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    Open letter to CEOs in Japan Open letter to CEOs in Japan Document Transcript

    • Open Letter to CEOs in Japan 笠井孝誌 Power Rep Inc. 2010/08/17
    • Open Letter to CEOs in Japan 日本企業の最高経営責任者の皆さま 本日は、インターネット、パラダイムシフト、ソーシャルメディア、そして、日本ブランドの危機につ いて 理解していただくために筆をとりました。これらファクターが絡み合い、既存の広報、広告、マー ケティング戦略を大転換しない限り、日本のグローバルブラン ドが今後数年のうちにローカルなガラパ ゴスブランドに転落するという危機感を共有していただきたいと考えています。 1. まず、インターネットがあります。 InternetWorldStats.com によれば 2010 年 6 月 30 日時点で、世界の総人口は 68.5 億人、イン ターネットユーザ数は 19.7 億人、普及率 28.7%に達しています。そのトップ 20 には、日本、欧 米諸国などに加え、中国、ロシア、インド、ブラジル、イラン、トルコ、インドネシア、フィリ ピン、ベトナムなど BRICs および途上国 が顔を出し、2000 年からの伸びが 13,000%を越える イラン、12,000%を越えるベトナムはもとより、BRICs は軒並み 1,000%を越えて います。OECD 加盟国のインターネット普及がこれ以上見込めない中、BRICs、途上国は猛烈な勢いでインター ネットが普及しています。 Source:InternetWorldStats.com / Top 20 countries 次 にブロードバンド化があります。2008 年に発表された EU の世帯別ブロードバンド普及率で すが、蘭が 77%でトップ、英独仏は 47%、33%、 48%、EU27 カ国の平均でも 36%に達してい ます。調査されたのは 2007 年ですから今日までの 3 年間に平均普及率は 40%をを越え、50%に 迫って いるのではないでしょうか。
    • Open Letter to CEOs in Japan Source:EU / E-Communications Household Survey 2008 (pdf) 米国の最新のデータを見ると、こちらは世帯ではなく、インターネットユーザの BB 普及率とな っていますが、今年の 5 月時点で BB 化は 66%にまで進展しています。 Source:PEW / Home Broadband 2010 (pdf) そして、中国の場合、BB 化はもっと猛烈です。今年 1 月に発表された CNNIC のレポートによ れば、3 億 4,600 万人が BB ユーザだとしています。これは全インターネットユーザの 90.1%に あたり、前年比 7,600 万人が増加したとしています。
    • Open Letter to CEOs in Japan Source:CNNIC / The 25th Survey Report (pdf) このブロードバンド化の進捗は世界で起こっています。 イ ンターネットは情報通信の基盤でもあり、媒体としての側面もあります。世界のどこにいて も、インターネットにアクセスさえできれば、そしてブロードバンド 化していれば、IP 電話、 ビデオ電話、email、chat、Web、Blog、SNS などを使って地球の裏側にいる人と会話すること、 つながることがで きます。インターネットにアクセスさえできれば、朝日新聞であれ、New York Times や CNN であれ、BBC であれ、マスメディアの Web サイトへアクセスし、最新ニュース や情報を入手することができます。業界紙・誌の Web サ イト、業界フォーラムなども同じです し、企業や団体の Web サイトへアクセスすることができます。 今まで地理的、時間的、経費的な障害に よってコミュニケーションを行うことさえ難しかった 人々とコンタクトしたり、ビジネスを行ったり、一緒に社会貢献活動を行うことさえ可能になり ました。今 までのビジネスのやり方、仕事の仕組みを大きく変えたのがインターネットだと言 えます。 そのインターネット、ブロードバンドが先進国だけではなく、BRICs および途上国にも広く普及 し始めています。これらは世界がひとつにつながるプラットフォームだと言うことができます。 2. このインターネットユーザの増大とブロードバンド化がパラダイムシフトへとつながっていま す。 上で見てきたように、世界中の一般市民、消費者が、インターネットへアクセスできるようにな り、月額固定料金でのブロードバンド化が進捗することによって、常時インターネットにアクセ スするユーザが増えてきました。 そ の中の先端ユーザ達は独自ドメインを取得し、自分の Web サイトを立ち上げるものも出てき
