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23 08

  1. 1. 独立行政法人 水資源機構 環境報告書2008 ~環境保全への取組み~ 2008年9月
  2. 2. 【表紙写真(左)】徳山ダム 徳山ダムでは、平成20年5月5日に試験湛水を終了 し、ダムの運用を開始しました。 徳山ダムにおいては、流域全体として調和のとれた 自然環境を保全するため、様々な環境保全に精力的に 取り組んできました。 徳山ダムにおける環境保全対策がダム工学会技術開 発賞を受賞したことについて、20ページに掲載してい ます。 ダ ム 所 在(右岸)岐阜県揖斐郡揖斐川町開田、鶴見 (左岸)岐阜県揖斐郡揖斐川町徳山、東杉原 形 式 ロックフィルダム 堤 高 161m 堤頂長 427.1m 堤体積 13,700,000m3 貯水池 湛水面積 約13㎞2 総貯水容量 660,000,000m3 有効貯水容量 380,400,000m3 【表紙写真(右)】阿木川ダム くうしんさい 写真は、阿木川ダム貯水池における空芯菜の水耕 栽培の様子です。 阿木川ダムでは、平成16年度から岐阜県立恵那農 業高等学校や地域の方々と協力し、空芯菜の水耕栽 清水バイパス 培による貯水池の水質改善に取り組んでいます。 阿木川ダムにおける空芯菜の水耕栽培による水質 改善の取組みが内閣府政策コンペで審査委員長特別 ダム 位 置(左岸)岐阜県恵那市東野字山本 賞を受賞したことについて、21ページに掲載してい (右岸)岐阜県恵那市東野字花無山 型 式 ロックフィルダム ます。 堤 高 101.5m 堤頂長 362.0m 堤体積 4,900,000m3 貯水池(阿木川湖) 湛水面積 1.58㎞2 総貯水容量 48,000,000m3 有効貯水容量 44,000,000m3
  3. 3. は じ め に 独立行政法人水資源機構は、全国7水系において、都市用水、農業用水を安定的に供 給し人々の生活や産業を支えるとともに、洪水から人々の生命や財産を守るという役割 を担っています。この国民生活に欠かすことができない役割を果たすために、ダムや用 水路などを建設し、完成した施設を管理する業務を行っています。 施設を建設、管理するに際しては、自然環境への負荷や資源・エネルギーの消費が伴 います。このため、業務の実施にあたっては、環境の保全に配慮することに努めており、 水質の保全、生物多様性の保全、人と自然との豊かな触れ合い、さらには、良好な景観 の形成、地球温暖化対策などの観点で、様々な環境保全に取り組んでいます。 そのような中で、長年精力的に環境保全に取り組んできた徳山ダムにおいては、その 環境保全対策の取組みがダム技術の開発に著しい貢献をしたと認められ、平成19年度ダ ム工学会技術開発賞を受賞しました。 また、環境保全の取組みにおいては、地域社会との連携にも心がけています。阿木川 ダムでは、平成16年度から岐阜県立恵那農業高等学校や地域の方々と協力し、空芯菜の 水耕栽培による貯水池の水質改善に取り組んでいます。この取組みは、平成19年12月に 行われた内閣府「地方発の地域経済建て直し」政策コンペにおいて、自発的で意欲にあ ふれる取組みであると評価され、恵那農業高等学校とともに審査委員長特別賞を受賞し ました。 この環境報告書は、水資源機構が平成 19年度に実施した環境保全の取組みを多 くの方々にお伝えし、環境保全に対する 姿勢を知っていただくために作成したも のです。 これからも私たちは、環境保全の取組 みを一層充実させてまいりますので、利 水者の皆様をはじめ、国民の皆様のご理 解とご支援をお願いいたします。 独立行政法人 水資源機構 理事長 青山 俊樹
  4. 4. 目 次 ページ Ⅰ.事業概要 ………………………………………………………………… 1 1.水資源機構の業務概要 …………………………………………… 1 2.平成19年度の事業概要 …………………………………………… 5 Ⅱ.環境保全の取組みの計画 ……………………………………………… 8 1.事業と環境との係わり …………………………………………… 8 2.環境保全の取組みの基本姿勢 ……………………………………10 3.平成19年度の環境保全の取組みの計画 …………………………11 3-1 地域環境の保全 ……………………………………………11 3-2 環境保全意識の向上 ………………………………………15 3-3 社会とのコミュニケーション ……………………………16 Ⅲ.環境保全の取組みの体制 ………………………………………………17 1.環境保全の取組みの体制 …………………………………………17 2.環境マネジメントシステムの運用 ………………………………18 Ⅳ.環境保全の取組みの状況 ………………………………………………19 1. 平成19年度における環境に関する主な出来事 …………………19 1-1 徳山ダムにおける環境保全対策がダム工学会技術開発 賞を受賞 ……………………………………………………20 1-2 阿木川ダムの水質改善の取組みが内閣府政策コンペで 審査委員長特別賞を受賞 …………………………………21 2.環境保全に関する活動の概要 ……………………………………22 2-1 地域環境の保全 ……………………………………………24 2-2 環境保全意識の向上 ………………………………………45 2-3 社会とのコミュニケーション ……………………………49 より良い環境報告書をめざして ……………………………………………56 「環境報告書2008」は、「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に 関する法律」(平成16年法律第77号)に基づき、環境保全に関する活動について取りまとめたものです。 <組織の概要> 組 織 名:独立行政法人水資源機構 設 立:平成15年10月1日 役職員数:1,579名(平成19年4月1日現在) 理 事 長:青山 俊樹 <環境報告書2008の対象> 対象組織:すべての組織 対象期間:平成19年4月1日~平成20年3月31日 作成部署:独立行政法人水資源機構 環境室 〒330-6008 埼玉県さいたま市中央区新都心11-2 ランド・アクシス・タワー内 電話 048-600-6555 FAX 048-600-6558
