~新しい PBL への試み ~ Students’ Initiative     柴田綾子 1  池田早希 2   髙 田和秀 3   駒井俊彦 4     1 群馬大学医学部          2 千葉大学医学部    3 聖マリアンナ医科大...
<ul><li>Oda  et al.  の指摘する PBL における問題点 1 </li></ul><ul><li>表面的な議論 </li></ul><ul><li>不十分な症例 ( 内容・数 ) </li></ul><ul><li>チュータ...
■ 日本の 80 %以上の医学部で PBL が取り入れられているが、その 40 %以上が有用性に疑問を持っている               ( わが国の大学医学部白書 2009) ■ Guerrero は PBL 中に十分な教育ツールがなけれ...
本研究の目的は、独自のセッションにおいて PBL を改善するための ツール の有用性を検討することである。 目的           方法 国際医学生連盟 のイベント に参加した 総計 15 名の医学生を対象に 、 PBL のような少人数での学...
試みた 学習 ツール 1) Case Diagramming 法 症例中の 事象の 関連 性 を樹形図として書き込む手法 2) Role-Playing 法 症例を用意し 、 患者・医師役を 参加者 同士で行う手法 それぞれのセッションで 実施...
ハワイ大学の Guerrero が 2001 年に Academic   Medicine 誌に発表した方法であり 2 、遺伝学的、微生物学的、社会学的な観点も含めて、疾患の背後にある 病態生理から段階的に臨床症状や心理社会学的な帰結へ とたど...
図1.   Case Diagramming 法 の実例
図2. 図1を英語で清書したもの
<ul><li>■ 学生が医師役、患者役の両方になり問診の練習を行う方法。今回は事前に問診に関する約 15 分のミニレクチャーを行った後、 </li></ul><ul><li>高学年の患者役に作成したシナリオを与え Role-Playing に...
どうされ ましたか? おなかが少し痛いんです。 図 3.     Role-Playing デモの様子 写真
■   全体として 「 樹形図 」 は  A 1.面白かった!                  A 2.勉強になった!                  A 3. PBL のやり方が分かった              A 4.学習意欲がわいた...
■ 以下についてどちらが 学べたか 、あなたの感想を教えてください   B 1.鑑別診断の考え方                 B 2.疾患について(メカニズムなど)      B 3 .検査や問診について            B 4 .臨...
■   今の自分の 大学の 授業と比較してどう思いますか?     C 1.今回の授業の方がおもしろい!                  C 2.ぜひ大学の授業にも導入してほしい               C 3.実際の導入は難しいと思う ...
■   全体として 「ロールプレイ」  は  A 1.面白かった!                  A 2.勉強になった!                  A 3. PBL のやり方が分かった              A 4.学習意欲がわ...
■ 以下についてどちらが 学べたか 、あなたの感想を教えてください   B 1.鑑別診断の考え方                 B 2.疾患について(メカニズムなど)      B 3 .検査や問診について            B 4 .臨...
■   今の自分の授業と比較してどう思いますか?     C 1.今回の授業の方がおもしろい!                  C 2.ぜひ大学の授業にも導入してほしい               C 3.実際の導入は難しいと思う      ...
■ Case Diagramming と Role-Playing が、    低学年の学生も含めた日本の医学生に    好意的に受け入れられ、調査票上、    有用であることが示唆された 。 ■ ツールを活用する事により、多くの参加者が   ...
<ul><li>■ 全人的医療・   Bio-Psycho-Social                         </li></ul><ul><li>  model を学ぶための活用法 </li></ul><ul><li>■ 一人一人に...
<ul><li>■ 医師 - 患者役だけでなく オブザーバー 役も </li></ul><ul><li> 学生が 行う事で , フィードバックについても学ぶ </li></ul><ul><li>   (three-way role-play) ...
<ul><li>Oda Y, Koizumi S (2008).  Status of medical education reform at Saga Medical School 5 years after introducing PBL ...
<ul><li>国公立 </li></ul><ul><li>東京・医科歯科・千葉・筑波・自治医・旭川・札幌・鹿児島・岐阜・三重・名古屋市立・浜松医科・秋田・福島・弘前・琉球・・・ </li></ul><ul><li>私立 </li></ul><...
<ul><li>自己学習を進める工夫 </li></ul><ul><li> シナリオの第 1  ページを前の週に配布し、学生一人ひとりに宿題として、 Fact, Hypothesis, Need-to-Know(NTK), Learning I...
