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たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
ディプロマシー
インスト資料
ルールと戦略
たに@名古屋フンタ会
最終更新 2017.08.05
たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
概要
●プレイヤーは1900年のヨーロッパ列強七ヶ
国(イギリス・フランス・ドイツ・オースト
リア・イタリア・ロシア・トルコ)となり外
交と軍事力でヨーロッパの覇権を争う
●長時間ゲーム
○4時間と説明書にはあるがそんな短時間では無理
○多分最後までやったら二日は覚悟…
たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
特徴
●ゲームの要素は交渉がほぼ全て
○カードやダイスなどのランダム要素無し
○同時に行動するので交渉以外の駆け引きも無し
●軍隊は同一戦力
○行動も単純・特殊能力無し
○攻撃判定は交戦した部隊数を比較するだけ
●一国の戦力は低く独力の侵攻は無理
○よって外交が鍵を握る
たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
地域と部隊
●地域数は75(そのうち補給地は34)
○支配した補給地が戦力(保有可能な部隊数)
●地域は3種類
1.内陸…水域に接してない陸地
2.沿岸…水域に接している陸地
3.水域…海
●部隊は2種類・全ての部隊は同戦力
1.陸軍(Army)…内陸と沿岸を移動できる
2.海軍(Fleet)…水域と沿岸を移動できる
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●ターン制
○2ターン(春と秋)で1年
○ターン中に外交と軍事行動を行う
●勝利条件
○34箇所ある補給地の過半数(18箇所)を支配
○もしくは生存プレイヤーの合意で停戦(引き分け)
○ルール外だが時間で打ち切って暫定順位付け
進行
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ターンの各フェイズ
1.外交
2.命令記録
3.命令解決
4.撤退・解体
5.部隊増減(秋のみ)
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1 外交フェイズ
●他のプレイヤーと交渉をする
●内容・手段は自由
○個別交渉・グループ交渉・全体交渉
○交渉内容の秘密可・公表可・紙への記録可
○脅迫・盗聴・買収・噂の流布・虚偽など何でもあり
●約束を守る義務はない
○紙に書こうが録音しようが証人を立てようが守る義
務は一切無い
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2 命令記録フェイズ
●自分の部隊の行動を決定する
○部隊の行動を紙に記入してGMに提出
○ 書式自由(他人が明確に理解できるように!)
● 行動は4種類
a.維持(Hold)
b.移動(Move)
c.支援(Support)
d.輸送(Convoy)
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a. 維持 Hold
●現在地から移動しない
○要するに防御
●省略可
○何も命令しないと維持扱い
○間違った命令も維持扱い
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b. 移動 Move
●隣接した地域に移動する
○要するに攻撃
● 一つの地域に一つの部隊のみ存在可能
○二つ以上の部隊が入ろうとすると戦闘になる
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c. 支援 Support
●他の部隊の行動を助ける
●なぜ支援が必要か
○攻撃するには相手より戦力が上回る必要がある
■単独部隊は絶対に他部隊への攻撃が成功しない
○支援で部隊の戦力を増強する
●部隊が移動可能な地域に支援を送る
○支援は移動(攻撃)か地域(防御)に対して行う
○支援する部隊を攻撃することで支援を妨害できる
○他国も支援できる(そのためにも外交)
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d. 輸送 Convoy
●陸軍を水域を通過させる
●海軍だけが可能
○沿岸では輸送はできない
○国によってはゲーム終了まで使わないかも
●可能なら複数水域を一度に通過できる
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3 命令解決フェイズ
●部隊への命令を公開して判定
○同時に処理するので順序の有利不利はない
●攻撃が発生した場合は結果を解決
○支援が多い部隊が勝つ(詳細はルールブックを参照)
○引き分け(=スタンドオフ)は誰も移動しない
●元の地域から追い出されると撃退
○撃退された部隊は撤退・解体フェイズで処理
○単なる移動の失敗は撃退ではない
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4 撤退・解隊フェイズ
●命令処理で撃退された部隊の処理をする
●撃退された部隊の移動先を記入して提出
○戦闘に負けても消滅しない
● 撤退せずに解隊しても良い
○逃げる場所がないと強制的に解隊
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5 部隊増減フェイズ (秋のみ)
●補給地の処理と部隊数の調整を行う
●補給地に駐留している部隊の国が支配する
○春に通過してもダメ
○一度支配した補給地は部隊が存在しなくても良い
■他国に支配されるまで支配が続く
