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New York Times Innovation Report - 日本語要約

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2014年5月にリリースされたニューヨークタイムズのイノベーションレポートの内容を日本語で要約を試みたスライドです。なかなか日本の中で話題になることも少なかったので、今後のメディア・ジャーナリズムのあり方に興味をお持ちの方など、参考にしていただければ幸いです。 …

2014年5月にリリースされたニューヨークタイムズのイノベーションレポートの内容を日本語で要約を試みたスライドです。なかなか日本の中で話題になることも少なかったので、今後のメディア・ジャーナリズムのあり方に興味をお持ちの方など、参考にしていただければ幸いです。
*著作権、文章の不備、著作権的な問題等ありましたらご連絡お願いします。
市川裕康 | info@socialcompany.org | www.socialcompany.org
無料メールマガジン配信中。よろしければご登録ください:)
http://www.socialcompany.org/mailmagazine/

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  • 1.   2014年年7⽉月23⽇日(⽔水) 株式会社ソーシャルカンパニー www.socialcompany.org 市川裕康  (@socialcompany) ニューヨークタイムズ “Innovation  Report” を読み解く
  • 2. 市川裕康(いちかわ  ひろやす)@socialcompany 株式会社ソーシャルカンパニー代表取締役|  www.SocialCompany.org 略略歴:NGO団体、出版社、⼈人材関連企業等を経て2010年年3⽉月に独⽴立立。 ソーシャルメディア・コンサルタントとして、企業、⼤大学、政府/国際機 関・⾮非営利利団体に対するコンサルティング実績多数。 2010年年〜~2013年年の間、講談社現代ビジネス『ソーシャルビジネス最前 線』『デジタル・キュレーション』等の連載を通じ、海外のソーシャル メディア関連の動向を⽇日本の⽂文脈に合わせた形でのレポート作成・ 講演・調査・コンサルティング活動を⾏行行う。著書に『Social  Good⼩小事 典』(2012  講談社)、訳書に『魂を売らずに成功する』(英治出版)。 同志社⼤大学法学部政治学科(1994年年)、同志社新島スカラーとして アマースト⼤大学卒業(1996年年) ■⾃自⼰己紹介
  • 3.   ■ニューヨークタイムズ「Innovation  Report」とは? 誰が:アーサー・ザルツバーガーNYT社主の⻑⾧長男A.G.ザルツバーガー記者らの約10名程度度の社内委員会チーム いつ:約6ヶ⽉月間の調査を経て2014年年3⽉月24⽇日に完成したものが4⽉月に経営陣に提出されたた。       ジル・エイブラムソン編集主幹が5⽉月14⽇日に突然解任され、その数⽇日後の16⽇日に内部⽂文書である       はずのレポートがバズフィードによってリークされ、解任劇との関係性も指摘されるが詳細は不不明。 どこで:バズフィードによる掲載後、「Mashable」でより解像度度の⾼高い⽂文書が掲載。その後「ニーマン・         ジャーナリズム・ラボのブログでは「今⽇日最も重要なドキュメント」のひとつ、と評価されている。 誰に:ニューヨークタイムズの経営陣に提出するために作成されたもの(ただその内容の率率率直さと先⾒見見性       が広く話題を呼んでいる) 何を:全96ページに渡って今⽇日⼤大きく環境変化が起きているメディア業界の現状を分析しつつ、既存の       ⽂文化に邪魔され⼗十分に適応できていない現実を指摘した上で、読者開発(Audience  Development)       の重要性と、デジタルファーストなニュースルーム・組織変⾰革の必要性を訴えている。 いかに:バズフィード、ファースト・ルック・メディア、ハフィントンポストなどデジタル戦略略に⻑⾧長けた             新興企業などの取組を参照し、変⾰革に向けた率率率直なディスカッションを始めることを促している。 The  leaked  New  York  Times  innovation  report  is  one  of  the  key  documents  of  this  media  age  »   Nieman  Journalism  Lab  -‐‑‒  http://bit.ly/1rF4n2Z
  • 4. ■レポートの中で何度度となく⾔言及される”Page  One”  とは? 参照ブログエントリー:ニューヨーク・タイムズの1年年間を密着したドキュメンタリー映画『ページ・ワン』 ”Page  One:  Inside  the  New  York  Times”  (2011)  |  http://bit.ly/1rrdPnM
  • 5.   ■誰が作成したレポートか? アーサー・ザルツバーガーNYT会⻑⾧長の⻑⾧長男 アーサー・グレッグ・ザルツバーガー記者 含む約10名程度度のチームの略略歴 ・シニア・ビデオ・ジャーナリスト ・ビジネス・コラムニスト ・メトロ・セクション編集者 ・テクノロジー担当レポーター ・モバイル担当編集者 ・ユーザー・エクスペリエンス・デザイナー ・調査報道記者 ・ビジネスレポーター ・戦略略マネージャー ▶︎アドバイザーとして編集局⻑⾧長らも加わり、 約6ヶ⽉月間をかけ、社内、そして以下のよう なデジタルメディア企業のトップ、スタッフ など何百もの取材を経て作成された。
  • 6.   ■ニューヨークタイムズの現状 過去何度度もピューリッツアー賞を受賞 するなど世界最⾼高峰のジャーナリズム の質を誇りつつも、デジタル化が進む 中で⼗十分にそうした新しい時代の波に 適応しきれてないという危機感がレ ポートの中で何度度となく指摘されてい る。 ⽶米国内の⽉月間ウェブサイト訪問者数は 約3000万⼈人、デジタル版購読者数は 約76万⼈人。 サイト訪問者数においてはハフィント ン・ポスト、USA  Today、  そして近 年年はバズフィードにも抜かれている。
  • 7.   ■各メディアのアクセスデータを調べることで⾒見見えてくること サイト分析ツール「SimilarWeb」を使うことでおおよその各ニュースサイトの訪問者数、流流⼊入経路路、 滞在時間、アクセスがされている地域、ランキングを⾒見見ることが可能。ニューヨークタイムズは ハフィントンポスト、バズフィードに⽐比べるとソーシャルメディアからの流流⼊入において遅れをとって いるものの、ブックマークしておくなどしてトップページへの直接の流流⼊入においては依然信頼度度が⾼高い ことが分かる。国内はアクセス数において⾔言語の制約もあり英語圏メディアとの差は⼤大きいものの、 朝⽇日新聞デジタル、毎⽇日新聞、⽇日経新聞などの流流⼊入経路路を⾒見見ることで各社の取組の様⼦子を⾒見見ることが できる。