    • Open Letter to CEOs in Japan ました。企業、団体、マスメディアの Web サイトへアクセスする だけに飽き足らず、自分で Web サイトを立ち上げ、様々な情報やコンテンツを発信するユーザが増えてきたのです。しばら くすると、Blog を書くユーザも 出てきました。世界最初の Blog のひとつは 1994 年に始まった とされていますが、1999 年にサービスを開始した Blogger など無料で Blog サービスを提供する プロバイダーも現れ、2004 年頃までには政治、経済面で Blog は大きな影響力を発揮するように なってきました。 Source:Wikipedia / Blog そ の後、専門家だけではなく、一般ユーザ・消費者が自分の日々の出来事をつづったり、ニュ ース、映画、ミュージック、セレブ、ブランドに関する意見・評価な どを Blog から発信し始め、 多くのインターネットユーザが Blog にコメントしたり、購読を始めるようになりました。 2009 年 1 月時点で、2002 年以降にインデックスされた Blog の数は 1.33 億件、世界で Blog 記 事を読むユーザ数は 3.46 億人(2008 年 3 月)に達しています。 Source:The Future Buzz / Social Media, Web 2.0 and Internet Stats こ れだけ Blog やその読者が増えてくると、トップ Blog の中には読者数が数万人、数十万人を 越えるケースも出てくるようになり、小規模な既存マスメディ アサイトのトラフィックを上回 る規模のものもあります。Blog によって個人の発信力が飛躍的にアップしてきたため、既存のマ スメディアや企業、団体が行 う情報発信のボリュームおよびクオリティと肩を並べてきました。 そして、既存のマスメディアと違い、オープン、対等な関係でコメントしたり、違う意見を戦わ せたり、友人や同僚を巻き込んで自分の Blog に発表するといった会話が成り立ってきました。 また、Web や Blog だけではなく、情報発信の一部として、一般ユーザ・消費者が独自に制作し たビデオを YouTube などに投稿する例も出てきました。 中でも下のビデオは 2006 年 6 月、二人の知り合いがダイエットコークにメントスを入れた噴出 実験を撮影したものです。同様の噴出実験ビデオをいくつも投稿していますが、世界中のユーザ が飛びつき、それぞれ数 10 万回から数百万回も再生されました。
    • Open Letter to CEOs in Japan Source:YouTube / Experiment #10 彼 らだけではなく、ビデオを視聴した他のユーザが同じような実験ビデオを投稿したり、Web や Blog に記事を書き、それを見たり読んだりした他のユーザが 友人・知人に話すといったクチ コミが広まりました。そのクチコミ露出に後を押され、まず、メントスが彼らのサポーターとな りました。その後もしばらくはだ んまりを決め込んでいたコカ・コーラでしたが、売上が 5~10% も伸びた結果を無視できず、彼らの実験を支援し始めました。コカ・コーラ本社前、米国各都 市、 果ては欧州のオランダで噴出実験を披露するキャラバンを展開しました。名にしおう世界のコ カ・コーラ社がどこの誰とも分からないポット出のタレント、 ビデオクリエイターの力を借り てグローバルなマーケティングを実行したのです。 企業が大規模予算をかけて製品・サービスのプロモーション を行っている傍らで、たった数十 ㌦程度の撮影費用しかかけていないユーザのオリジナルビデオが米国や世界のユーザのマイン ドに刺さり、マスコミも追随して 報道することで、商品が飛ぶように売れてゆく。企業がコン トロールしていたはずのブランドコントロールが一般消費者の手に渡ったことを示す典型的な ビデオ だと言えます。 一般消費者が投稿するビデオが、企業のマーケティング活動に大きく影響するだけではなく、企 業のレピュテーションを毀損する例も出てきました。 下 は、ドミノピザ従業員が、唾を吐きかけたり、鼻くそをピザに塗り込めたりした様をビデオ で撮影し、投稿したものです。このとんでもないビデオはあっという 間にインターネットユー ザに広まり、US ドミノピザの社長が YouTube に謝罪ビデオ投稿し、異例の顧客対応を余儀なく されました。