●補給地の数に合わせて部隊を増減
○GMに紙に書いて提出
○増加は本国の空き補給地で行う
■本国が支配されると減る一方
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補足事項
追加の注意
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特殊な地域
●まぎらわしいが沿岸扱い
○コンスタンチノープル・キール・デンマーク
●海岸線が分離
○ブルガリア・スペイン・サンクトペテルブルグ
○海軍は海岸線によって別位置扱い
○移動のときにどちらに移動するか事前に明記
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交渉の注意
●交渉は外交フェイズのみ
○命令記録・撤退解隊・部隊増減の各フェイズでは交
渉は禁止
■事前に必要な交渉は済ませておく
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行軍の注意
●海軍の移動の補足
○沿岸地域同士は海岸線が繋がっていること
■船は山を越えたりしない!
■不可な例: 海軍がMarからBreに移動
●よくある支援の誤記
○ 移動の支援は移動元と移動先が何か明確にすること
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撤退・解体の注意
●撤退で移動できない場所
○攻撃してきた部隊の元の場所
○スタンドオフで空白になった場所
○他の部隊がいる場所
●解隊は勝手にできない
○撤退解隊フェイズか部隊増減フェイズのみ
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その他
● ルールは英語の正式ルールを確認
○HJの翻訳には誤訳があるので注意
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命令解決の22のルール(1)
●基本原則
○同一戦力(1)
○一地域一部隊(2)
●攻撃の解決とスタンドオフ
○スタンドオフの発生(移動:3, 維持:5)
○発生地の部隊に影響の無いことの確認(4)
● 部隊の交換はできない(6)
○3部隊以上なら順番に交換できる(7)
○輸送を使えば交換できる(19)
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命令解決の22のルール(2)
●支援方法: 維持(8) 移動(9)
●支援のカット(妨害)
○攻撃をすると支援をカットできる
○撃退の支援元への攻撃でのカットは無効(13)
○撃退できたら支援カット(14)
●撃退された部隊
○ スタンドオフができる(10)
○カットもできる(15,但し13に注意)
○ただし撃退元の地域への影響はない(11)
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命令解決の22のルール(3)
●輸送の失敗
○輸送先でスタンドオフ(18)
○輸送する海軍が撃退(17)
○複数ルートあるなら一つ成功ルートあれば良い(20)
●自国部隊の撃退とカットの無効(12,16)
●輸送絡みの特殊な状況の解決
○13の例外(21)
○21の例外(22)
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略記による命令(1)
命令書の提出は他人が理解できれば書式自由ではあるが簡
潔かつ明快であり人の命令書を確認することを考えると読
めるようにはした方が良い(曖昧な記述は混乱の元)
●基本書式: [A or F] [所在地] [動作]
●Hold
○F Lon Holds
●Move
○A Par−Bur
たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
略記による命令(2)
●Support
○A Mar−Bur; A Gas S A Mar−Bur
○A Mar Holds; A Gas S A Mar Holds
●Convoy
○A Lon−Nwy; F Nth C A Lon−Nwy
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戦略
外交の基本
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●戦術ゲームではない
○軍隊を押したり引いたり工夫しても勝てない
●多勢に無勢
○一国では複数には勝てない
○自力で解決できないピンチこそ外交で解決
○戦術面の不利も外交で解決
●しかし同盟を守るだけでは勝てない
○同盟相手もいつかは倒す敵
同盟は必要
たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
裏切りも必要
●八方美人は無策と同じ
●安易な裏切りは滅亡を招く
○裏切ったあとの展開を考えたか
○最初の失敗でも立ち直りの機会はあるとは限らない
●バランスが大事
○約束を守ることは必要・約束を守らないことも必要
○信じることは必要・信じないことも必要
○裏切らないと勝てない・裏切られても泣かない
たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
外交交渉の例
●同盟とか不可侵とか相互防衛条約とか
●中立地の設定
●領地の割譲
●生産する部隊の種類の指定
●共同で侵攻あるいは宣戦布告とか…
●停戦協定
●二枚舌上等
たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
条約の公開と書面の作成
●公開
○他国へのプレッシャー
○条約違反のアピール
○公開部分と非公開部分を作成するのもあり
●書面作成
○言った言わないってよくあるでしょ?