  • 8.   ■デジタル広告収⼊入をデジタル購読料料が超えたNYタイムズ 有料料購読者72万7,000⼈人(過去3ヶ⽉月で2万8,000⼈人の増加ペース) デジタル購読収⼊入→  $37.7  million(2013年年第3四半期) デジタル広告収⼊入→  $32.9  million(2013年年第3四半期)
  • 9. ■メディア業界が直⾯面している破壊的変⾰革・イノベーション 【1】  既存メディアは、イノベーションをみずか らを破壊するようななものとはとらえず、継続的 な成⻑⾧長の⽀支えになるものだと考える。従来のビジ ネスモデルを維持しながら、その新しい技術を 使って、コアコンピタンスのサービスの品質向上 を⼼心がける。(「SnowFall」など) 【2】  そこに破壊者がやってくる。彼らはオリジ ナルのサービスを投⼊入するけれども、最初はそれ が既存メディアへの脅威になるなんて誰も思って いない。なぜなら破壊者たちのサービスはチープ で安っぽいからだ──とりあえず初期の段階では。 たとえばバイラルメディアの「バズフィード」と いう破壊者におけるイノベーションとは、ソー シャルメディアによる情報流流通だった。 【3】  時間が経過し、破壊者たちは新しい技術を 導⼊入することで、サービスをだんだんと向上させ ていく。すると、そこで「引⽕火点」がやってくる。 この引⽕火点というのはすなわち、多くの読者たち が「もうこれで⼗十分かな」と思うようになるとい う段階だ。そこに⾄至って、既存メディアは市場 シェアを破壊者たちに奪われはじめる。 (  P.16  ) 【破壊的なイノベーションの特徴】 ・業界外のアウトサイダーによって導⼊入される。 ・既存のサービスや製品よりも安価。 ・既存のサービスが⾏行行き届いていない分野や全く   新しい市場をターゲットにしている。 ・既存のサービスよりも最初は質が低い。 ・実⽤用化された新技術によって駆動している。
  • 10.   ■最近の破壊的なメディア業界の状況(2013年年10⽉月〜~2014年年3⽉月) 10⽉月 ・アマゾン創業者ジェフ・ベゾス⽒氏がワシントン・ポストを2億5000万ドル(約250億円)で買収 ・eBay創業者ピエール・オミディア⽒氏が2500億ドルを投じファースト・ルック・メディアの設⽴立立を発表 ・タイム社がボストン・グローブ紙をプロ野球球団オーナージョン・ヘンリー⽒氏に7000万ドルで売却 ・Voxメディア社がベンチャーキャピタルから4000万ドル(約40億円)を調達 ・ワシントン・ポストがバイラルサイトUpworthyのようなサイト「Know  More」をスタート、たった3週間   で同社最⼤大級のブログに 11⽉月 ・ヤフーが⽮矢継ぎ早に著名ジャーナリストを採⽤用(デービッド・ポーグ、ケイティ・クーリックなど) 12⽉月 ・ウォール・ストリート・ジャーナルがソーシャルメディアと統計分析の専⾨門家を集め「オーディエンス・エン ゲージメント・チーム」を創設 ・バズフィードが海外部⾨門、調査報道部⾨門のスタッフを拡充 1⽉月 ・カラ・スウィッシャー⽒氏とウォルト・モスバーグ⽒氏がウォールストリートから独⽴立立、Re/codeを設⽴立立 ・ワシントン・ポストのスター記者であるエズラ・クライン⽒氏が退社しVox  Mediaに参画 ・マーティ・バロン⽒氏が速報ニュースデスクなど、ワシントン・ポストでの新しいデジタルイニシアティブを発表 ・ウォール・ストリート・ジャーナルがデジタル・ファーストな「リアル・タイム・ニュース・デスク」を創設 ・フェイスブックがフリップボードのようなモバイルニュース閲覧アプリ、「ペーパー」をリリース ・サンフランシスコ・クロニクルが「オフサイトにあるスタートアップのようなインキュベーション施設」を開設 ・「ビジネス・インサイダー」がウォール・ストリート・ジャーナルのデジタル訪問者数を超える 2⽉月 ・アップワーシーが読者のエンゲージメントの指標として「アテンション・ミニッツ」を発表 ・プロパブリカが取材を通じて取得したデータを独⾃自のデータストアで販売開始 3⽉月 ・ワシントン・ポストがデザインと開発拠点としてニューヨークにWMNYCを開設 ・「Vice  News」が約100⼈人のジャーナリストの体制でスタート ・元NYTコラムニスト、ネイト・シルバー率率率いる「FiveThirtyEight」スタート ・ニューヨークタイムズによるアプリ、「NYT  Now」、「Cooking」、  ウェブサイト「The  Upshot」が準備中 (P.15)
  • 11. ■資産家・ベンチャーキャピタリスとからの注⽬目も急上昇
  • 12. ■資産家・ベンチャーキャピタリスとからの注⽬目も急上昇 Why  venture  capitalists  are  suddenly  investing  in  news  –  Quartz  -‐‑‒  http://bit.ly/1cDiQq0
  • 13.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? BuzzFeed,  Circa,  ESPN,  First  Look  Media,  Flipboard,  The  Gurdian,   The  Huffington  Post,  Linkedin,  Medium,  Quartz,  Vox,  Yahoo  News
  • 14.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ・バズフィード(Buzzfeed)   2006年年設⽴立立。ソーシャルサービスで爆発的にコンテンツが伝播していくバイラルメディア。猫の写真、リスト 記事(Listicle)、クイズ、ゴシップ関連のシェアされやすい記事を中⼼心としたバイラルメディアの側⾯面が話題にな るが、ネイティブ広告による収益(年年間4000万ドル)、デジタルファーストな業務フロー、テクノロジー活⽤用、 130名体制のプロジャーナリスト部隊を持ち調査報道にも⼒力力を⼊入れる点など⽬目を離離せない躍進ぶりが伺える。
  • 15.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ・サーカ(CIRCA) ニュース収集のモバイルアプリ。最⼤大の特徴は特定のトピックを「フォロー」すると続 報ニュースが掲載された際に通知が届く点。3400万ドルを資⾦金金調達。
  • 16.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ・ESPN   スポーツのテレビチャンネルとして有名なESPNは、動画と⾳音声の⽣生放送とオンデマンド放送などでデジタルへの取り 組みを加速中。ニューヨークタイムズから招き⼊入れたデータサイエンティストのネイト・シルバー率率率いる FiveThrityEight  などデータビジュアライゼーションを活かした記事に注⽬目が集まっている。