<ul><li>・ Missouri-Columbia School of Medicine で PBL を導入した群で USMLE   Step 1 and Step 2  の score がよくなった。また residency progra...
<ul><li>・ Norman GR and Schmidt HG.  The psychological basis of problem-based learning: a review of the evidence. ( PBL の心...
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医学部PBLをより効果的にするために~学生からの提言~

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2010年7月30日の医学教育学会における学生発表ポスターです!  

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  • PBL によって得られるアウトカム(例えば医師国家試験のような知識を問う評価)が、従来の伝統的なカリキュラムと比較して優れているというエビデンスはない。 Norman , Schmidt といった有名な医学教育学者により, PBL は非常に利益が大きいというふうに強調され過ぎており,一方でコストが軽視され過ぎてきたとも思われる。 しかし定量的に評価されにくい面でのメリットがある!
  • 年齢が上の学生はより自立した学習を望み、自分が責任を負うことをよしとする • 社会的にマイノリティーとされる家庭で育った学生は留年や退学をしやすいといわれているが、 PBL を取り入れたカリキュラムではその割合が下がる。
  • 医学部PBLをより効果的にするために~学生からの提言~

    1. 1. ~新しい PBL への試み ~ Students’ Initiative     柴田綾子 1 池田早希 2 髙 田和秀 3 駒井俊彦 4     1 群馬大学医学部        2 千葉大学医学部    3 聖マリアンナ医科大学 医学部   4 北海道大学医学部
    2. 2. <ul><li>Oda et al. の指摘する PBL における問題点 1 </li></ul><ul><li>表面的な議論 </li></ul><ul><li>不十分な症例 ( 内容・数 ) </li></ul><ul><li>チューターのスキル不足“ Silent Tutor ” </li></ul><ul><li>教員への過重負担 </li></ul>背景 国内で実施されている PBL は、少人数学習者とチューターによる事例基盤型のディスカッション形式が主流であり、問題点 が 数多く存在する。
    3. 3. ■ 日本の 80 %以上の医学部で PBL が取り入れられているが、その 40 %以上が有用性に疑問を持っている               ( わが国の大学医学部白書 2009) ■ Guerrero は PBL 中に十分な教育ツールがなければ、その効果は減少すると述べている 2 。
    4. 4. 本研究の目的は、独自のセッションにおいて PBL を改善するための ツール の有用性を検討することである。 目的           方法 国際医学生連盟 のイベント に参加した 総計 15 名の医学生を対象に 、 PBL のような少人数での学習セッションを試行した。チューターの役割は学生が演じた。
    5. 5. 試みた 学習 ツール 1) Case Diagramming 法 症例中の 事象の 関連 性 を樹形図として書き込む手法 2) Role-Playing 法 症例を用意し 、 患者・医師役を 参加者 同士で行う手法 それぞれのセッションで 実施し、セッションに対する 事後アンケート により 参加した 学 生 が評価した。
    6. 6. ハワイ大学の Guerrero が 2001 年に Academic   Medicine 誌に発表した方法であり 2 、遺伝学的、微生物学的、社会学的な観点も含めて、疾患の背後にある 病態生理から段階的に臨床症状や心理社会学的な帰結へ とたどっていく方法である。その過程を図 1 で示したように一枚の図に書きあげていく。 Case Diagramming 法 とは
    7. 7. 図1. Case Diagramming 法 の実例
    8. 8. 図2. 図1を英語で清書したもの
    9. 9. <ul><li>■ 学生が医師役、患者役の両方になり問診の練習を行う方法。今回は事前に問診に関する約 15 分のミニレクチャーを行った後、 </li></ul><ul><li>高学年の患者役に作成したシナリオを与え Role-Playing に臨んだ。 </li></ul><ul><li>■ Debra N. による Role play の効果 3 </li></ul><ul><li>Preparation, Rehearsal, Feedback, Reflection, Different perspectives, Safety using role-play, </li></ul><ul><li>non-verbal communication </li></ul>Role-Playing 法 とは
    10. 10. どうされ ましたか? おなかが少し痛いんです。 図 3.   Role-Playing デモの様子 写真
    11. 11. ■   全体として 「 樹形図 」 は  A 1.面白かった!                  A 2.勉強になった!                  A 3. PBL のやり方が分かった              A 4.学習意欲がわいた(モチベーションが上がった)       結果     Case Diagramming 法
    12. 12. ■ 以下についてどちらが 学べたか 、あなたの感想を教えてください   B 1.鑑別診断の考え方                 B 2.疾患について(メカニズムなど)      B 3 .検査や問診について            B 4 .臨床に即した知識             B 5 .全体として                  Case Diagramming 法