  5. 5. Ⅰ.事 業 概 要 1.水資源機構の業務概要 水資源機構は、水資源開発水系※1に指定されている7水系(利根川、荒川、豊川、木曽川、淀川、 吉野川、筑後川)において、各水系の水資源開発基本計画(フルプラン)に基づき、利水、治水を 目的とするダム、河口堰、湖沼水位調節施設および用水路などの水資源の開発または利用のための 施設の新築※2または改築を実施するとともに、完成した施設の管理を実施しています。 水資源機構の事業は環境との関わりが大きいことから、事業を実施するにあたっては、環境への 影響を可能な限り抑え、自然環境の保全や、安全で良質な水の確保に取り組んでいます。 水 資 源 開 発 水 系 利根川・荒川 豊 川 木曽川 淀 川 吉野川 筑後川 「水資源開発促進法」 各水系ごとの水資源開発基本計画(閣議決定) 水 資 源 機 構 「独立行政法人通則法」 「独立行政法人水資源機構法」 産業の発展および人口の集中に伴い用水を必要 目的 とする地域に対する水の安定的な供給の確保 指示 中期目標 主務大臣 水資源開発基本計画に基づく施設の新築※2また (5年間の運営目標) 業務 は改築、完成した施設の管理 作成 国土交通大臣 利 水 利 水 治 水 治 水 水道用水/工業用水/ ・洪水被害の軽減 認可 中期計画 水道用水/工業用水/ ・洪水被害の軽減 農業用水の確保・供給 農業用水の確保・供給 ・流水の正常な機能の維持 ・流水の正常な機能の維持 厚生労働大臣 報告 農林水産大臣 受 託 受 託 評価委員会 経済産業大臣 ・発電に係る部分の新築、改築または管理 ・発電に係る部分の新築、改築または管理 意見 ・水資源の開発または利用に関する調査、試験、 ・水資源の開発または利用に関する調査、試験、 評価 研究並びに施設の工事、管理など 研究並びに施設の工事、管理など ※1 水系:同じ流域内にある本川、支川、派川およびこれらに関連する湖沼の総称 ※2 施設の新築:水の供給量を増大させるものは、水資源機構移行時(平成15年10月)に着手済みの事業などに 限ります。 1
  6. 6. ●水資源機構の事業実施状況 淀川水系 水資源機構は、水資源開発水系として指定されている7水系において、56 たかやま 事業を完成させ、12事業について建設または実施計画調査を行っています。 1 高山ダム しょうれんじ また、それらのうち改築などの重複を除く事業により建設した51施設を管理 2 青蓮寺ダム よどがわおおぜき 3 淀川大堰 しています。 しょうれんじがわ ダ 4 正蓮寺川利水 凡 例 ム むろう の 5 室生ダム は せ ● 完成(概成を含む。) 管 6 初瀬水路 理 ひとくら ● 建設中・調査中 7 一庫ダム び わ こ 8 琵琶湖開発 ひよし 岩屋ダム(木曽川水系) 9 日吉ダム ひ な ち 筑後川水系 10 比奈知ダム ぬのめ りょうちく 11 布目ダム かわかみ 1 両筑平野用水 12 川上ダム てらうち 堰 に う 2 寺内ダム の 13 丹生ダム ちくごおおぜき 3 筑後大堰 管 ふくおか 理 揖斐川 4 福岡導水※7 13 5 筑後川下流用水 6 おおやま 9 8 6 大山ダム 旧吉野川河口堰(吉野川水系) こいしわらがわ 7 小石原川ダム 7 5 淀川 8 両筑平野用水二期 1 7 1 3 11 11 8 3 4 8 3 10 2 4 5 4 5 7 12 4 1 5 1 3 2 6 6 2 5 1 吉野川 10 6 筑後川 吉野川水系 さめうら 1 早明浦ダム いけだ 用 ダ 2 池田ダム 水 ム かがわ 路 の 3 香川用水※5 の 建 しんぐう 管 設 4 新宮ダム きゅうよしのがわかこうぜき 理 5 旧吉野川河口堰 こうちぶんすい 6 高知分水 とみさと 大山ダム(筑後川水系) 7 富郷ダム 三重用水・三滝川取水口(木曽川水系) 8 香川用水施設緊急改築※6 2
  7. 7. 木曽川水系 あいち 利根川・荒川水系 1 愛知用水※4 やぎさわ いわや 1 矢木沢ダム 2 岩屋ダム しもくぼ きそがわ 2 下久保ダム 3 木曽川用水※3 と ね ながらがわかこうぜき 3 利根導水路※1 4 長良川河口堰 いんばぬま み え 4 印旛沼開発 5 三重用水 ぐんま とくやま 5 群馬用水 6 徳山ダム とねがわかこうぜき あぎがわ 6 利根川河口堰 7 阿木川ダム くさき みそがわ 7 草木ダム 8 味噌川ダム ほくそうとうぶ 8 北総東部用水 9 愛知用水二期※4 なりた 9 成田用水 10 長良導水 ぼうそう 10 房総導水路 11 木曽川用水施設緊急改築※3 かすみがうら 11 霞ヶ浦開発 とうそう 12 東総用水 おもいがわ 1 14 13 思川開発 ならまた 14 奈良俣ダム 長良川 木曽川 さいたまごうぐち 13 15 埼玉合口二期 2 8 7 5 24 16 霞ヶ浦用水 3 20 3 たきざわ 11 2 17 滝沢ダム 21 うらやま 22 荒川 15 18 浦山ダム 7 16 11 9 19 19 朝霞水路改築※1 17 18 23 とねおおぜき 2 20 利根大堰施設緊急改築※1 豊川 4 9 利根川 むさし 4 8 12 6 21 武蔵水路改築 3 10 22 利根中央用水※1 23 印旛沼開発施設緊急改築 用 24 群馬用水施設緊急改築 水 豊川水系 路 とよがわ の 1 豊川用水※2 建 設 2 豊川用水施設緊急改築※2 ダ ム 3 豊川総合用水※2 の 管 4 豊川用水二期 群馬用水施設緊急改築 理 (利根川水系) ※1の4事業は、利根大堰等および秋ヶ瀬取水堰等の2施設として管理 ※2の3事業は、豊川用水等の1施設として管理 ※3の2事業は、木曽川用水の1施設として管理 草木ダム(利根川水系) ※4の2事業は、愛知用水等の1施設として管理 ※5と6(調整池および連絡施設を除く。)の2事業は、香川用水の1施設として管理 ※6については、調整池および連絡施設に限る。 ※7の事業により生じた施設については、管理を実施 (平成20年4月現在) 3
  8. 8. ●水資源開発水系における開発水量と水資源機構のシェア 各水系の水資源開発基本計画(フルプラン)に基づいて機構事業で開発した水量は約334㎥/sであ り、これは機構以外の事業も含めた水系全体のフルプランに基づく開発水量約381㎥/sの約88%を占 めています。 機構事業(愛知・豊川用水事業を含む)による用途別の開発水量は、最大値で都市用水約313㎥/s (うち完成約293㎥/s)、農業用水約69㎥/sであり、導水量は都市用水約133㎥/s(うち完成約123㎥/s)、 農業用水約259㎥/sとなっています。 各水系のフルプランに基づく開発水量と機構のシェア(単位:㎥/s) (平成20年4月現在) 4
  9. 9. 2.平成19年度の事業概要 平成19年度において、水資源機構は以下に示す事業を実施しました。 ●ダム等建設事業 平成19年度においては、ダム等建設事業として、8事業(滝沢ダム、思川開発、武蔵水路改築、 徳山ダム、川上ダム、丹生ダム、大山ダム、小石原川ダム)を実施しました。 滝沢ダム建設事業(荒川水系)では、高さ132mの重力式コンクリートダムを建設しています。 平成17年10月1日に試験湛水を開始し、平成20年3月30日には試験湛水の最高水位(サーチャージ 水位)に達しましたが、その後、貯水池周辺の斜面の形状の調査・対策が必要となり、安全を確保 しつつ試験湛水を継続しています。 試験湛水中の滝沢ダム 試験湛水中の徳山ダム (平成19年12月) (平成19年7月) 徳山ダム建設事業(木曽川水系)では、高さ 161mのロックフィルダムを建設しています。 平成18年9月25日に試験湛水を開始し、平成19 年度においても試験湛水を継続しました。 大山ダム建設事業(筑後川水系)では、高さ 94mの重力式コンクリートダムを建設していま す。平成19年5月1日に本川の転流を行い、8 月6日にダム本体工事として堤体の基礎掘削を 開始しました。 思川開発(利根川水系)、川上ダム(淀川水 堤体基礎掘削中の大山ダム 系)および大山ダムの各建設事業では、ダムに (平成19年7月) よって水没する道路を付け替える工事を進め、 平成19年度においては、計画予定の2.3㎞に対し、 2.4㎞を施工しました。 5