  • 17.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ・ファーストルックメディア(First  Look  Media)   eBay共同創業者のピエール・オミディアが2億5000万ドルを出資して⽴立立ち上げた新しいジャー ナリズムのメディア。スノーデン事件のスクープで有名なガーディアン紙のグレン・グリーンワ ルドなど著名なジャーナリスト20⼈人を引き抜いている。メディア業界のテクノロジーインフラを 構築するためのシステムサービスの開発など注⽬目に値する。
  • 18.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ・フリップボード(FlipBoard)   スマホやタブレットの画⾯面に最適化された洗練されたデザインのニュース収集・キュレーションアプリ。 コンテンツはさまざまなジャンルやトピックスに分類されていて、ユーザーはそれらのうちの好きなものを フォローすることで読むことができる。9000万ユーザー。5000万ドルを調達し、8億ドルの評価額。
  • 19.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ・ガーディアン(The  Gurdian)   英紙ガーディアンはアメリカ国内でデジタルオンリーの編集局を展開しており、すでに60⼈人 のジャーナリストが活動。スノーデン事件の特ダネでピューリッツアー賞も受賞
  • 20.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ・ハフィントンポスト(The  Haffungton  Post)   2011年年、AOLに3億1500万ドルで買収される。2008年年の⼤大統領領選では圧倒的な数の 読者を集めた。オリジナルの記事のほか、外部の寄稿者や、ニューヨークタイムズなど の新聞記事からもコンテンツを収集。
  • 21.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ・リンクドイン(Linkedin)   ビジネスに特化したソーシャルネットワークサービス。2013年年にPulse「その後Newsleなど)を買収しメディアビジネ スにも近年年⼒力力を⼊入れている。選ばれたインフルエンサーによるオリジナル記事を集めたメディアは様々なデータ分析機能を 武器に⼈人気を博している。⽶米国内で6500万ユニークユーザー、世界で1億8000万ユーザー。売上は15億ドル。うち3億 6000万ドルは広告から。
  • 22.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ・メディウム(Medium) ツイッターの前CEO、エヴァン・ウィリアムスが⽴立立ち上げた、だれもが記事を書いて配信できるビジュ アルも洗練されているメディアプラットフォーム。オリジナルの編集部がそれらの記事をキュレーショ ンし、良良記事を「コレクション」というコーナーに集めている。読者はコレクションをフォローして読 むこともできるし、書き⼿手個⼈人をフォローすることもできる。⽉月間25万⼈人のユーザー。
  • 23.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ・クォーツ(Quartz) アトランティックメディアが⽴立立ち上げたビジネス系ニュースメディア。ウォールストリートジャー ナルのマネージングディレクターだったケヴィン・デラニー⽒氏が編集⼈人を務めている。ネイティブ アプリではなくウェブサイトとして提供され、モバイルに最適化されたデザインが特徴。500万ユ ニークユーザー、毎⽇日更更新のメルマガは7万⼈人が登録。
  • 24.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ・ヴォックス(Vox) スポーツのSB  NationやテクノロジのThe  Verge、不不動産のCurbed、ゲームのPolygon、ファッショ ンのRacked、そして⾷食のEaterというようにバーティカルにジャンル別メディアを⽴立立ち上げている。 ワシントンポストの⼈人気コラムニストだったエズラ・クラインが移籍して話題になった。2013年年に 4000万ドル資⾦金金調達し、評価額は2億ドル。SB  Nationは4000万ユニークユーザー。
  • 25.   ■NYTが注⽬目する12の競合とは? ヤフーニュース(Yahoo  News) ヤフーもジャーナリストを雇い⼊入れて報道機関としての⾊色を強めている。最近リリースされたYahoo   News  Digestというモバイルアプリでは、1⽇日に2度度更更新され、ウェブから収集されたトップ8の ニュースを表⽰示。⽶米国に6500万ユニークユーザー、世界では1億8000万。売上は15億ドル。うち広 告が3億6000万ドル。
  • 26.   ■レポートの基本構成(P.  6-‐‑‒7) 第1章:読者開発(Audience  Development) (P.21-‐‑‒55) 第2章:ニュースルーム強化  (P.  56-‐‑‒96)   ①:ビジネス部⾨門とのコラボレーション強化に     よる読者体験への注⼒力力   ②:  ニュースルームの戦略略チームの創設   ③:  真の「デジタル・ファースト」なチーム       への組織変⾰革のための戦略略
  • 27.   ■第1章:「読者を開発・成⻑⾧長させよ」の意味することとは? (P.21  –  54) ①Discovery  (発⾒見見)   ②Promotion  (促進・拡散) ③Connection  (繋がり・エンゲージメント)
  • 28.   ■第1章:「読者の増加・開発」の意味することとは?(p.21-‐‑‒54) 背景情報 ホームページ(トップページ)への訪問者の数が 2011年年から2013年年の2年年間の間に1億6千万⼈人 から6000万⼈人に激減 その他ページビュー、滞在時間、iPhoneアプリの アクティブユーザー数も成⻑⾧長微減、他の競合が 急成⻑⾧長を遂げる中、『読者開発』の対策が必要と される背景に 競合他社がNYTよりも先んじていることはつまり、より多 くの読者の⽬目に触れるための取組を⾏行行うこと(Audience   Developmentとして知られる)に関し、競合他社はNYT よりも先んじているといえる This  effort  to  reach  more  readers  ̶—  known  as   Audience  Development  ̶—  is  where  our  competitors   are  pushing  ahead  of  us.
