ラジオ放送番組におけるスポーツ実況中継の分析
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ラジオ放送番組におけるスポーツ実況中継の分析

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西本 卓也,光部 杏里, 渡辺 隆行: "ラジオ放送番組におけるスポーツ実況中継の分析," 電子情報通信学会技術報告, WIT2006-6, pp.27-32, May 2006.......

西本 卓也,光部 杏里, 渡辺 隆行: "ラジオ放送番組におけるスポーツ実況中継の分析," 電子情報通信学会技術報告, WIT2006-6, pp.27-32, May 2006.

ラジオ放送におけるスポーツ実況中継では,音声のみを用いて聞き手に視覚的なイメージを与えるための配慮がなされている.このような配慮は視覚障害者支援技術にも役立つことが期待される.そこで,競馬,野球,サッカーなどの実況中継におけるテレビおよびラジオのアナウンサーの発話内容を比較・分析した.競馬においては,レースの序盤,中盤,終盤,といった状況ごとに注目される対象の遷移が見られた.野球においては,テレビでは常時画面に表示されている得点やボールカウントなどの試合状況は,ラジオ中継では頻繁に音声で伝えられており,重要な情報ほど高頻度で発話されていた.またサッカーにおいては,連続的なゲームの展開を,間投詞を用いてシーンに分割して伝えていた.

An analysis of the sports commentaries in radio programs
Takuya NISHIMOTO, Anri MITSUBE, and Takayuki WATANABE

The sports commentaries of the radio broadcastings give the visual images of the sport games only by the audio channels. Such skills are expected to be useful in human-machine interfaces for people with visual disability. From this viewpoint, we investigated the contents of the utterances in the sports commentaries of the TV and radio programs. This report deals with the commentaries for the horse racing games, the baseball games, and the soccer games. In the horse racing games, the transitions of the attention focusing were observed during the games. In the baseball games, the important pieces of information, such as the scores and the counts, were announced more frequently, especially in the radio broadcastings. In the soccer games, interjectional words are effectively used to divide the sequence of events into the scenes.

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  • 1. ラジオ放送番組における スポーツ実況中継の分析 西本卓也(東京大学), 光部杏里, 渡辺隆行(東京女子大学) 2006-05-19 福祉情報工学研究会
