさになることもあります。 20/32
  21. 21. 理論-各係数の意味  c ずらしのオフセットを表しています。仮に風が0mだとしてもこれだけはずら す必要がある、ということを示しており、指標の位置と密接な関係がありま す。指標の選び方が下手だと大きくなり、ずらしが大変になります。 cが小さくなるように指標を選ぶことができれば上級者です。また、ティー傾 斜がある場合も問題ありません。傾斜の影響はcでまとめられるからです。 以上のように、縦風や横風の項をいれることで、それらの影響を評価できている ため、連立法が成立しています。 連立法は、ボールの軌道上にカップが来るようにする計算法、であると言えます。 この式では、ボールがどういう速さで転がり、どこで止まるのかなんて知ったこと ではないのです。即ち、ボールは無限の距離を転がり、必ずカコらないと仮定さ れています。 実際はそんなことはないので、運用する際に、届くけどカコらないようにSPを変 えてあげる必要があるのです。 21/32
  22. 22. 応用-計算量の圧縮     cba  縦風成分横風成分ずらし ここからは高校レベルの数学的知識を前提として説明します。 運用する際の計算量が少ないという特徴を持つ連立法ですが、覚える項目の数 を増やさずに更に計算量を圧縮できます。 上の式をそのまま運用する場合、a,b,cの3つの数字を覚えることになります。 そして運用の際には掛け算を2回する必要があります。例えば、右上30度なら、 cba  866.05.0ずらし 三角関数の合成を行うことで、掛け算を1回にする方法を紹介します。 右のように角度θをとると、以下のように表せます。 cba   cossinずらし sinとcosを合成すると、次のようになります。 c a b ba        arctansin22 ずらし なにやら式が複雑になっていますが、恐れることはありません。 次ページで具体例を使って説明します。 ←掛け算が2つ 22/32
  23. 23. 応用-計算量の圧縮・具体例 c a b ba        arctansin22 ずらし 前ページで上のような式が得られたのでした。この式で、下の式を変形してみる ことにしましょう。     89.3913.374.78  縦風成分横風成分ずらし       276.2 74.78 13.3 arctanarctan 80.7813.374.78 2222 a b ba 各項を次のように計算します。エクセルを使えば簡単でしょう。 arctanの計算は、=DEGREES(ATAN2(aの値,bの値))で計算してください。   89.393.2sin80.78  ずらし この結果から、次のように変形できます。 このように、掛け算を1回にすることが出来ます。 覚えるべき数字は78.80,-2.3°,-39.89の3つです。 カップの上で角度を読み、そこから2.3度引いた角度のsin値と78.80の掛け算をし、 39.89を引けばずらしが求まります。角度の正負の向きに注意してくださいね。 23/32
  24. 24. 応用-データ数の低減 1分割では3データ、2分割では6データ・・・という風に分割数の3倍のデータ数が 連立法では必要となります。特殊のデータ取りとしては決して多くありませんが、 必要なデータ数を低減できれば楽になるでしょう。 ここで紹介する方法を使えば、1分割では3データで変わりませんが、2分割4 データ、3分割5データと、分割数増加によるデータ数増加を低減できます。     cba  縦風成分横風成分ずらし 理論のページで、aは横風係数、bはG傾斜の影響であると説明しました。本来、 これらの数値はSPが変わってもそこまで変わらないはずです。 各領域ごとに3つのデータが必要なのは、未知数がa,b,cで3つあるからです。他 の領域のa,bを流用して使えば、未知数はcのみになるため、その領域でのデー タ数は1つで良くなります。 即ち、 ①どこかの領域で3つデータをとり、 a,b,cを決定 ②他の領域では1つだけデータを取り、 a,bは変えずにcを求める ということです。 次ページで具体例を使って説明します。 24/32
  25. 25. 応用-データ数の低減・具体例     89.3913.374.78  縦風成分横風成分ずらし ずらしデータ収集のページにおいて、緑の領域の式を最初に完成させたのでした。 その後、青や赤の領域でも3つデータを取ることでそれらの式も完成させましたが、 ここで紹介する方法ではそれぞれ1データで構いません。 角度 横風 縦風 ずらし 左上73 -0.956 0.292 -111 角度 横風 縦風 ずらし 左上49 -0.755 0.656 -97 青の領域のデータを右のように1つ持ってきました。 a,bは変えずに、cのみの方程式を次のように作り ます。   c 292.013.3956.074.78111 ここからc = -34.81と求まりますので、青の領域の式は以下のようになります。     81.3413.374.78  縦風成分横風成分ずらし 赤の領域でも同様にしましょう。 c = -35.50と求まりますね。   c 656.013.3755.074.7897     50.3513.374.78  縦風成分横風成分ずらし 5つのデータで3つの式が揃いました。 25/32