○他国にも見せるとか
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戦略2
国別ガイド
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イギリス
●制海権確保が重要
○でものんびりしすぐると大陸の展開に出遅れる
●独仏連合を許したくない
○英仏連合は楽だけど気がつくとフランスの好き勝手
の恐れあり
●トルコは比較的気楽に話ができる
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フランス
●イベリア半島を確保できるか
○当然他国も妨害したい
●英独のどちらと組むか
●オランダ・ベルギーの分割
●海軍国で行くのか陸軍国で行くのか
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ドイツ
●同盟相手をどこにするか
○英仏のどちらかと組みたい
○オーストリア・ロシアとどうするか
○歴史的には独・墺・伊
●オランダ・ベルギーなどの割譲方針
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イタリア
●陸軍の攻撃に耐えやすい地形
○地中海の制海権は絶対確保
○ティレニア海(Tyn)を取られると相当まずい
●初期はチュニス(Tun)を取ったらやることが
ない
○下手したら3年以上放置かも
●柔軟な外交手腕が必要
○やることがないからと寝ていないで将来の布石
たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
オーストリア
●初期の外交の失敗は即死を招く
●トルコがロシアと戦争しなかったら必ず攻
めてくるのでそのための対処
●ドイツとロシアとの関係をどうするか
○歴史的には独・墺・伊
○でもイタリアは役に立たないかも…
●厳しい外交が続くが山を越えれば…
たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
ロシア
●国土が広いから分散させると身動き取れな
い
●スカンジナビア半島とイギリスの関係
●トルコとの関係・黒海をどうするか
●ドイツとオーストリアへの対処
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トルコ
●ロシアとの関係と黒海
●背後から攻められる心配がないのは安心
●オーストリアに進軍できれば成功
●警戒されやすいので封じられこともある
●イタリアにやる気を出されると面倒
たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
重要地域
●自国の補給地の隣接地域などが重要
●具体的な例
○Nth(北海) イギリス
○Bal(バルト海) ドイツ
○Gal(ガリシア) オーストリア
○Aeg(エーゲ海) トルコ
○Mid(中大西洋) フランス
○Tyn(ティレニア海) イタリア
○Bla(黒海) ロシア・トルコ
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まとめ
●地政学的なことに起因する戦略はある
○戦術・行軍テクニックも有効なこともある
●とは言え外交に失敗した結果の敵方の数の
暴力には勝てないのでまずは外交を一番大
切にしましょう
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この資料について
●作成
○たに@名古屋フンタ会 (takaki@asis.media-as.org)
●協力
○名古屋フンタ会の参加者の皆様
●ライセンス
○Creative Commons Attribution-ShareAlike 4.0
International License

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ディプロマシー概要

  • 1. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] ディプロマシー インスト資料 ルールと戦略 たに@名古屋フンタ会 最終更新 2017.08.05
  • 2. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 概要 ●プレイヤーは1900年のヨーロッパ列強七ヶ 国(イギリス・フランス・ドイツ・オースト リア・イタリア・ロシア・トルコ)となり外 交と軍事力でヨーロッパの覇権を争う ●長時間ゲーム ○4時間と説明書にはあるがそんな短時間では無理 ○多分最後までやったら二日は覚悟…
  • 3. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 特徴 ●ゲームの要素は交渉がほぼ全て ○カードやダイスなどのランダム要素無し ○同時に行動するので交渉以外の駆け引きも無し ●軍隊は同一戦力 ○行動も単純・特殊能力無し ○攻撃判定は交戦した部隊数を比較するだけ ●一国の戦力は低く独力の侵攻は無理 ○よって外交が鍵を握る