  • 2. 視覚障害者のコンピュータ利用  現状=音声・点字/キーボード  コンピュータとの自然な音声対話への期待  どのような技術が必要か?  人間同士の対話に学ぶべき  普通の人の会話ではなく「達人の技」に注目したい  双方向的な対話=対面朗読者  視覚障害者を支援する「達人」  一方向的な情報伝達  ラジオ番組のアナウンサー=「達人」?  視覚に頼らず音声のみで情報を伝達する高度な技能 2
  • 3. 音声による視覚情報の描写  静的な映像や図形  音訳(対面朗読)  動的な事象  映画など(オーディオ・ディスクリプション) 3
  • 4. 音訳マニュアル  図の説明  ポイント、重要部分をつかむ  ポイントになる部分を中心に説明  写真の説明  まず場所や概略 → テーマ、ポイント部分  テーマやポイントは詳細に説明  主観的な表現は避け、客観的な説明に  確定的でないものは断定的に表現しない 4
  • 5. 着眼点  スポーツ中継  目の前で同時に起こっている複数の事象の中か ら有益で大切な事象(伝えるべきもの)を選択し、 わかりやすく音声で伝える  テレビとラジオ  テレビ=映像である程度の情報を伝えられる  ラジオ=音声のみですべてを伝える必要性 5
  • 6. 支援技術との共通性  テキスト情報の読み上げ  限られた時間で効率よく情報を得たい  ソフトウェア/家電操作の支援  視覚的/空間的な事象の描写  従来の支援技術=訓練が必要  ラジオのスポーツ中継  聞き手は特別な訓練が不要(?)  なぜ「わかりやすい」のか? 6
  • 7. 競馬中継の例  ラジオ日経のサイトより  昭和60年(1985年)4月14日  中山競馬場 天候・晴 芝・やや重  第45回皐月賞(GI)芝2000メートル 出走馬22頭  1番人気 ミホシンザン 牡3 57 柴田政人  2番人気 サクラサニーオー 牡3 57 小島太  3番人気 スダホーク 牡3 57 田村正光  4番人気 スクラムダイナ 牡3 57 岡部幸雄  5番人気 ブラックスキー 牡3 57 郷原洋行 7
  • 8. 例えば気づくこと(競馬中継)  話速と声の大きさ  固有の語彙  「前後」 「内外」  事実の切り取り方=省略  先頭集団  一番人気  聞き手の立場は?  何が伝わるか? 何を捨てているか? 8
  • 9. スポーツ実況中継の分析  スポーツアナウンサーの技術  文献(アナウンス教本、名調子の極意)  インタビュー  アナウンサーの発話の分析  定量的な比較(テレビとラジオ)  言語的特徴の分析  考察  本当に支援技術に生かせるのか? 9
  • 10. アナウンサーの基本姿勢  大切なのは、かっこよくしゃべることではない。  情報を伝達する際には、自己満足の部分は切り捨 てて、相手の立場を考えなければならない  何をどう伝えてほしいかは、話し手の感覚ではなく、 視聴者(相手)の立場で考えなければならない。  「慣れ」「自信」「経験」「テクニック」というものは、時 として、相手を思う気持ちや相手の理解度に合わせ る冷静さを忘れさせてしまう。  テレビ朝日アナウンス部(2003) アナウンサーの話し方教室 初版 角川書店. p.177 10
  • 11. スポーツ中継  限られた時間で伝えなくてはならない  特にラジオ=視覚的/空間的な事象の描写  スポーツ実況アナウンサーに必要な技術  力強い明快な声に加え、描写力、その種目の知 識、取材能力、瞬時の判断力、あらゆることに対 応できる一般常識、そして時には6時間にも及ぶ 中継に耐えられる体力などが求められる。  TBSアナウンス部(編)(2002) アナウンス教本 第1版 TBSサービス. p.61 11
  • 12. 名調子の極意  ラジオDEパンチ2  白夜ムック215 白夜書房 2006 Feb.  競馬中継の極意  ラジオ日経(競馬中継) 白川次郎  過去のレースの展開をパターン化して記憶  それを瞬時に引き出す 12
  • 13. プロ野球中継の極意(1/2)  TBSラジオ 初田啓介  「3つの極意に5年かかった」  ピッチャーの手元から球がリリースされる瞬間に 絶対遅れなく「ピッチャー第一球投げました」  球種、コース、高低をその球が走っている間に  バッターがどう打ち、打球がどうなったか  TBSプロ野球実況アナの伝統  12球団全部の記録をつけている  歴史的な試合を思い出しながら喋れる 13
