ブラジルの環境問題 Rio92から20年、何が変わった?

1,370 views

Published on

上智大学2012年7月6日の講義。アグリビジネスvs.アグロエコロジーの問題にフォーカスしたかったけれども、ブラジルの環境問題全般ということで前と似通ったものになってしまった。

Published in: News & Politics
0 Comments
0 Likes
Statistics
Notes
  • Be the first to comment

  • Be the first to like this

No Downloads
Views
Total views
1,370
On SlideShare
0
From Embeds
0
Number of Embeds
80
Actions
Shares
0
Downloads
4
Comments
0
Likes
0
Embeds 0
No embeds

No notes for slide
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • \n
  • ブラジルの環境問題 Rio92から20年、何が変わった?

    1. 1. ブラジルの環境問題Rio92から20年、何が変わった? 上智大学 2012年7月6日 印鑰 智哉
    2. 2. エコサイド森林、川…狙われる生態系(生物多様性)先住民族・キロンボーラ(黒人共同体住民)川の民(川での漁猟などを中心に長く自給自足生活を送る人びと)セリンゲイロ(天然ゴム採取人)小農民
    3. 3. エコサイドする側の勢力大土地所有者遺伝子組み換え企業(モンサント、シンジェンタなど)穀物メジャー(カーギル、Bunge、日本商社など)鉱山資源企業(Vale、Rio Tinto、etc.)、紙パルプ(製紙会社 etc.)バイオ燃料関連(石油メジャー、商社など)世界の原料供給場として
    4. 4. ベロモンチダムのビデオhttp://www.youtube.com/watch?v=PkA65RqRSLw
    5. 5. ベロモンチダム軍事独裁時代の70年代に計画され、先住民族の強い反対を受ける。Stingやジェームズ・キャメロンも参加し、国際的に反対運動 リオからは約3000キロの距離しかし、2011年建設開始
    6. 6. アマゾン地域に140ものダム建設が予定されている。ダム建設はアマゾンの生態系を大きく変える(多くの生物の死滅、メタンガスの発生、土壌の崩壊)今後、干ばつの傾向という研究あり
    7. 7. 日本との関係トゥクルイダム(8,370 MW)世界第2位(東京23区すっぽり)。日本のアルミのために作られた
    8. 8. 日本との関係トゥクルイダム(8,370 MW)世界第2位(東京23区すっぽり)。日本のアルミのために作られた
    9. 9. ダム開発ブラジルの電気の7割は水力発電熱帯地域のダムはクリーンではない先住民族、地域住民の犠牲アマゾン開発のため(≠ブラジル人のため、鉱山、精錬=ほとんどが輸出向け、一部の企業が太るだけ)
    10. 10. Rio92とRio+20の違い遺伝子組み換え産業による農業生産独占現在85%の大豆が遺伝子組み換え政府の規制力がさらに弱まる
    11. 11. 遺伝子組み換え大豆ブラジルは遺伝子組み換えは禁止していた。アルゼンチンから非合法下にブラジルに持ち込まれる→強引に合法化(2003から2005年)* 日刊ベリタの記事参照(モンサント、ブラジルの遺伝子組み換え大豆「開国」の手口)「大豆連合共和国」(スイスの遺伝子組み換え企業シンジェンタのパンフレット cf. バナナ共和国)
    12. 12. 南米での遺伝子組み換えの 問題を扱ったビデオ“ Killing Fields 大豆栽培が引き起こす悲劇 第一章” http://www.youtube.com/watch?v=IJ3zXXXFSKY
    13. 13. ブラジルでの大豆の歴史日本のODAで1970年代にセラード地域での大豆生産(米国の大豆禁輸。大豆は石油に次ぐ戦略物資。満鉄経由[日本]で戦前に米国に)狂牛病→植物性の飼料の需要急増バイオ燃料の需要急増
    14. 14. 「大豆連合共和国」が もたらす影響逆農地改革(先住民族、小農民が土地を追われ、極少数の大土地所有者が広大な農地を支配)地域の食料生産の激減、飢餓の発生農薬による環境汚染(農薬使用量世界一に)、特に飲み水の汚染、森林・土壌の喪失、水源の破壊、砂地化モンサント、シンジェンタなどの多国籍企業が種子支配、カーギルなどの穀物メジャーが輸出向け経済支配。
    15. 15. 「大豆連合共和国」が もたらす影響2危険な遺伝子組み換え大豆。残留除草剤、遺伝子組み換えBt毒素による肝臓障害、ガン、出生異常遺伝子組み換え穀物で育った家畜を食べた人の血液から毒素が検出される日本の多くの飼料が遺伝子組み換え。すでに日本列島住民は多くの遺伝子組み換え家畜の肉を食べている(遺伝子組み換え食品表示はごく一部)
    16. 16. ブラジルでの農薬使用実態地図
    17. 17. ユーカリ植林紙パルプ産業向けのユーカリ植林=グリーンウォッシュUNCED92の批判の象徴的存在水資源の破壊、除草剤による環境汚染、失業(広大な地域にわずかな雇用しか生まない)、土地紛争、人口流出、村の崩壊「緑の砂漠」日本のODAでユーカリ植林今年は遺伝子組み換えのユーカリが登場
    18. 18. 鉱物資源開発世界最大鉄鉱山、大カラジャス開発計画、 大きな環境破壊を生み出した。1980[1982]年∼。JICAが開発計画を作成[1981年]、…露天堀の巨大鉄鉱山。広大な森林が破壊。その破壊されたところにユーカリが植林、ボーキサイト鉱山、アルミ精製工場、希少金属、東アマゾンの生態系に大きな影響を与える。