  • 4. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 地域と部隊 ●地域数は75(そのうち補給地は34) ○支配した補給地が戦力(保有可能な部隊数) ●地域は3種類 1.内陸…水域に接してない陸地 2.沿岸…水域に接している陸地 3.水域…海 ●部隊は2種類・全ての部隊は同戦力 1.陸軍(Army)…内陸と沿岸を移動できる 2.海軍(Fleet)…水域と沿岸を移動できる
  • 5. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] ●ターン制 ○2ターン(春と秋)で1年 ○ターン中に外交と軍事行動を行う ●勝利条件 ○34箇所ある補給地の過半数(18箇所)を支配 ○もしくは生存プレイヤーの合意で停戦(引き分け) ○ルール外だが時間で打ち切って暫定順位付け 進行
  • 6. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] ターンの各フェイズ 1.外交 2.命令記録 3.命令解決 4.撤退・解体 5.部隊増減(秋のみ)
  • 7. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 1 外交フェイズ ●他のプレイヤーと交渉をする ●内容・手段は自由 ○個別交渉・グループ交渉・全体交渉 ○交渉内容の秘密可・公表可・紙への記録可 ○脅迫・盗聴・買収・噂の流布・虚偽など何でもあり ●約束を守る義務はない ○紙に書こうが録音しようが証人を立てようが守る義 務は一切無い
  • 8. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 2 命令記録フェイズ ●自分の部隊の行動を決定する ○部隊の行動を紙に記入してGMに提出 ○ 書式自由(他人が明確に理解できるように!) ● 行動は4種類 a.維持(Hold) b.移動(Move) c.支援(Support) d.輸送(Convoy)
  • 9. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] a. 維持 Hold ●現在地から移動しない ○要するに防御 ●省略可 ○何も命令しないと維持扱い ○間違った命令も維持扱い
  • 10. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] b. 移動 Move ●隣接した地域に移動する ○要するに攻撃 ● 一つの地域に一つの部隊のみ存在可能 ○二つ以上の部隊が入ろうとすると戦闘になる
  • 11. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] c. 支援 Support ●他の部隊の行動を助ける ●なぜ支援が必要か ○攻撃するには相手より戦力が上回る必要がある ■単独部隊は絶対に他部隊への攻撃が成功しない ○支援で部隊の戦力を増強する ●部隊が移動可能な地域に支援を送る ○支援は移動(攻撃)か地域(防御)に対して行う ○支援する部隊を攻撃することで支援を妨害できる ○他国も支援できる(そのためにも外交)
  • 12. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] d. 輸送 Convoy ●陸軍を水域を通過させる ●海軍だけが可能 ○沿岸では輸送はできない ○国によってはゲーム終了まで使わないかも ●可能なら複数水域を一度に通過できる
  • 13. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 3 命令解決フェイズ ●部隊への命令を公開して判定 ○同時に処理するので順序の有利不利はない ●攻撃が発生した場合は結果を解決 ○支援が多い部隊が勝つ(詳細はルールブックを参照) ○引き分け(=スタンドオフ)は誰も移動しない ●元の地域から追い出されると撃退 ○撃退された部隊は撤退・解体フェイズで処理 ○単なる移動の失敗は撃退ではない
  • 14. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 4 撤退・解隊フェイズ ●命令処理で撃退された部隊の処理をする ●撃退された部隊の移動先を記入して提出 ○戦闘に負けても消滅しない ● 撤退せずに解隊しても良い ○逃げる場所がないと強制的に解隊
  • 15. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 5 部隊増減フェイズ (秋のみ) ●補給地の処理と部隊数の調整を行う ●補給地に駐留している部隊の国が支配する ○春に通過してもダメ ○一度支配した補給地は部隊が存在しなくても良い ■他国に支配されるまで支配が続く ●補給地の数に合わせて部隊を増減 ○GMに紙に書いて提出 ○増加は本国の空き補給地で行う ■本国が支配されると減る一方
