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大阪大学大学院情報科学研究科           文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」




           ソフトウェアイノベーションプロジェクトにおける

         PBL及びPBL教育のための
        クラウドコンピューティング活用
                  ~PBL as a Serviceを目指して~

                          大阪大学大学院情報科学研究科
                        文部科学省「ソフトウェアイノベーション
                 先導のための研究教育プログラムの開発」プロジェクト
                                     特任准教授
                                                   井垣 宏
                                                 Twitter @hirocell
                                                                1
大阪大学大学院情報科学研究科              文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」


  ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発

 信頼できるIT基盤構築          ソフトウェアデザイン技術を核と 大阪大学の
 • 安心・安全                              教育理念
 • 利用者に適応         社   した高度なIT技術を開拓しソー      教養
                  会   シャルイノベーションを引起すた
                  の                       デザイン力
                  ニ   めの研究教育プログラムの推進
 ITによる問題解決と価      ー
 値の創造             ズ      • 産学連携に基づく実践的技術開発                 国際性
 • ITを核とした新しい価値             産学連携領域
   創造                    • 分野融合連携によるブレークスルー
 • 深い専門知識                   分野融合領域
 • ITの長短所を理解して世
   界と戦える
                                          大阪大学の
                                          特色・強み
 情報科学の研究・教育基盤              産学連携、大学間連携による実践          IT, 数学、経済の
 • 情報科学研究科を中心とした研究・        的なICT教育                  知識を背景とした
   教育                      • H20-組込みシステム産業振興機構      ファイナンスの教育
 • ソフトウェア工学研究世界30位           関経連所属企業,大学,研究機関連携      研究
 • 高度副プログラム(ITスパイラル、高度       実践的な社会人教育 「組込み適塾」      •金融・保険教育研究
   情報ネットワーク実践スペシャリスト)      • H18-21 9大学,4企業の連携による   センター
 • PRIUS(融合科学を国際的視野で先導       先導的ITスペシャリスト育成推進プログラ
   する人材育成 )                  ム「ITスパイラル」
 • GCOE(アンビエント情報社会基盤創成
   拠点)
                                                                 2
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      イノベーションプロジェクトの教育目標
    領域              提供コース・授業                育成される人材像
                                           高度な実践的・総合力を持
                  大規模適応設計コース               つソフトウェア設計技術者
                                           (修士20人/年)
                 クラウドコンピューティング,プロ
産学連携領域           ジェクトマネジメント,組込みソ            クラウドや組込み開発の実
                 フトウェア開発についての実践             践力を持つソフトウェア技術
                 的な講義・演習プログラム               者(修士・社会人42人/年)



                   IT社会基盤基礎論                ITの強みや弱みを分かり利
                 IT社会基盤、リスクマネジメント、開発        活用できる企業人(学士70
                 工程、障害回復技術、セキュリティ           人/年)
分野融合領域
                   ファイナンスソフトウェア
                                            高いIT知識と実践力を備え
                            コース             た金融工学の専門家(修士
                    ファイナンス計算アルゴリズム、
                                            15人/年)
                   金融リスク管理、金融データ解析


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        大規模適応設計コース(クラウド)
   コース修了時の学生に期待すること
   • クラウドについての基礎知識を保有し,クラウ
     ドシステムのメリット/デメリットを判断できる
   • クラウドシステムをそのメリット/デメリットにもと
     づいて利用可否の判断を下せる
   • クラウドを前提としたソフトウェア開発プロセス
     を理解し,実施できる

   • ツールとしてのクラウドを理解し,利活用する
     ための素養を身につける
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                                       クラウドの定義(NIST)
       •     Cloud computing is a model for enabling ubiquitous, convenient, on-
             demand network access to a shared pool of configurable computing
             resources (e.g., networks, servers, storage, applications, and services)
             that can be rapidly provisioned and released with minimal management
             effort or service provider interaction.
       •     5つの主要な特徴
              – On-demand self-service, Broad network access, Resource pooling,
                 Rapid Elasticity, Measured Service
       •     3つのサービスモデル
              – SaaS, PaaS, IaaS
       •     4種類のデプロイメントモデル
              – プライベートクラウド,コミュニティクラウド,パブリッククラウド,ハイブリ
                 ッドクラウド,(バーチャルプライベートクラウド)




*National Institute of Standards and Technology:A NIST Definition of Cloud                                         5
Computing,http://csrc.nist.gov/publications/nistpubs/800-145/SP800-145.pdf (2011). Special Publications 800-145.
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             ・・・のためのクラウド活用
   • PBLのためのクラウド活用
      – Projectの題材や開発対象のインフラとして学生が
        クラウドを活用する


   • PBL教育のためのクラウド活用
      – 指導・評価といったPBL運用において教員がクラ
        ウドを活用する


    クラウドを活用したPBLの課題解決を目指す

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                          Project-based Learning*
   • 有期性がある
   • 価値の創造に繋がる開発体験を伴う
   • 教員による統制された管理・支援を伴う

