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ようこそ先輩 - 2014年8月2日
- 3. 経歴
• 1981年11月11日生まれ(32歳)
• 中央大学大学院文学研究科東洋史学専攻博士前期課程修了
– 専攻:モンゴル帝国・大元ウルスにおける中国的な皇室の祖先祭祀
• モンゴル帝国の被征服者に対する文化的寛容さに惹かれたため
• ただ、村社会的な研究室内の人間関係にはうまくなじめず
• 1社目:化学薬品用ポンプの営業→営業事務
– 紹介予定派遣。でも営業なんて合う仕事じゃなかった
• 2社目:中小ソフトウェアハウスでの開発・インフラ管理
– 紹介予定派遣→正社員。もっと技術を学べればよかったかも
• この後2年以上無職生活
– この間4社目の会社の入社試験を1回受けたことがある→不採用
• 3社目:飲食店情報サイト運営会社のWebテスター
– アルバイト。臨機応変に、というところが苦手だった
• 4社目:大手SIer特例子会社
– ハードウェア解析からWebページ作成、PCセットアップなど
– よく続いたと思う
• 5社目:アパレル・ライフスタイル系社内SE(現職)
3
- 5. 障がいとその特性
• 広汎性発達障がい
– 言語面に障がいはない
• 特性
– 自分のペースで物事を進めたがる
• 周りの人を見ない・考えないことがよくある
– 今後改善していきたい
– 興味本位
• 興味のある分野についてはものすごく集中する ⇒ オタク気質
• 関連を探して別のものに興味がずれることもある
– こだわりが強い
• この通りでなければ、と思うこともある
– 思い込みが激しい
• 「覚えたつもり」でミスを犯してしまうことも
• よかれと思ったことを相談せずに先走ってしまうことも
– 高所が苦手だった(現在は克服)
– トマトが食べられなかった(現在は克服)
5
- 8. 働く上で大事なことは?
• 会社は自分の「何か」を買っていただく「お客様」
• 自分は「商品」
• 常に「商品」の品質を最善にしておくこと!
– 体調管理も仕事のうち。
– モチベーションを保ち、パフォーマンスを上げられるように努力する
• 報告、連絡、相談、質問はしっかりと!
• 余計なことはやらずに、手順を守る!
– ただし、より良い手順があると思ったら導入できないか相談する
• 勝手に行わないこと。行うと信頼を損なう!
– 一利を興すは一害を除くに若かず,一利を生やすは一事を減らすに若かず
• 新しいことを始めるより、無駄になっていたり害になっていることを
やめるほうが効果がある、という意味。
8
- 18. 視野・人脈・知識の広げ方
• 発達障がい者は視野狭窄に陥りやすい
– 視野を広げることが重要
• そのためには人脈・知識も広げよう
• 共有点の少ない人と交友関係を持つ
– ネットで情報交換するだけじゃダメ!
– 会う、それが大事!
• 人間は見た目から得ることが多い生き物
• ただし怪しい人もいるので気を付けて!
– ボランティアに参加するのも一つの手
• 本を読む
– 小説じゃなくてもOK
– 図書館を賢く利用する
– 一つの物事に関して異なる意見の本を読み比べてみる
• 『論語』「学びて時にこれを習う、亦説ばしからずや」
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- 21. 相談できる人を作っておく
• 相談できる人がいると便利
– 雑談できる人は信頼できる人!!
• 職場、支援機関、かいえんぴあ、趣味の仲間etc.
• できる限り直接会って話すこと
• TPOはわきまえ、デリケートな話題は避けること
– 政治、宗教、野球、サッカー、性etc.
– 決まって荒れる原因となる
– 話題を振られたら当たり障りのないことを言っておきましょう
• 一方的に話しすぎないこと
– 相手の話を聞かない癖がある
• 信頼関係が大事
• 守秘義務は守らなければいけません
– 仕事のことはしゃべらないように
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- 22. 社会資源の活用法
• 障害者職業センター
– ジョブコーチ
• 前職で非常によく活用
• 定着支援の期間に毎週来てもらっていた
– カウンセラー
• 会社との仲立ちに立ってくれていた
• 会社の習慣を教えてくれるのに一役買ってくれていた
• 地域の就労支援施設
– 正直あまり役に立たない
– 東京都小平市の場合、スタートが知的障がい者中心
• ハローワーク
– IT系に関する知識は心もとない
• 医師、病院のカウンセラー
– 私の通っている病院では連携している
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- 23. 体調管理・ストレスマネージメント
• 体調管理
– できる限り夜は早く寝ること
• 私の場合遅くとも24時には就寝
• 朝は5時30分~6時に起床
– ダイエットはなるべくしておくこと
– スポーツはしておくとよい
– 土日のうち少なくとも片方はなるべく休む
• できれば両方休むことが望ましい
• 両方とも休めないときは疲れないように工夫をする
• ストレスマネージメント
– ドカ食い、浪費、夜更かしは危険信号
– そんな時は早めに医師・カウンセラーに相談
– 自分なりのストレス解消方法を探しておくことが重要
– 発達障害者は双極性障害っぽい症状が出ることもある
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- 28. 診断されるまで
• ただの変わり者
– 公立進学校から普通の大学へ
– ファンタジー的な考え方、一人遊びをしていることも多かった
• トマト王国:食べられないのに名前を付けてどうする
– なお、トマト族という部族はモンゴル・シベリアに実在した
• 大学生(学部)の時に地震・原発震災恐怖症になる
– 浜岡原発が東海地震で吹き飛んだらどうなるかと心配していた
– 地震恐怖症の影響でそのまま高所恐怖症になってしまった
• 人とは違って目立っていた
• 大学院時代に自傷的に頭を半分剃ってしまった経験あり
• 人間関係は問題があったと思う
– 認識のずれから来るトラブルに巻き込まれやすい
• 「ストーカーになる」と言われてショックを受けたのが診断のきっか
けに
– ビジネス上でのコミュニケーションは「ずれ」こそあれできる
– プライベートでのトラブルを引きずることが多い 28
- 31. 運命の転機
• 中央ユーラシア史との出会い
– 従来のモンゴル観を一変するインパクト
– 多民族・グローバル社会における「寛容さ」を考える機会になった
• クビライ・カァンの遺詔:信頼が大事!