  • 29.   ■第1章:「読者を開発・成⻑⾧長させよ」の意味することとは? (P.21  –  54) ジャーナリストの傾向として競合他社の取組を戦略略という視点ではなく、コンテンツの視点 に注⽬目して⾒見見てしまっている。BuzzFeed,  ハフィントンポスト、USA  Todayが「成功」して いる理理由は単にListicle(リスティクル:「○○のための7つの法則」などリストを多様した ような記事)、クイズ、セレブリティなど著名⼈人、猫などの写真、スポーツ報道を多様する だけで成功している訳ではない。彼らの洗練されたソーシャルメディア活⽤用、検索索、 コミュニティ構築ツール・戦略略などにより時にコンテンツのよい悪いに関わらず、成功して いるといえる。 Because  we  are  journalists,  we  tend  to  look  at  our  competitors  through  the  lens  of   content  rather  than  strategy.  But  BuzzFeed,  Huffington  Post  and  USA  Today  are  not   succeeding  simply  because  of  lists,  quizzes,  celebrity  photos  and  sports  coverage.   They  are  succeeding  because  of  their  sophisticated  social,  search  and  community-‐‑‒ building  tools  and  strategies,  and  often  in  spite  of  their  content.  (P.24)
  • 30.   ■第1章:「読者を開発・成⻑⾧長させよ」の意味することとは? (P.21  –  54) バイラルサイトUpworthy  の元プロモーション担当の責任者、マイケル・ワーサイム はNYTからの読者開発のためのビジネス部⾨門のオファーを断った。⽈曰く、「読者開発の ためにニュースルームがビジネス部⾨門と協業することに完全にコミットしていない限り、 成功は難しい」と。さらに付け加え、「ニューヨークタイムズが読者開発に成功すれば 世界を変えられることが出来る」とも語っている。 Michael  Wertheim,  former  head  of  promotion  at  Upworthy,  turned  down   a  business-‐‑‒side  job  leading  audience  development.  “He  explained  that  for   anyone  in  that  role  to  succeed,  the  newsroom  needed  to  be  fully  committed   to  working  with  the  business  side  to  grow  our  audience”    (P.25) 読者開発とは単なる「作業」ではなく、刺刺激的な機会といえる。例例えば・・・ ・⻑⾧長期休暇から戻った際、その間に⾒見見逃した重要なニュースが⾃自動的に届けられるサービス ・ローマの街を散策していると、訪れるべき美術館に関する記事の通知がスマートフォンに   届けられる。 ・1年年前の記事がバイラルして⽬目に触れる ・サイエンスに関するNYTの記事が専⾨門家同⼠士のディスカッションの際に⽣生きた   プラットフォームとして活⽤用される・・・・
  • 31.   ■第1章:「読者を開発・成⻑⾧長させよ」の意味することとは? (P.21  –  54) 従来の良良質のジャーナリズム・コンテンツを創ることで読者はついてくるという 発想を変え、プロモーション、検索索エンジン最適化、再パッケージ化、イベント、 など、様々な視点で読者を⾒見見つけ・開発する必要に迫られている。(P.  25)
  • 32.   ■第1章:「読者の増加・開発」の意味することとは? 提案の⾻骨⼦子  (P.26) ①Discovery  (発⾒見見)how  we  package  and  distribute  our  journalism   いかに我々のジャーナリズム・コンテンツをパッケージ化して配信するか *Resurfacing  Evergreen  Contents  ~∼  ⼈人気が衰えない・息の⻑⾧長いコンテン ツを再浮上させるなど) ②Promotion  (促進・拡散)how  we  call  attention  to  our  journalism いかに我々のジャーナリズム・コンテンツに注意を向けさせるか *記者や編集者に⾃自ら執筆・編集した記事を拡散することを促し、変化が激 しいソーシャルメディア・検索索エンジンの活⽤用、ワークフローの最適化 を図る。 ③Connection  (繋がり・エンゲージメント)how  we  create  a  two-‐‑‒way   relationship  with  readers  that  deepens  their  loyalty いかに読者との双⽅方向の関係性を構築し、彼らの忠誠⼼心を⾼高めることが出 来るか *最⼤大の資産である読者(近年年その多くが双⽅方向な関係性を望んでいる)を オンライン・オフラインなどの⼿手段を通じて関係性を深めること ニュースの消費⾏行行動形態が変容しつつある今⽇日、様々な競合他社の取組み、 本レポートの改善提案を提⽰示した上で、最も⼤大事なことは「ディスカッション を始めること」。
  • 33.   ①Discovery  (発⾒見見)いかにジャーナリズム・コンテンツをパッケージ化して配信す るか*Resurfacing  Evergreen  Contents  ~∼  ⼈人気が衰えない・息の⻑⾧長いコンテンツを 再浮上させるなど) スマートフォンやソーシャルメディアの利利⽤用が広がることで、読者のニュース消費⾏行行動が変化しつつあ る。もはやトップページをブックマークして訪問する⼈人は減り、ソーシャルメディアからの流流⼊入が次第 に増えつつある。新しい機会として「息の⻑⾧長いコンテンツ」「再パッケージ」「パーソナライゼーショ ン」などの取組に⽬目を読者の⽬目に触れるようにパッケージし、発⾒見見してもらうことが重要。 *通常のニュースは掲載後は訪問者が少ないが、⽂文化・アート関連 の読み物(レストラン・美術館・書籍・ミュージカルのレビュー) などは時間が経っても読まれる記事がある。それらの記事を検索索可 能にしたり、タグをつけたり、テーマごとに再構成(リパッケー ジ)したり、パーソナリゼーションを施すことでより多くの⼈人の⽬目 に触れる可能性を秘めている。 NYTでは1851年年の創刊以降降、約1472万もの記事があり、今も 毎⽇日300本の記事が配信されている。