                                             コンテンツ主体
                                      何を開発するか教   開発対象は学生が
                                      員が決め,プロジェ 決めるが,プロジェ
                                      クトマネジメントも教 クトマネジメントは教
    プロセス(プロジェク                        員が行う       員が行う
    トマネジメント)主体                        何を開発するか教   開発対象もプロジェ
                                      員が決め,プロジェ クトマネジメントも学
                                      クトマネジメントは学 生がコントロールす
                                      生が行う       る
Hadj Batita, “A model for an innovative project-based learning management system for engineering education,”
CALIE'2001 - Computer Aided Learning in Engineering Education, 2001                                          7
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  産学連携プロジェクト型演習教育講座としての位置づけ*
• 教育枠組み                             • 産学役割
    – 教育目標                             – 大学側
       • 作業遂行                              • 講義
       • 計画的プロセス改善                         • 演習
    – 自律的時限性                           – 連携企業側
      チーム演習                                • 演習補助
    – 成績評価                          • 問題設定
       • 中間・最終成果レポート                   – テーマ
       • プロジェクト定量評価
                                           • ケーススタディ
                                       – 期間
                                           • 1.5ヶ月
*鷲崎 弘宣, “情報処理推進機構(IPA)におけるPBLに関する取り組みの成果と早稲田大学の実践研究事例,”       8
第2回PBLシンポジウム, 2013
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           PBLにおける課題(学生視点)
   • 成果物の品質
      – デモのときに動けばOK
   • 時間管理
      – (モチベーションの高い)学生はサービス残業大好き
      – デスマーチ
   • 開発プロセス
      – 学生が実装以外の工程にコストをかけたがらない
         • 結果的にうまくいけば過程はどうでも良い
      – タスク割り当てが偏る
         • ->得られる経験が偏る
         • ->特定の学生に負荷が集中する                            9
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        PBL教育における課題(教員視点)
   • PBL開発環境
      – 開発環境の統一が困難
      – セットアップや保守対応といった運用が困難
   • プロジェクトの評価やフィードバック
      – プロジェクトの進捗管理・監視が困難
      – プロダクト・プロセスの評価が困難
         • 定性評価が中心
   • PBL教育体制
      – (モチベーションの高い一部の)教員がサービス残業
         • 特定の教員に負荷が集中
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                 PBL as a Service
• PBL提供のための枠組み構築を目指す
   – クラウドを活用することで,PBL教育における課題の
     解決を目指す


• クラウドの特徴
   – Resource pooling
   – On-demand self-service
   – Broad network access
   – Rapid Elasticity
   – Measured Service
                                                           11
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                 PBLにおけるResource
  ProjectのResource

                                                  監視

               利用
                             利用                   評価
                                                  フィードバック

                                                  環境構築
   学生
                                                          教員
      ドキュメント     ソフトウェア開発環境        開発支援環境
      (仕様書,      (eclipse, jdk等)   (Subversion,
      帳票等)                         Trac等)
                                                         PBLの
                                                       Resource
  必要なResourceをPool(貯蔵)しておき,Network
  越しにAccessする環境を構築する                                              12
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     DaaS*(Desktop as a Service:デスクトップ仮想化)
  • クラウド上に仮想化されたデスクトップ環境を配置し,
    インターネットを介してユーザに提供するための枠組み
        – 同一環境を容易に複数構築可能
                                                                           仮想デスクトップ
        – Internetを介して常に                                                   イメージ
                         複製
          同じ環境を利用可能
                                                               複製
                                                                           複製
                                RDP
                                                                            仮想デスクトップ
                                                                            インスタンス
         学生                        RDP


                                                        RDP

*Dwayne Lessner, Kanuj Behl, Phil Ditzel, Jason Langone, Steve Kaplan,                 13
“Desktops as a Service: Building the Model,” Red Fox Partners, LLC, 2012
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             クラウド化によるPBL開発環境改善
                                                                   DaaS BADER†
 ドキュメントの電子化
                                                                   • 開発環境の統一
                                                                   • 運用の簡易化




                                                                     監視



                                                                    環境構築

  学生                                                                       教員
                         ソフトウェア開発環境                 開発支援環境
                         (eclipse, jdk等)            (Subversion,
                                                    Trac等)                      14
†DaaS Based Advanced Development EnviRonment for SDPBL
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             DaaS BADER利用の流れ
• Step1: VMイメージの作成                                作成
                                                          教員
                                   VMイメージ
• Step2: VMイメージをDaaS
  BADERに登録                                       登録
• Step3: 教員もしくは学生
  自身が必要に応じてVMを
  起動し,利用する
   – On-demand Self-service
   – Resource Pooling                 起動       起動
                          起動依頼
   – Broad Network
     Access
                   学生
                                                            15
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                 DaaS BADERのメリット
• 全学生の環境が同一                                        作成
                                                           教員
                                    VMイメージ
   – >環境の差異によるトラブ
     ル削減
                                                  登録
• 全環境にInternetからアク
  セスできる
   – >保守が容易


                                       起動       起動
                           起動依頼




                    学生                                       16
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       クラウドを利用したプロジェクトモニタリング
      • クラウド化されたPBL開発環境を利用し,プロ
        ジェクト状況のモニタリング機構(Droid)を構築
            – PBLにおける学生のあらゆる振る舞いを計測
                                                     RITE SAVRE†(モニタリングサーバ)

                                Droid                                                      教員
                                                                                     監視


                                        ファイル操作
                                        アプリ操作
                                                                            Droid
    学生
           ソフトウェア開発環境                                                      アクセスログ
           (eclipse, jdk等)               開発支援環境
                                         (Subversion,
                                         Trac等)
                                                                                                17
† Software development ActiVity Retrospection Environment for Reality-based IT Education
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      モニタリング環境: Droid + RITE SAVRE
                                                   時間      ブラウザ