    • Open Letter to CEOs in Japan Domino Pizza の該当四半期の売上に対して 1%から 2%の影響があったと決算報告書に記載があ ります。それほど一般ユーザが作成したビデオは、企業業績に大きな損害を与えるほどの影響力 があるわけです。 Source:DailyMotion / Domino Pizza こ れら以外にも乗客の手荷物取扱を巡り、United Airlines などが糾弾された例があります。個 人が制作したコンテンツにより、企業が営々と築き上げてきたブランド評価やレピュテーション はもちろ ん、業績にまで多大な影響を与えるケースもでてきています。そしてのその影響は、 例えば米国内だけに止まるのではなく、世界中に露出し、企業・ブランドの レピュテーション を粉々にしてしまうほどのパワーを秘めているのです。 このセクションの最初にダイエットコークとメントスの噴出実験ビデ オを取り上げましたが、 同じ年の 10 月、ANA(全米広告主協会)総会において P&G の CEO、A.G.Lafley は、「パワー は消費者が握っ ている。彼らは考えられるすべての意味で我々のブランドを所有し、ブランド コンテンツ制作に参加し始めている」と語っています。また、Wal-Mart の Marketing VP、 Stephen F. Quinn は、「消費者が手綱を握っており、消費者にうまく手綱を握らせるものが勝者 になる」とまで発言しています。
    • Open Letter to CEOs in Japan Source:NYT / Letting Consumers Control Marketing: Priceless 企 業は、大規模予算を投下してマスメディアを使った一方通行のコミュニケーションを継続し てきました。新雑ラテという四大マスメディアはもとより、屋外、 DM、展示会、プライベート セミナー・展示会、イベント開催など、すべてのコミュニケーション・チャネルを総動員して露 出、リーチ、訴求、認知、想起と いった昔からのマーケティング理論を実践してきました。 しかし、四大マスメディアの露出、訴求力には陰りが見えます。多メディア化が進展し、ユーザ を情報洪水が呑み込んでいる現在、TV の視聴率、新聞・雑誌の購読者数、ラジオの聴取率も右 肩下がりを続けています。今後、回復する道筋は見えません。 一 方、インターネット、ブロードバンドを手にした消費者は、オリジナルのコンテンツやブラ ンド関連コンテンツを作成し、個人的なネットワーク内で発信、共有 するだけではなく、Blog や画像・ビデオ共有サイトなどに投稿することで、世界中のインターネットユーザにコンテンツ を提供しています。そして、そのコ ンテンツを消費し、他のユーザと共有する世界のユーザが います。 ま さに、情報・コンテンツの出し手は企業やメディア、そしてその受け手は消費者といった今 までの固定観念が崩れ、新しいパラダイムが沸き起こってきたわけで す。すなわち、一般消費 者も情報・コンテンツを提供する出し手となり、他ユーザの制作、発信する情報・コンテンツの 受け手となっています。また、受け取っ た情報・コンテンツを、家族、会社の同僚、学校のク ラスメート、地域の知り合いといったオンライン上にある自分のネットワークの人々と共有して います。こ こで点から点へ転送されてきた情報・コンテンツが、面で共有されることになりま す。オープン、対等、双方向の会話が成り立ち、それを閲覧するユーザも巻き 込んで会話が拡 大してゆくことになります。