  • 14. プロ野球中継の極意(2/2)  野球は三拍子のリズム  ワンバウンド、ツーバウンド、ヒット  ベイスターズ、逆転、2対1  七五調  ツーストライク、ワンボール。投球これから4球目  2対1、巨人がリードしています。  第一球を投げました。  インサイド、直球、ストライク。 14
  • 15. サッカー中継の極意(1/2)  ニッポン放送 煙山光紀氏  ラジオは絵がない  「こういう試合です」と切り取ったものを見せる  映像を意識させる配慮?  テレビの画面のように左右を意識  皆さんのラジオの右が日本、左がアンゴラ、 青いユニフォームの日本が右から左に攻めます 15
  • 16. サッカー中継の極意(2/2)  セットプレーではなるべく名前を言う  左からアンゴラのエンド、バックスタンド側から 中村俊介が蹴ります。 ゴール前には中澤、大黒、柳沢がいます。  ゴールやペナルティエリアまでの距離  中央からドリブル、ペナルティエリアまで 10メートル、5メートル、一人抜いて ペナルティエリアに入った、右足でシュート! 16
  • 17. アナウンサーへのインタビュー  質問者 光部(東京女子大学)  インタビュー方式  対面して雑談的に質問―答え  約1時間  ボイスレコーダーで録音  録音したものを要約して書き起こす 17
  • 18. 協力者のプロフィール  性別:男性 年齢:46歳  経歴:民放のアナウンサーを経験、現在はフリー  頻繁に実況:野球、サッカー、バスケットボール  ときどき実況:バレーボール、陸上、マラソン、ボウリ ング、ビリヤード、柔道、格闘技、ボクシング、アメフ ト、相撲、ゲートボール  テレビとラジオ:テレビ実況の方が多い  フリーになりたての頃、盲人会の広報を音声録音 18
  • 19. インタビュー回答の概要(1)  テレビ実況中継  映像に映るものやその順番を意識しながら喋る  ラジオ実況中継  聞き手の期待や予想を踏まえて喋る  伝えるべき事象を客観的に選択  ボールの動きや人の動きなど  なるべく細かく情景描写  ラジオの方が細かい情景描写を必要とする  テレビ実況とラジオ実況ではラジオが基本 19
  • 20. インタビュー回答の概要(2)  重要な情報は丁寧に伝える  キーワードとなる言葉、人の名前、数字など  現在、過去、未来といった時制に関わること  間の取り方によって重要な情報を強調  競技によって実況の仕方を意識的に変える  それぞれのスポーツの独特のリズムを大切に 20
  • 21. 即時描写  即時描写はテレビでもラジオでも重要  目で見た情景を、 一度頭に留めて認識してから、 1秒または2秒遅れと決めて音声化  リズムやスピードを作るために  認識してからしゃべらないと予測実況になる 21
  • 22. アナウンサーの発話の分析  取り上げるスポーツ  週末を中心にテレビとラジオ頻繁に放送  データが集めやすい=研究上の利便性  競馬  順位を争うスポーツ  サッカー  ボールを中心としたスポーツ  野球  昔からテレビとラジオで実況中継 22
  • 23. 定量的分析  競馬  馬名の呼ばれ方  テレビとラジオ=必ずしも違いはない?  野球  ラジオ=得点などに関する発話が多い  ラジオ=すべての状況を把握できる  サッカー  テレビ=4秒以上の間が多い  ラジオ=経過時間や得点の発話が多い 23
  • 24. 競馬中継の書き起こし  同一レースの書き起こしの比較  アナウンサーの個性  ⑭京都11R 秋華賞(2005年10月16日)  テレビとラジオ  ⑫東京10R 山中湖特別(2005年10月16日) 24
  • 25. 重要語  「おっと」(意外な展開を表す)  「あとは」「さらには」(位置説明)  「さあ」(トピック区切り) 25
  • 26. ラジオ固有の表現  序盤での切り捨て  一頭立ち遅れ、6番のオリエントチャーター、あおりました。  17番トウカイルナ、ダッシュ(ラッシュ)つきません。  全体の描写  前からおしまいまで12~3馬身。最初の1000Mを通過。  予想/期待  エアメサイアはまだ動いていない。  エアメサイアは現在中段にいる。  追ってくる10(トウ)番エアメサイア。 やはり2強対決になった。 26