タスク        着手                              終了                    IDE
           13:02                           14:15   http://....
                                                   タスク #1
版管理           アップデート                  コミット
システム操作        13:03                   13:50

                 作成 編集             編集
ファイル操作
                 13:05 13:15       13:45
                                                   タスクの履歴
アプリケーション                                      ブラ
操作                        IDE
                                              ウザ
            13:02                          13:52   14:15

• 誰がいつからいつまで何を行ったかを
  詳細に記録し,可視化する
  – > Measured Service(PBL)
• プロジェクトの進捗管理・監視の容易化                                                   18
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             PBL定量評価のための制約
 • 一般的なプロジェクトでは,以下の3つの制約条件を満たし,かつ
   プロジェクト目標を達成すること=プロジェクトの成功
    – Quality(品質)
       • 成果物の高い品質を確保すること
    – Cost(コスト)
       • すべてのタスクを決められたコストの範囲内で行うこと
    – Delivery(納期)
       • 決められた期間内で行うこと
 • 我々のPBLでは
    – Quality(品質):必要なタスクを十分に実施する
       • レビュー・テストなど
    – Delivery(納期):仕様を満たしたプロダクトを期間内に計画的に実装する
    – Assignment(割り当て):タスクが適切に分担されている
       • 各自が分担するタスクの量や種類がメンバー間で均等であること
           – >全員が同じ能力で同じタスクができることではない
                                                            19
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                          PBL as a Serviceの試行
     • 対象と環境
           – 7大学の修士学生35名(6グループ)
           – DaaS BADER(35の仮想デスクトップと6の仮想サーバが利
             用された),Droid, RITE SAVRE(モニタリングサーバ)を
             edubase Cloud*上で実際に運用
     • PBL内容
           – ウェブアプリケーション開発(Java EE & Struts)
                 • 詳細設計書を学生に配布
           –   チケット駆動開発にもとづく開発プロセス
           –   評価基準として3つの制約(QCA)を事前に開示
           –   10ユースケース、約8KLOCの開発
           –   1.5ヶ月の開発期間で実装~結合試験
                                                                                20
* edubase Cloud, http://edubase.jp/cloud/
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                           チケット駆動開発*
 • チケット
     – 開発者が行ったタスク内容が記録されるもの
 • チケット駆動開発
     – タスクの決定,割り当て,実行といった開発に必要なマネジメン
       トをチケットに対する操作と組み合わせて行う開発手法
                                                  成果物:class A
                                    作成            種類:実装
 PM役受講生A
                                                  着手時刻:13:00
                                                  着手時刻:
                                                  終了時刻:14:00
                                                  終了時刻:
                                                  見積時間:0.5H
                                                  見積時間:
                                割り当て              総時間:1.0H
                                                  総時間:
                                                  担当者:受講生X
                                                  担当者:
                                                  マイルストーン:UC01
   受講生X                             着手
                                     終了               チケット
                                                                             21
 * 小川 明彦, 阪井 誠, "チケット駆動開発," 翔泳社, 2012.
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           開発実践演習(2012年度)への適用

           10/19         10/26           11/9                11/30
   10:30
           説明            発表              発表
   12:00
   13:00

                   遠隔
           対面            対面      遠隔開発    対面       遠隔開発        成果
                   開発
           開発            開発       MS4    開発       MS6~8       報告
                   MS2
           MS1           MS3             MS5                   会


            振り            振り              振り
   17:50
            返り            返り              返り


              遠隔開発においてもグループごとに振返りを実施
                                                                      22
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        超えなければならなかったハードル
   • ネットワーク
      – 一箇所に集まって行う場合,無線LANでは帯域不
        足だった
      – ネットワーク負荷のモニタリング
      – 有線LAN環境構築
   • ライセンス
      – VM化する上でのOS・ソフトウェアライセンス処理
   • クラウドシステムに関する教員側スキル
      – VMイメージの作成,操作方法
      – VM操作APIを用いたアプリケーション開発
                                                     23
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                 プロジェクトの定量評価
   • QADそれぞれについて,定量的かつ客観的な
     評価が可能となった
      – クラウド化だけではダメ
      – 評価基準の明確化と開示が必要
      – 評価基準は相互にConflictするように決めること
        が望ましい
                              Assignment

             Quality

                       Delivery
                                                           24
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                         開発の推移
   • 版管理システムのログを収集・分析
                  UC03
         UC01 UC0204     UC05     UC0607 UC08   UC09   UC10
    8000

    7000

    6000

LOC 5000                                                       test
                                                               jsp
    4000                                                       xml
                                                               java
    3000

    2000
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                               開発の推移
   • 版管理システムのログを収集・分析
                     UC03
           UC01 UC02 04 UC05   UC0607   UC08 UC09   UC10
    8000

    7000

    6000

LOC 5000                                                        test
                                                                jsp
    4000                                                        xml
                                                                java
    3000