  10. 10. ●用水路等建設事業 平成19年度においては、用水路等建設事業として5事業を実施しました。 群馬用水施設緊急改築(利根川水系)、豊川用水二期(豊川水系)、両筑平野用水二期(筑後川水 系)の各事業では、延べ15.3㎞の水路改築工事を実施しました。 群馬用水施設緊急改築の併設水路工事 豊川用水二期の併設水路工事 印旛沼開発施設緊急改築事業(利根川水系)では、2台のポンプ改築工事を実施しました。 香川用水施設緊急改築事業(吉野川水系)では、高さ25mの傾斜遮水ゾーン型フィルダムによっ て、300万㎥の有効貯水量をもつ調整池を建設しています。調整池は、香川用水の水(水道用水) を一時的に貯めて渇水時の補給または緊急時に活用する目的で計画された施設です。平成19年度は、 調整池本体盛立工事を行い、39万㎥の盛立を実施しました。 調整池本体盛立工事中の香川用水施設緊急改築 6
  11. 11. ●ダム、用水路等の管理 平成19年度は、水資源開発水系に指定されている7水系において、ダム、堰、用水路など49施設 の管理を行いました。これらの施設について、施設管理規程に基づき、水道用水・工業用水・農業 用水の安定的な供給や洪水調節による洪水被害の軽減を行いました。 平成19年は、全国的に降水量は少ない年ではありましたが、3つの台風(4号、5号、9号)が 上陸しました。その中でも台風9号は関東全域に記録的な雨を降らせました。 このような状況下において、 ・機構施設全体で592回、延べ1,483日の防災態勢に入りました。 ・洪水調節などを目的に含む施設では398回、延べ674日の防災態勢に入りました。 ※1 ・洪水調節を目的に含む全20ダムのうち13ダムでは、延べ25回 の洪水調節操作を行いました。 利根川流域では、9月6日に台風9号が伊豆半島に上陸後、関東地方を北上し、西部山間地を中 心に累計雨量が500mmを超える記録的な降雨を観測しました。下久保ダム流域では、管理開始以降 2番目に多い416mmの降雨を観測し、1,480㎥/sの流入量(管理開始以降2番目)に対して960㎥/s の調節を行い、ダムから9.5㎞下流の若泉地点では1.67mの水位低下効果がありました。 若 泉 地 点 ダムなし水位想定(5.90m) 今回最高水位(4.23m) ダムによる 低減効果 1.67m 左岸 右岸 河川断面 下久保ダムによる水位低減効果(若泉地点) 下久保ダム下流の河川の状況 (若泉地点から2.6㎞上流の上武橋地点) 平成19年度は、全国的に降水量が少なく、特に淀 淀川水系と吉野川水系の渇水状況 川水系、吉野川水系においては、河川の流況が悪化 取水制限 したことから、本社を含む7事務所で渇水対策本部 水系 施設名等 最大取水制限率 日数 を設置し、渇水調整を行うとともに、適時的確な水 淀 「新町下」確保地点 日吉ダム 112日間 川 流量20% 源情報の発信、関係機関への周知を行いました。 香川用水・旧吉 徳島用水:19.5% 野川河口堰(早 52日間 香川用水(吉野川水系)では、渇水期間中、取水 吉 香川用水:50% 明浦ダム) 工水:50% 制限の強化や降雨による一時的な取水制限の解除に 野 銅山川3ダム 上水:10% 162日間 あわせて、きめ細かい送水量の変更操作(13回、平 〔富郷ダム・新 農水:15% 宮ダム・(柳瀬 川 工水:30% 年は6回)を昼夜問わず実施し、約421万㎥の水を ダム)〕 99日間 上水: 5% 有効に取水・導水しました。 池田ダム(吉野川水系)では、早明浦ダム下流の降雨を有効に活用するための操作を4回実施し、 約165万㎥の水を無効に放流することなく有効に活用しました。 ※1:洪水調節回数は、平成6年度から平成18年度までの平均で年間延べ22.7回。 7
  12. 12. Ⅱ.環境保全の取組みの計画 1.事業と環境との係わり ダム、用水路などを建設し管理していく上では、例えば、ダム堤体工事、用水路工事、道路付 替工事や貯水池の出現などにより、動植物の生息・生育環境の改変、貯水池での水質変化、ダム 下流河川環境の変化など、少なからず環境への影響を伴います。 水資源機構では、事業の実施に先立って、環境調査を行って環境への影響を予測し、環境の保 全、環境への影響の低減に向けた取組みを行っています。 水資源機構の事業における調査・設計、建設、管理の各段階で想定される主な環境への影響と、 これに対する取組みを示します。 調 査・設 計 調 査・設 計 建 建 設 設 【ダム、用水路、道路、原石山、施工設備など】 【ダム、用水路、道路、原石山、施工設備など】 事 業 計 画 土 工 動 建 砂 事 植 設 施 す 環 主主 項 目 る お 環 境 設 お 境 に に 物 副 よ よ の 産 そ 影 そ 影 生 物 なな れ 響 れ 響 る る 息 の が を が を 水 騒 ・ 発 環環 あ る 受 け あ る 及 ぼ 質 汚 音 ・ 生 生 育 、 設 濁 振 境境 植 騒 大 生 道 ダ 動 環 境 資 源 物 音 気 土 路 ム の ・ 影影 、 生 、 振 質 ( 受 、 、 改 エ ネ 態 動 粉 入 原 用 変 地 石 水 ル 響響 系 、 、 水 じ ん 、 山 路 、 分 ギ 景 質 な そ 、 、 断 ー 観 、 ど の 建 貯 な の 動 ) 他 設 水 ど 消 物 、 施 発 池 費 、 、 施 環 環 環 濁 低 自 工 建 植 表 猛 希 魚 建 設 境 境 境 水 騒 然 事 設 生 土 禽 少 道 設 類 配 調 ↑ 影 ↑ 保 処 音 環 区 機 伐 や の 植 の 副 → → 置 査 響 全 理 ・ 境 域 械 採 郷 繁 物 設 産 主主 計 の の 措 施 低 に 以 の の 土 殖 の 置 物 画 実 予 置 設 振 配 外 色 最 の 状 近 、 の なな 道 土 立 施 測 の の 動 慮 へ 彩 小 樹 況 に 隣 動 発 路 地 案 ・ 検 設 型 し の へ 化 木 応 地 物 生 取取 路 改 時 評 討 置 建 た 立 の ・ を じ た へ の 抑 線 変 の 価 設 夜 入 配 段 用 の 移 制 変 面 配 機 間 り 慮 階 い 工 移 動 ・ 組組 更 積 慮 械 照 制 的 た 事 植 経 有 工 に の の 明 限 実 植 ・ 路 効 みみ よ 縮 導 施 生 程 の 播 の 利 る 小 入 回 調 種 確 用 整 回 復 保 避 環境影響評価 環境学習会の開催、環境に関する研修、地域と一体となった取組み 8
