「進展する援助協調の現状と日本のOda」配布資料
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第8回IDDP勉強会2006年6月17日 JICA森原氏

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「進展する援助協調の現状と日本のOda」配布資料 Document Transcript

  • 1. 2006.6.17 IDDP 第 8 回勉強会用資料 森原 克樹 進展する援助協調の現状と日本の 進展する援助協調の現状と日本の ODA する援助協調 I. 「援助協調」の背景にあるもの 1.「援助協調」とは何か 限られた援助資金を効率的に活用し、援助効果(aid effectiveness)を向上させ 援助効果( effectiveness) 向上させ ることを ることを目的とした、ドナー間の密接な連携に基づく援助アプローチ・活動の 総称。 「連携」の基礎:被援助国政府の開発計画(PRSP、セクター・プログラム等) 「連携」の基本的あり方:①開発計画策定、②計画実施のための予算策定、③ ドナーとしての援助資金投入、④開発計画の実施状況モニタリング・評価、⑤ 一連のプロセス(=「PRS のプロセス(=「 開発計画・予算へのフィードバック、という一連のプロセス(=「PRS プロセ ス」 を共同作業として実施。 ) 「援助の重複を避けるための情報交換の場」から「開発プロセスそのも 開発プロセスそのも のの一部 一部」 のの一部」へと変遷 財政支援(Budget Support) :③の資金投入方法を一元化し、最も効率的に上記 プロセス支援 支援を うための援助 援助ツール のプロセス支援を行うための援助ツール。 2.「援助協調」の背景にあるもの1 「援助協調」の台頭は偶然か、必然か?(一部ドナーの思惑?一過性の流行?) NPM (New Public Management)とは? - 行政部門の効率化・活性化のため、民間企業における経営理念・手法を行 行政部門の効率化・ 政現場に導入しようとする行政管理手法。 - 特徴:・「枠組み」の提示(⇔「活動」の提供) ・「成果・結果」による統制(⇔「事前規定」による統制) →顧客重視、効率性・生産性・有効性に関する評価、権限委 譲、結果責任の追及等 ・改革イニシアティブを引き出すための環境整備(⇔管理・統制方 法の改善) →自律的活動単位の設定、市場メカニズムの活用、適切な評 価・フィードバックシステムの設計等 - マネジメント・サイクルの導入(全体戦略、個別の業績目標、中期予算配 分、各期予算配分、実施、業績測定・評価、予算配分・業績目標へのフ ィードバック) 1本項の内容(NPM と援助協調の関連)は、元・在タンザニア共和国日本国大使館専門調査員・遠藤衛氏(神戸大学大 学院国際協力研究科博士課程後期所属)の著作(遠藤衛、 「専門調査員報告書『サブサハラ・アフリカにおける援助動向 に関する調査・研究』、2004 年、http://www.grips.ac.jp/forum/pdf05/EndoReportDec2004.pdf)に基づくもの。NPM 」 そのものの説明については、玉村雅敏「第 5 章 NPM とは何か」 (山内弘隆、上山信一編『パブリック・セクターの経 済・経営学』、NTT 出版、2003 年)に基づく。
  • 2. 2006.6.17 IDDP 第 8 回勉強会用資料 森原 克樹 援助協調台頭の要因 【先進国側】 ① 経済・財政危機(70 年代、80 年代)による財政赤字・政府債務の増加 +少子高齢化に伴う社会保障費の増大 NPM 理論に基づく行財政改革の実施、定着 ② 東西冷戦の終結:「陣取り合戦」のための援助の必要性低下 =「外交援助」から「開発援助」へ (貧困削減、MDGs への貢献度重視) 援助行政への NPM 的行政手法の適用 (世界共通の開発目標に対する「成果」を効果的・効率的に 挙げる必要性) 【途上国側】 ① 70 年代、80 年代を通じて膨らんだ累積債務、国家財政の破綻 世銀・IMF の構造調整プログラムによる NPM 的行政手法の受入 ② 東西冷戦の終結:「東側」からの援助消滅 新古典派経済理論(市場開放、小さな政府)に基づく成長路線受入 NPM 型援助の目的 →NPM 的なマネジメント・サイクルを被援助国の行政運営システムに定着させ、 被援助国がオーナーシップを持って自国の開発を持続的に行っていける状況 を作り出すこと *cf:過去の対アフリカ援助 ・過去 40 年、アフリカはアジアよりも多くの開発援助を受け取って きたが、貧困削減が実現できていない。 ・失敗の理由:局地的な支援しか行われておらず、 「点」の援助効果を 「面」に広げることができなかったため(包括的な開発計画の不在、 予算とのリンク欠如、ドナーごとに異なる手続き・方針から生じる 被援助国側の過重な事務負担等) 求められる援助 プロセスの推進 促進する 推進を する援助 →PRS プロセスの推進を促進する援助 ・柔軟性:使途の限定度合い(被援助国の発意に基づく予算編成) ・統一性:被援助国のシステムを活用(パラレルな資金フローを作らない) ・予測性:中期にわたる援助額見通しの提示(MTEF:中期予算枠組) (・透明性:自国民に対し、NPM 的視点から援助効果を説明できる援助) 財政支援の比較優位