    2000
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           実施されたタスク数(Quality)
   • レビューやテストが必要な量実施されているか
      – タスク管理ツールの記録を収集・分析
        300
        250
   タスク数 200
        150
        100
         50
          0
                 Ga      Gb          Gc         Gd
    修正(テスト)      16      13          11         17
    修正(ソース)      43      38          48         34
    結果分析         37      39          37         53
    レビュー         79      69          62         73
    作成(テスト)      21      26          22         30
    作成(ソース)      47      52          56         43        27
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        コミット時のビルド成功率(Quality)
   • 自動ビルドツールのログを収集・分析
          100%
           90%
           80%
           70%
           60%
           50%
           40%
           30%
           20%
           10%
            0%
                 Ga       Gb          Gc         Gd
    ビルド失敗回数       16       10         42          10
    ビルド成功回数      210      185         198        185
                                                           28
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               Branch カバレッジ(Quality)
   • 最終版のカバレッジ計測結果を分析
               400
               350
               300
     Branch数   250
               200
               150
               100
                50
                 0
                     Ga         Gb         Gc         Gd
     未テスト条件#         250        260        244        250
     テスト済み条件#         74         76         84         74
                                                                29
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                タスクの偏り(Assignment)
   • タスク種別ごとの作業割り当ての分散を計算
      – 割り当てが均等なほど数値が小さくなる
           2

          1.5

           1

          0.5

           0
                   Ga       Gb          Gc          Gd
    作成(ソース)       0.89     1.69        1.01        1.8
    作成(テスト)       0.68     1.24        1.59        0.68
    レビュー          0.76     1.24        0.97        1.06
    結果分析          1.21     1.21        1.32        0.76
                                                             30
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                 納期遵守状況(Delivery)
   • ユースケース毎の結合テスト終了時刻と納期
     を比較

         UC01     UC02   UC03   UC05   UC06    UC08     遅れ
                          04            07     0910
    Ga     ×       ○      ×      ○       ×       ○      -3.8日
                                  UC01~UC05までの納期と
    Gb     ×       ○      ○      ○      ○     ○
                                  結合試験終了までの時間差(分)の-0.6日
                                  累計 (停電期間は除く)
    Gc     ×       ○      ×      ○       ×       ○     13.9日
    Gd     ×       ×      ×      ○       ×       ○       6.3日



                                                                31
大阪大学大学院情報科学研究科     文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」


                 その他評価項目
   • マイルストーン毎の振り返り内容
      – K(Keep: 良かったので今後も実施すること),
        P(Problem: 問題), T(Try: 問題を解決するために今
        後実施すべきこと)
         • 定量的な根拠にもとづいて振り返りが行えているか
         • 記述が具体的で再現可能であるか




   • 実際の振り返り事例紹介


                                                       32
大阪大学大学院情報科学研究科   文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」


             評価以外のフィードバック
   • 開発時間,行数,ビルド回数,SNS発言数,コ
     ピペ行数等をフィードバックし,どのような経験
     が得られたのかを学生に認識してもらった




                                                     33
大阪大学大学院情報科学研究科       文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」


                   のべ開発時間
   • 各VMでアプリケーションを起動し,何らかの作
     業を行なっていた時間を集計
     700
     600
     500
     400
     300
時間
     200
     100
      0
             Ga     Gb          Gc          Gd
     後半      410    307         410         326
     前半      241    288         241         245

                                                         34
大阪大学大学院情報科学研究科      文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」


                 グループ作業時間推移
   • グループ内全開発者の作業時間合計の推移
        – ○はマイルストーンごとの終了時刻
   60
   45
   30
   15
    0
   60
時間 45
   30
   15
    0
   60
   45
   30
   15
                                                        35
    0
大阪大学大学院情報科学研究科      文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」


                 開発時間ランキング
   • 1位 228時間
   • 2位 169時間
   • 3位 158時間
     240
                                    eclipse以外開発時間
                                    eclipse開発時間
     200
時間
     160

     120

     80

     40

                        36                              36
      0
大阪大学大学院情報科学研究科   文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」


            開発行数ランキング(総合)
   • 1位 1,537行
   • 2位 1,304行
   • 3位 1,250行
   1600


   1200
LOC
                                                test
                                                jsp
    800
                                                xml
                                                java
    400


                                                       37
      0
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                 コピペ行数ランキング
   2000

   1800

   1600

   1400

   1200
LOC
   1000

    800

    600

    400

    200

      0                                                 38
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                  コミュニケーション
   • SNS(yammer)におけるグループごとの会話数
     とLikeが押された回数
          1200

          1000

           800

           600

           400

           200

            0
                  Ga       Gb         Gc          Gd
    yammer会話数     398     1104        378         489
    yammerLike数   250      59          73         100       39
大阪大学大学院情報科学研究科    文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」


             yammer発言数ランキング
   • 1位 387回
   • 2位 372回
   • 3位 263回
  400
  350
  300
  250
  200
  150
  100
   50
    0

                      40
大阪大学大学院情報科学研究科    文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」


            yammer被Like数ランキング
   • 1位 112回
   • 2位 80回
   • 3位 62回
  120
  100
   80
   60
   40
   20
    0

                      41
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                 フィードバックシート
  • グループ/個人それぞれのフィードバックを行った




                                                        42
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                      学生の感想
ポジティブな意見
• 他の人と自分の開発の進め方(主に時間の使い方)が全然違うため,タスク割り振
  りにはなるべく余裕をもって,かつ,自分はなるべく早く作業を終わらせて周囲の迷
  惑にならないように開発していくことが大事だと感じました
• 能力が違う人と作業を進める大変さ、楽しさを知れてよかったかと思います
• 楽しく、面白くすすめることができました。関わって下さった全員に感謝します
• プログラミングのスキルが身に付くと思い参加しましたが、チケット駆動を用いた開
  発手法を主として学べたように思います
• こういったチームでの作業の同期をはかるための手法は、システム開発に関わらず
  どのような作業でも役に立つと思います。そういった意味でも、参加してよかったと
  思います
• 他大学の人と交流する少ない機会なので,大学毎の違いなどが聞けて面白かった

