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障がいという言葉のない学校や社会を作りたい 
         ∼教育育支援計画アプリ ADOC-Sの開発ストーリー∼
作業療法士 仲間 知穂

■ 作業療法と教育

ったのがADOC PROJECT(エードック・プロジェクト)でし
た。

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■ 教育支援計画の課題

だと私たちは考えています。ADOC-Sに

 支援を始めて1ヶ月後、先生は保護者

は、67枚の活動イラストが表示されて

とも共有したいと連絡を取りました。以

 現在、特別支援教育を受けている児

おり、子供に期待...
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ADOC-Sストーリー:障がいのない社会を作りたい

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ADOC-S(エードック・エス)は、先生や保護者、専門家そして子ども本人がイラストを選びながら一緒に目標を立て、教育支援計画を作ることができるアプリケーションです。

保護者面談や家庭訪問、教育相談の機会に、子どもの生活場面を表す68枚のイラストを見ながら、子どもが「好きな事」「できるようになりたいこと」「課題となっていること」などを共有し合って、みんなで教育支援計画を作ることができます。

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◇ADOC-S 公式サイト
 http://adoc-s.lexues.co.jp/
◇ストーリームービー
 http://www.youtube.com/watch?v=7VYNlgdyBUs
◇Facebookページ
 https://www.facebook.com/adocproject
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ADOC-Sストーリー:障がいのない社会を作りたい