  • 34.   ①Discovery  (発⾒見見)いかにジャーナリズム・コンテンツをパッケージ化して配信す るか*Resurfacing  Evergreen  Contents  ~∼  ⼈人気が衰えない・息の⻑⾧長いコンテンツを 再浮上させるなど) 19世紀の⿊黒⼈人男性の悲劇を描いた映画『それでも夜は明ける』がアカデミー賞を受賞した夜、ニュー ヨークタイムズは公式ツイッターアカウントで、映画の主⼈人公の実在の⼈人物ソロモン・ノーサップの 事件が書かれた161年年前の記事を紹介(PDFファイル)。ところがこれをGawkerというネットメディ アが⾒見見て、さっそくニューヨークタイムズのこの過去記事を要約して⾃自分のメディアで紹介し、こち らが⼤大きくバイラル(拡散)した。Gawkerの記事にはもちろんニューヨークタイムズへのリンクも 貼ってあったが、流流⼊入したトラフィックはわずかだった。
  • 35.   ①Discovery  (発⾒見見)いかにジャーナリズム・コンテンツをパッケージ化して配信す るか*Resurfacing  Evergreen  Contents  ~∼  ⼈人気が衰えない・息の⻑⾧長いコンテンツを 再浮上させるなど) 現在のブックレビューのアーカイブページ(左)とレポートの中で提案されている、よりインタラクティブ なブックレビューまとめサイト(右)
  • 36.   ①Discovery  (発⾒見見)いかにジャーナリズム・コンテンツをパッケージ化して配信す るか*Resurfacing  Evergreen  Contents  ~∼  ⼈人気が衰えない・息の⻑⾧長いコンテンツを 再浮上させるなど) コンテンツ閲覧アプリのFlipboard(フリップボード)はしばらく前にニューヨークタイムズのスタッフに よって、「2014年年に亡くなった著名⼈人」という特集をつくり、Flipboard史上最も読まれたコンテンツに なった。ニューヨークタイムズのスタッフが作成したまとめにも関わらずコンテンツ・マネジメント・シス テムで使い勝⼿手のよいものがないために外部のサービスを利利⽤用したことの⽭矛盾が指摘されている。 このように古い記事アーカイブを活⽤用し、リパッケージすることによって、トップページに露露出などさせな くても⼗十分に読まれるようにすることができる。「⼀一⾯面から読んでもらう」「⼤大事な記事は⼀一⾯面トップ」と いうような、トップダウン的な動線に慣れきってしまっている⽂文化にとっては、かなり衝撃的。
  • 37.   ①Discovery  (発⾒見見)いかにジャーナリズム・コンテンツをパッケージ化して配信す るか*Resurfacing  Evergreen  Contents  ~∼  ⼈人気が衰えない・息の⻑⾧長いコンテンツを 再浮上させるなど) 「パーソナライゼーション」もより読者にとって魅⼒力力的なコンテンツを届ける機会として紹介されている。 例例えば、前回サイト訪問してから⾒見見逃しているコンテンツがグレー表⽰示になったり(左)、興味のある トピックを「フォロー」することで継続的に関連記事の通知が配信されるCircaのようなしくみ(右)など が議論論されている。
  • 38.   ②Promotion  (促進・拡散)いかに我々のジャーナリズム・コンテンツに注意 を向けさせるか *記者や編集者に⾃自ら執筆・編集した記事を拡散することを促し、変化が激しい ソーシャルメディア・検索索エンジンの活⽤用、ワークフローの最適化を図る。 記者は記事を書くことに専念念し、その記事がどう読まれるかはその記事次第、或は他のビジネス関連 の業務と捉えられる傾向があり、ましてや⾃自分の書いた記事を「拡散」する⾏行行為事体⼀一般的ではなく 「dirty」とも⾒見見なされていた。今⽇日はコンテンツを以下に読者に届けるかが重要になり、例例えば プロパブリカでは⾃自分の書いた記事を5回は「拡散」することが要求されている。またロイターでは 最近2名のスタッフが採⽤用され、毎⽇日の記事の中から重要な記事を7つまで選び再構成・まとめて拡 散するということを⾏行行っている。以下の記事のように⼀一度度サイトに訪れた⼈人に対して関連記事の表⽰示、 メルマガへの登録、など、エンゲージメントを⾼高めることが求められている。
  • 39.   ②Promotion  (促進・拡散)いかに我々のジャーナリズム・コンテンツに注意 を向けさせるか *記者や編集者に⾃自ら執筆・編集した記事を拡散することを促し、変化が激しい ソーシャルメディア・検索索エンジンの活⽤用、ワークフローの最適化を図る。 *ニューヨークタイムズのツイッターアカウントは編集局で、ファイスブックはビジネス部⾨門が運営 している(レポート作成当時)が、そのこと事体、プロモーションに関する問題を⽰示している。部⾨門 間の連携を密にしワークフローなどを改善することが求められている。例例えばハフィントンポストで は写真、⾒見見出し、ツイッター・フェイスブックの投稿などの準備がなされてないと、投稿することが 出来ない。サイトへのソーシャルメディア流流⼊入の⽐比率率率において、バズフィードはNYTの6倍以上の⽐比 率率率でサイト誘導を⾏行行っている。  ツイッターよりも効果的とされているフェイスブックのエンゲージ メント率率率(いいね・シェア・コメント数など)においてハフィントンポストは⾮非常に⾼高い。記者は ツイッターを取材に利利⽤用しても拡散・プロモーション⼿手段としては使⽤用していない現実がある。
  • 40.   ①Discovery  (発⾒見見)いかにジャーナリズム・コンテンツをパッケージ化して配信す るか*Resurfacing  Evergreen  Contents  ~∼  ⼈人気が衰えない・息の⻑⾧長いコンテンツを 再浮上させるなど) ニコラス・クリストフ⽒氏が書いた売春についての記事をリパッケージし、1996年年〜~2013年年のあいだの7本の記事を 「売春宿の内側で」というシリーズにまとめた。7本の記事は単なる過去アーカイブになっていてこれまではあまり 読まれていなかったのが、リパッケージによって最新記事と同じぐらいかそれ以上の読者数を獲得するのに成功。 公開初⽇日にはアクセスランキングが8位になり、公開から6⽇日後にもページビューは減らず、トータルのビューは46 万を超えた(その半分以上のトラフィックがリパッケージした後のもの)。影響⼒力力があるツイッターアカウントを マッピングし戦略略的に拡散した結果、1600万近いフォロワーを持つアシュトン・クッチャーにRetweetされた。