ネガティブな意見
• DaaSの環境が重かった
• Libre OfficeよりMS Officeのほうを使いたかった
                                                             43
大阪大学大学院情報科学研究科              文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」


                             まとめ
 • PBL教育におけるクラウド活用として,PBL as a
   Service環境構築を行った
    – DaaS BADER, RITE SAVRE, Droid
    – クラウドの特徴を活かしたPBL支援が可能となった
       •   On-demand Self-service
       •   Broad Network Access
       •   Resource Pooling
       •   Measured PBL
       •   (Rapid Elasticity)


 • プロジェクトの定量的な評価や学生への具体的な
   フィードバックが可能となった                                               44
大阪大学大学院情報科学研究科    文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」


                 今後の課題
   • PBL教育体制の改善
      – クラウド環境を利用して負荷を多くの教員に分散
        させる方法を考え中
      – 教員ResourceのPoolingが可能かどうか
   • データ分析結果を用いたPBLそのものの改善
      – 評価とフィードバックだけでなく,PBL改善のため
        の定量データにもとづく仮説検証
         • どのような学生がプロジェクトにおいて主導的な立場に
           なりえるのか
         • SNSにおける発言数と実装スキルに相関はあるか
         • グループ設定の際に考慮すべき学生メトリクスは何か
                                                      45
大阪大学大学院情報科学研究科            文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」