  • 3. 2006.6.17 IDDP 第 8 回勉強会用資料 森原 克樹 II. ウガンダにおける援助協調の歩みと現状 1.ウガンダにおける構造調整・PRS プロセス 1986 年に現ムセベニ大統領が政権に就いて以来、積極的に世銀・IMF の進める構 造調整政策を受け入れ、順調な経済改革・マクロ経済運営を実現。 PRS プロセスの「優等生」=4 つの「世界初」 ① HIPCs イニシアティブ適用(1998 年) ② Full-PRSP 認定(2000 年) ③ 拡大 HIPCs イニシアティブ適用(2000 年) ④ 世銀・PRSC(Poverty Reduction Support Credit)供与(2001 年) ウガンダの PRSP:Poverty Eradication Action Plan(PEAP) ・1997 年完成 ・その後 3 年ごとの改訂を経て、現在第 3 次 PEAP 実施中 【重点分野】①経済管理、②生産、競争力、所得の向上、③治安、紛争解決、 災害管理、④グッド・ガバナンス、⑤人間開発 貧困指標の改善 ・絶対的貧困率:56%(1992)→34%(2000) ・HIV 罹患率、初等教育就学率等 PRSP に基づく SWAPs の定着:多数のセクター・プログラム(教育、保健、水、 道路、農業、司法・秩序、地方政府支援、土地、社会開発、議会支援等) モニタリング・評価枠組み ・国家開発計画レベル:PEAP マトリックスに基づく年次レビュー ・公共支出全体:公共支出レビュー(PER)サイクル ・セクターレベル:セクター・レビュー会合(年 1~2 回)+日常的ドナー会合 財政支援の主流化(年間援助総額の 5 割以上) 、財政支援が最も好ましい援助形態 であるとのドナー・政府間の合意 2.日本の対応 小規模な財政支援の試行的実施(H13 年度、H14 年度) 各種 MoU(Memorandum of Understanding)への署名 ドナー会合・レビュープロセスへの参加、情報収集・発信 実施体制の強化(JICA 駐在員事務所設立、周辺要員増員) 3.最近の動き 財政支援を介した「内政干渉」の強化:民主化(大統領 3 選)を巡る動向 →ムセベニ大統領のしたたかさ ドナー共同支援戦略(UJAS: Uganda Joint Assistance Strategy)の策定
  • 4. 2006.6.17 IDDP 第 8 回勉強会用資料 森原 克樹 質の低いプロジェクト型支援の「締め出し」 →MTEF シーリングへのプロジェクト型支援の取り込み(=on budget 化) ・概要:プロジェクト型支援を受け入れる場合、当該セクター予算からプロ ジェクト本体資金と同額の政府予算を削減し、セクターシーリング を維持するシステムの立ち上げ ・示唆:PRS との整合性が低いドナー、高コスト体質のドナー、予測性の低 いドナーへの支援は自動的に消滅 III. 今後の見通しと日本の ODA の課題 1.今後の見通し PRS プロセスに基づく「援助協調」は、偶然ではなく歴史的経緯の中で必然的に 進展。 「援助資金の効率的活用」は正論であり、表立っての反論は困難。 新しい潮流に沿った援助を要望する被援助国は増加傾向。 ・特にアフリカに限っては、この傾向は容易に覆らないものと認識すべき。 2.PRS プロセスへの積極的参画によるメリット 日本の ODA の援助効果向上( 「点」から「面」へ) 日本の潜在的比較優位である「地に足の付いた」視点・経験の提供を通じたプレ ゼンスの向上 3.日本の課題 PRS プロセスへの積極的参画方針は表明済み(2005 年「パリ援助効果向上ハイレ ベル・フォーラム」における「行動計画」) 克服すべき課題 ① 援助行政における NPM 的行政手法の導入・理解促進 ・被援助国の政策実施サイクルに合わせた事業サイクルの確立(国別援助計画、 案件採択サイクル、評価システム等) ・権限委譲(政府→実施機関、本省・本部→現地公館・事務所) ・予算編成の改善(援助スキーム別予算管理から国別予算管理へ) ・予測性の向上 ② 財政支援等プログラム・アプローチ促進のための援助ツールの整備・活用 ③ 現地実施体制の強化(量・質ともに) →特に、外部人材の積極活用(例:経済協力調整員) 以上