個人情報保護法の改正の大綱が発表された。このまま改正されたら、オーディエンス・ターゲティングをはじめとするデジタル・マーケティングに与える影響は計り知れない。

1. 2014 年 6 月 26 日
Web 広告研究会月例セミナー
「個人情報保護法改正がマーケティング・コミュニ
ケーションに及ぼす影響」
第三部 パネルディスカッション
菅原 裕

2. 問題提起
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3. の「大綱」 内容
デジタル ターゲティングに する・ 関連 部分
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4. 4
パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱（検討会案）
大綱（検討会案） 7 ～ 8 ページ「Ⅱ 制度改正内容の基本的な枠組み」
1.本人の同意がなくてもデータの利活用を可能とする枠組みの導入等
– 「個人の特定性を低減したデータ」への加工と、本人の同意の代わり
としての取扱いに関する規律を定める
1.基本的な制度の枠組みとこれを補完する民間の自主的な取組の活用
– 民間団体が業界の特性に応じた具体的な運用ルール（例：個人の特定
性を低減したデータへの加工方法）や、法定されていない事項に関す
る業界独自のルール（例：情報分析によって生じる可能性のある被害
への対応策）を策定し、その認定等実効性の確保のために第三者機関
が関与する枠組みを創設する
1.第三者機関の体制整備等による実効性ある制度執行の確保
– 法令や民間の自主規制ルールを実効性あるものとして運用するために
、独立した第三者機関の体制を整備する

5. 民間主導による自主規制ルール策定・遵守の枠組みの創設
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民間団体が自主規制ルールを定める
「大綱」 12 ページ
第三者機関
届出 権限
主務大臣
助言、報告徴収、勧告、命令
指導、立入検査、公表 等

6. 今後のスケジュール
• パブリック・コメント（日程明記なし）（ 4 ページ）
• その後 （ 9 ページ）
1. 平成 27 年（ 2015 年）１月以降、可能な限り早期に関係法案を国会に
提出する。
2. 改正法の成立後、可能な限り早期に第三者機関を設置し、業務を開始
するとともに、周知及び準備が必要な部分を除き早期に施行する。
3. その後、可及的速やかに残りの部分についても施行する。 なお、改正
法の施行に当たっては、第三者機関の体制整備や新たな制度の周知等
に努め、既存の制度における民間の取組等を活かしながら円滑に移行
できるよう取り組むことが必要である。
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7. © Copyright 2013 Hewlett-Packard Development Company, L.P. The information contained herein is subject to change without notice.7
明確化された「個人情報」範囲
個人情報
非個人情
報
保護対象 利活用促進
加工
加工
以前から多くの学者が
明らかに「個人情報」
だと解釈していた情報
•（社会的情報）氏名、自宅
住所、勤務先名、メールアド
レス、電話番号、生年月日
•（生物学的特徴）性別、髪
の色、眼の色など
今回の検討会で検討さ
れた「グレーゾーン」
•パスポート番号
•運転免許証番号
•IP アドレス
•PC や携帯端末識別 ID －
MAC アドレス、 IMEI など
•顔認識データ
•遺伝子情報、声紋、指紋
•位置情報、移動情報
本人の同意がなくても
データの利活用を可能
とする枠組み
「個人情報」や「準個人情
報」を加工した「個人の特
定性を低減したデータ」
個人の特定性を
低減したデータ

8. 8
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pd/dai8/siryou1_1.pdf
平成 26 年 4 月 24 日（木）第 8 回 パーソナルデータに関する検討会
【資料 1-1 】 「個人情報」等の定義と「個人情報取扱事業者」等の義務について（事務局案）＜概要編＞

9. 9

10. 同意原則が重要
個人情報 本人同意あり 本人同意なし
社内使用 可 不可
社外に譲渡したり、社外から譲渡されたり 可 不可
加工済みの「個人の特定性を低減したデータ」 可 可
非個人情報 可 可
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11. 検討会案ができるまでの経過
• 「パーソナルデータ
に する関 検討会 決
定等」
• https://www.kantei.go.jp/jp/s
ingi/it2/pd/
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12. 問題提起
12

13. デジタル・マーケティングに与える影響
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アメリカ企業ができることは、
日本企業でもできるようにして欲しい
特に
オーディエンス・ターゲティングには
影響の可能性が大

14. グーグルのプライバシーポリシー
• http://www.google.co.jp/policies/privacy/
• Google が取得する情報
– お客様からご提供いただく情報
• 氏名、メール アドレス、電話番号、クレジット カードなど
– 端末情報
• ハードウェア モデル、オペレーティング システムのバージョン、端末固有
の ID 、電話番号などのモバイル ネットワーク情報
– ログ情報
• 検索キーワード、お客様の電話番号、通話の相手方の電話番号、転送先の電
話番号、通話の日時、通話時間、 SMS ルーティング情報、通話の種
類、 IP アドレス、 Coockie
– 現在地情報
– 固有のアプリケーション ID
– ローカルストレージ
– Coockie と匿名 ID
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15. グーグルは取得したデータを
広告にどのように使用しているか？
• http://www.google.co.jp/policies/technologies/ads/
• サービスの向上
• システムのセキュリティ確保
• 同じ広告を何度も表示しないようにする
• クリック詐欺を検出して停止
• より関連性が高いと考えられる広告（ユーザーがアクセスしたウェ
ブサイトに基づく広告など）を表示したりする
• ユーザーの現在地に基づいて広告が表示
• Google 広告が、 Google 以外の企業によって選択される
• リマーケティング
：
• Google 広告が、 Google 以外の企業によって選択される場合もあり
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16. Googleは、私の年令や性別、趣味を推定している
• http://www.google.com/settings/ads
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17. HP Digital Marketing Hub
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18. デジタル・マーケティングに与える影響
• オーディエンス・ターゲティングに与える影響
– ペイド・メディア
• オーディエンス・ターゲティング広告を実施する際の選択肢がグーグルなど
だけになってしまう
– オウンド・メディア
• 自社データだけでは、ターゲティングを実施するデータが不足
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19. 懸念点 1
• 「業界自主規制」の「業界」は、広告とかマーケティングを切り分
けて作成してもらうようにしましょう
– 特に金融業界など、個人情報を扱う業種は、厳しい自主規制を行うと
想像される。広告とかマーケティングに関しては、別の基準を設けな
いと、オーディエンス・ターゲティングは実施が難しくなる。
– 「広告業協会」「民放連」「新聞協会」「雑誌協会」に関しても、デ
ジタル・メディアよりもレガシー媒体を優先して自主規制がしかれる
と、広告出稿先も限定されることになる。
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20. 懸念点 2
• オーディエンス・ターゲティングが事実上できなくなる可能性があ
る
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21. 懸念点 2
• 現在 Criteo が実施している例
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22. 呼びかけ
• パブリック・コメントで発言しましょう
– 持ち帰って、法務部門と検討してください
– パブリック・コメントは個人の発言です
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