   • 何かあればお気軽に!
   • Twitter @hirocell
      – https://twitter.com/hirocell




                                                              46

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PBL as a Service

  • 1. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 ソフトウェアイノベーションプロジェクトにおける PBL及びPBL教育のための クラウドコンピューティング活用 ~PBL as a Serviceを目指して~ 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション 先導のための研究教育プログラムの開発」プロジェクト 特任准教授 井垣 宏 Twitter @hirocell 1
  • 2. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発 信頼できるIT基盤構築 ソフトウェアデザイン技術を核と 大阪大学の • 安心・安全 教育理念 • 利用者に適応 社 した高度なIT技術を開拓しソー 教養 会 シャルイノベーションを引起すた の デザイン力 ニ めの研究教育プログラムの推進 ITによる問題解決と価 ー 値の創造 ズ • 産学連携に基づく実践的技術開発 国際性 • ITを核とした新しい価値 産学連携領域 創造 • 分野融合連携によるブレークスルー • 深い専門知識 分野融合領域 • ITの長短所を理解して世 界と戦える 大阪大学の 特色・強み 情報科学の研究・教育基盤 産学連携、大学間連携による実践 IT, 数学、経済の • 情報科学研究科を中心とした研究・ 的なICT教育 知識を背景とした 教育 • H20-組込みシステム産業振興機構 ファイナンスの教育 • ソフトウェア工学研究世界30位 関経連所属企業,大学,研究機関連携 研究 • 高度副プログラム(ITスパイラル、高度 実践的な社会人教育 「組込み適塾」 •金融・保険教育研究 情報ネットワーク実践スペシャリスト) • H18-21 9大学,4企業の連携による センター • PRIUS(融合科学を国際的視野で先導 先導的ITスペシャリスト育成推進プログラ する人材育成 ) ム「ITスパイラル」 • GCOE(アンビエント情報社会基盤創成 拠点) 2
  • 3. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 イノベーションプロジェクトの教育目標 領域 提供コース・授業 育成される人材像 高度な実践的・総合力を持 大規模適応設計コース つソフトウェア設計技術者 (修士20人/年) クラウドコンピューティング,プロ 産学連携領域 ジェクトマネジメント,組込みソ クラウドや組込み開発の実 フトウェア開発についての実践 践力を持つソフトウェア技術 的な講義・演習プログラム 者(修士・社会人42人/年) IT社会基盤基礎論 ITの強みや弱みを分かり利 IT社会基盤、リスクマネジメント、開発 活用できる企業人(学士70 工程、障害回復技術、セキュリティ 人/年) 分野融合領域 ファイナンスソフトウェア 高いIT知識と実践力を備え コース た金融工学の専門家(修士 ファイナンス計算アルゴリズム、 15人/年) 金融リスク管理、金融データ解析 3
  • 4. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 大規模適応設計コース(クラウド) コース修了時の学生に期待すること • クラウドについての基礎知識を保有し,クラウ ドシステムのメリット/デメリットを判断できる • クラウドシステムをそのメリット/デメリットにもと づいて利用可否の判断を下せる • クラウドを前提としたソフトウェア開発プロセス を理解し,実施できる • ツールとしてのクラウドを理解し,利活用する ための素養を身につける 4
  • 5. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 クラウドの定義(NIST) • Cloud computing is a model for enabling ubiquitous, convenient, on- demand network access to a shared pool of configurable computing resources (e.g., networks, servers, storage, applications, and services) that can be rapidly provisioned and released with minimal management effort or service provider interaction. • 5つの主要な特徴 – On-demand self-service, Broad network access, Resource pooling, Rapid Elasticity, Measured Service • 3つのサービスモデル – SaaS, PaaS, IaaS • 4種類のデプロイメントモデル – プライベートクラウド,コミュニティクラウド,パブリッククラウド,ハイブリ ッドクラウド,(バーチャルプライベートクラウド) *National Institute of Standards and Technology:A NIST Definition of Cloud 5 Computing,http://csrc.nist.gov/publications/nistpubs/800-145/SP800-145.pdf (2011). Special Publications 800-145.
  • 6. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 ・・・のためのクラウド活用 • PBLのためのクラウド活用 – Projectの題材や開発対象のインフラとして学生が クラウドを活用する • PBL教育のためのクラウド活用 – 指導・評価といったPBL運用において教員がクラ ウドを活用する クラウドを活用したPBLの課題解決を目指す 6
  • 7. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 Project-based Learning* • 有期性がある • 価値の創造に繋がる開発体験を伴う • 教員による統制された管理・支援を伴う コンテンツ主体 何を開発するか教 開発対象は学生が 員が決め,プロジェ 決めるが,プロジェ クトマネジメントも教 クトマネジメントは教 プロセス(プロジェク 員が行う 員が行う トマネジメント)主体 何を開発するか教 開発対象もプロジェ 員が決め,プロジェ クトマネジメントも学 クトマネジメントは学 生がコントロールす 生が行う る Hadj Batita, “A model for an innovative project-based learning management system for engineering education,” CALIE'2001 - Computer Aided Learning in Engineering Education, 2001 7
  • 8. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 産学連携プロジェクト型演習教育講座としての位置づけ* • 教育枠組み • 産学役割 – 教育目標 – 大学側 • 作業遂行 • 講義 • 計画的プロセス改善 • 演習 – 自律的時限性 – 連携企業側 チーム演習 • 演習補助 – 成績評価 • 問題設定 • 中間・最終成果レポート – テーマ • プロジェクト定量評価 • ケーススタディ – 期間 • 1.5ヶ月 *鷲崎 弘宣, “情報処理推進機構(IPA)におけるPBLに関する取り組みの成果と早稲田大学の実践研究事例,” 8 第2回PBLシンポジウム, 2013
  • 9. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 PBLにおける課題(学生視点) • 成果物の品質 – デモのときに動けばOK • 時間管理 – (モチベーションの高い)学生はサービス残業大好き – デスマーチ • 開発プロセス – 学生が実装以外の工程にコストをかけたがらない • 結果的にうまくいけば過程はどうでも良い – タスク割り当てが偏る • ->得られる経験が偏る • ->特定の学生に負荷が集中する 9
  • 10. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 PBL教育における課題(教員視点) • PBL開発環境 – 開発環境の統一が困難 – セットアップや保守対応といった運用が困難 • プロジェクトの評価やフィードバック – プロジェクトの進捗管理・監視が困難 – プロダクト・プロセスの評価が困難 • 定性評価が中心 • PBL教育体制 – (モチベーションの高い一部の)教員がサービス残業 • 特定の教員に負荷が集中 10
  • 11. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 PBL as a Service • PBL提供のための枠組み構築を目指す – クラウドを活用することで,PBL教育における課題の 解決を目指す • クラウドの特徴 – Resource pooling – On-demand self-service – Broad network access – Rapid Elasticity – Measured Service 11
