eラーニング教材を活用した語彙学習方略がライティングに与える影響

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川口勇作 (2013) 「eラーニング教材を活用した語彙学習方略がライティングに与える影響」 第43回中部地区英語教育学会富山大会. 富山大学.

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eラーニング教材を活用した語彙学習方略がライティングに与える影響

  1. 1. 1
  2. 2. 川口 勇作 名古屋大学大学院 第43回中部地区英語教育学会 富山大会 於:富山大学 2013/6/30 2
  3. 3. 3
  4. 4. 研究背景 • ライティング能力と語彙知識の関係 – 語彙の大きさはエッセイ評定やTOEICス コアを予測する,ライティング能力にお ける主要な構成技能(e.g., Schoonen et al. 2002; 水本, 2008) –語彙の大きさのみではなく,産出における 語彙の豊かさが重要(e.g., Laufer, 2005; Meara, 2005; Nation, 2001) 4
  5. 5. 研究背景 • ライティング能力と語彙知識の関係 –日本のようなEFL環境における意図的語彙 学習の重要性が主張されている(e.g., Gu, 2003; Nation, 2001, 2009) 5
  6. 6. 研究背景 • 語彙知識の豊かさと文脈の効果 –綴りのみを暗記する学習方略のみではなく、 特定の文脈における適切な語彙の使い分 けが重要(e.g., Schmitt, 2000) – 文脈つきの語彙学習は文脈および文脈内 の関連語との連合的な学習を促す(e.g., Hulstijn, 2001; Prince, 1996) 6
  7. 7. 丸暗記 vs. 単語-文脈マッチング 7
  8. 8. 研究背景 • CALL教材・eラーニング教材の利点 –学習者に視覚的かつ即時的なフィード バックを与えることができる(e.g., Ma & Kelly, 2006; Lee et al., 2013) 8
  9. 9. eラーニング vs. 紙媒体 9
  10. 10. RQ 丸暗記と単語-文脈マッチング課題 において eラーニングと紙媒体での提示は どちらがよりライティングにおける 語彙の発達を促すか 10
  11. 11. 11
  12. 12. 採用語彙 • 語数:42語 –意味別で5カテゴリに区分 • 出典 –『JACET8000 英単語』(相澤他,2005) –「思う」「主張する」「示す」「表現す る」という意味を含む単語を抽出 –Level 1-6の単語 12
  13. 13. 採用語彙 13 思う(1) 思う(2) 示す 主張する 表現する consider wish suggest claim express deem agree propose contend display think disagree contribute insist exhibit suppose suspect show argue manifest imagine miss offer assert represent hope seem designate maintain render guess wonder demonstrate advocate embody assume imply submit articulate regret fancy feel
  14. 14. 予備調査 14
  15. 15. 予備調査 • 調査協力者 –教養英語を受講する学部生(N = 24) • 問題形式 –文脈提示した選択式空欄補充(k = 42) • 例文はBNCより抽出 • 実施環境 –XOOPSのアンケート機能を利用 15
  16. 16. 16
  17. 17. 予備調査 • 結果 項目分析 協力者分析 k M SD Maximum Minimum N M SD Maximum Minimum 思う 11 0.32 0.21 0.83 0.13 24 3.50 1.69 8.00 1.00 思う(think以外) 7 0.54 0.25 0.92 0.17 24 3.79 1.10 5.00 2.00 主張する 8 0.13 0.06 0.08 0.25 24 1.04 1.08 4.00 0.00 示す 8 0.24 0.09 0.38 0.17 24 1.83 1.61 5.00 0.00 表現する 8 0.21 0.21 0.71 0.08 24 1.67 1.05 4.00 0.00 TOTAL 42 0.28 0.22 0.92 0.08 24 11.83 3.31 20.00 5.00 17
  18. 18. 予備調査 • 各問の正答率 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 consider deem think suppose imagine hope guess assume regret fancy feel wish agree disagree suspect miss seem wonder claim contend insist argue assert maintain advocate submit suggest propose contribute show offer designate demonstrate imply express display exhibit manifest represent render embody articulate 思う(think) 思う(think以外) 主張する 示す 表現する 18