  • 41.   ③Connection  (繋がり・エンゲージメント)how  we  create  a  two-‐‑‒way   relationship  with  readers  that  deepens  their  loyalty いかに読者との双⽅方向の関係性を構築し、彼らの忠誠⼼心を⾼高めることが出来るか  * 最⼤大の資産である読者(近年年その多くが双⽅方向な関係性を望んでいる)をオンライ ン・オフラインなどの⼿手段を通じて関係性を深めること ①ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ ・コメント機能の充実(現在は1%の読者がコメントを書き、3%が閲覧する程度度)   例例えばテーマ毎に寄せられる寄稿記事セクションをより拡⼤大することで政治・ビジネス・⽂文化など   の専⾨門家の知⾒見見を掲載してもらう(多くの世界的な専⾨門家が⼀一律律150ドルの原稿料料で寄稿してくれる) ②The  Atlantic,  The  New  Yorkerなどはイベントに注⼒力力しており、収益事業としても成⻑⾧長させている。   FTなどもイベント参加者をデジタル読者の延⻑⾧長として捉えて注⼒力力している。   仮に「ニューヨーク・タイムズ・リーダーズ・フェスティバル」としてイベントを開催、年年間で最も   ⼈人気のあった記事の紹介、レポーターや記者とのQ&Aセッション、ライティング、写真・ビデオ撮影   に関するワークショップ、⼈人気のあったOp-‐‑‒Ed寄稿者によるトークイベント、ビデオ・写真のマルチ   メディアの展⽰示など、ニューヨークタイムズのブランド⼒力力を活⽤用することで魅⼒力力的なことが出来る。   TED幹部によるとニューヨークタイムズのような組織がTEDのようなカンファレンスを開催すること   は⼤大きな脅威、と語っている(TEDの参加費は7500ドル(約75万円))
  • 42.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」の意味することとは? (P.55  –  96)
  • 43.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」の意味することとは? (P.55  –  96) ・7年年前はデジタル部⾨門とプリント部⾨門は別々のビルにオフィスがあった。 ・過去デジタル・ジャーナリズムの進化は評価すべきだし、リソースも投下してきた。 ・グラフィック・デザイン、インタラクティブなニュースは業界リーダーとして⽬目を⾒見見張る   実績がある。ただ外からは⾒見見えにくい部分、例例えば出版システム、ワークフロー、組織構造、   ⼈人材採⽤用の取組、戦略略においては⼗十分な進化がなされているとは到底⾔言い難い。 ・⼀一⽅方、デジタル戦略略に⻑⾧長けた新興の競合メディアは読者数、洗練さを増し、我々の強みで   あるジャーナリズムの領領域にも脅威となりつつある。デジタルトレンドを取り⼊入れた   ジャーナリストを⽀支援するしくみを早急に取り⼊入れる必要がある。 ・前の章では読者を育てるためにコンテンツ・データ、読者データなどを活⽤用したり、   リスクを恐れず新しい取組に挑戦することの⼤大切切さを述べたが、第2章ではニュース・   ルームでのプロセス・構造問題に触れ、緊急、短期的、⻑⾧長期的など、様々な視点から   常に変化・進化し続けるデジタルメディア環境にいかに適応していくかについて述べる。
  • 44.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」の意味することとは? (P.55  –  96) 「今年年はメディア業界にとって歴史的な⼀一年年となるだろ う。テクノロジーによる全ての配信プラットフォームに 破壊的変⾰革が起きている。ニュースの消費者(読者)は 何⼗十年年にも渡って⾝身につけたニュースの消費習慣を再定 義しつつある。」 ブルームバーグ・ニュースCEO  ジャスティン・スミス⽒氏 による全社員向けのメモより 「この機会を掴むためには⻑⾧長期的な投資、変化・リスク に対するどん欲さ、そして断続的に起きる失敗に対する 寛容さが求められている」という感覚は他のメディア企 業のリーダーにも共通している。 “This  will  be  a  historic  year  for  the  media  industry.   Technology  is  disrupting  every  distribution  platform.   Consumers  are  redefining  decades-‐‑‒old  consumption   habits,”  wrote  Justin  Smith,  C.E.O.  of  Bloomberg  News,   in  a  recent  all-‐‑‒staff  memo  that  echoed  similar  missives   from  leaders  of  media  companies  over  the  last  several   months.  “Seizing  this  opportunity  will  require  long-‐‑‒term   investment  and  a  large  appetite  for  transformation,  risk,   as  well  as  a  tolerance  for  intermittent  failure.”    (P.58) ブルームバーグ・ニュースCEO   ジャスティン・スミス⽒氏は2013年年 夏にアトランティックメディア (Quartzなども含む)のデジタル戦略略 で実績を上げた後、ブルームバーグ・ ニュースのグローバルCEOに就任
  • 45.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」の意味することとは? (P.55  –  96) 第2章:ニュースルーム強化、3つの要点 ①:ビジネス部⾨門とのコラボレーション強化による読者体験への注⼒力力(P.  60-‐‑‒70)         デザイン、テクノロジー、消費者(読者)インサイト・グループ、         R&D、プロダクト部⾨門などのビジネス部⾨門がニュースルームとより         協業すること(最近のNYT  Now開発時のような)、或はそのような         ことを奨励する新しいポリシーを発表するだけでも⼒力力強いきっかけを         もたらす。 ②:  ニュースルームの戦略略チームの創設(P.  71-‐‑‒80)                  ニュースルームの記者は⽇日々の取材・執筆活動で忙しいので少⼈人数の       戦略略チームを設置することで常に変化を続ける業界・競合の動向を       把握し、編集主幹、社内への適切切な情報共有、プロジェクトの⽅方向       付け・推進を担うことが出来る。  ③:  真の「デジタル・ファースト」なチームへの組織変⾰革のための戦略略(P.  81-‐‑‒96)               デジタル・ファーストな将来に向けてのチームを構成するにあたり、       どのような⼈人材がが求められるかを精査し、組織構造、どんなことを       どんな⾵風に⾏行行うかも含めた組織変⾰革が求められる。  