    • Open Letter to CEOs in Japan そして、その効果、波及範囲は国内だけに止まらず、世界に波及するということです。 え? 「米国、英語のコンテンツは非英語圏のユーザには波及しないだろ!」 そう考えられるのは無理もありません。 し かし、そうではありません。下図は、各国のインターネットユーザがアクセスしたコンテン ツの言語比率を表しています。当然、豪、ニュージーランド、イン ド、英、アイルランド、カ ナダ、南アといった英語圏は英語でのコンテンツ消費が主です。しかし、韓国、台湾、日本、中 国、欧州諸国、南米、イスラエルと いった非英語圏でも少なからず英語でのコンテンツが消費 されています。 皆さんだって、ご自分で NYT.com や BBC.co.uk、WSJ.com や Bloomberg.com へアクセスされ ているように、英語は情報・コンテンツが世界へ拡散される障害にならないのです。 Source:comScore State of the Internet, Nov 2009 え? 「非英語圏ユーザが英語でコンテンツを消費しているとしても、ほんの少ししかいないじゃない か!!」 そ うです。国によっては違いますが、控え目にみて 10%未満といった処でしょうか。でも、こ の 10%未満のユーザ達は、アーリーアダプターと呼ばれる人たち です。非英語圏であろうと英 語くらい流暢に話せる各国のアーリーアダプターは、ビジネスや個人目的で最新ニュース、情報、 コンテンツを探しています。政 治、経済、財務、芸能、スポーツ、IT、ネットワーク、アプリ の最新情報、もっとも影響のあるソースと言えば、米国の英語情報・コンテンツです。これらを
    • Open Letter to CEOs in Japan いち早く入手するため、アーリーアダプターはアンテナを張っています。そして、かれらは自分 の Web、Blog、SNS、Twitter などで最新情報を 自国語に翻訳して国内ユーザと共有していま す。 点と点がつながって、そこから面に拡散されているのです。 ここで大きな問題があります。 各国、各地域ごとの営業・販促活動は現地子会社、販社の責任ですが、非英語圏のアーリーアダ プターが国境や子会社のテリトリを越えて、英語コンテンツを入手し、国内に露出、共有してい るのです。 例 えば、米国子会社にとって非英語圏のアーリーアダプターはターゲットではありません。彼 らが如何に米国の英語コンテンツを入手したところで販売につながる わけではありませんから。 一方、各国のアーリーアダプターに対して各国子会社、販社ができることはあまりありません。 米国以外の子会社や販社が米国へアク セスする各国のアーリーアダプターに米国で何かするこ とはできませんから。しかし、世界中のインターネットユーザがひとつにつながり、各国のアー リーアダ プターが最新の英語ニュース、情報、コンテンツを探しまくり、国内に供給している 現在、どこが何をすべきでしょうか? 企業やメディアが一方的に情報やコンテンツを押し付けている時代から、一般消費者が自分の意 見、判断、評価などを発信し始めたこと、そしてそれが消費者間で共有され、点から面に拡散さ れていること。これが最初のパラダイムシフトです。 そして、世界のアーリーアダプターが国境を越えて英語コンテンツを入手し、国内に共有し始め たことで、海外子会社や販社の責任や義務を超越した存在になっていること。この世界のアーリ ーアダプターに対応しなければいけないこと。これが 2 つめのパラダイムシフトです。 3. このパラダイムシフトのバックボーンを支えているのがソーシャルメディアです。 上 で紹介した ANA 総会は 2006 年でした。2006 年というと、今、もっとも注目を集めている Facebook がすべてのインターネットユーザに解放され た年ですし、YouTube、Twitter、あるい は LinkedIn といったソーシャルメディアサイト・サービス・ツール・プラットフォームが出揃 っ た年でした。
    • Open Letter to CEOs in Japan Source:Social Network Sites: Definition, History, and Scholarship それから 4 年たってみると、Facebook は世界で 5 億人、Twitter は 1 億人、LinkedIn は 0.75 億 人以上の登録ユーザを抱え、YouTube では毎日 20 億回以上もビデオが再生されています。 米 国の直近データを見ると、2010 年 6 月に米国インターネットユーザがオンラインで消費した 時間のうち、22.7%(前年比 43%増)はソーシャルネット ワークです。インターネットの創生期 から幅広く使われてきた email は 8.3%(同 28%減)AOL や Yahoo といったポータル系は 4.4%