  19. 19. 予備調査 • 結果… –全問題の平均正答率:28% –協力者の平均正答数:11.9問(全42問中) • したがって… –準備した語彙リストは易しすぎないと判断 19
  20. 20. 本調査 20
  21. 21. 本調査概要 • 調査協力者 –教養英語を受講する学部生(N = 35) –事前アンケート調査を実施 • 英語学習歴 • TOEICやTOEFLのスコア • 4技能・語彙・文法についての自己評定値 • 語彙学習方略(堀野・市川,1997) • コンピュータでの学習方略 21
  22. 22. 本調査概要 1. 教材で単語学習(15分) – 4学習グループに分割 1. eラーニング教材 × 単語-文脈マッチング 2. eラーニング教材 × 丸暗記 3. プリント教材 × 単語-文脈マッチング 4. プリント教材 × 丸暗記 • グループ間の等質性を確保(TOEFLスコア) – 時間切れになるまで何回も繰り返す 22
  23. 23. 本調査概要 23 • グループ毎のTOEFLスコア平均 0 100 200 300 400 500 600 E-match E-memo P-math P-memo
  24. 24. 本調査概要 1. eラーニング教材 × 単語-文脈マッチング –Hot Potatoes ver. 6.3で作成 –形式 • 単語・文脈マッチング問題 • 例文ベース(単語の部分を括弧抜き) • 単語から例文を推測する問題 24
  25. 25. 25
  26. 26. 本調査概要 2. eラーニング教材 × 丸暗記 –Hot Potatoes ver. 6.3で作成 –形式 • 単語を見て意味を選択:一般的に用いられる単 語帳スタイル 26
  27. 27. 27
  28. 28. 本調査概要 3. プリント教材 × 単語-文脈マッチング – プリントで作成 –形式 • 単語・文脈マッチング問題(ドリル) • 例文ベース(単語の部分を括弧抜き) • 語群の中にある単語を例文の中に入れる問題 28
  29. 29. 本調査概要 4. プリント教材 × 丸暗記 – プリントで作成 –形式 • 単語とその意味のみを掲載:一般的に用いられ る単語帳スタイル 29
  30. 30. 本調査概要 2. ライティング課題(30分) –プロンプト • TOEFLライティングセクションからの出題 • 「科学技術は世界を住みよくしたか?」 –コンピュータ上で英作文 •WritingMaetriX(草薙・阿部・福田・川 口,2013)を使用 30
  31. 31. 31
  32. 32. 分析 • 二元配置分散分析 –従属変数 • ライティング課題において使用された目標語 (動詞)のGuiraud Index(GI) –独立変数 1. 学習環境(eラーニング VS.紙媒体) 2. 学習方法(丸暗記 VS. 単語-文脈マッチング) 32
  33. 33. 分析 • エッセイ –30分で平均119.02語(SD = 42.12) –課題中のキーログはすべて記録 33
  34. 34. 分析 • 記述統計 n 平均値 標準偏差 中央値 最小値 最大値 範囲 歪度 尖度 標準誤差 TOEFL 35 488.03 44.6 485 390 645 255 0.88 3.24 7.54 Token 35 16.31 6.01 16 6.00 30 24 0.18 -0.32 1.02 Type 35 12.77 4.53 13 4.00 21 17 0.09 -0.78 0.76 GI 35 3.13 0.64 3.21 1.63 4.2 2.57 -0.44 -0.24 0.11 34 ※ここでのToken・Type・GIは,使用動詞数に基づくもの
  35. 35. 35
  36. 36. 分析 36 • グループ間のGIの比較 n 平均値 標準偏差 中央値 最小値 最大値 eラーニング マッチング 9 3.39 0.66 3.58 2.27 4.20 eラーニング 丸暗記 9 2.95 0.58 3.16 1.65 3.50 紙媒体 マッチング 9 3.11 0.84 3.25 1.63 4.15 紙媒体 丸暗記 8 3.07 0.40 3.02 2.58 3.90
  37. 37. 37
  38. 38. 分析 • しかし,分散分析の結果… –学習環境の主効果なし,F(1, 31) = 0.128, p = .723 ηp 2 = .004 –学習方法の主効果なし,F(1, 31) = 1.192, p = .283, ηp 2 = .037 –交互作用なし,F(1, 31) = 0.868, p = .359, ηp 2 = .027 38
  39. 39. 分析 • 記述統計 39 n 平均値 標準偏差 中央値 最小値 最大値 範囲 歪度 尖度 標準誤差 TOEFL 35 488 45 485 390 645 255 0.88 3.24 7.54 動詞全体TOKEN 35 16.31 6.01 16.00 6.00 30.00 24.00 0.18 -0.32 1.02 動詞全体TYPE 35 12.77 4.53 13.00 4.00 21.00 17.00 0.09 -0.78 0.76 動詞GI 35 3.13 0.64 3.21 1.63 4.20 2.57 -0.44 -0.24 0.11 対象語TOKEN 35 2.03 1.15 2.00 0.00 5.00 5.00 0.74 -0.19 0.19 対象語TOKEN/ 動詞全体TOKEN 35 0.13 0.07 0.11 0.00 0.33 0.33 0.70 -0.22 0.01