  13. 13. 魚道をのぼるサケ 分画フェンスによる水質保全 希少な植物の移植 (利根大堰) (青蓮寺ダム) (大山ダム) 管 管 理 理 【ダム、用水路、貯水池、道路、原石山、施工設備跡地など】 【ダム、用水路、貯水池、道路、原石山、施工設備跡地など】 動 景 植 濁 冷 ダ ダ 廃 エ 物 観 物 水 水 ム ム 棄 ネ の プ 長 現 下 下 物 ル 主主 ・ 植 変 ラ 期 象 流 流 の ギ 物 ・ 化 ン 化 河 河 発 ー なな ( ク 現 川 川 生 の 生 ア ト 象 の の 消 環環 態 オ ン 流 河 費 系 へ コ の 況 床 境境 ・ 異 の 状 の 環 淡 水 常 増 変 化 況 の 影影 境 赤 殖 変 変 潮 化 響響 化 の 発 生 ) モニタリングおよび必要な 水 水 貯 選 流 土 流 小 質 ( 質 水 択 量 砂 木 水 追加保全措置の実施 曝 ・ 状 対 池 取 水 の ・ 力 気 動 表 そ 石 道 況 の 循 策 施 流 入 水 設 位 の 供 給 刈 草 発 電 主主 植 土 の 山 路 把 環 設 汚 備 変 試 の 物 お 他 跡 法 握 設 の 濁 の 化 験 有 なな ・ よ 改 地 面 備 ( ( 設 負 運 効 生 態 び 郷 変 地 、 貯 、 ダ 巡 、 分 置 荷 用 フ ラ 利 取取 視 画 ・ の ッ 用 系 土 の 水 ム の 用 の 緑 池 サ ・ フ 運 削 シ ュ 組組 状 い 樹 化 の イ 水 ェ 用 減 放 況 た 木 水 ト 質 ン ス 流 みみ の 植 を 際 法 調 試 把 生 裸 面 査 、 験 握 回 地 、 ) 遮 な 復 部 原 光 ど 、 ) ) 環境学習会の開催、環境に関する研修、地域と一体となった取組み 9
  14. 14. 2.環境保全の取組みの基本姿勢 水資源機構は、「安全で良質な水を安定して安くお届けする」という経営理念のもと、水資源 の開発または利用を目的とした事業の実施にあたり、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な 社会の構築や地球環境保全に向けた取組みを行うことが水資源機構の社会的責務であるとの認識 にたち、自然との良好な関係の構築に向けて、知識・経験・情熱をもって環境保全に関する取組 みを進めています。 環境の保全に配慮した取組みを推進します。 ○環境に係る調査、環境への影響の予測と評価、利水者のニーズなどを踏まえ、環境 保全に配慮した設計、施工、管理を実現するための取組みを進めます。 ○省資源、省エネルギー、リサイクルに努め、環境負荷の低減を図ります。 職員一人ひとりが積極的に環境保全に取り組みます。 ○環境学習会、環境に関する研修の受講を通じて、職員の環境に対する意識と知識の 向上を図ります。 ○環境学習会では、工事や調査の関係者、地域の方々、利水者の参加を募り、地域環 境の保全に対する意識を多くの方々と共有します。 社会とのコミュニケーションを図ります。 ○環境保全の取り組み状況を公表し、事業活動に対する社会からの理解を得ていきま す。 ○地域社会の一員としての環境保全活動を通じて、社会とのコミュニケーションを図 ります。 10
  15. 15. 3.平成19年度の環境保全の取組みの計画 3-1 地域環境の保全 水資源機構では、ダム、用水路などを建設し管理していくにあたって、 事業の実施区域やその 周辺における動植物の生息・生育環境などの自然環境や、貯水池、ダム下流河川の水質などの水 環境への影響を回避・低減するため、 さまざまな保全の取組みを行っています。 また、循環型社会の形成に向けて、工事の実施に伴い発生する建設副産物の抑制やリサイクル、 環境物品の調達など、環境への負荷を低減するための取組みを進めています。 1 1 自 自 然 然 環 環 境 境 の の 保 保 全 全 地 域 環 境 の 保 全 2 2 水 水 環 環 境 境 の の 保 保 全 全 3循環型社会の形成に向けた取組み 3循環型社会の形成に向けた取組み 1)自然環境の保全 水資源機構の事業は自然豊かな場所で行われ、ダムや用水路などの施設の建設は自然の改変を伴 うことから、自然環境の保全に努める必要があります。このため、施設の新築や改築の事業におい ては、自然環境の保全のために調査・影響予測を実施し、その結果に基づいて環境保全対策を立案 しています。実施した環境保全対策については、モニタリング調査により効果を検証しています。 また、ダムや用水路などの管理においては、施設の供用に伴う施設周辺の自然環境の変化を把握 するとともに、環境に配慮したダム管理に向けた取組みを実施しています。 環 境 調 査 の 実 施 環 境 調 査 の 実 施 自然環境の保全 自然環境の保全 環境保全対策の実施 環境保全対策の実施 なお、調査、影響予測や環境保全対策の検討にあたっては、最新の知見に基づいて実施するとと もに、外部専門家などから構成される委員会・検討会を必要に応じて設置し、その指導・助言を得 ています。 また、ダム建設事業においては、面的な地形改変を伴うことから、水資源機構では、事業実施区 域内の巡視、職員と工事関係者が一体となった環境保全のための協議会の設置、工事ごとの環境保 全の担当者設置などにより、環境保全の取組みの着実な実施を図っています。 11
  16. 16. 平成19事業年度の年度計画※1において、こうした取組みについて次のように定めています。 水資源機構 平成19事業年度 年度計画(抜粋) ●自然環境の保全 新築及び改築事業における自然環境保全の取組は、事業の進捗に応じて適切に実施していく。 平成19年度は、10事業において、事業実施区域及びその周辺における自然環境調査(動植物、 生態系、水質、景観等)及び環境影響予測・評価を行い、必要に応じて事業の影響の回避、低 減及び代償するための環境保全措置を検討・実施する。また、実施した環境保全措置について は、その効果を検証するためのモニタリング調査を行う。 なお、環境保全措置及びモニタリング調査においては、必要に応じて外部専門家等により構 成する委員会等を設置し、指導・助言を得て、検討・実施する。 面的な地形改変を伴うダム工事の実施に当たっては、環境巡視などにより現況を把握し、必 要に応じて改善対策等を講じるほか、4事業所において、環境保全協議会を開催するとともに、 工事ごとに環境保全管理担当者を配置し、工事関係者と一体となって環境保全に取り組む。ま た、環境に対する意識の向上や工事及び調査実施時の適切な環境対応に資するため、事業実施 区域及びその周辺区域の自然環境の現状や希少な動植物などについて取りまとめた環境ハンド ブック等を職員、工事・調査関係者、地域住民等へ配布・周知する。 