東日本大震災における被災自治体支援を通じて得られた災害対応業務支援のためのGISの要件と課題
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東日本大震災における被災自治体支援を通じて得られた災害対応業務支援のためのGISの要件と課題

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2011年10月17日地理情報システム学会大会@鹿児島大学の発表資料です。

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  • 1. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project BOSAI-DRIP 東日本大震災における
 被災自治体支援を通じて得られた
 災害対応業務支援のためのGISの要件と課題 田口仁1, 長坂俊成1, 臼田裕一郎 1 花島誠人2, 小島誠一郎3 NIED BOSAI-DRIP 1(独)防災科学技術研究所
 2(財)地域開発研究所, 3(株)ナブラ・ゼロ 「官民協働クラウド型GISによる被災地支援」 2011年10月16日地理情報システム学会学術研究大会@鹿児島大学 1
  • 2. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project はじめに BOSAI-DRIP n 背景 »  自治体災害対応業務における地理情報システム(GIS) の有効性 •  阪神・淡路大震災(碓井, 2004)、中越地震(吉富ら, 2005)、中越 沖地震(古屋ら, 2008) »  被災自治体が災害対応業務にGISを活用できるための仕 組みやツールを検討する必要性 »  東日本大震災において、 被災自治体の要請を受け、限 られたリソースの中で、WebGIS「eコミマップ」を用いて、自 治体災害対応業務における地図利用の支援を実施 n 目的 NIED BOSAI-DRIP »  東日本大震災における被災自治体の災害対応業務支援 を事例に、災害対応業務におけるツールとしてのGISの新 たな要件と課題を検討する。 2
  • 3. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project WebGIS「eコミマップ」について BOSAI-DRIP n  FOSS4Gを基盤にした、情報登録、検索機能、印刷機能を備え たオープンソースのWebGIS (防災科研, 2009) メタデータ登録 災害リスク情報   地域住民   クリアリングハウス メタデータDB 自治体 ID,  パスワード   統合型GIS   でログイン ハザードマップ   航空写真 地域住民による情報 分 散 相 大学・研究   機関等 互 各種地図・図表   運 シミュレーション   用 環 NIED 境 地震動予測地図   地すべり地形分布図  NIED BOSAI-DRIP 洪水ハザードマップ 国際標準の地理空間情報の流通方式である、Web Mapping Service (WMS)、Web Feature Service (WFS)、Web Coverage Service(WCS)をはじめ、GoogleのKMLに 対応しており、動的に地図上に重ね合わせることが可能。 3
  • 4. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 東日本大震災における支援自治体 BOSAI-DRIP n  震災発生後、岩手県遠野市の後方支援活動本部と共に現 地へ入り、自治体の要請に基づきeコミマップによる災害対 応業務の支援を実施 2. 大槌町   「罹災証明書発行支援システム」 遠野市 3. 釜石市   「がれき撤去支援システム」 NIED BOSAI-DRIP 1. 陸前高田市   「罹災証明書発行支援システム」 4
  • 5. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 1.陸前高田市 罹災証明書発行支援システム BOSAI-DRIP n  発行する書類(アウトプット) 1.  一般世帯向け罹災証明書 2.  事業者向け(建物別)罹災証明書 n  使用データ(インプット) »  残存データ •  家屋台帳:地番、種類、所有者氏名、所有者住所、世帯番号 •  世帯(住基)台帳:世帯番号、住所、世帯人員氏名等 ►  家屋台帳と世帯番号で結合。住所を基に無料のジオコーディングサ ービスを利用して、地図上にプロット •  地籍図属性データ:字名、地番、号番、枝番等 »  税務課が実施した被害調査データ •  被害判定データ(世帯台帳に判定結果を追加) NIED BOSAI-DRIP »  地図データ •  国土地理院 被災後空中写真(WMS配信) •  ゼンリン 住宅地図(限定WMS配信) •  陸前高田市 地籍図ポリゴンデータ 5
  • 6. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 1.陸前高田市 罹災証明書発行支援システム BOSAI-DRIP n  発行の流れ 1.  世帯用の罹災証明書発行の流れ •  申請書受付 •  申請の記載内容から検索を行って被害判定結果を表示 •  地図上で位置と被害判定結果を確認 •  被災後空中写真(補助的に住宅地図)と判定結果の整合を確認 •  罹災証明書を出力 2.  建物別の罹災証明書発行の流れ •  申請書受付 •  世帯用被害判定と被災後空中写真を重ね合わせ表示 •  申請建物の被害状況を確認 •  罹災証明書を出力 n  開発したシステムの特徴 NIED BOSAI-DRIP »  eコミマップを拡張してシステムを構築 •  検索機能と帳票出力機能を強化し、陸前高田市用にカスタマイズ »  インターネットに接続しないネットワーク(LAN)で運用 •  住宅地図や被災後空中写真は被災地外でWMSをキャッシュして利用 6
  • 7. NIED BOSAI-DRIPNational Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 世帯の詳細情報表示画面 世帯検索画面(左)と検索結果表示画面(右) 1.陸前高田市 罹災証明書発行支援システム 地図表示画面 (判定結果も表示) 7 BOSAI-DRIP
  • 8. NIED BOSAI-DRIPNational Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 1.陸前高田市 罹災証明書発行支援システム BOSAI-DRIP 8
  • 9. NIED BOSAI-DRIPNational Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 1.陸前高田市 罹災証明書発行支援システム BOSAI-DRIP 9
  • 10. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 1.陸前高田市 罹災証明書発行支援システム BOSAI-DRIP n  開発体制、期間 »  システムエンジニア:1名、プログラマ:1名 »  4月16日:開発着手、4月27日:罹災証明書発行開始(予定通り) n  ネットワーク構成、罹災証明書発行の様子 NIED BOSAI-DRIP 1 0