    • Open Letter to CEOs in Japan (同 19%減)、チャットとして親しまれている IM は 4%(同 15%減)となっています。 Source:Mashable / Social Networking Dominates Our Time Spent Online 情 報・コンテンツの配信チャネルや共有スペースとしてもソーシャルメディアは上位を占めて います。ニュースの配信を受けるチャネルとして、Twitter、 Facebook が Email を抜いて一位、 二位を占めていますし、コンテンツを共有するスペースとして Facebook が一位、Twitter が三位 に つけています。 Source:Silicon Allery Insider
    • Open Letter to CEOs in Japan 如何に米国のインターネットユーザが、ソーシャルネットワークにアクセスし、情報・コンテン ツを発信しながら、消費・共有・拡散しているかが分かります。 こういったパターンは何も米国だけに起っているのではなく、全世界共通です。Facebook の登 録ユーザ 5 億人のうち 70%は海外ユーザで、Twitter の登録ユーザ 1 億人のうち 60%以上は海外 ユーザなのですから。 こ のソーシャルメディアが企業のマーケティング戦略に大きな影響を与えています。今年 6 月、 NY において Corporate Social Media Summit が開催されました。ここに講師として参加した欧 米各社の担当者 21 人中、Social Media、Digital、Online、Interactive といった部門のディレク ター、シニアマネージャという肩書がついている人は 14 人に及 びます。三分の二の企業が、い ままでの組織ではなく、エンパワーされた世界の消費者が活動しているソーシャルメディア(ス ペース)を担当する部署をすでに 立ち上げているのです。また、既存の部署名のままであって も、Social Media、Digital、Online、Interactive に関係するコミュニケーションを担当してい るのは明らかです。 それ は、今までの仕組みが変わってしまったからです。ソーシャルメディアによってエンパワ ーされた消費者、ユーザ、顧客は、今までの組織が行っていた既存業務 では収まりきらない行 動をとり、その影響は他部門に複層して及ぶからです。また、エンパワーされた消費者に対して 企業・ブランドからのメッセージを送るに は、既存の広報、広告、マーケティングチャネルで はうまく行かないからです。 例えば、Heather Armstrong、別名 dooce という女性 Blogger がいます。昨年、彼女は購入した ばかりにも関らず故障続きの MayTag 洗濯機のトラブルで 堪忍袋の緒が切れ、 「MayTag 製品は 決して買わないで。MayTag 製品は悪夢よ」という Tweet をしました。通常であれば、これはカ スタマー・ サービスの守備範囲です。根気強く顧客の苦情、トラブルに電話対応をするわけで すが、時代が違います。顧客は Web、Blog、SNS、Chat、 SMS、そして Twitter で顧客対応の 一部始終をオープンに公表することができますので、メーカー対顧客のコミュニケーションが青 天白日、全世界のイ ンターネットユーザが注視の元に対応しなければなりません。また、悪い ことに彼女の Twitter には当時でも 100 万人以上のフォロワーがいたのです。 彼女が行った Tweet は 100 万人以上のタイムラインに表示されるわけです。小さな通信社、あるいは中堅の地 方新聞社に匹敵する露出力がある彼女にカス タマーサービスが対処すべきでしょうか、対処可 能でしょうか。すでに発信された彼女の Tweet を見たユーザ達への対応はどこが、どうすべきで しょうか。 この場合、最終的には MayTag の親会社、Whirlpool の Twitter アカウントが彼女に対応しまし た。ここは Whirlpool のコーポレート コミュニケーション部が管理し、Tweet を行っているア