  • 16. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 補足事項 追加の注意
  • 17. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 特殊な地域 ●まぎらわしいが沿岸扱い ○コンスタンチノープル・キール・デンマーク ●海岸線が分離 ○ブルガリア・スペイン・サンクトペテルブルグ ○海軍は海岸線によって別位置扱い ○移動のときにどちらに移動するか事前に明記
  • 18. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 交渉の注意 ●交渉は外交フェイズのみ ○命令記録・撤退解隊・部隊増減の各フェイズでは交 渉は禁止 ■事前に必要な交渉は済ませておく
  • 19. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 行軍の注意 ●海軍の移動の補足 ○沿岸地域同士は海岸線が繋がっていること ■船は山を越えたりしない! ■不可な例: 海軍がMarからBreに移動 ●よくある支援の誤記 ○ 移動の支援は移動元と移動先が何か明確にすること
  • 20. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 撤退・解体の注意 ●撤退で移動できない場所 ○攻撃してきた部隊の元の場所 ○スタンドオフで空白になった場所 ○他の部隊がいる場所 ●解隊は勝手にできない ○撤退解隊フェイズか部隊増減フェイズのみ
  • 21. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] その他 ● ルールは英語の正式ルールを確認 ○HJの翻訳には誤訳があるので注意
  • 22. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 命令解決の22のルール(1) ●基本原則 ○同一戦力(1) ○一地域一部隊(2) ●攻撃の解決とスタンドオフ ○スタンドオフの発生(移動:3, 維持:5) ○発生地の部隊に影響の無いことの確認(4) ● 部隊の交換はできない(6) ○3部隊以上なら順番に交換できる(7) ○輸送を使えば交換できる(19)
  • 23. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 命令解決の22のルール(2) ●支援方法: 維持(8) 移動(9) ●支援のカット(妨害) ○攻撃をすると支援をカットできる ○撃退の支援元への攻撃でのカットは無効(13) ○撃退できたら支援カット(14) ●撃退された部隊 ○ スタンドオフができる(10) ○カットもできる(15,但し13に注意) ○ただし撃退元の地域への影響はない(11)
  • 24. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 命令解決の22のルール(3) ●輸送の失敗 ○輸送先でスタンドオフ(18) ○輸送する海軍が撃退(17) ○複数ルートあるなら一つ成功ルートあれば良い(20) ●自国部隊の撃退とカットの無効(12,16) ●輸送絡みの特殊な状況の解決 ○13の例外(21) ○21の例外(22)
  • 25. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 略記による命令(1) 命令書の提出は他人が理解できれば書式自由ではあるが簡 潔かつ明快であり人の命令書を確認することを考えると読 めるようにはした方が良い(曖昧な記述は混乱の元) ●基本書式: [A or F] [所在地] [動作] ●Hold ○F Lon Holds ●Move ○A Par−Bur
  • 26. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 略記による命令(2) ●Support ○A Mar−Bur; A Gas S A Mar−Bur ○A Mar Holds; A Gas S A Mar Holds ●Convoy ○A Lon−Nwy; F Nth C A Lon−Nwy
  • 27. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 戦略 外交の基本
  • 28. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] ●戦術ゲームではない ○軍隊を押したり引いたり工夫しても勝てない ●多勢に無勢 ○一国では複数には勝てない ○自力で解決できないピンチこそ外交で解決 ○戦術面の不利も外交で解決 ●しかし同盟を守るだけでは勝てない ○同盟相手もいつかは倒す敵 同盟は必要