管理業務においては、施設管理が施設周辺の自然環境に与える影響の把握や施設管理と周辺 の自然環境との調和に関する自然環境調査を22施設で実施する。 また、環境に配慮したダム管理を実施するため、堆砂対策として除去した土砂を活用したダ ム下流への土砂供給を7施設で、洪水期に向け制限水位までダムの貯水位を低下させる時期に ダム放流量を一時的に増加させることによる下流河川の環境改善を6施設で、貯水池の弾力的 な運用による下流河川の流況改善を4施設で、浚渫土砂を活用した湖浜の復元を引き続き1施 設で試行するなどして、河川・湖沼の美しい水辺環境の創出とともに、自然環境の保全と復元 に努める。 ●環境保全に配慮したダム管理のあり方の検討 ダム管理については、平成18年度に全ダムで実施した地域住民等からのアンケート結果をダ ム周辺の環境保全等に活かしていくものとする。また、環境に配慮したダム管理を実施するた め、堆砂対策として除去した土砂を活用したダム下流への土砂供給を7施設で、貯水池水位低 下時の放流による下流河川環境の改善を6施設で、貯水池の効率的な運用による下流河川の流 況改善を4施設で、浚渫土砂を活用した湖浜の復元を1施設で試行するなどして、河川・湖沼 の美しい水辺環境の創出とともに自然環境の保全と復元に努める。 ※1 年度計画:独立行政法人においては、主務大臣から指示された3年以上5年以内の期間における業務運営 に関する目標(中期目標)に基づいて、中期目標を達成するための計画(中期計画)を作成し ます。また、毎事業年度の開始前に、中期計画に基づいて、その事業年度の業務運営に関する 計画(年度計画)を定めることとされています。 こ こ に 示 し た 水 資 源 機 構 平 成 19 事 業 年 度 の 年 度 計 画 は 、 平 成 15 年 10 月 1 日 か ら 平 成 20 年 3 月 31 日までの期間における水資源機構の中期計画に基づいた平成19事業年度の年度計画です。 12
  17. 17. 2)水環境の保全 ふえいようか 近年、自然の水の循環過程においては、池や湖といった閉鎖的な水域の富栄養化が進行したり、 水にさまざまな化学物質が混入するおそれが生じたりしています。このような状況を背景として、 安全で良質な水に対する社会の関心が高まっており、ダム貯水池などの水源においても、的確な水 質管理とそれによる良好な水質の確保が求められています。このため水資源機構では、安全で良質 な水の供給に向けて、水質保全の観点から次の取組みを実施しています。 ・巡視、定期的な水質調査、水質自動監視装置、他の機関からの水質データの入手などにより、 日常的に水質情報の把握を行う。 ・各種水質対策設備の運用などにより、水質異常の発生抑制に努める。 ・水質異常が見られた場合には、その状況を把握し、利水者や関係機関との連絡調整を図るとと もに、可能な限り影響の軽減に努める。 ・必要に応じて水質改善に向けた検討を行い、対策設備の運用や見直しなどの措置を講じる。 なお、河川域における動植物や生態系の保全、ダム下流河川における流況改善などの取組みにつ いては、前項の「自然環境の保全」において併せて述べています。 水 質 情 報 の 把 握 水 質 情 報 の 把 握 水 質 異 常 の 発 生 抑 制 水 質 異 常 の 発 生 抑 制 水環境の保全 水環境の保全 水 質 異 常 時 の 対 応 水 質 異 常 時 の 対 応 水質改善に向けた取組み 水質改善に向けた取組み 平成19事業年度の年度計画において、こうした取組みについて次のように定めています。 水資源機構 平成19事業年度 年度計画(抜粋) ●施設管理規程に基づいた的確な管理等 1)安定的な水供給に当たっては、ダム、堰及び水路等の施設を適切に維持管理するとともに、気象、水 象等の情報を把握した上で、ゲート等の適切な操作を行うことにより、安全で良質な水の供給に努める。 また、全管理所において日常的に水質情報を把握し、富栄養化現象などの水質に異常が見られた場合 には、利水者や関係機関との連絡調整を図るとともに、必要に応じて、水質改善についての検討を行い、 対策設備の運用やその見直し等の措置を講ずる。 このほか、着実で計画的な水質管理を行うために、貯水池水質管理計画の運用を通じた水質管理を26 ダムで実施する。 2)水質事故等の発生時においては、利水者、河川管理者、関係機関等と連絡・調整を図り、利水者の取 水障害をできる限り防止するよう、取水位置の変更やオイルフェンスの設置などを行うとともに、事故 時等に備えるため、資材等を備蓄する。 ●水管理情報の発信 1)機構が管理する利水及び治水機能を有する全20ダムのうち、平成18年度までに開始した18ダムに、新 たに2ダムを加えた合計20ダムについて、毎日、ホームページを通じた水管理に関する最新の情報(流 入量、放流量、水位、降水量等)を発信する。 なお、情報の発信に当たっては、地域住民や利水者の望む情報の把握に努めるとともに、わかりやす い情報発信に努める。 2)全管理所において日常的に水質情報の把握を行う。また、平成18年の水質調査結果等を取りまとめた 「平成18年水質年報」を作成し、公表する。 13
  18. 18. 3)循環型社会の形成に向けた取組み 工事の実施に伴うエネルギーの消費、建設副産物の発生など、事業活動により生じる環境への負 荷を減らすため、水資源機構では次の取組みを進めています。 ・二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーである水力を利用して、ダム管理用水力発電など の小水力発電を実施する。 ・建設副産物について、発生を抑制するとともに、再資源化・再利用を推進する。また、ダム貯 水池に流入する流木について、堆肥化、薪炭化などのリサイクルに取り組むほか、刈草につい て、リサイクルに取り組む。さらに、環境負荷の低減に資する原材料、部品、製品および役務 (環境物品等)の調達を推進する。 資 源 の 再 生 ・ 再 利 用 資 源 の 再 生 ・ 再 利 用 循環型社会の形成 循環型社会の形成 に向けた取組み に向けた取組み ク リ ー ン エ ネ ル ギ ー の 利 用 ク リ ー ン エ ネ ル ギ ー の 利 用 平成19事業年度の年度計画において、こうした取組みについて次のように定めています。 水資源機構 平成19事業年度 年度計画(抜粋) ●建設副産物等のリサイクル 循環型社会の形成に取り組むため、次のとおり建設副産物の再資源化率、再資源化・縮減率 及び有効利用率の目標値を定め、建設工事により発生する建設副産物について、その発生を抑 制するとともに、そのリサイクルを行う。また、建設発生土の有効利用率の達成に努める。 