    • Open Letter to CEOs in Japan カウントです。企業情報を発信する Twitter アカウントが個別顧客のクレーム対応を行ったこ と になります。しかし、それも当然です。そのままでは、企業のブランド価値、評価を急落させか ねないことになりますし、ひいては販売にも影響が出るかもし れないからです。 Source:Twitter / WhirlpoolCorp ソー シャルメディアパワーを身にまとった消費者に対応するため、企業はまず、新しい組織を 作りました。その上で、ユーザ達が自分のブランドに対して Blog や Twitter で何を語っている のかモニタリングを開始しました。上の Whirlpool がいい例です。自社関連ブランド名、あるい は@dooce をモニ タリングしていなければ、傷はもっと深かったはずです。 また、企業の公式 Web サイトにアクセスするユーザにサイトの分かりやすやコンテンツを評価 してもらいサイトの改善につなげるため Web ビジター調査も開始しています。 加えて、ブランド情報・コンテンツを共有してもらうため、Web サイトに Facebook や Twitter へのリンクボタンをつけたり、Facebook などのソーシャルネットワーキングサイトに企業の公 式ページを持って、ユーザと会話を始めています。
    • Open Letter to CEOs in Japan Source:Samsung.com/us/ ソー シャルメディアは一般消費者に力を与えています。インターネットおよびパラダイムシフ トがもたらした変革をベースに世界中の消費者が、企業、メディアに匹 敵する質と量のニュー ス、情報、コンテンツの制作、発信を、Blog、Facebook、Twitter などのソーシャルメディアス ペースで行っていま す。その制作、発信されたニュース、情報、コンテンツを他のユーザ達が 消費、共有し、その次のユーザ達につなげています。 そのため、インターネットおよびパラダイムシフト、そしてソーシャルメディアは、企業そのも のの体制、組織、マーケティング戦略をも変革しています。 4. 最後に、日本ブランドの危機を取上げます。 インターネット(+ブロードバンド) 、パラダイムシフト、ソーシャルメディアが提供するもの、 すなわち、 o オープンで o フラット、対等な o 双方向のコミュニケーション、エンゲージメントをすること から o ブランド関連情報が発信され、共有、消費、再露出されている o それがひとつの国内だけではなく、世界へ波及する o 世界のインターネットユーザはひとつにつながっている ことを理解した先進企業はソーシャルメディア戦略を構築し、実行に移しています。 ソー シャルメディアマーケティング戦略のトップランナーのひとつである米 Ford は、一昨年か ら消費者をソーシャルメディアスペースに巻き込んだ Fiesta Movement キャンペーンを行って いました。キャンペーンが終了した昨年末時点で Fiesta が米国内で販売されれば購買すると 8 万人が回答していま した。もし、Fiesta1 台を 200 万円だとすれば、1,600 億円の売り上げにつ ながるという結果を出しています。また、Explorer の最新モデ ルを Facebook 内で発表したり と積極的にソーシャルメディアを活用しています。 Ford のソーシャルメディア戦略、キャンペーンか ら学習した競合、例えば Volkswagen は、2011 年モデルの Polo GTI のキャンペーンを Facebook だけで開始しました。また、その公式ページの 言語は英語だと宣言し、全世界の消費者に向けて Facebook を タッチポイントとする戦略を開始 しています。BMW も同じです。Facebook 内に本社管理のページを設け、全世界 20 カ国の子会 社が開設している Facebook ページへのリンクページとして機能させています。BMW の本社ペ
    • Open Letter to CEOs in Japan ージも英語となっていますので、全世界の消費者に向けたポータルページな のです。 これら 2 社が開設している Facebook ページは、独本社が全世界のインターネットユーザに向け たゲートウェイとなっていま す。ここから世界の消費者にブランド関連ニュース、情報、コン テンツを発信し、彼らに消費、共有してもらい、彼らの友人・知人達に再露出してもらうための 場所となっています。また、世界中の消費者が体験したブランド経験、画像でも、ビデオでも、 コメントでも、それらを共有してもらうためのスペースとしても 機能させています。 もう、昔と同じように既存マスメディアに広告を出しても、広報記事を掲載してもらっても、そ れらの情報・コンテンツを 消費、共有してくれる消費者がいません。