  • 12. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 PBLにおけるResource ProjectのResource 監視 利用 利用 評価 フィードバック 環境構築 学生 教員 ドキュメント ソフトウェア開発環境 開発支援環境 (仕様書, (eclipse, jdk等) (Subversion, 帳票等) Trac等) PBLの Resource 必要なResourceをPool(貯蔵)しておき,Network 越しにAccessする環境を構築する 12
  • 13. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 DaaS*(Desktop as a Service:デスクトップ仮想化) • クラウド上に仮想化されたデスクトップ環境を配置し, インターネットを介してユーザに提供するための枠組み – 同一環境を容易に複数構築可能 仮想デスクトップ – Internetを介して常に イメージ 複製 同じ環境を利用可能 複製 複製 RDP 仮想デスクトップ インスタンス 学生 RDP RDP *Dwayne Lessner, Kanuj Behl, Phil Ditzel, Jason Langone, Steve Kaplan, 13 “Desktops as a Service: Building the Model,” Red Fox Partners, LLC, 2012
  • 14. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 クラウド化によるPBL開発環境改善 DaaS BADER† ドキュメントの電子化 • 開発環境の統一 • 運用の簡易化 監視 環境構築 学生 教員 ソフトウェア開発環境 開発支援環境 (eclipse, jdk等) (Subversion, Trac等) 14 †DaaS Based Advanced Development EnviRonment for SDPBL
  • 15. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 DaaS BADER利用の流れ • Step1: VMイメージの作成 作成 教員 VMイメージ • Step2: VMイメージをDaaS BADERに登録 登録 • Step3: 教員もしくは学生 自身が必要に応じてVMを 起動し,利用する – On-demand Self-service – Resource Pooling 起動 起動 起動依頼 – Broad Network Access 学生 15
  • 16. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 DaaS BADERのメリット • 全学生の環境が同一 作成 教員 VMイメージ – >環境の差異によるトラブ ル削減 登録 • 全環境にInternetからアク セスできる – >保守が容易 起動 起動 起動依頼 学生 16
  • 17. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 クラウドを利用したプロジェクトモニタリング • クラウド化されたPBL開発環境を利用し,プロ ジェクト状況のモニタリング機構(Droid)を構築 – PBLにおける学生のあらゆる振る舞いを計測 RITE SAVRE†(モニタリングサーバ) Droid 教員 監視 ファイル操作 アプリ操作 Droid 学生 ソフトウェア開発環境 アクセスログ (eclipse, jdk等) 開発支援環境 (Subversion, Trac等) 17 † Software development ActiVity Retrospection Environment for Reality-based IT Education
  • 18. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 モニタリング環境: Droid + RITE SAVRE 時間 ブラウザ タスク 着手 終了 IDE 13:02 14:15 http://.... タスク #1 版管理 アップデート コミット システム操作 13:03 13:50 作成 編集 編集 ファイル操作 13:05 13:15 13:45 タスクの履歴 アプリケーション ブラ 操作 IDE ウザ 13:02 13:52 14:15 • 誰がいつからいつまで何を行ったかを 詳細に記録し,可視化する – > Measured Service(PBL) • プロジェクトの進捗管理・監視の容易化 18
  • 19. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 PBL定量評価のための制約 • 一般的なプロジェクトでは,以下の3つの制約条件を満たし,かつ プロジェクト目標を達成すること=プロジェクトの成功 – Quality(品質) • 成果物の高い品質を確保すること – Cost(コスト) • すべてのタスクを決められたコストの範囲内で行うこと – Delivery(納期) • 決められた期間内で行うこと • 我々のPBLでは – Quality(品質):必要なタスクを十分に実施する • レビュー・テストなど – Delivery(納期):仕様を満たしたプロダクトを期間内に計画的に実装する – Assignment(割り当て):タスクが適切に分担されている • 各自が分担するタスクの量や種類がメンバー間で均等であること – >全員が同じ能力で同じタスクができることではない 19
  • 20. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 PBL as a Serviceの試行 • 対象と環境 – 7大学の修士学生35名(6グループ) – DaaS BADER(35の仮想デスクトップと6の仮想サーバが利 用された),Droid, RITE SAVRE(モニタリングサーバ)を edubase Cloud*上で実際に運用 • PBL内容 – ウェブアプリケーション開発(Java EE & Struts) • 詳細設計書を学生に配布 – チケット駆動開発にもとづく開発プロセス – 評価基準として3つの制約(QCA)を事前に開示 – 10ユースケース、約8KLOCの開発 – 1.5ヶ月の開発期間で実装~結合試験 20 * edubase Cloud, http://edubase.jp/cloud/
  • 21. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 チケット駆動開発* • チケット – 開発者が行ったタスク内容が記録されるもの • チケット駆動開発 – タスクの決定,割り当て,実行といった開発に必要なマネジメン トをチケットに対する操作と組み合わせて行う開発手法 成果物:class A 作成 種類:実装 PM役受講生A 着手時刻:13:00 着手時刻: 終了時刻:14:00 終了時刻: 見積時間:0.5H 見積時間: 割り当て 総時間:1.0H 総時間: 担当者:受講生X 担当者: マイルストーン:UC01 受講生X 着手 終了 チケット 21 * 小川 明彦, 阪井 誠, "チケット駆動開発," 翔泳社, 2012.
  • 22. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 開発実践演習(2012年度)への適用 10/19 10/26 11/9 11/30 10:30 説明 発表 発表 12:00 13:00 遠隔 対面 対面 遠隔開発 対面 遠隔開発 成果 開発 開発 開発 MS4 開発 MS6~8 報告 MS2 MS1 MS3 MS5 会 振り 振り 振り 17:50 返り 返り 返り 遠隔開発においてもグループごとに振返りを実施 22
  • 23. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 超えなければならなかったハードル • ネットワーク – 一箇所に集まって行う場合,無線LANでは帯域不 足だった – ネットワーク負荷のモニタリング – 有線LAN環境構築 • ライセンス – VM化する上でのOS・ソフトウェアライセンス処理 • クラウドシステムに関する教員側スキル – VMイメージの作成,操作方法 – VM操作APIを用いたアプリケーション開発 23
  • 24. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 プロジェクトの定量評価 • QADそれぞれについて,定量的かつ客観的な 評価が可能となった – クラウド化だけではダメ – 評価基準の明確化と開示が必要 – 評価基準は相互にConflictするように決めること が望ましい Assignment Quality Delivery 24
  • 25. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 開発の推移 • 版管理システムのログを収集・分析 UC03 UC01 UC0204 UC05 UC0607 UC08 UC09 UC10 8000 7000 6000 LOC 5000 test jsp 4000 xml java 3000 2000
  • 26. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 開発の推移 • 版管理システムのログを収集・分析 UC03 UC01 UC02 04 UC05 UC0607 UC08 UC09 UC10 8000 7000 6000 LOC 5000 test jsp 4000 xml java 3000 2000