  • 27. テレビに固有な描写  画面を見ればわかるから名前だけ呼ぶ  外からすーっとスルーレートがあがって 参りました。エイシンテンダーとフェリシアそして スルーレートであります。  カメラワークに合わせて喋る  そしてラインクラフトのほうはどうでしょうか。 ラインクラフト早くも今4番手の外を通っている。  画面を見ている人に判断をゆだねる  エアメサイアは中段だ、ちょっと首をあげているか 27
  • 28. 競馬中継:考察  事実を物語として伝える  聞き手は予測をしている  予測に対する差分=「中継」  伏線の説明  この後どんなドラマが来てもよいように・・  「局内で伝えられてきた伝統」(白川次郎)  擬態語、副詞  切り取り方、省略法 28
  • 29. 表4-2 ⑭京都11R 秋華賞(2005年10月16日)のレースを書き起こした原稿 時間 時間 テレビ(実況:石巻ゆうすけ) ラジオ(実況:加藤裕介) (秒) (秒) <スタート合図> <スタート合図> スタートしました。まずまずそろいま 1 1 スタートしました。 した。 ラインクラフトも好スタートを見せまし 一頭立ち遅れ、6番のオリエントチャー た。 ター、あおりました。 エアメサイアもいいスタート。何が行 くか。内からエイシンテンダー、エイ 17番トウカイルナ、ダッシュ(ラッシュ) シンテンダーがいきました。フェリシ つきません。 ア。 外からすーっとスルーレートがあ がって参りました。エイシンテンダー 先頭争いは1番のエイシンテンダー出 とフェリシアそしてスルーレートであ てきました。 ります。 そしてラインクラフトのほうはどうで しょうか。ラインクラフト早くも今4番 中から9番フェリシアも出てきています。 手の外を通っている。 29
  • 30. テレビ ラジオ 15番スルーレイトが外から、内からモ そして10番のエアメサイアの方は中段 ンローブロンド、最内から2(フタ)番 からレースを進めるようであります。 ジェダイトです。 エアメサイアは中段だ、ちょっと首をあ このグループに加わっていたのが、 18 げているか 一番人気、5番のラインクラフトです。 5番のラインクラフト、なんとかなんと 今4番につけ、一コーナーカーブを か落ち着かせたいところであります。 きっていきます。 その後ろですが、外を通って、シール さあ各馬1コーナーから2コーナーに 33 ビーバック。内から4番テイエムメダリ 向かってまいります。 スト。 間を通って8番のデアリングハートで 先頭は1番のエイシンテンダーであり す。1.2コーナー中間から2コーナー ます。 へと向かっていきます。 このグループに接近しては14番コス ここからが馬上の駆け引きです。 モマーベラスに、16番エリモファイナル、 第2コーナーをまわります(した)。 その後ろに一番人気、10(トウ)番のエ アメサイア。前までは大体10馬身くら 18頭。 いでしょうか、第2コーナーをまわりま す。 30
  • 31. テレビ ラジオ 内からあがっていくのは6番のオリエ ントチャーム。その外を通ってライラプ 2番手にフェルシアがつけました。 ス、間に12(ジュウフタバン)番、2歳 以上ショウナンパントル追走します。 後ろ3頭は、7番レースパイロット、11 3番手モンローブロンド、その外に15 番ニシノナースコール、最高峰は17番 番のスルーレートがいきました。 のトウカイルナです。 そして5番手の位置に2番のジェダイ 前からおしまいまで12~3馬身。最初 ト。外、外、赤い帽子ラインクラフトで 59 の1000Mを通過。 あります。 馬の力は上。はっきりと話していた、 52 福永祐一であります。それから13番の 60秒ちょうどで通過しています。 シールビーバック。 真ん中にはデアリングハート、内から は4番のテイエムメダリスト、エリモ 坂を上って3コーナーの手前に入って ファイナル続いて、その後ろオレンジ いる。 の帽子コスモマーベラス. 31