いや、正確には消費者は いるのですが、広告や広報記事を信用してくれる消費者がいないのです。消費者は、企業の広 告 や広報よりも、専門家の声や判断、社員との会話で得られた情報、あるいは自分と同じような人 の意見や評価を信じているのです。Ford を含め、これら企 業はそれを理解しています。 各社は、ターゲットとなる消費者が集うソーシャルメディアスペースにブランド自身が参加し、 ファンやフォロワーになってくれる消費者とオープン、対等、双方向のコミュニケーションを行 おうとしています。そうすることで、消費者の信頼を獲得しようとしています。 Ford の Global VP-Marketing の Jim Farley は、 Age の Digital Conference 2010 において、 Ad 15 秒の TVCF で我々が聞いてほしいストーリーを話すことはできるが、我々が求めているのは 顧客に我々のストーリーを語ってもらうことだ。顧客の信頼をどのように得るかを示してくれた のはデジタルだ。 と語っています。 Source:Ad Age / Digital Conference 2010
    • Open Letter to CEOs in Japan また、彼は以前の新車発表・発売に焦点を当てた既存メディアキャンペーンではなく、 メディアキャンペーン開始前から、そして終了後も継続されるソーシャルメディアスペースでの 会話、エンゲージメントの重要性を指摘しています。 キャンペーンに合わせた一時的な広告や広報活動ではなく、ソーシャルメディアスペースでユー ザと、一から会話を紡ぎ、育て、垂れた稲穂をユーザの個人的コネク ション、ネットワークに 共有してもらう。その中で新しい接ぎ穂が出れば、それも大事に育ててゆく、そのなかで消費者 の信頼を獲得するという、Ford の全 く新しいパラダイムを惜しげもなく公表しています。 Ford 自体、まだグローバルな展開を見せていませんが、Volkswagen や BMW が学習成果を基に ちゃっかりと一歩先のステップを踏み出しているように見えます。 こ ういった事例が自動車メーカーだけではなく異業種でも学習されてゆきます。B2C 企業だけ ではなく、B2B 企業も同じように学習してゆきます。各国現法は Ford をお手本に、本社は VW や BMW をお手本にして、各社の広報、広告、マーケティング戦略にソーシャルメディアが取り 入れられてゆきます。そして、 世界中の消費者、顧客、ビジネスパートナー、サプライヤーを 巻き込んだ会話、エンゲージメントが活発化してゆきます。 唯一、日本の企業を除いて...。
    • Open Letter to CEOs in Japan 日本企業も国内では相応にソーシャルメディア対応を行っていますが、海外、あるいはグローバ ルな展開は非常に遅れています。 Facebook、Twitter、YouTube のファン、フォロワー、購読者を集計し、Famecount というラン キングを発表しているサイトがあります。 Source:Famecount Facebook、 Twitter、YouTube というソーシャルメディアスペースの中心に、海外向け、あるい はグローバルな公式ページ、アカウントを持っている日本企業 は数えるばかりです。とても Facebook だけで 1,200 万人以上のファンをもっている Starbucks、Twitter に 150 万人以上のフ ォロ ワーがいる JetBlue、Dell とは比べられません。 しかし、Red Bull が 3 位、Zara が 15 位、H&M が 20 位、Lacoste、PUMA、BlackBerry、Adidas、 Louis Vuitton、Nokia など世界の錚々たるブランドがちゃんと顔を出しています。こういった現 状では、日本の企業・ブランドはソーシャルメディアス ペースに存在していないに等しく、そ れでなくとも大きい欧米各社との露出ギャップは大きくなるばかりです。 幸いなことに今のところ、VW や BMW 本社のように Facebook をグローバルブランディングに 活用しようとしている企業は限られています。しかし、Best Practice は様々な場所、スペースで オープンに共有されるものですから、あなたの企業の競合メーカーがいつ、VW や BMW 本社の ようにソーシャルメ ディアを活用したマーケティング戦略を開始してもおかしくありません。 あなたの競合メーカーがソーシャルメディアを活用したグローバルなマーケティング戦略を開 始した時、あなたの企業はそれに対応することができますか?すでに対応するための組織、予算、