  • 11. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 2.大槌町 罹災証明書発行支援システム BOSAI-DRIP n  使用データ(インプット) »  残存データ •  世帯(住基)台帳:世帯番号、住所、世帯人員氏名等 ►  盛岡の県の関連団体より提供 ►  家屋台帳と世帯番号で結合。住所を基に無料のジオコーディングサ ービスを利用して、地図上にプロット »  財務会計課が実施した被害調査データ •  被害判定データ(住宅地図に記載) »  地図データ •  国土地理院 被災後空中写真(WMS配信) •  ゼンリン 住宅地図(限定WMS配信) NIED BOSAI-DRIP n  発行する書類(アウトプット) »  一般世帯向け罹災証明書 1 1
  • 12. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 2.大槌町 罹災証明書発行支援システム BOSAI-DRIP n  システムの特徴 »  2つのシステム(地図、証明書発行)を利用 •  被害判定を確認する地図システム(eコミマップ基本機能)、証明書発行お よび履歴管理システム(MS Access仕様)は分離して連動しない »  インターネットに接続せず、それぞれのノートPCに2つのシステムをイ ンストールして運用 •  住宅地図や被災後空中写真は被災地外でWMSをキャッシュして利用 •  発行履歴は毎日データベースを一元化する作業を実施 n  発行の流れ »  申請書受付 »  発行システム内の住基情報検索して照合、本人確認 NIED BOSAI-DRIP »  地図システム内の住基情報で住所情報で属性検索して地図を表示 させ、住宅地図で家屋を確認した上で、該当箇所の被害状況を確認 »  罹災証明書を出力 12
  • 13. NIED BOSAI-DRIPNational Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 世帯検索画面(上)と検索結果(下) 2.大槌町 罹災証明書発行支援システム 判定結果と 出力ボタン BOSAI-DRIP 13
  • 14. NIED BOSAI-DRIPNational Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 表示させて被害を確認 地図システムの属性検索で該当場所を 2.大槌町 罹災証明書発行支援システム BOSAI-DRIP 14
  • 15. NIED BOSAI-DRIPNational Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 2.大槌町 罹災証明書発行支援システム BOSAI-DRIP 15
  • 16. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 2.大槌町 罹災証明書発行支援システム BOSAI-DRIP n  体制と期間 »  地図システム:被災地外でセットアップ(3日) »  証明書発行システム:システムエンジニア現地1名、被災地外で開発 »  4月中旬:開発着手、4月27日:罹災証明書発行開始(予定通り) n  罹災証明書発行の様子 NIED BOSAI-DRIP 8つの窓口それぞれにeコミ マップをインストールしたノート PCを設置 16
  • 17. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 3.釜石市 ガレキ処理支援システム BOSAI-DRIP n  建設課の要望 »  ガレキ撤去の申請を地図上で管理して、撤去管理を効率的に行いたい »  進捗管理は複数の課で共有したい n  使用データ »  背景地図 •  被災後航空写真、ゼンリン住宅地図をWMSで利用 »  ガレキ撤去申請(地図システム利用前の一覧表) •  住所情報を基にジオコーディングして利用 n  利用環境、準備 NIED BOSAI-DRIP »  クラウド上にセットアップしてあったeコミマップを利用。 »  基本機能のみで運用可能だったため、2時間で準備完了 17
  • 18. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 3.釜石市 ガレキ処理支援システム BOSAI-DRIP 電話で受け付け、住所から のジオコーディングや住宅 地図の参照により、地図上 に点をプロット。 NIED BOSAI-DRIP 点の分布から撤去エリアを 決定し、地図上で撤去エリ アを指定。撤去進捗も地図 上に表現して、状況を把握。 18
  • 19. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 被災自治体の災害対応支援に有用なGISの要件 BOSAI-DRIP 1.  WANおよびLANで運用可能なGIS »  陸前高田:LAN、大槌町:個別PCインストール、釜石市:WAN(クラウ ド環境) »  自治体ごとに被災状況やセキュリティポリシーが多様であり、それら に柔軟に対応できることが必要 2.  国際標準インターフェース(WMS等)による外部地図取得 »  被災後に作成された地図や、無償で地図が利用できる可能性がある。 »  LANおよび個別PCインストールの場合は、外部地図データをキャ ッシュし、それを利用できる仕組みが必要 3.  被災状況に柔軟に対応可能なシステム拡張性 NIED BOSAI-DRIP »  自治体によって、利用可能なデータや出力する書類や業務フローが 大きく異なってくるため、同一システムを一律に支援することは困難。 »  オープンソースによる公開やAPIなど仕様が公開された拡張性が高い GISをベースに開発できることが望ましい。 19
  • 20. National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Disaster Risk Information Platform Project 今後の課題 BOSAI-DRIP n 技術的課題 »  オフライン(LAN, 個別PCインストール)からオンライン(WAN, クラウド)へデータ等を含めてシームレスな切り替えを可 能にするシステム »  前述の要件を満たしたGISのパッケージ化と公開 n 制度的、社会的課題 »  オンラインのメリット(遠隔支援が容易)、オフラインのメリ ット(セキュリティ)、被災状況等を自治体が判断できるよ うな社会的な議論と合意形成が必要 »  平時からの支援/受援体制の構築 •  GISの支援だけでなく、人的支援(エンジニアやプログラマ、自治NIED BOSAI-DRIP 体職員)、物的支援(パソコン、ネットワーク機器、プリンタ)、デー タの支援(住宅地図、被災後空中写真)を支援または支援を受け る体制を構築することが大切 •  平時から周辺の自治体や民間との恊働関係の構築が重要 20