  • 32. テレビ ラジオ 内に6番のオリエントチャーム、そして 先頭は1番のエイシンテンダー。1馬 ここにいた、10番エルメサイア。 身半のリードをとっています。 単独2番手、9番のフェリシア。3番手 あの馬を負かさないとG1は取れない 65 15番のスルーレート。今坂を下ってい と話していた天才武豊。 きます。 2馬身後ろにはピンクの帽子ライラク その後ろに3番のモンローブロンド、そ ス、それから内から11番のニシノナー いで外を回ってさあ人気の馬ラインク スコール、真ん中には2歳以上ショウ ラフトは、今、一頭かわして今3番手ま ナンパントル. であがっていく。 その外から一緒に(必死に)13番シー あと7番のレースパイロット、それから 76 ルビバック、あるいはジェダイトという トウカイルナ、こんな展開になりました。 大勢になっています。 早くも先頭グループは3コーナーから エアメサイアはまだ動いていない。 4コーナーに向かっている。 ちょっとずつおっつけている、ちょっと さあ前の争いは、まもなく4コーナーに ずつおっつけている、5番のラインクラ 91 さしかかろうというところ。 フト早くも先頭に行くか 32
  • 33. テレビ ラジオ 内から1番のエイシンテンダー、エイシ ンテンダーとフェルシア、そして外から エアメサイアは現在中段にいる。 外からラインクラフト まだ10番のエアメサイア、ゴーサイン 94 400の標識を通過。 は出ていない。外に持ち出している。 4コーナー (後?)は直線コース。さ さあ先頭5番のラインクラフト。堂々と あ並んできた。先頭に一気にかわし 400Mで先頭に立ちました。 て5番ラインクラフト。ここで先頭に 立った。 ラインクラフト先頭、ラインクラフト先頭、 ラインクラフト先頭。さあそしてエアメ 外からエアメサイア、エアメサイア、襲 サイアも追ってくる。エアメサイアも い掛かってくる、エイシンテンダー粘っ 追ってくる。一緒に、追ってくる7番の ている。エイシンテンダー。 レースパイロット。 一番外からライナップ、ライナップ、や 200をきった。さあ先頭は5番の、ライ はりこの人、ラインクラフト、ラインクラ 107 ンクラフト2馬身リード。 フト、ラインクラフト、 エアメサイア、エアメサイア、ラインク 追ってくる10(トウ)番エアメサイア。 ラフト、ラインクラフト、エアメサイア、ラ やはり2強対決になった。ニシノナー インクラフト。 スコールは3番手。 33
  • 34. テレビ ラジオ 先頭はラインクラフト。10(トウ)番エア かわした~かわした10番のエア メサイア。ラインクラフト、エアメサイア、 123 メサイアかわした。 ラインクラフト、エアメサイア、ラインク ラフト、エアメサイア、エアメサイア。 エアメサイアかわしました。 123秒 刺しきった~ ゴール前直前。10(トウ)番エアメサイ 7年越しの夢。エアメサイア。 ア、刺しきりました~。 最後の一冠だけはエアメサイア やはり2強対決。 です。 最後はマッチレース。 10(トウ)番エアメサイア武豊。 ロークス2着。妻エアメジャブーも勝て 敗れたラインクラフト。しかしそ なかった秋華賞を、娘10(トウ)番エア の競馬っぷりは見事。 メサイア見事に、制覇しました。 1分59秒2。ヨウハン46秒8、サードも35 やはり2頭の競馬になりました。 秒0。 (アナ、VTRを振り返ってゆっくり 2着5番ラインクラフト。3着は11番のニ 実況) シノナースコールです。 あとは6番オリエントチャーム、それか ら3番のモンローブロンド、18番ライラ プス(以下略) 34
  • 35. 野球中継の書き起こし  着眼点=独特の日本語表現  ソフトバンクVSロッテ(2005年10月16日) 4回表裏 ソフトバンク ロッテ 1.川崎(ショート) 1.西岡(ショート) 2.柴原(ライト) 2.大塚(センター) 3.バティスタ(サード) 3.福浦(ファースト) 4.松中(DH) 4.サブロー(レフト) 5.ズレータ(ファースト) 5.ベニー(レフト) 6.カブレラ(レフト) 6.里崎(キャッチャー) 7.大村(センター) 7.今江(サード) 8.本間(セカンド) 8.フランコ(DH) 9.的場(キャッチャー) 9.堀(セカンド) 和田(ピッチャー) 小林宏之(ピッチャー) 35
  • 36. 野球中継:考察  重要情報=ラジオでは高頻度  スコア、ボールカウント  テレビでは常に画面に表示  実は不自然な日本語  4回の表、里崎の一発が飛び出しました。  聞き手は「訓練」されている?  リズムとテンポを重視?  野球そのものが持つリズムの影響? 36