  40. 40. 40
  41. 41. 41
  42. 42. 総括 • 有意差を得るには至らなかった… –対象語に焦点を当てた場合グループ間でほ とんど差なし –標本サイズの小ささ • 今後,更に大規模な調査を… 42
  43. 43. 統括 • 有意差を得るには 至らなかったものの… – eラーニング・マッチング条件下におけ る使用語彙の多様性は高い (ただしすべての語を見た場合) • 動詞全体に対する意識が高まった? 43
  44. 44. 44
  45. 45. 総括 • 学習環境と学習方法の 交互作用の可能性 –同じeラーニング環境であっても,学習方 法によって効果が変動する可能性がある – eラーニングと相性のよい学習方法を探 索することの必要性 (Device-Strategy Interaction) 45
  46. 46. 46
  47. 47. 総括 • 本研究の問題点 – 受容語彙から産出語彙に変化するには時 間がかかる? • 今後長期的なトリートメントのデザインを… –学習時間の短さ • 学習時間を長くした場合の効果の検証を… 47
  48. 48. 総括 • 本研究の問題点 – 事前事後デザインをとらなかった理由 • 授業進行との兼ね合いで不可能だった – 例文の統制の甘さ • BNCの難易度・文脈を考慮に入れていなかった – マッチング問題の正答率の低さにつながった – プログラムの制約 • 複数正解が設定できない仕様 – クローズテストなら可能 48
  49. 49. 総括 • 今後の課題 –個人が持つ学習方略との交互作用 –実際にエッセイで使用された語彙について の質的な分析 –WritingMaetriXを用いた,ターゲット語彙 における推敲回数などの分析 –人数を増やして調査 49
  50. 50. 引用文献 • 相澤一美・石川慎一郎・村田年 (2005)『JACET8000英単語』東京:桐原書店. • Hulstijn, J. H. (2001). Intentional and incidental second language vocabulary learning. In P. Robinson (Ed.), Cognition and Second Language Instruction (pp. 258– 286). Cambridge: Cambridge University Press. • Gu, P. Y. (2003). Vocabulary Learning in a Second Language: Person, Task, Context and Strategies. TESL-EJ, 7(2), 1–25. • 草薙邦広・阿部大輔・福田純也・川口勇作 (2013) 「キー入力記録システム を援用したライティングプロセスの可視化:自律学習を促すフィードバッ ク環境構築に向けて」第81回外国語教育メディア学会中部支部春季研究大 会. 東海学園大学. • Lee, C., Cheung, W. K. W., Wong, K. C. K., & Lee, F. S. L. (2013). Immediate web- based essay critiquing system feedback and teacher follow-up feedback on young second language learners’ writings: an experimental study in a Hong Kong secondary school. Computer Assisted Language Learning, 26(1), 39–60. 50
  51. 51. 引用文献 • Nation, P. (2001). Learning vocabulary in another language. Cambridge University Press. • Ma, Q., & Kelly, P. (2006). Computer assisted vocabulary learning: Design and evaluation. Computer Assisted Language Learning, 19(1), 15-45. • Meara, P. (2005). Lexical Frequency Profiles: A Monte Carlo Analysis. Applied Linguistics, 26(1), 32-47. • 水本篤 (2008)「自由英作文における語彙の統計指標と評定者の総合的評価 の関係」『統計数理研究所共同研究リポート 』 215, 15–28. • Schoonen, R., van Gelderen, A., Glopper, K. de, Hulstijn, J., Simis, A., Snellings, P., & Stevenson, M. (2003). First Language and Second Language Writing: The Role of Linguistic Knowledge, Speed of Processing, and Metacognitive Knowledge. Language Learning, 53(1), 165–202. 51
  52. 52. 名古屋大学大学院 川口 勇作 y.kawaguchi@nagoya-u.jp 52

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