  • 46.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」 ①:ビジネス部⾨門とのコラボレーション強化による読者体験への注⼒力力 (P.  60-‐‑‒70) 歴史的に編集局とビジネス部⾨門の間では「State  and  Church  (国家と教会の分離離)」と例例えられるよう な壁があり、記事を書くのは記者、広告を獲得し収益拡⼤大を担うのがビジネス部⾨門と捉えられていた。 近年年、減少する広告収益、着実に増えつつある購読者収⼊入、そしてオペレーション・ワークフローの変 化などの背景もあり、垣根を取り払い、編集局とビジネス部⾨門(特に消費者員サイト部⾨門、テクノロ ジー、デジタル・デザイン、R&D、プロダクト部⾨門など)との協業が求められている。
  • 47.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」 ①:ビジネス部⾨門とのコラボレーション強化による読者体験への注⼒力力 (P.  60-‐‑‒70) 本セクションにおいては頭では分かっていながらも歴史的、 ⼼心理理的、組織構造的に編集局とビジネス部⾨門の融合・協業 がなかなか進んでいない状況が現場のスタッフの実名イン タビューコメントなども盛り込まれ、詳細に綴られている。 ⼀一⽅方、トピックとしてバズフィード創業者であるジョナ・ ペレッティ⽒氏のコメントが紹介されている。 出版プラットフォームやツールの開発に投資を惜しみなく してきたこと、他ではなかなか真似が出来ない充実した ワークフロー、分析⼿手法、ノウハウ開発・蓄積などに⼒力力を ⼊入れてきたいことが述べられている。 結果優秀な⼈人材を集めることに成功しており、よいサイク ルをもたらしていることを指摘している。
  • 48.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」 ①:ビジネス部⾨門とのコラボレーション強化による読者体験への注⼒力力 (P.  60-‐‑‒70) 提案(どのようにして実現させるか:How  to  Get  There) ①どの読者体験チームが編集局とやり取りするか明確にすべき     読者体験チームの組織図を作成し、配布する(含む:担当者・編集局のコンタクト情報を)    ②編集局が読者体験チームと協業することを確実に実⾏行行させる     将来のNYTを担うリーダーは部⾨門を超えたプロジェクトに参加すべき ③編集局とビジネス部⾨門との協業を可能にするような採⽤用活動を⾏行行い、スタッフ   には両部⾨門間の⾃自由な⾏行行き来を奨励する。     編集局から読者体験チームへの移動を拒む⼈人もいるが、移動したことで貴重な体験をした     ⼈人もいる。デジタル分野に強い⼈人材採⽤用のプロセスにも編集部⾨門、読者体験チームの声を     反映させるべき    ④読者体験チーム、編集局、ビジネス部⾨門での協業を促すための新しいコミュニケーション   を密に、広く⾏行行うよう進める。     読者体験チームのスタッフは編集局・ビジネス部⾨門でのメールなどのやり取りにアクセス     できるようにし、それぞれのイベントにも⾃自由に参加できるようにする。編集局は読者体験        チームに定期的に最近の実績・優先順位などを共有すべき(逆もしかり)
  • 49.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」 ②:  ニュースルームの戦略略チームの創設(P.  71-‐‑‒80) ニュースルームの記者は⽇日々の取材・執筆活動で忙しいので少⼈人数の戦略略チームを儲けるこ とで常に変化を続ける業界・競合の動向を把握し、編集主幹、社内への適切切な情報共有、プ ロジェクトの⽅方向付け・推進を担うことが出来る。 変化が激しい業界動向を常にフォローしながら、競合他社の失敗・成功から学び、⾃自社サー ビス活かせることがあれば速やかに取り⼊入れるような体制を創ることが⼤大切切になってきてい る。定期的なレポート作成や編集部⾨門内におけるトレーニング機会の企画なども担うべき。
  • 50.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」 ②:  ニュースルームの戦略略チームの創設(P.  71-‐‑‒80) 以下の写真が表⽰示される機能はほぼ同じような画⾯面。実は1年年以上前にNYTスタッフ から企画が挙げられたが、そのアイディアを⽀支持し、実現化するための体制が整って いなかったこともあり、没になった。その⼀一年年後ワシントン・ポストがほぼ同じ プラットフォームをリリースしたことですぐに「後追い」をすることになった。 社内体制が⼗十分に機能していなかったことの事例例として紹介されている。
  • 51.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」 ②:  ニュースルームの戦略略チームの創設(P.  71-‐‑‒80) 提案(どのようにして実現させるか:How  to  Get  There) ①強いチームを作成する     チームメンバーにはジャーナリズム、テクノロジー、ユーザーエクスペリエンス、プロダク        ト、アナティティクスの強いバックグラウンドを持つメンバーを集める。チームメンバーを        明確に定め、メンバーは最⼤大でも6名以下の少数精鋭部隊にする。編集主幹のなかでしっか    り権限を持った特定の⼈人物に対するレポート責任義務を持つ。    ②業界動向を常に把握した上でアドバイスを⾏行行う      戦略略チームのミッションは編集局のリーダーたちに対し変わりゆく業界・テクノロジー・      読者の動向の動向を伝えることにある。定期的に編集局のリーダーに対するトレーニング      セッションの機会を設けたり、他社からのスピーカーイベントなどを企画する。 ③優先順位を⾼高くするものを⾒見見極め、コミュニケーションをとる     編集主幹、記者、編集者に対し、その専⾨門的バックグラウンド・知識識・スキルを活かし     的確なアドバイスを提供し、読者開発や編集プラットフォームなどについての評価・優先     順位付けなどを⽀支援する。    ④デスクと協業しイノベーションを育てる   戦略略チームメンバーは編集局に⾝身を置きながら読者体験について学ぶことが出来る。デスク      レベルの現場での実験をファシリテーションを⾏行行うことが出来る。
  • 52.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」 ③:  真の「デジタル・ファースト」なチームへの組織変⾰革のための戦略略(P.  81-‐‑‒96) 上記の図に⾒見見られるように、プリント版の読者は500万⼈人とウェブでの読者に⽐比べると⼀一番 少ないものの、収益⾯面で⾒見見ると広告では75%が、購読料料でみると82%がプリント版に依存 している構造が分かる。 しかしながら将来のことを考える際、「デジタル・ファースト」の傾向は間違いなく進んで いく。NYTは現在⼗十分な「危機感」を有していない、ということをレポートの最終章で強く 訴えている。