  26. 26. 応用-データ数の低減・妥当性     89.3913.374.78  縦風成分横風成分ずらし     81.3413.374.78  縦風成分横風成分ずらし     50.3513.374.78  縦風成分横風成分ずらし 前のページで次の3つの式を得たのでした。この式で出てくるずらしが元の式と 近い値になれば、この方法が妥当であるといえるでしょう。 元の式は、次のようなものであったのでした。     89.3913.374.78  縦風成分横風成分ずらし     32.3582.202.80  縦風成分横風成分ずらし     93.4131.729.79  縦風成分横風成分ずらし 上の3つの式を改良連立法、下の3つの式を連立法の結果と名づけることにして、 角度によるずらしの変化のグラフを作ってみます。 26/32
  27. 27. 応用-データ数の低減・妥当性 風角度は上のようにしてとっています。グラフの色分けは各領域を表しています。 どちらの方法も良く一致していることから、改良連立法の妥当性が示されました。 0 100 200 300 -100 -50 0 50 風角度 [ ] ずらし[pix] 改良連立法    連立法 27/32
  28. 28. 数学的に厳密な証明 ごく一部の細かいことが気になる方々のために、連立法の妥当性を数学的に 厳密な方法で証明しておくことにします。完全に自己満足です。大学教養レベ ルの数学的知識を要求します。     cba  縦風成分横風成分ずらし 連立法では、以下のようにしてずらしを求めるのでした。 説明では”数学っぽさ”をなくすために上のように表しましたが、思い切って数式っ ぽく以下のように変えてみます。 cbwaws pq  s:ずらし wq:横風成分 wp:縦風成分 sはwqとwpの関数になっているので、以下のように表してもいいでしょう。   cbwawwws pqpq , 本当にこのようにしていいのか?すなわち、 sは右辺のように表してよいのか? 以上の命題をsのテイラー展開を使って証明します。 28/32
  29. 29. テイラー展開による証明 以下のような、1変数関数のときのテイラー展開をご存知かと思います。          0 00 !n n n xf n h hxf 2変数関数の時には以下のようになります。                   0 0000 , ! 1 , n n yxf yxn yxf  この式の右辺の総和をn=1までとし、式変形します。                000000 0000 00 1 00 0 00 ,,, ,, , !1 1 , !0 1 , yxf y yxf x yxf yxf yx yxf yxf yx yxf yx yxf                                             (x0,y0)=(0,0)を代入します        0,00,00,0, ff y f x f                   次ページへ 29/32
  30. 30. テイラー展開による証明        0,00,00,0, ff y f x f                   上の式において、f(0,0)及びその偏微分係数は定数ですので、次のように表し てもよいでしょう。   cbaf  , ここまで書けばピンときたと思います。初めに示した以下の式にそっくりです。   cbwawwws pqpq , つまり、連立法におけるずらしを求める式は、ずらしが縦風と横風のみを変数 に持つとしてテイラー展開し、1次までの項で近似した式であるといえます。 本来、テイラー展開は孤立点を除いて連続な関数であれば適用できるため、ず らしの境目がいくつかあっても適用できるはずですが、連立法では1次近似とい うかなり低次な近似を使っているため、境目があると使えなくなっています。 n=10程度までの係数を求めれば境目だらけでも精度良くずらしを求められる式 を作れると思いますが、データ数が膨大になってしまいます(n=10で21個)。 次に、フーリエ展開を用いた証明も載せておきましょう。 30/32
  31. 31. フーリエ展開による証明             1 0 2 cos 2 sin 2 n nn T nx b T nx a a xf  cba   cossinずらし 計算量の圧縮のページで、以下のような形を紹介したのでした。 フーリエ展開することで上の式になることを示すことにします。1変数関数のフー リエ展開は次のように表されます。 さっきと同じように右辺の総和をn=1までとしましょう。   2 2 cos 2 sin 0 11 a T x b T x axf     cbas   cossin 例によって、以下のように表します。 θ = 2πx/Tを代入すればほぼ同じ形になります。 連立法とは、テイラー(フーリエ)展開された式の係数を決める作業と言えるで しょう。 即ち、これらの式でずらしが求まるのは不思議なことでもなんでもなく、当たり前 のことなのです。 31/32
  32. 32. 編集履歴 2017/06/15 第一稿 2017/06/16 『使えるホールの例』、『応用-計算量の圧縮・具体例』を修正 2017/07/22 細かいレイアウトの修正、『数学的に厳密な証明』の追加 32/32

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