    13. 13. ■   今の自分の 大学の 授業と比較してどう思いますか?     C 1.今回の授業の方がおもしろい!                  C 2.ぜひ大学の授業にも導入してほしい               C 3.実際の導入は難しいと思う                   C 4.このような PBL は必要ない                   C 5.学生チューターでは不十分                    C 6.今の大学の授業のままで良いと思う。         Case Diagramming 法
    14. 14. ■   全体として 「ロールプレイ」  は  A 1.面白かった!                  A 2.勉強になった!                  A 3. PBL のやり方が分かった              A 4.学習意欲がわいた(モチベーションが上がった)   
    15. 15. ■ 以下についてどちらが 学べたか 、あなたの感想を教えてください   B 1.鑑別診断の考え方                 B 2.疾患について(メカニズムなど)      B 3 .検査や問診について            B 4 .臨床に即した知識             B 5 .全体として       
    16. 16. ■   今の自分の授業と比較してどう思いますか?     C 1.今回の授業の方がおもしろい!                  C 2.ぜひ大学の授業にも導入してほしい               C 3.実際の導入は難しいと思う                   C 4.このような PBL は必要ない                   C 5.学生チューターでは不十分                    C 6.今の大学の授業のままで良いと思う。       
    17. 17. ■ Case Diagramming と Role-Playing が、    低学年の学生も含めた日本の医学生に    好意的に受け入れられ、調査票上、    有用であることが示唆された 。 ■ ツールを活用する事により、多くの参加者が   セッションのアクティビティーに   コミットする事が出来た。 ■ 医学部の PBL で使用する事が可能か、   より幅広い対象に対して検証する必要がある 結論
    18. 18. <ul><li>■ 全人的医療・ Bio-Psycho-Social                        </li></ul><ul><li>  model を学ぶための活用法 </li></ul><ul><li>■ 一人一人に作成させ、症例の理解度を評   </li></ul><ul><li> 価するツールに“ summary diagram ” </li></ul><ul><li>■ 学習課題を生み出すための議論の </li></ul><ul><li> 活性化に使用“ hypothesis diagram ” </li></ul><ul><li>■ mind map の活用など? </li></ul><ul><li>  </li></ul>Case Diagramming の活用法
    19. 19. <ul><li>■ 医師 - 患者役だけでなく オブザーバー 役も </li></ul><ul><li> 学生が 行う事で , フィードバックについても学ぶ </li></ul><ul><li>  (three-way role-play) 4 </li></ul><ul><li>■ 有効な フィードバック システムの確立 </li></ul><ul><li>・ identify effective skills and those that require development </li></ul><ul><li>・ seek feedback from interviewer and &quot;patient“ </li></ul><ul><li>■ 効果的な Debriefing,Reflection の方法 </li></ul>Role-Playing の活用法
    20. 20. <ul><li>Oda Y, Koizumi S (2008). Status of medical education reform at Saga Medical School 5 years after introducing PBL . Kaohsiung J Med Sci.24:S46-53 . </li></ul><ul><li>Guerrero AP (2001). Mechanistic case diagramming: a tool for problem-based learning . Acad Med. 76:385-9. </li></ul><ul><li>Debra N , Tanya T (2007). Role-play for medical students learning about communication:Guidelines for maximising benefits. BMC Medical Education , 7 :3 </li></ul><ul><li>Luiz E A Troncon(2009). Structured, three-way, role-play </li></ul><ul><li>activity for improving history-taking skills. MEDICAL </li></ul><ul><li>EDUCATION </li></ul>Reference
    21. 21. <ul><li>国公立 </li></ul><ul><li>東京・医科歯科・千葉・筑波・自治医・旭川・札幌・鹿児島・岐阜・三重・名古屋市立・浜松医科・秋田・福島・弘前・琉球・・・ </li></ul><ul><li>私立 </li></ul><ul><li>慶応・女子医・東海・東邦・獨協・岩手・慈恵・埼玉・東医・日医・大阪医科大学・・・ </li></ul><ul><li>2004 年度の全国調査では約 2/3 の医科大学が何らかの形で PBL テュートリアル教育を採用していることが報告されている. </li></ul>わが国における PBL 導入状況