– 「我が息子たちよ、帝国を治めるためには、人々を力づくで従わ
せようとしてはならない。何よりも大切なこと、それは人々の心
をつかむことである」
• 広汎性発達障がいとの診断
– 肯定的に受け入れられた
– 自分が変わっていたのは障がいのせいだったのかと思った
• Kaienとの出会い
– 自分の至らないところとかをいろいろ自覚
– 「発達障がい」を共有する仲間を得られた
– 修了生として、発達障がいの雇用のモデルケースの一つとなった
• 東日本大震災
– 非常に大きな転機
– 精神的にいろいろ考えなおす機会を得た
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- 34. 地震恐怖症から診断まで
• 中央大学の学生相談室を利用する
– 精神科医が常駐
• ここで神経症との診断を受ける
• 発達障がいとの診断は受けず
• 大学院修了に伴い転院
– ここでやっと発達障がいとの診断を受ける(1社目勤務中)
• 人間関係のトラブルを起こしてショックで寝込んでしまった
– その時に1日何も口にできないほど
– 効果的な療育は何一つ受けられず次の会社にクローズで就職
• 障害者手帳取得:2009年1月
– 無職生活突入直後
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- 36. 東日本大震災当日
• 当日は訓練日→途中で抜けて面接に
• 路上で被災
• 連絡が取れずそのまま面接先企業に
– 高層ビル:エレベーターが停止中
– 階段で19階まで上がる
– とにかく約束は守らなければ、という意識が強かった
• そのまま面接前の会社説明会を受ける
• 終了後、麻布十番オフィスに戻る
– 何度か1階と8階を往復
• その日は結局麻布十番オフィスに泊まることに
– 一晩中余震におびえつつ眠ることに
• 気が付けば地震なんて来るときは来る、と思うように
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- 37. 東日本大震災以後変わったこと
• 天災に対する考え方が変わった
– 地震が起こったらどうしよう → 起こるときは起こる
– 備えあれば憂いなし、という気持ちに
• 高所恐怖症を克服した
– 余震の中、19階まで上ったことが自信につながった
– 高層ビル27階にて仕事していたこともあった
• 物事に関する受け止め方が変わった
– 起こったことは仕方がない、それからどうするか
– 悔い改める、それが大事。
• なぜかトマトが食べられるようになった
– 地震の影響で「魔法少女まどか☆マギカ」の最終3話が延期に
– 延期された回が放送された際、CMで「謎の白い液体」が話題に
– 「謎の白い液体」からテキーラに興味を(途中良くないこともあったが)
– サングリータ(トマトジュースを使ったテキーラのチェイサー)が飲めた
– もしかしたらトマトって食べられるんじゃないかと思った
– 食わず嫌いだったことが分かった
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- 43. 学生の皆さんに
• 常に前向きに
• 「等しく尊い存在」であることを忘れないで
• 人生は嫌なことばっかりじゃない
• 大変な出来事でも前向きに生きていれば変われる
• 希望を捨てないで
• 決して、一人じゃないことを忘れないで
• 多くの人と交流を持とう(特に共通の接点を持たない人
と)
• ただし、よくないといわれたところは直そう
• 何よりも、信頼関係構築が大事
• そのためには要望に応える
• まずはじめに、指示は守ろう
• 自分の中に眠る「よいこと」を見失わないで
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- 44. 最後にこれだけは言わせて
● …「これこそ人間の感情の極み、希望より熱く、絶望より深いもの
…愛よ」
– 劇場版魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語より
● 「愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。愛は自
慢せず、高慢になりません。礼儀に反することをせず、自分の利益
を求めず、怒らず、人のした悪を思わず、不正を喜ばずに真理を喜
びます。すべてをがまんし、すべてを信じ、すべてを期待し、すべ
てを耐え忍びます。愛は決して絶えることがありません」
– 新約聖書 コリント人への手紙I 13:4〜8
● 「愛」を持って生きる、それが大事。
– 「敵」を造らないのはしないほうがいいけど、現実には無理。
– 敵を作るなら、「味方」を作れ。そのほうが未来に役立つ。
● 「なるべく多くの人にやさしく」を目指したい!