  • 29. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 裏切りも必要 ●八方美人は無策と同じ ●安易な裏切りは滅亡を招く ○裏切ったあとの展開を考えたか ○最初の失敗でも立ち直りの機会はあるとは限らない ●バランスが大事 ○約束を守ることは必要・約束を守らないことも必要 ○信じることは必要・信じないことも必要 ○裏切らないと勝てない・裏切られても泣かない
  • 30. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 外交交渉の例 ●同盟とか不可侵とか相互防衛条約とか ●中立地の設定 ●領地の割譲 ●生産する部隊の種類の指定 ●共同で侵攻あるいは宣戦布告とか… ●停戦協定 ●二枚舌上等
  • 31. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 条約の公開と書面の作成 ●公開 ○他国へのプレッシャー ○条約違反のアピール ○公開部分と非公開部分を作成するのもあり ●書面作成 ○言った言わないってよくあるでしょ? ○他国にも見せるとか
  • 32. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 戦略2 国別ガイド
  • 33. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] イギリス ●制海権確保が重要 ○でものんびりしすぐると大陸の展開に出遅れる ●独仏連合を許したくない ○英仏連合は楽だけど気がつくとフランスの好き勝手 の恐れあり ●トルコは比較的気楽に話ができる
  • 34. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] フランス ●イベリア半島を確保できるか ○当然他国も妨害したい ●英独のどちらと組むか ●オランダ・ベルギーの分割 ●海軍国で行くのか陸軍国で行くのか
  • 35. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] ドイツ ●同盟相手をどこにするか ○英仏のどちらかと組みたい ○オーストリア・ロシアとどうするか ○歴史的には独・墺・伊 ●オランダ・ベルギーなどの割譲方針
  • 36. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] イタリア ●陸軍の攻撃に耐えやすい地形 ○地中海の制海権は絶対確保 ○ティレニア海(Tyn)を取られると相当まずい ●初期はチュニス(Tun)を取ったらやることが ない ○下手したら3年以上放置かも ●柔軟な外交手腕が必要 ○やることがないからと寝ていないで将来の布石
  • 37. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] オーストリア ●初期の外交の失敗は即死を招く ●トルコがロシアと戦争しなかったら必ず攻 めてくるのでそのための対処 ●ドイツとロシアとの関係をどうするか ○歴史的には独・墺・伊 ○でもイタリアは役に立たないかも… ●厳しい外交が続くが山を越えれば…
  • 38. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] ロシア ●国土が広いから分散させると身動き取れな い ●スカンジナビア半島とイギリスの関係 ●トルコとの関係・黒海をどうするか ●ドイツとオーストリアへの対処
  • 39. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] トルコ ●ロシアとの関係と黒海 ●背後から攻められる心配がないのは安心 ●オーストリアに進軍できれば成功 ●警戒されやすいので封じられこともある ●イタリアにやる気を出されると面倒
  • 40. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] 重要地域 ●自国の補給地の隣接地域などが重要 ●具体的な例 ○Nth(北海) イギリス ○Bal(バルト海) ドイツ ○Gal(ガリシア) オーストリア ○Aeg(エーゲ海) トルコ ○Mid(中大西洋) フランス ○Tyn(ティレニア海) イタリア ○Bla(黒海) ロシア・トルコ
  • 41. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] まとめ ●地政学的なことに起因する戦略はある ○戦術・行軍テクニックも有効なこともある ●とは言え外交に失敗した結果の敵方の数の 暴力には勝てないのでまずは外交を一番大 切にしましょう
  • 42. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0] この資料について ●作成 ○たに@名古屋フンタ会 (takaki@asis.media-as.org) ●協力 ○名古屋フンタ会の参加者の皆様 ●ライセンス ○Creative Commons Attribution-ShareAlike 4.0 International License