  • 37. 実況:植草朋樹(テレビ東京) 実況:鈴木光裕(文化放送) バッ 球 テレビ テレビ ラジオ ター 数 画面 パリーグプレーオフ第2ス 1対1の同点で序盤の3回を終了し テージ第4戦です。1対1の同 ました。ゲームは4回に入りますが、 点で、これから試合は中盤に 今夜の解説は東尾修さんです。 入ります。 4回の表、千葉ロッテの攻撃 は、第1打席で先制のタイム (掛け合い) リーを放ちました、ベニーか らです。 ホークス4安打1点はズレータの (レポーターとの掛け合い) ホームラン。マリーンズ2安打1点 (アナ解説、対話) は、今から打席に入るベニーのタイ ムリーヒットです。 (ロッテのレポート、対話) 37
  • 38. テレビ ラジオ 1球 1球を投げた、アウトサイド、ストラ ベニー ×(対話) ○ 目 イク、ワンナッシング。 (レポートの続き) マウンド上福岡ソフトバ ワンナッシングから投球2球、バッ ンクホークスの方は和田 ターボックスベニー、2球目を投げ が上がっています。ここ た。打った打ち上げた、詰まったあ 2球 はセカンド、今日は本間 ○ たりは内野フライ、セカンドフライ。 目 が入っています。。ワン セカンドゆっくりファースト後方まで ナウト、ランナーがありま まわり込んで来る。本間が両手で せん。 つかんだ、ワンナウトであります。 その先頭バッター、ベニーを打ち (アナ、解説、対話) とった和田です。 ワンナウト、ランナーがありません、 千葉ロッテのスタメン表。 ゲームは4回の表です。 (対話) (対話) バッターボックスは、里崎が右の バッターボックスに入ります。1対 1の同点です。ゲームは4回の表 に入ります。 38
  • 39. テレビ ラジオ 里崎 1球目 × ○ 第1球を投げた、アウトサイド、ボール。 (対話) バッターボックスは里崎。 センターへ、おー伸びて 初球ボールで投球2球目、第2球を投げ 2球目 ○ いく、伸びていく、入った た。 ~。 打ちました、レフトへとセンターへ上がっ 里崎の、このセカンドス た。センター下がった、センター下がった、 テージ2本目のホームラ 打球伸びていく、伸びていく、そのまま、 ン。 スタンドまで、行ったか~、入った~~。 2対1。千葉ロッテが再び 里崎のホームランは、ポストシーズン2 勝ち越しました。 本目のホームラン。 今その里崎が手をたたい バックスクリーン左横へ、勝ち越しホー てホームイン。 ムランとなりました。 和田がここで一発を打た 一塁キャンバスを回って、右手を突き上 れました。 げました。 39
  • 40. テレビ ラジオ 三塁西村コーチと握手した。里崎が今 (レポーターとアナ対話) ホームを踏みます、今ホームイン。 2対1。ロッテ1点勝ち越しです。 (アナ解説)実況とトーンが違う。 左中間スタンドへのホームランで、これ で、2対1。ロッテ1点勝ち越しました。 これでまたロッテが1点リードになりまし た。 ゲームは4回の表です。ワンナウト、ラ ンナーなし。 40
  • 41. テレビ ラジオ 今江 バッターボックスは今江です。 (対話) 現在は2対1。ロッテ1点リードになりました。 ワンナウト、ランナーなし、バッターボックス今 江。 1球目 ×(解説) ○ 初球を打った。これは駄目、内野フライ。 これもセカンドフライになった、本間、いや、 ファーストフライかな。セカンド前まで出てきた、 今半身の状態でボールをつかんでアウト。 ファーストフェアフライ。これでトゥーアウトにな りました。 さあマリンスタジアムパブリックビューイングを 呼んでみましょう。松島しげる?アナウンサー です。松島さん。 41
  • 42. テレビ ラジオ そしてバッターボックス フランコ は、2アウトになってフラ (松島レポート) ンコ。 1球目 ×(解説者と掛け合い) ○ ×(松島レポート) バッターボックスにはフラ 1球後 ンコです。 このフランコも第2戦での 逆転のタイムリーがあり 2球目 ました。ここはセカンド本 ○ 今、ワンボールから2球目。 間。一塁に送って一塁は アウト。 しかし4回の表、里崎が プレーオフ第2ステージ2 今フランコがセカンドゴロ、スリーア 本目のホームランを放ち ウトになりました。 ました。2対1ロッテ1点 リードです。 (松島レポート) 42