    22. 22. <ul><li>自己学習を進める工夫 </li></ul><ul><li> シナリオの第 1 ページを前の週に配布し、学生一人ひとりに宿題として、 Fact, Hypothesis, Need-to-Know(NTK), Learning Issue(LI) を抽出させているが、 </li></ul><ul><li>これらの工夫は学生や教員の間で概ね好評である。(佐賀大学) </li></ul><ul><li>知識の構築のために </li></ul><ul><li> 知識の構築のためには、痛風と感染性関節炎など、 </li></ul><ul><li>一度に2つ以上の関連する文献を読む。 </li></ul><ul><li>Bowen JL. Educational Strategies to Promote Clinical Diagnostic Reasoning. N Engl J Med 2006; 355: 2217-2225 </li></ul>① 学生:
    23. 23. <ul><li>・ Missouri-Columbia School of Medicine で PBL を導入した群で USMLE   Step 1 and Step 2 の score がよくなった。また residency program directors からの評価において良い成績を収めた。 </li></ul><ul><li>Hoffman K, Hosokawa M, Blake R Jr, Headrick L, Johnson G. Problem-based learning outcomes: ten years of experience at the University of Missouri–Columbia School of Medicine. </li></ul><ul><li>Acad Med. 2006;81(7):617-625. </li></ul><ul><li>・ PBL で学んできた学生と,そうでない学生の間で従来の評価法,例えば医師国家試験のような知識を問う評価法による差は明確でない。しかし, 診断推論能力については若干よい,学生の満足度もやや高い ということは利点と言ってよい。 </li></ul><ul><li>   Colliver JA. Effectiveness of PBL curricula. </li></ul><ul><li>( PBL を用いたカリキュラムの有効性:研究と理論 ). Acad Med 75 (2000): 259-266 </li></ul><ul><li>・ 問題解決能力を向上 させた </li></ul><ul><li>Kulik J,Kulik CL. College teaching.In Peterson PL, Walberg, Research on teaching: Concepts, findings, and implications. McCutcheon,1979. </li></ul><ul><li>・女子医卒業生への調査では, PBL テュートリアル教育を受けた卒業生は導入前の卒業生に比べ, 在学中に論理的思考を培うことが出来たことや,研修医終了時点で問題の自己解決が行なえたと評価した人が多かった ことが明らかになっている. </li></ul><ul><li>・長期的効果: problem-based, self-directed なカリキュラムで学んだ卒業生は伝統的なカリキュラムで学んだ卒業生は 知識を update している率が高い 。 </li></ul><ul><li>Shin JH, Haynes RB, Johnston ME. Effect of problem-based , self-directed undergraduate education on life-long learning . CMAJ. 1993;148(6):969-976 : </li></ul>PBL のメリット②
    24. 24. <ul><li>・ Norman GR and Schmidt HG. The psychological basis of problem-based learning: a review of the evidence. ( PBL の心理学的な根拠:研究報告のレビュー ) . </li></ul><ul><li>Acad Med. 67 (1992): 557-565 </li></ul><ul><li>・ Norman GR, Schmidt HG. Effectiveness of problem-based learning curricula: theory, practice and paper darts. Med Educ. 2000;34(9):721-728. </li></ul><ul><li>・ Schmidt HG, Vermeulen L, van der Molen HT. Longterm effects of problem-based learning : a comparison of competencies acquired by graduates of a problem-based and a conventional medical school. Med Educ. 2006;40(6):562-567. </li></ul><ul><li>• Distlehorst LH et al. Problem-based learning outcomes: the glass half-full. 『 PBL の成果:コップに半分も水が入っている(楽観視してよさそう) 』 Acad Med 80 (2005): 294-299. </li></ul><ul><li>• Casey P et al. Problem-based Learning in Geography: Towards a Critical Assessment of its Purposes, Benefits and Risks 『産婦人科の授業において PBL 導入により 学生のパフォーマンスと満足度がアップした 』 AJOG 193 (2005): 1874-1878. </li></ul><ul><li>• Tamblyn R et al. Effect of a community oriented problem based learning curriculum on quality of primary care delivered by graduates: historical cohort comparison study </li></ul><ul><li>『学部教育における地域医療 PBL が卒業生によるプライマリ・ケア診療の質をどのように変えたか:経年的コホート研究』 BMJ 331(2005):1002-. </li></ul>その他のエビデンス

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