  1. 1. 障がいという言葉のない学校や社会を作りたい           ∼教育育支援計画アプリ ADOC-Sの開発ストーリー∼ 作業療法士 仲間 知穂 ■ 作業療法と教育 ったのがADOC PROJECT(エードック・プロジェクト)でし た。 「息子さんは集団生活が苦手なようです」いまから約5年前、 ADOC PROJECTは、全国の作業療法士や研究者、エンジニ 息子が1歳の頃、保育所の先生に言われました。息子が集団 アで組織された研究グループです。Aid for Decision-making 生活が苦手だということよりも「息子さんの問題にお母さん in Occupation Choice (通称ADOC:エードック)をコンセプ は気づいていないのですか?」と問題に目を向けない親の姿 トに、作業療法の意思決定に一人でも多くのクライエントが 勢を指摘されたことが最も衝撃的でした。他の保護者と話を 参加できることを目指し、ADOCというiPadアプリを開発し する中で、このような状況はよくあることだと分かりまし ていました。「教員、保護者、本人…支援に関わるすべての た。このことがきっかけとなり、作業療法士として何か変え 人が、"やりがい に目を向けて支援計画を立案できるものを ていけることがあるのではないかと考え、幼稚園と小学校の 作りたい」。そう考え、ADOCの学校版であるADOC for 巡回相談を始めました。 Schoolの開発に携わることになりました。  巡回相談をはじめてみると、学校では、友達を叩いてしま そして完成したのが、教育支援計画アプリADOC-S(エードッ う、授業中立ち歩くなど、生活の中で感じる「子供の問題」 ク・エス)です。ADOC-Sは、子供の将来に向けて、今実現し への対応を考える 問題を解決する支援 が中心となっていま たい活動を、イラストから選択していきます。通常、話題が した。教員が対応しきれない場合は、保護者を呼びよせ、発 「問題を感じる行動」に向きがちな面談も、ADOC-Sを囲ん 達検査を勧めることもあり、その状況に保護者の多くは、子 で、子供に叶えたいこと、できるようになってほしいことを 供の将来に不安を感じていました。 チームで話し合うことができます。ADOC-Sを使った面談は 笑顔と感動にあふれるようになりました。書類だらけだった  作業療法の巡回相談では、子供の将来に向けて、「今教員 面談のテーブルにはお茶とお菓子が並ぶようになりました。 が届けたい教育」や「保護者が願う生活」、「本人がやりた 子供の人生を描く支援の話し合いの場が、明るく希望にあふ いこと」の実現に向けて関わっていきます。作業療法士はで れるものであるために、今ではADOC-Sが欠かせない存在に きずにいることに対し、「どうしてできないのか、どうした なっています。 らできるのか」を分析することができます。先生や保護者が 「やりたいこと」の実現に向けて、主体的に支援に参加でき るよう、情報提供することが、私の作業療法士としての役割 です。   やりたいことを実現する支援 の実現をめざし、保育所、 幼稚園、小・中学校の巡回だけでなく、校内研修、子育て相 談、障がい児の地域生活に関する講演会、支援サポートブッ クの作成など、様々な活動を約5年間に渡り、実施してきま した。  しかし、作業療法士が巡回している間はやりたいことに目 を向けられても、子供が進学し関わる人や環境が変わると、 問題解決の支援に戻ってしまうことがよくありました。支援 教育支援計画アプリ ADOC-Sの画面 の引き継ぎついて、先生方から「時間がなく支援計画書をう 図1:活動選択の画面。68枚のイラストから重要な活動を選択する。 図2:短期ゴールの画面。目標の詳細をリストから選択し決定する。 まく作れない」「引き継ぎのための面談に作業療法士がいな いと不安」という意見を聞きました。その悩みの解決に出会 1
  2. 2. ■ 教育支援計画の課題 だと私たちは考えています。ADOC-Sに  支援を始めて1ヶ月後、先生は保護者 は、67枚の活動イラストが表示されて とも共有したいと連絡を取りました。以  現在、特別支援教育を受けている児 おり、子供に期待する将来を創造し、そ 前は「問題行動について相談したい」と 童・生徒数は増加の傾向にあり、発達に の将来に向けて今実現したいことを、イ 伝えていたそうでしたが、ADOC-Sで作 特別な教育的支援を要する子供は,通常 ラストで描かれた活動の項目から選択 った目標を提示しながら「お子さんの将 学級でも6%ほど在籍しているとも言わ し、本人、保護者、教員、専門家のチー 来に向けて、保育で届けたいことを実現 れています。特別支援教育では子供の教 ムで共有することができます。教育支援 するための支援を進めています。一緒に 育ニーズに応じた支援を求められてお 計画の目標設定において保護者や子供自 話しませんか。」と話したそうです。す り、文部科学省では、個別の教育支援計 身に積極的に参加してもらい、価値のあ るとその数日後、保育園で面談をするこ 画の立案が推奨されています。 る活動についての意見交換をスムーズに とができました。保護者は「言葉が遅れ 行うことで、教員と保護者がそれぞれ届 ていることを周囲からもよく指摘されて けたい教育を実現することができます。 いた。障がい者人生になるのではないか と不安で保育園にも足を運べなかった。 ■ 自閉症の男の子とADOC-S  ある保育園に自閉症の男の子がいまし た。絵本を触れば破いてしまう、玩具を 投げる、お遊戯では教室から出て行く、 その危険行動を止めるために支援員がつ いて回る日々でした。保護者と連携して 「個別の教育支援計画」は、文部科学省 が推進する教育的支援のあり方で、教育 のみならず福祉・医療・労働等様々な側 面から関係機関が連携して的確な教育支 援的計画を目指すことを目的としていま す。教育支援計画は、盲・聾・特別支援 学校または小・中学校、もしくは高等学 校が中心となって作成され、学校内外の 関係者の意見を集約させ立案できるよう 各校に特別支援コーディネーターが派遣 されています。 個別の教育支援計画 は、教員が考える教育的ニーズだけでな く、 保護者の願い や 本人の願い など が含まれており、保護者を交えた面談等 で相談をしながら立案していきます。し かし、現状では子どもが持つ障がいや課 題に焦点をあてた議論がすすめられてし まうケースが多くあります。また一方で は、保護者と学校が、子供の問題点を伝 えることも、聞くことにも不安を感じ、 お互いに向き合えないなど、様々な課題 の中で、学校と保護者が支援を共有でき ない場合も多くあります。 子供の支援は、人生の基盤を作る大切な 時期に行われます。その際、重視するべ きは、「障がい」の対応ではなく、関わ るすべての人の「希望」を実現すること 解決したくても、話し合いにも応じてく れず面談すらできませんでした。  私の巡回相談が始まり、ADOC-Sを使 って担任の先生と目標を話し合いまし た。活動のイラストを眺めながら先生は 「絵本を破いてしまうから、自由に絵本 を見せてあげられない」「友達に玩具を 投げるから、子供同士で遊ぶ時間を作れ ない」など語りながら、『絵本や遊びに 沢山参加する機会を持てる』『友達と活 動を通して関わる機会を持てる』とい う、この男の子に届けたい保育を目標と して明確にすることができました。  私は絵本や玩具遊び、友達との活動の これからは安心して一緒に息子と成長を 支えていきたい」と話していたそうで す。保護者と先生が一緒にこれまでの目 標の達成度を確認し合い、新たに目標を 立てました。保育園と家庭が連携して支 援を進めはじめて3ヶ月後、男の子はク ラスのお遊戯会で友達と一緒に踊りまし た。先生がいなくても簡単な遊びであれ ば友達と関われるようになり、玩具を投 げるなどの危険な行動も全くみられなく なりました。先生は「これでいいのか毎 日不安だったけど、ADOC-Sで目標を持 ち、保護者や他職種と共有できること で、門名で支援を進められるようになっ て安心できる」と言っていました。 ADOC-Sを通して、子供の障がいではな く、子供の将来のために、今届けたい教 育、今必要な活動、今やりたいことなど を整理し、その実現に向けて家庭、学 校、地域が協働していく。そんな支援が 世界中で展開されることを願っていま す。 共有に関し、どうしてできないのか観察 からわかることを先生に伝え、先生は、 届けたい保育の実現に向けて男の子と関 わりはじめました。男の子が先生にかま ってもらうために絵本を破いて見せてい たことを知った先生は、男の子に「両手 を広げることで抱きしめてもらえるの よ」ということを教えました。男の子は それを知った次の日、両手を広げて保育 園内を走り回り、すべての先生に抱きし めてもらったそうです。その日以来、絵 本を破らなくなり、先生がいればお遊戯 にも参加できるようになりました。 お問い合わせ メール:adoc@lexues.co.jp 電話:098-921-3800 住所:沖縄県うるま市州崎14番17 株式会社レキサス 2

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