    • Open Letter to CEOs in Japan 戦略を準備されていますか? 上 述の Samsung.com/us/は、昨年末にヘッドハンドした人間をソーシャルメディアマネージャ とし、今年 1 月の CES におけるプレスコンファレン スを Twitter で同時中継したことから始ま り、Web や Email ニュースレター、Facebook、YouTube、Twitter など各種タッチ ポイントの ソーシャル化を推進しています。彼は、今年、6 月の Corporate Social Media Summit に講師と して招かれプレゼンしていますし、7 月には韓国 Samsung 本社において CEO および 100 人以 上の上層部に次のコミュニケーショ ンプラットフォームのプレゼンをしています。これほど大 きな動きをあなたの企業は同じように遂行することができますか? あるいは、社内にこういった世界の動きをウォッチし、警鐘を鳴らしている組織、担当者はいま すか? もし、社内で準備がされておらず、世界の動きをウォッチすることもなく、社内に警鐘が鳴り響 いていないのであれば、世界に誇る日本ブランドの価値、評価はとてつもない危機に直面してい ると言えます。 さて、インターネット、パラダイムシフト、ソーシャルメディア、そして、日本ブランドの危機を説明 してきましたが、おさらいの意味でもここでお聞きしたいことがあります。 それは、 • 世界中の消費者がインターネット、パラダイムシフト、ソーシャルメディア、そして英語と言う 共通語でひとつにつながっているということは全くないと考えますか? • 広報、広告、マーケティング部といった既存の組織が、ソーシャルメディアによりエンパワーさ れ、情報・コンテンツの制作・発信力を増し、共有・拡散力も以前とは比べ物にならないほどパ ワーを持つようになった消費者に対応できると考えますか? • 海外のことは海外の子会社、販社に任せておけばよく、各国のアーリーアダプター、インフルエ ンサーが翻訳し、国内に露出・共有する英語の情報・コンテンツなど気にする必要はないと考え ますか? • 競合メーカーが各国市場やグローバルブランディングにおいてソーシャル化を進める中、今まで 通りの広報、広告、マーケティング戦略を踏襲していても、企業価値、評価、消費者の信頼など は下落しないと考えますか? • WSJ、 NYT、WP など一流マスメディアに広告を出稿し、PR Wire や BusinessWire からプレ スリリースを流し、CNN や Sky、Eurosport に CF を出し、Google に検索広告、Yahoo に ディ
    • Open Letter to CEOs in Japan スプレイ広告を出すことから、ソーシャル化、顧客の信頼獲得へと比重を移している Ford の戦 略に全く危機感を感じませんか? • 物やサービスを売るというマーケティングが、消費者あるいは顧客やユーザとの会話を醸成し、 点から面へ広げてゆくマーケティングへ移行しているとは考えませんか? ということです。 日 本航空の破たん原因を調べているコンプライアンス調査委員会が管財人に報告する内容には、組織の 肥大化と経営者の 経営判断や全社的な危機意識の欠落が含 まれています。具体的には、営業や経営企 画、運航本部といった組織が「縦割り」で横のつながりが乏しく、現場と上層部との間で風通しがわる くなっていたと 指摘しています。その結果、経営者が経営破綻に陥るような重大な事態に気づくのが遅 れたとしています。 Source:Asahi.com / 日航破綻「歴代経営者の不作為が要因」 企 業規模が大きくなればなるほど「親方日の丸」に近い意識が存在する可能性が高くなり、また、企業 規模に慢心したグローバルな「危機意識の欠落」も存在可能 性が高くなり、「ガラケー」といったひと つの製品だけではなく、企業全体が日本ローカルなガラパゴスブランドに陥ってしまう危険性が一層、 高くなると恐れ ています。 この危険性を少しでも低くするためには、また、上の 6 点において少しでも不安や心配の種がおありな ら、既存広報、広告、マーケティング戦略を見直し、新しいパラダイムを前提とした戦略への転換を強 くお勧めします。 長文になりましたが、是非、厳しい現状を認識いただき、最善、最適な戦略を打ち出されることを願っ てやみません。 笠井孝誌 株式会社パワーレップ