  • 43. テレビ ラジオ 4回の表、里崎の一発が飛び出し ました。4回のホークスは、松中か らです。4回の表終わって2対1。マ リーンズ1点リードです。 43
  • 44. テレビ ラジオ <CM> <CM> 2対1とロッテ1点勝ち越しました。 (CM明けの対話) 里崎のホームラン。 ソフトバンクが許したホームランは (プレイを振り返る) 全部里崎です。 (里崎について対話、レポート) さあそしてバッターボックス 松中 は、ソフトバンクの主砲松中 です。 第1球を投げた、インサイド、ボー 1球目 ×(レポーターとの対話) ○ ル。 (レポートの続き) ワンボールから第2球を投げた。 2球目 ×(レポーターとの対話) ○ ニアサイド、ボール。ボールカウン トノートゥー。 (対話) 1球2球ボール。さあ、松中と小林 宏之。ノートゥーになりました。 44
  • 45. テレビ ラジオ 第3球を投げた。インサイドストライ ここはストライクを一球見ま 3球目 ○ ク、フォーク。ボールカウントワン す。(アナ解説) トゥー。 ここから松中、ズレータ、カブレラ ですよね。(対話) ワントゥーから4球目。第4球を投 4球目 ×(対話) ○ げた。アウトサイド、ボール。ワン スリーになりました。 (解説) ワンスリーから投球5球目の投球 になります。ピッチャー、小林宏之、 5球目 ×(解説) ○ 第5球を投げた。アウトサイドは、 ボール、外れた、フォアボール。 (解説) (解説、対話) 45
  • 46. テレビ ラジオ そしてズレータ。先程は一時は同 ズレータ 点となるホームランを放っていま す。 (ズレータについてレポート) その初球、ストレートで 第1球は低め、ボール。ワンボー 1球目 ○ きました。(レポーター) ル。 さあここは、ノーアウト、 (レポートの続き)(アナ解説、対 ランナー1塁でバッター 話) ボックスはズレータ。 初球ボールから投球2球目。ノー 初球はインコーススト アウト、ランナー1塁。そのファース 2球目 レート。そして2球目は ○ トランナーは松中、フォアボール。 外。 第2球、低め、ボール。ノートゥー。 (対話) (対話) ボールトゥーから3球目。ノーアウ その中での3球目、ここ ト、ランナー1塁。第3球を投げた。 3球目 でスラーダーきました、 ○ 真ん中ストライク。これは1球見ま ワントゥー。 した。ボールカウントワントゥーで す。ノーアウト、ランナーが1塁です。 (解説) (対話) 46
  • 47. テレビ ラジオ ワンストライクトゥーボールから投球4 球の投球となります。2対1。現在マ リーンズは里崎のホームランで1点勝 ち越し。ゲームは4回のホークス。 さあ外~。右中間~、打球が伸 ノーアウトランナー1塁です。第4球を投 4球目 ○ びていく~~。 げた。 打ったー。打ち上げたー。右中間へ打 逆転~~。 球は飛んでいった。さあ打球は、飛ぶ、 飛ぶ、飛ぶ、飛ぶ。そのままー。 松中のファーボールが活きました。 逆転2ランホームラーーン。 ズレータがライナーで右中間スタンド ズレータよりも大喜び、松中。 へ。 このポストシーズン、初めて、ソロ以外 そして今ホームイン。3対2。 のホームランが飛び出しました。 第一打席はレフトへ、第二打席 今ホームイン。 は右中間へ。 二打席連続のホームラン。 逆転3対2。 そして出ます。(いつものカメラに ホークス1点リードになりました 向かってポーズ) (対話) (解説、対話) 47
  • 48. サッカー中継の書き起こし  テキスト  サンフレッチェ広島 vs FC東京 (2005年10月15日) 48
  • 49. サッカー中継:考察  エピソードの区切り方  ラジオ=「さあ」などで区切る  順位スポーツと球技スポーツの要素  「上がる」「前へ」  「左右」  蹴っている=定常状態  フォーメーションという前提 49