〔再資源化率〕 〔再資源化・縮減率〕 〔有効利用率〕 アスファルト・コンクリート塊 99% 建設発生木材 95% 建設発生土 95% コンクリート塊 99% 建設汚泥 75% 建設発生木材 75% 建設混合廃棄物 H12に対し50%削減 建設廃棄物全体 91% 注)機構全国平均値 また、流木のリサイクルには25ダム(流木が流入する全ダム)で取り組むほか、17施設にお いて刈草のリサイクルに取り組む。 ●環境物品等の調達 環境物品等の調達については、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成 12年法律第100号)」に基づき行うこととし、平成19年度における特定調達品目※1については、 国が定めた「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」に規定された判断の基準を満たした もの(特定調達物品等)を100%調達する。 ただし、特定調達品目のうち、公共工事については、同基本方針に規定された目標に基づき、 的確な調達を図る。 ※1 特定調達品目:国および独立行政法人等が重点的に調達を推進すべき環境物品等の種類 14
  19. 19. 3-2 環境保全意識の向上 水資源機構では、職員の環境に対する意識と知識の向上を図るため、環境学習会を開催していま す。この環境学習会には、工事や調査の関係者、地域の方々、利水者にも参加していただき、地域 環境の保全に対する意識を共有するとともに、水資源機構の事業や環境保全の取組みを理解してい ただくよう努めています。平成19年度末までの期間における中期計画では、中期計画の期間末にお いて、すべての事業所において環境学習会を開催することを定めています。なお、平成19年度にお いては、全事業所において環境学習会を開催しました。 また、環境に関する知識を職員に習得させるため、中期計画においては、中期計画の期間中に延 べ200名以上の職員に対して、外部の機関が実施する研修や水資源機構自らが実施する専門研修を 受講させるとともに、環境に関する意識を高めるため、中期目標の期間中に延べ1,000名以上の職 員を対象として、環境に関するカリキュラムを設けた一般研修を実施することを定めています。 なお、平成19年度においては、延べ51名の職員が外部の機関が実施する研修や水資源機構自らが 実施する専門研修を受講し、延べ299名の職員を対象として、環境に関するカリキュラムを設けた 一般研修を実施しました。 さらに、環境保全に関する職員の意識の向上や姿勢の明確化を図るとともに、組織的、体系的に 環境保全に取り組むために、環境保全に関する指針を策定しています。 環 境 学 習 会 の 開 催 環境保全意識の向上 環 境 に 関 す る 研 修 環境保全に関する指針の策定 平成19事業年度の年度計画において、こうした取組みについて次のように定めています。 水資源機構 平成19事業年度 年度計画(抜粋) ●環境学習会の実施 職員の環境に対する意識と知識の向上を図るとともに、工事や調査の関係者への環境保全に 対する意識の啓発を図ること、機構の事業及び環境保全の取組に対する地域住民や利水者等の 理解を得ることなどを目的として、平成19年度中に全事業所で、環境学習会を開催し、又は参 加する。 また、環境に関する専門的知識を修得させるため、平成19年度中延べ45名以上の職員に、外 部の機関が実施する研修及び機構自らが実施する専門研修を受講させるとともに、環境に関す る意識等を高めるため、平成19年度中延べ200名以上の職員を対象に、環境に関するカリキュラ ムを設けた一般研修を実施する。 なお、地域住民等の一般参加を伴う環境学習会及び環境に関する専門研修については、実施 後に参加者へのアンケート等を行うことにより、所期の目的の達成状況等を把握し、当該学習 会及び研修の内容の充実を図る。 15
  20. 20. 3-3 社会とのコミュニケーション 水資源機構では、ホームページ、パンフレットなどを利用して、環境保全の取組みや管理施設の 水質状況など、環境情報の発信に努めています。また、地域環境との調和や自然環境に配慮した施 設整備、地域交流の場としての施設の利活用、地域社会の一員としての地域活動への参加・協力な どにより、社会とのコミュニケーションを図っています。 環 境 に 関 す る 情 報 の 発 信 地 域 環 境 と の 調 和 や 自 然 環境に 社会との 配 慮 し た 施 設 整 備 ・ 施 設 管 理 コミュニケーション 水源地域ビジョン※1の策定・実施 環境保全活動と地域交流への取組み 平成19事業年度の年度計画において、こうした取組みについて次のように定めています。 水資源機構 平成19事業年度 年度計画(抜粋) ●環境情報の発信 平成18年度における環境保全の取組等を取りまとめた「環境報告書2007」及び平成18年の水質 調査結果等を取りまとめた「平成18年水質年報」を作成し、公表する。 なお、「環境報告書2007」については、「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境 に配慮した事業活動の促進に関する法律(平成16年法律第77号)」の規定に基づいて作成・公表 を行う。 ●地域のニーズ及び自然環境に配慮した施設整備・施設管理 全事務所において、地域代表者との意見交換等により地域のニーズを把握した上で、より美し い地域環境の実現を目指すとともに、自然環境に配慮した施設整備・施設管理の取組を行うこと とする。 ダム等事業においては、周辺環境との調和を目指し、ダムサイト周辺や付替道路において、景 観への配慮、郷土種による緑化、伐採木等を使った防護柵の設置等を実施する。 用水路等事業においては、地域環境との調和や美しい水辺環境の創出等を目指し、1事業にお いて調整池周辺施設整備を行うとともに、1事業において景観に配慮したフェンスの更新を実施 する。 ●地域交流の実施とコミュニケーションの増進 水源地域と下流受益地の相互理解促進のため、施設を核とした上下流交流を推進する。また、 施設の役割等の理解を得るため、積極的に施設周辺地域とのコミュニケーションを図るとともに、 本社、支社及び局と連携を図り、全事務所において、年1回以上施設周辺地域とのコミュニケー ションの機会を設け、又は参加する。 水源地域のコンセンサスのもとで策定された水源地域ビジョンの活動については、推進会議の 事務局等として積極的に参加し、ダム水源地域との連携を図る。 ※1 水源地域ビジョン:ダムを活かした水源地域の自立的・持続的な活性化を図り、流域内の連携と交流によるバランスの とれた流域圏の発展を図ることを目的として、ダム水源地域の自治体や住民がダム事業者・管理者と共同で策定主体と なり、下流の自治体・住民や関係行政機関に参加を呼びかけながら策定する水源地域活性化のための行動計画 16