    19. 19. 鉱山・石油開発金、アルミ、ニオブ(埋蔵量の97%がブラジル、原発、超伝導コイルなどに使われる)、ウラン(世界第7位)、リン酸、石油、ガスアマゾンに水俣病…石油鉱脈がアマゾンに発見…深海海底油田開発…油田事故連続
    20. 20. 都市部だけを押さえる 労働者政権反貧困政策の成功ボルサ・ファミリアを通じた貧困層支援麻薬組織の押さえ込みしかし、農村部の大土地所有者とは対決避ける
    21. 21. パラグアイでのクーデタ南米ではモンサントのクーデタであるという論調大豆輸出の9割をブラジル人地主が握る?2%(2.5%)が85%の農地を握る。40%の小農民はわずか1%の農地ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ウルグアイにも共通する社会的に歪み
    22. 22. アマゾン破壊の政治的動き森林法改悪(違法伐採者への恩赦、保護林の縮小。川縁の森林。大統領拒否権発動も部分的)ダム建設 ベロモンチダム他、多数のダム22個建設推進憲法で認められている先住民族・キロンボの土地の権利を国会での承認事項に。先住民族の土地で鉱物資源開発を可能にする法案
    23. 23. 続出する殺害脅迫森林の中に住む先住民族、小農民、黒人コミュニティ(キロンボ)のリーダーを次々に殺害。邪魔者がいなければ森林破壊しやすい2001年から2010年までに殺された219名のうち98%のケースで暗殺者は罰せられていない。先住民族=森を守る人がいなくなった時に森は?
    24. 24. 日本がどうつながるか?エコサイドはこのままでは止まらない…日本の消費者とつながる必要性遺伝子組み換え大豆、家畜飼料やバイオ燃料に。安全な飼料を要求することで抑制可能、エネルギー政策を変えることの重要性アルミ、希少金属類の搾取を減らす(リサイクル、技術改良による使用量減少など)日本の農業自給率の向上。食料主権人権を相互に保障する連帯が不可欠…人権無視がエコサイドを可能にする…世界で食料生産の中心を担うのは誰?
    25. 25. ブラジル環境を守る闘い「森の民の同盟(União dos Povos da Floresta)」の結成(1980年代)…セリンゲイロ(ゴム採取人)歴史的に先住民族と敵対させられてきた。シコ・メンデスの殺Extrativismo(森の生産物を生かして経済活動)Agroecologia(有機農業よりも包括的で、環境のみだけではなく政治経済的正義も同時に追究)Articulação Nacional de Agroecologia (ANA)
    26. 26. Seed Freedom Campaign米国で80年間で93%の種が絶滅 図 http://ngm.nationalgeographic.com/2011/07/アグリビジネスが農 food-ark/food-variety-graphic業生物多様性を壊滅的に一方で多国籍企業は新しい種子の独占を狙う National Geographic
    27. 27. Biopiracy生物資源の盗賊行為との闘い多国籍企業が生物種に特許。現地コミュニティが活用できなくなる。種・苗を守る闘い、ブラジルから Rio+20/ピープルズ・サミットで訴えるブラジルの先住民インドへ 族アシャニンカ、右(左はバンダナ・シーバ)
    28. 28. ブラジルの注目すべき運動反飢餓運動(飢餓に反対し、生命のための運動 1993年∼)…ブラジル人7割が認知した巨大運動、中央本部を持たないフラットな運動世界社会フォーラム(2001年からポルトアレグレに世界の民衆運動団体が集まる。911の後のグローバルな民衆のネットワークに)「もう一つの世界は可能だ」参加民主主義、フラットなネットワーク参加型予算(住民が自治体の予算の使い道を決定する。ポルトアレグレ発1989年、日本でも実施例)連帯経済(連帯運動が職も作り出す…民衆運動発、政府のプログラムにも)反農薬キャンペーン (2011年∼)
    29. 29. ブラジルの原発ブラジルは現在2機の原子炉稼働中。3機目建設中。わずか全エネルギー3%前後だけ(中南米では他にアルゼンチンとメキシコ)。ドイツの技術協力、ドイツ脱原発で変わるか?原発はリオデジャネイロとサンパウロの真ん中(リオから150km、サンパウロから350km)。事故があればブラジル人口集中地域が終わり。ウラン鉱山(世界第7位の埋蔵量)での放射能汚染。アマゾンにもブラジルの反原発運動、福島以降、活発化して、原発技術協力、資金融資をしていたドイツの反核運動との連携で建設計画を延期に持ち込む。ブラジルの反原発運動、原発建設禁止をブラジル憲法に、運動展開中
    30. 30. フォローアップTwitter https://twitter.com/tomo_nada などでフォローアップしていきます。連絡先 http://blog.rederio.jp/message_form
    31. 31. 資料アマゾンに建設中、操業中、計画中のダムのデータベースhttp://www.dams-info.org/Articulação Nacional de Agroecologia (ANA) http://www.agroecologia.org.br/National Geographic http://ngm.nationalgeographic.com/2011/07/food-ark/food-variety-graphicモンサントの世界戦略(NHKでも放映。英語版 http://www.youtube.com/watch?v=Rml_k005tsU)農薬地図 Intoxicação e morte por agrotóxicos no Brasil: a novaversão do capitalismo oligopolizado. Larissa Mies Bombardihttp://www.mst.org.br/sites/default/files/Larissa_Mies_Bombardi_artigo_agrot%C3%B3xicos-1.pdf

    ×