  • 50. 実況:田中朋樹 実況:煙山光紀(ニッポン放送) (NHK広島放送局) 「間」が 「間」の あった時 時間 テレビ 秒数 時間 ラジオ のテレビ (秒) の映像 さあ後半始まりました。後半は そのリズムを変えら FC東京のキックオフ。FC東京 0'01" 7 0'01" れるか、FC東京。 が右から左に攻めようというと ころ。 宮沢がメインスタンド側にふっ 阿部がいったんは 0'09" 0'05" て、ボールを阿部がコントロー たいて宮沢。 ル。 もう一度FC東京宮沢、つなごう 今日はこういうとこ 0'11" 0'09" というところ、サンフレッチェ広 ろをカットされます。 島がカット。 中盤から前に上がろうという構 0'12" えになっています。 (他球場からレポート)(他球場 0'15" の試合状況) 50
  • 51. テレビ ラジオ 5'07" 後半の5分を経過しています。 みなさんのラジオ、メインスタンド側か ら見て、正面右側です。右のエンド。 5'08" バックスタンド側からのコーナーキック。 サンフレッチェ広島。 ヘディングの強い小村が 5'17" 5'17" ゴール前に5人入ってきました。広島。 今、中央に入ってきました。 5'20" キッカーは李漢宰。 李漢宰が蹴った、カーブかかった、森 5'22" 崎和幸ヘディングシュート。ゴール前、 しかしクリア、ストップしています。 李漢宰のボールに、ずらし た。森崎和幸ずらして、最 5'23" 後は小村でしたが、ゴー ルの枠に向かいませんで した。 51
  • 52. テレビ ラジオ さあ、FC東京は馬場憂 6'46" 太がボールをコントロー ル。 サンフレッチェ 6'47" 宮沢、馬場。 4 がドリブルか らパスを出す。 まだハーフウェイライン 6'49" の手前です。 ようやく左のエンドに入っ 6'50" た。 6'52" ルーカス。 ルーカス、メインスタンド 側にふって、レフティの 宮沢、ワントゥーをして、 栗沢とのワントゥーから 宮沢からルーカス、ルー 6'53" カスがバックスタンド側に ふって、今日は鍛冶の負 傷で右サイドバックに 入っている今野が上がっ てきた。 52
  • 53. テレビ ラジオ 6'54" 宮沢。 そして阿部が、失礼、 サンフレッチェ 栗沢があわせてルー 6'57" 4 がタメを作っ カスそしてフリーで今 てパスを出す。 野。 今野が中央に絞り込ん 7'03" でいる。 7'05" もう一度宮沢。 宮沢、左サイドの藤 山を狙っていますが、 7'06" 前、阿部に当てていく、 キーパー出る。 ゴールまでまだ30Mある。 7'08" 宮沢がロングパス。 53
  • 54. テレビ ラジオ あのロベカルにちなんだ愛称 ですが、強烈な左足を持って いますが、ゴール前に上がっ 30'45" たボールはゴールキーパー佐 藤昭大が乗ってきています、 キャッチしています。 去年、広島ユースで、クラブ ユース全日本ユース選手権と、 30'55" 2冠を達成した時のメンバーで、 佐藤昭大はその時のキャプテ ンでした。 30'59" <ホイッスル> ここはサンフレッチェ 3102" 4 ファール。 側のファールです。 その佐藤がJリーグ思わぬ形 で、下田の怪我でJリーグ、 31'03" リーグ戦デビューを飾って、い きなりスーパーセーブを見せ ています。 54
  • 55. テレビ ラジオ 31'13" さあ、またFC東京の攻撃。 そのササからのヘ 前線でヘッドでつないで、ゴール前、 31'15" ディングのボール、 31'15" 1対1の状況からシュート。 シュート。 31'18" 決まった。 31'18" ゴーーーーール。 31'20" 同点。 阿部移籍後2点目の 31'23" 31'23" 阿部が決めました、FC東京。 ゴール。 31'24" 右足のゴール決まって、1対1同点。 31'26" 後半の31分、FC東京追いついた。 55
  • 56. まとめ  言語化の技術  問題を理解して情報を圧縮  ゲーム固有の言い回し/エンタティンメント性  聞き手のニーズや知識  重要語の例  時間/割合=あと、まだ、ようやく  話題転換=さて、さあ  分析手法  番組制作過程の考慮 56
  • 57. 今後の課題  パラ言語情報  話速やポーズ=重要な情報を強調する技法  リズムやテンポ(快適性?)  言語情報  時間と空間の表現  話題転換語の利用技法(構造化?)  編集技術  情報の取捨選択の技法  聞き手の持つ知識の利用 57