1. プロジェクトを遂行するため
に
弁護士が考えること
@schoo 2012.11.20
弁護士／Arts and Law
水野 祐
mail : tasukumizuno@gmail.com
tw : @taaaaaaaaaask

2. 目次
1. はじめに
2. 法務に対する心構えのチャート
3. 具体例を用いて説明
(1) 実現したいプロジェクトのアイデア
(2) プレイヤーの確定
(3) 契約関係の検討
(4) 行政庁の許認可の必要性
(5) その他リスクの洗い出し
4. 本日のまとめ

3. 01
はじめに

4. プロジェクトのアイデア・企
画は、法律とは関係なく、生
まれてくる

5. しかし、
実際にプロジェクトを実行してい
く際には、法律、契約などの法務
に関する「壁」が存在することも
少なくない

6. プロジェクトの遂行にある程
度、人的・物的投資をした後に
なって初めて法的リスクが判明
し、プロジェクトが頓挫してし
まうケースもある

7. 法務は、
「考えねばならないこと」であ
るが、「何から考えればよいか
わからないこと」であり、ぼん
やりとした不安を抱えている方
が多い

8. もっとも、
法務に対する心構えさえ、しっ
かり身につけておけば、法律や
契約はそんなに恐いものではな
い

9. 法務を意識した企画・プレゼン
ができれば、企画自体の説得力
も向上することができる

10. 本日は、プロジェクトを遂行す
る際に弁護士が考えることを通
して、その法務に対する心構え
を身につけていただけたら幸い
です

11. 02
法務に対する心構えのチャート

12. 【法務に対する心構えのチャート】
実現したいプロジェクトのアイデア
プレイヤーの確定
契約関係の検討
行政庁の許認可の必要性
その他リスクの洗い出し

13. 03
具体的な事例

14. 具体的な事例で考えてみよう

15. 大友克洋GENGA展＠Arts Chiyoda 3331（2012.4〜5）
こちらのプロジェクトの法務アドバイザーを担当し
た。

16. チャート(1)
実現したいプロジェクトのアイ
デア

17. 実現したいプロジェクトのアイ
デアは、とにかく法律や契約の
ことなど実現可能性を考えず
に、思いっきり想像力を高める
べし

18. 法律や契約のことを考えて萎縮
してしまっては、よいアイデア
は生まれてこない！

19. チャート(2)
プレイヤーの確定

20. プロジェクトの登場人物
（プレイヤー）を考える

21. アニメ
制作会
出版社 社
協賛会社
漫画家
グッズ
制作会社
デザイン
会社

22. プレイヤーの確定
• 漫画の権利を持っているA社
• 映像の権利を持っているB社
• 原画の権利を持っているCさん
• 宣伝・協賛したいD社
• デザインを依頼するE社
• グッズを作りたいF社
• （場合によっては）広告代理店のG社

23. 実際に絵や図を書いてみるこ
とが有効！

24. チャート(3)
契約関係の検討

25. 実行委員会（LLP組合契 アニメ
約） 制作会
社
出版社 使用許諾
契約
協賛
協賛契約 会社
漫画家
ライセンス契約
グッズ
制作会社
業務委託契約 デザイン
会社

26. 契約関係の検討
• 漫画の権利を持っているA社 ⇒使用許諾契
約
• 映像の権利を持っているB社 ⇒使用許諾契
約
• 原画の権利を持っている大友さん ⇒ 不要
• 宣伝・協賛したいD社 ⇒ 宣伝・協賛契約
• デザインを依頼するE社 ⇒ 業務委託契約
• グッズを作りたいF社 ⇒ ライセンス契約
• （場合によっては）広告代理店のG社

27. チャート(4)
行政庁の許認可の必要性

28. 行政庁の許認可が必要になる場合があ
る
【例として……】
• 飲食を出したい場合
• 屋外でプロジェクションしたい場合
• 深夜にDJを入れたい場合
• 道路に露店を出したい場合
• 雑貨を輸入したい場合

29. チャート(5)
その他のリスクの洗い出し

30. 05
本日のまとめ

31. 本日のまとめ
• プロジェクトの企画・アイデア出しの段
階では、法務面は検討する必要なし
• 企画・アイデア出しの段階を終え、企画
書に具体的に落とし込んで行く段階で、
プレイヤーを確定し、契約関係を検討す
る
• 行政庁の許認可などリスクを洗い出す
• ここまで見通した企画書を作成できれ
ば、企画の説得力が増し、実現可能性が
高まる