  • 27. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 実施されたタスク数(Quality) • レビューやテストが必要な量実施されているか – タスク管理ツールの記録を収集・分析 300 250 タスク数 200 150 100 50 0 Ga Gb Gc Gd 修正(テスト) 16 13 11 17 修正(ソース) 43 38 48 34 結果分析 37 39 37 53 レビュー 79 69 62 73 作成(テスト) 21 26 22 30 作成(ソース) 47 52 56 43 27
  • 28. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 コミット時のビルド成功率(Quality) • 自動ビルドツールのログを収集・分析 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% Ga Gb Gc Gd ビルド失敗回数 16 10 42 10 ビルド成功回数 210 185 198 185 28
  • 29. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 Branch カバレッジ(Quality) • 最終版のカバレッジ計測結果を分析 400 350 300 Branch数 250 200 150 100 50 0 Ga Gb Gc Gd 未テスト条件# 250 260 244 250 テスト済み条件# 74 76 84 74 29
  • 30. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 タスクの偏り(Assignment) • タスク種別ごとの作業割り当ての分散を計算 – 割り当てが均等なほど数値が小さくなる 2 1.5 1 0.5 0 Ga Gb Gc Gd 作成(ソース) 0.89 1.69 1.01 1.8 作成(テスト) 0.68 1.24 1.59 0.68 レビュー 0.76 1.24 0.97 1.06 結果分析 1.21 1.21 1.32 0.76 30
  • 31. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 納期遵守状況(Delivery) • ユースケース毎の結合テスト終了時刻と納期 を比較 UC01 UC02 UC03 UC05 UC06 UC08 遅れ 04 07 0910 Ga × ○ × ○ × ○ -3.8日 UC01~UC05までの納期と Gb × ○ ○ ○ ○ ○ 結合試験終了までの時間差(分)の-0.6日 累計 (停電期間は除く) Gc × ○ × ○ × ○ 13.9日 Gd × × × ○ × ○ 6.3日 31
  • 32. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 その他評価項目 • マイルストーン毎の振り返り内容 – K(Keep: 良かったので今後も実施すること), P(Problem: 問題), T(Try: 問題を解決するために今 後実施すべきこと) • 定量的な根拠にもとづいて振り返りが行えているか • 記述が具体的で再現可能であるか • 実際の振り返り事例紹介 32
  • 33. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 評価以外のフィードバック • 開発時間,行数,ビルド回数,SNS発言数,コ ピペ行数等をフィードバックし,どのような経験 が得られたのかを学生に認識してもらった 33
  • 34. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 のべ開発時間 • 各VMでアプリケーションを起動し,何らかの作 業を行なっていた時間を集計 700 600 500 400 300 時間 200 100 0 Ga Gb Gc Gd 後半 410 307 410 326 前半 241 288 241 245 34
  • 35. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 グループ作業時間推移 • グループ内全開発者の作業時間合計の推移 – ○はマイルストーンごとの終了時刻 60 45 30 15 0 60 時間 45 30 15 0 60 45 30 15 35 0
  • 36. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 開発時間ランキング • 1位 228時間 • 2位 169時間 • 3位 158時間 240 eclipse以外開発時間 eclipse開発時間 200 時間 160 120 80 40 36 36 0
  • 37. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 開発行数ランキング(総合) • 1位 1,537行 • 2位 1,304行 • 3位 1,250行 1600 1200 LOC test jsp 800 xml java 400 37 0
  • 38. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 コピペ行数ランキング 2000 1800 1600 1400 1200 LOC 1000 800 600 400 200 0 38
  • 39. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 コミュニケーション • SNS(yammer)におけるグループごとの会話数 とLikeが押された回数 1200 1000 800 600 400 200 0 Ga Gb Gc Gd yammer会話数 398 1104 378 489 yammerLike数 250 59 73 100 39
  • 40. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 yammer発言数ランキング • 1位 387回 • 2位 372回 • 3位 263回 400 350 300 250 200 150 100 50 0 40
  • 41. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 yammer被Like数ランキング • 1位 112回 • 2位 80回 • 3位 62回 120 100 80 60 40 20 0 41
  • 42. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 フィードバックシート • グループ/個人それぞれのフィードバックを行った 42
  • 43. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 学生の感想 ポジティブな意見 • 他の人と自分の開発の進め方(主に時間の使い方)が全然違うため,タスク割り振 りにはなるべく余裕をもって,かつ,自分はなるべく早く作業を終わらせて周囲の迷 惑にならないように開発していくことが大事だと感じました • 能力が違う人と作業を進める大変さ、楽しさを知れてよかったかと思います • 楽しく、面白くすすめることができました。関わって下さった全員に感謝します • プログラミングのスキルが身に付くと思い参加しましたが、チケット駆動を用いた開 発手法を主として学べたように思います • こういったチームでの作業の同期をはかるための手法は、システム開発に関わらず どのような作業でも役に立つと思います。そういった意味でも、参加してよかったと 思います • 他大学の人と交流する少ない機会なので,大学毎の違いなどが聞けて面白かった ネガティブな意見 • DaaSの環境が重かった • Libre OfficeよりMS Officeのほうを使いたかった 43
  • 44. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 まとめ • PBL教育におけるクラウド活用として,PBL as a Service環境構築を行った – DaaS BADER, RITE SAVRE, Droid – クラウドの特徴を活かしたPBL支援が可能となった • On-demand Self-service • Broad Network Access • Resource Pooling • Measured PBL • (Rapid Elasticity) • プロジェクトの定量的な評価や学生への具体的な フィードバックが可能となった 44
  • 45. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 今後の課題 • PBL教育体制の改善 – クラウド環境を利用して負荷を多くの教員に分散 させる方法を考え中 – 教員ResourceのPoolingが可能かどうか • データ分析結果を用いたPBLそのものの改善 – 評価とフィードバックだけでなく,PBL改善のため の定量データにもとづく仮説検証 • どのような学生がプロジェクトにおいて主導的な立場に なりえるのか • SNSにおける発言数と実装スキルに相関はあるか • グループ設定の際に考慮すべき学生メトリクスは何か 45
  • 46. 大阪大学大学院情報科学研究科 文部科学省「ソフトウェアイノベーション先導のための研究教育プログラムの開発」 • 何かあればお気軽に! • Twitter @hirocell – https://twitter.com/hirocell 46