  21. 21. Ⅲ.環境保全の取組みの体制 1.環境保全の取組みの体制 水資源機構は、本社、4支社・局と35事業所(平成19年4月1日現在)で組織されています。 本社、支社・局、事業所においては、自然環境、水環境、建設副産物のリサイクル、環境物品等の 購入などに対応する担当部署を定め、環境保全の取組みを着実に推進しています。 また、機構事業の実施にあたっては、自然環境、水環境などへの負荷を伴うことから、これらの保 全に対する取組みの充実を図るために、本社に環境室を、関西支社事業部と7事業所(思川開発建設 所、利根川下流総合管理所、長良川河口堰管理所、川上ダム建設所、丹生ダム建設所、琵琶湖開発総 合管理所、大山ダム建設所)に環境課をそれぞれ設置しています。 (平成19年4月1日現在) 本 社 理 事 長 監 事 副 理 事 長 理 事 技 師 長 ※1 経 管 ダ 水 技 総 人 財 用 推総 環 監 営 理 ム 路 術 合 務 事 務 企 事 事 事 地 進 境 管 査 画 業 業 業 技 理 部 部 部 部 室術 室 室 部 部 部 部 室 利 荒 木 豊 淀 吉 筑 中 関 吉 筑 根 曽 野 後 川 部 川 西 川 野 後 川 川 川 川 水 水 支 水 水 支 水 川 水 川 水 系 系 社 系 系 社 系 局 系 局 系 ※2 5 6 2 7 2 4 1 2 3 3 建 管 建 管 建 管 建 管 建 管 設 理 設 理 設 理 設 理 設 理 所 所 所 所 所 所 所 所 所 所 注1)総合技術推進室は平成20年4月1日より本社から区分され、組織名を総合技術センターに改めました。 注2)建設所には、総合事業部、総合事業所、調査所を含みます。 17
  22. 22. 2.環境マネジメントシステムの運用 ※1 水資源機構では、環境保全の取組みを継続的に改善しながら推進していくために、ISO 14001 に 基づく環境マネジメントシステムの運用を行っています。この運用は、平成16年度に本社と筑後川局 管内において開始し、順次、他事務所に拡大しています。平成19年度は、長良川河口堰管理所、筑後 川下流総合管理所および琵琶湖開発総合管理所がISO 14001の認証を取得しました。 これからも環境マネジメントシステムを有効に活用し、機構で働く職員が高い環境意識をもって、 業務に伴う環境負荷の一層の低減に取り組んでいきます。 ISO 14001認証取得状況(平成20年3月31日現在) 事 務 所 名 ISO 14001認証取得年月 本社 平成16年12月  筑後川局 平成17年2月 筑後大堰管理所 両筑平野用水総合事業所 長良川河口堰管理所 大山ダム建設所 平成18年3月 小石原川ダム建設所 寺内ダム管理所 川上ダム建設所 平成19年3月  長良川河口堰管理所 平成19年6月  筑後川下流総合管理所 平成20年2月 琵琶湖開発総合管理所 平成20年3月  筑後川下流総合管理所 琵琶湖開発総合管理所 ※1 ISO 14001:企業活動、製品およびサービスの環境負荷の低減といった環境パフォーマンスの改善を継続的に実施する システム(環境マネジメントシステム)を構築するために要求される国際規格です。 18
  23. 23. Ⅳ.環境保全の取組みの状況 1.平成19年度における環境に関する主な出来事 平成19年度における環境保全の取組みや出来事の中から、主なものについて紹介します。 ・徳山ダムにおける環境保全対策がダム工学会技術開発賞を受賞・・・・・・・・・・・・・・・20ページ 徳山ダムでは、流域全体として調和のとれた自然環境を保全するため、様々な環境保全に精力的 に取り組んできました。 その取組みがダム技術の開発に著しい貢献をしたと認められ、平成19年度ダム工学会技術開発賞 を受賞しました。 ・阿木川ダムの水質改善の取組みが内閣府政策コンペで審査委員長特別賞を受賞(平成19年12月) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21ページ 阿木川ダムにおいては、平成16年度から岐阜県立恵那農業高等学校や地域の方々と協力し、空芯 菜の水耕栽培による貯水池の水質改善に取り組んでいます。 平成19年12月に行われた内閣府「地方発の地域経済建て直し」政策コンペにおいて、この取組み が評価され、恵那農業高等学校とともに審査委員長特別賞を受賞しました。 ・環境マネジメントシステムの国際規格ISO 14001の認証事業所の拡大(平成19年6月、平成20年2 月、平成20年3月)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18ページ 平成19年度においては、長良川河口堰管理所、筑後川下流総合管理所および琵琶湖開発総合管理 所がISO 14001の認証を取得しました。環境マネジメントシステムを活用することにより、より一 層の環境負荷の低減に努めていきます。 ・大山ダムのダム本体工事着手(平成19年8月)と環境保全対策の実施・・・・・・・・28ページ,49ページ 大山ダムにおいては、平成19年8月にダム本体工事に着 手しました。本体工事の着手に先立ち平成19年4月には、 環境調査結果や環境保全の取組みについて取りまとめた冊 子「大山ダムにおける環境保全の取り組み」を公表しまし た。 また、工事の実施にあたっては、環境保全協議会におい て工事関係者と一体となって環境保全の取組みを進めてい ます。 環境保全協議会の状況(大山ダム) ・太陽光発電の技術開発(平成19年8月)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40ページ 環境省が実施する「平成19年度地球温暖化対策技術開発 事業」の一環として、平成19年8月から東郷調整池(愛知 用水)において、水面を利用した大規模太陽光発電システ ムの実用化を目指した技術開発を民間会社((株)クレハエ ンジニアリング)と共同で行っています。 太陽光発電の技術開発(愛知用水) せいすい ・浦山ダムの清水バイパスが効果を発揮(平成19年11月)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36ページ 浦山ダムにおいては、濁水放流の長期化を防止するための清水バイパスが平成19年3月に完成し ました。平成19年9月の出水においては、清水バイパスの運用によって、長期濁水放流の軽減に大 きな効果がありました。 19