  • 53.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」 ③:  真の「デジタル・ファースト」なチームへの組織変⾰革のための戦略略(P.  81-‐‑‒96) 将来のデジタル・ファーストなニュース組織への移⾏行行に関する「マニュアル」のような ものがあれば、と願うが残念念ながらそのようなものはない。唯⼀一の⽅方法は問題意識識を 持ち現状に持ち続け、実験を繰り返し、反復復する変化に没頭することのみである。 そのためには我々が今どこにいて、どこに向かっていて、そしてどこに⾏行行きたいかを理理解 することである。 以下のような紙⾯面掲載の記事より早くウェブ版の記事を掲載する時などは⼤大きな考え⽅方の 切切り替えが必要とされる。
  • 54.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」 ③:  真の「デジタル・ファースト」なチームへの組織変⾰革のための戦略略(P.  81-‐‑‒96) 優秀なデジタル⼈人材を採⽤用するための考えうるステップとして7点挙げられている。 ①我々の持つスキルギャップを明確にして積極的に⾜足りない部分の採⽤用を⾏行行う。 ②採⽤用マネージャーが該当ポジションが求めるデジタルスキルを把握できるようにし、また応募者の スキルを正確に⾒見見分けられるようにする。 ③デジタル⼈人材の採⽤用に関しては伝統的なジャーナリズムの経験の⽐比重を下げ、ジャーナリズム⼈人材 の採⽤用時にはデジタルスキルの⽐比重を⾼高める。 ④新しいアイディアをもたらすためも、伝統的な競合からの採⽤用よりも創造的なスタートアップからの採⽤用を⾏行行う ⑤我々のジャーナリズム(紙⾯面・ウェブ)を採⽤用の⼿手段として活⽤用して優秀な⼈人材に寄稿などをしてもらう。 ⑥既存のデジタル⼈人材にデジタル戦略略の⽴立立案に関わってもらうことで彼らの活躍の機会を増やし・成⻑⾧長を促す。 ⑦幹部レベルでのデジタル⼈人材の象徴的な採⽤用を⾏行行うことで優先順位が⾼高いことを⽰示し、今後の採⽤用活動に 活かす。
  • 55.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」 ③:  真の「デジタル・ファースト」なチームへの組織変⾰革のための戦略略(P.  81-‐‑‒96) ニューヨークタイムズではデジタルスキルを ⼗十分に評価されなかったり活躍の機会・将来性 が感じられないなどの理理由で退社してデジタル メディア企業に移った元社員5名のコメントが 掲載されている。 「なぜ退社したか」「他社では何が魅⼒力力的 だったか」「NYTが優秀なデジタル⼈人材を維持 するために何をすべきか」などが語られている。 退社した5名ともNYTでの経験を評価しつつも 誰⼀一⼈人として退社したことを後悔していない。 転職マーケットでは供給を上回る勢いでデジタル ⼈人材の募集が⾏行行われている。
  • 56.   ■第2章:「ニュースルームを強化せよ」 ③:  真の「デジタル・ファースト」なチームへの組織変⾰革のための戦略略(P.  81-‐‑‒96) 提案(どのようにして実現させるか:How  to  Get  There) ①「紙⾯面」優先の考え⽅方を改める       ・ニュースルームにおける重⼼心を「Page  One」⾄至上主義から変更更する。サイトトラフィック、      シェアの数、エンゲージメントなどの新しい評価軸を作成することも考えられる。          ・各編集者は必ず⼀一⼈人モバイルのトラフィックデータをモニタリング・分析するスタッフを       つける       ・「デジタル」を明確に評価基準として取り⼊入れる。   ②デジタルニーズを分析・査定する          ・我々のデジタルニーズを再評価し、新しいポジションを創設する。          ・各デスクのデジタルスキルの評価・査定を⾏行行い、必要な際にはその⽳穴を埋める。       ・優れた活⽤用法・事例例などは共有する。       ・優れたデジタル⼈人材のリストを作成しておく。デジタル⼈人材は売り⼿手市場であることを理理解する。       ・象徴となるような「スターの採⽤用」を⾏行行うことでそこに続く他採⽤用に役⽴立立てる。 ③さらに真剣な次のステップを探し求める       ・どのようにしたらデジタルファーストな編集局にすることが出来るかについて探る委員会の設置       ・⼤大学などと連携してデジタル・フェローシッププログラムの創設を検討する。
  • 57. 参考情報:State  of  News  Media  2014  デジタルトレンドの最新の動向がまとめられている資料料 イノベーションレポートの根底に流流れている「思想」としてのリーン・スタートアップ State  of  the  News  Media  2014  |  Pew  Research  Center's   Journalism  Project  -‐‑‒  http://bit.ly/1jAywNT
  • 58. 参考にさせていただいた関連記事 ・The  leaked  New  York  Times  innovation  report  is  one  of  the  key  documents  of  this  media  age  »    Nieman  Journalism  Lab  -‐‑‒  http://bit.ly/1rF4n2Z ・佐々⽊木俊尚の未来地図レポート  (Vol.  296,  297,  299,  302,304,  305)            http://magazine.livedoor.com/press/9812 ・「読者を開発せよ」とNYタイムズのサラブレッドが⾔言う  |  新聞紙学的  -‐‑‒  http://bit.ly/1A8BWgj
  • 59. 最後までご覧になっていただきありがとうございました。 ⽶米国を中⼼心とした海外のメディア・イノベーションのトレンドなどにつ いて、折に触れてメルマガやブックマークサイト(Scoop.it)でご紹介 しています。よろしければ併せてご覧ください  J   【メルマガ】http://www.socialcompany.org/mailmagazine/ 【Scoop.it】http://www.scoop.it/t/future-‐‑‒of-‐‑‒media-‐‑‒and-‐‑‒journalism 株式会社ソーシャルカンパニー 市川裕康  @socialcompany hiroyasu.ichikawa@socialcompany.org www.socialcompany.org