  24. 24. 1-1 徳山ダムにおける環境保全対策がダム工学会技術開発賞を受賞 徳山ダムでは、平成18年9月から試験湛水を実施してきましたが、平成20年4月21日に試験湛水 の最高水位に到達し、その後、貯水位を洪水期制限水位まで低下させて安全を確認し、平成20年5 月5日からダムの運用を開始しました。 徳山ダムの建設にあたっては、流域全体として調和のとれた自然環境を保全するため、様々な環 境保全に精力的に取り組むとともに、その取組みについて取りまとめた冊子「徳山ダムにおける環 境の保全」を公表するなど、環境保全に関する情報発信を積極的に行ってきました。 これらの環境保全対策の取組みがダム技術の開発に著しい貢献をしたと評価され、平成19年度ダ ム工学会技術開発賞を受賞しました。 徳山ダムでは、引き続き、環境保全対策の効果の把握、湛水やダムの運用による周辺環境の変化 の把握を目的としたモニタリング調査を実施しています。 ●主な環境保全の取組み ○流域規模での取組み 徳山ダムの上流域の山林を保全するため、「ダム周辺の山林保全措置に対する費用負担制度」を適 用し、山林の公有地化を行うこととしました。 ○地形改変の最小化 きしょうもうきんるい 希少猛禽類などの保全に配慮し、付替国道・県道の多くの区間をトンネル化・橋梁化しました。ま た、ダム堤体のフィルタ材、コンクリート用骨材について、徳山ダムの下流の横山ダム貯水池の堆砂 を利用することにより、当初予定していた材料採取地の地形改変を回避しました。 ○改変地の植生復元 原石山やコア山においては、郷土種による植生回復を促進するため、埋土種子からの発芽を期待し て、それらの山に元々あった表土のまき出し、周辺の根株・低木の移植を行いました。 表土まき出し直後 付替国道・県道のトンネル化・橋梁化 原石山の植生回復状況(表土まき出しの3年後) 20
  25. 25. ●環境に関する情報発信 徳山ダムでは、ダム本体工事着手前に、環境調査結果とこれに基づく環境保全対策について取りま とめた冊子「徳山ダム周辺の自然環境」と「徳山ダム周辺の希少猛禽類とその保全」を公表しました。 また、試験湛水の開始時には、ダム建設中に実施してきた環境保全対策、湛水開始以降のモニタリ ング調査計画などについて冊子「徳山ダムにおける環境の保全(第Ⅰ編、第Ⅱ編)」に取りまとめ、 公表しました。 徳山ダム周辺の自然環境 徳山ダム周辺の希少猛禽類とその保全 徳山ダムにおける環境の保全 徳山ダムにおける環境の保全 (平成11年9月) (平成12年2月) ─ 第Ⅰ編 自然環境 ─ ─ 第Ⅱ編 希少猛禽類 ─ (平成18年10月) (平成18年10月) 1-2 阿木川ダムの水質改善の取組みが内閣府政策コンペで審査委員長特別賞 を受賞 阿木川ダムでは、平成16年度から、岐阜県立恵那農業高等学校、地域の方々(東野振興協議会) くうしんさい や恵那市と協力し、空芯菜※1の水耕栽培による水質改善効果を把握するための調査や植え付け方 法、収穫方法の検討を行ってきました。 平成19年12月に行われた内閣府「地方発の地域経済建て直し」政策コンペにおいて、この取組み が自発的で意欲にあふれる取組みであると評価され、恵那農業高等学校と阿木川ダム管理所が審査 委員長特別賞を受賞しました。 空心菜の栽培状況(阿木川ダム) 受賞を記念して大田内閣府特命担当大臣との 記念写真状況(阿木川ダム) ※1 空心菜:中国原産の水辺に生育する植物で茎が空洞であることから空心菜と呼ばれています。水が十分あれば簡単に育ち、 窒素・リンの吸収力が強く成長も早い習性があります。中国やベトナムなどでは広く食べられています。 21
  26. 26. 2.環境保全に関する活動の概要 水資源機構の本社・支社・局および各建設所、管理所などにおける平成19年度(平成19年4月1日 から平成20年3月31日までの期間)に取り組んだ環境保全に関する活動の概要は以下のとおりです。 2-1 地域環境の保全 ページ 1)自然環境の保全 ①環境保全対策・環境調査の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 ○ワークショップによるビオトープづくり(香川用水施設緊急改築) ○名勝「三波石峡」の復活に向けて(下久保ダム) ②環境保全のための環境巡視等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 ○環境巡視の実施 ○環境保全協議会の活動 ③環境に関する委員会・検討会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 2)水環境の保全 ①水質情報の把握 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 ○水質情報の把握 ②水質異常の発生抑制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 ○各種水質対策設備の設置状況 ③水質異常時の対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 ○水質異常時の対応 ○水質対策設備による水質改善効果 ○水質事故発生時の対応 ④水質改善に向けた取組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 ○阿木川ダム水質保全検討会 ○光触媒による藻類増殖抑制の検討 22
  27. 27. 3)循環型社会の形成に向けた取組み ①資源の再生・再利用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39 ○建設副産物のリサイクル ○流木のリサイクル ○流木などの利活用の取組み ②クリーンエネルギーの開発と利用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40 ○新エネルギーへの取組み ○施設管理用水力発電の実施 ③環境負荷の全体像 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42 ○エネルギー使用量 ○エネルギー使用に伴う温室効果ガスの排出量 ○グリーン購入の実績 ○コピー用紙使用量 ○上水道使用量 2-2 環境保全意識の向上 1)環境学習会の開催 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 2)環境に関する研修 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47 3)環境保全に関する指針の策定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48 2-3 社会とのコミュニケーション 1)環境に関する情報の発信 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 ○「大山ダムにおける環境保全の取り組み」の作成・公表 ○広報誌等による情報の発信 2)地域環境との調和や自然環境に配慮した施設整備・施設管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50 ○ダム湖面等の利用 ○施設周辺の利用 ○景観に配慮した施設設計 3)水源地域ビジョンの策定・実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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