入菩薩行論 第八章 瞑想[6] 現代超訳

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入菩薩行論 第八章 瞑想[6] 現代超訳

  1. 1. にゅう ぼ さつ ぎょう ろん 入 菩 薩 行 論 菩 薩 の 生 き 方 へ の 手 引 (Bodhisattvacharyavatara : A Guide to the Bodhisattva's Way of Life) 寂天菩薩 (Acharya Shantideva) 著 土山仁士 現代超訳 第八品 靜慮 (第八章 瞑想[6]) 160.我樂他不樂 我高他卑下 利己不顧人 何不反自妒 私は幸福でも他は不幸であり、私は高慢でも他は卑下しており、自分を利す るばかりで他に気配りしないのに、どうして反対に自分に嫉妬しないのでし ょうか? 【他人が自分より恵まれていれば嫉妬するのに、自分が他人より恵まれている場合 はどうして嫉妬しないのかと自問すると、自分の自己中心的な強欲、執着、驕りや 傲慢が見えてくる】 161.吾當離安樂 甘代他人苦 時觀念起處 細察己過失 私は安楽から離れ、甘んじて他人の苦しみを代わってあげるべきであり、時 には観想して人とうまく付き合い、自分の過失を細かに観察します。 【相手の立場になって相手の気持ちを思いやり、自分の行動を律するためには、相 手に向けて意識を集中し、その姿や性質を観察する瞑想と、過去の自分の過失を 反省する内観が効果的であると指摘している。瞑想法には、一点集中瞑想 (single-pointed meditation) と分析瞑想 (analytic meditation) があり、前者の目的 は、意識を対象の一点に集中して油断なく気を配ることにより、心のエネルギーを 結集すること、後者の目的は、あらゆる情報を収集し本質を見極めるための分析を 行うことである】 162.他雖犯大過 欣然吾頂替 自過縱微小 眾前誠懺悔 他人が大きな過ちを犯したとしても、喜んで自分が身替わりとなり、自分の 過ちはたとえ微小でも、人々の前で誠実に懺悔します。 【他人の過ちを責め、自分の過ちは開き直って反省しない態度をよく見かけるが、 他人の過ちは責めないで助けてあげ、自分の過ちを謙虚に反省する態度は非常に 稀であり尊い行為である。】 2013 Copyright © 2013, Hitoshi Tsuchiyama. All rights reserved.
  2. 2. 163.顯揚他令譽 以此匿己名 役自如下僕 勤謀眾人利 他人をもちあげて褒め称えさせることによって、自分の名を隠し、下僕のよ うに自分を働かせ、人々の利益のために慎み励んで奉仕します。 【他人を称賛し、自分は謙虚に他人のために奉仕する姿勢も尊い行為である】 164.此身過本多 德寡奚足誇 故當隱己德 莫令他人知 この身の過ちはもともと多く、徳は少ないので誇るに足らず、ですから自分 の徳は隠すべきであり、他人に知らしめてはいけません。 【自分の功徳を自慢してはいけないという趣旨。自慢やプライドは自己中心的な驕 りや傲慢に基づくので、たとえ功徳を積んだとしてもそれを他人に見せびらかしては ならず、謙虚にしていることが肝要であることを諭している。自慢すると必ず不必要 な他人の攻撃を招き、自他共に苦しむこととなるからである】 165.往昔為自利 所行盡害他 今為他謀利 願害悉歸我 昔は自分の利益のために、ことごとく他を害してしまう行為をしましたが、 今は他のために利益を図り、害がすべて自分に帰ってくることを望みます。 【自分が昔犯した他への害悪を深く反省し、今後は他の害はすべて自分が引き受 ける決意をしている。行動基準が、自分の利益から他の利益に180度転換しており、 反省の色がうかがえる。また、過去の悪行が自分に戻ってくることを予感しており、 それを受け容れることにより罪滅ぼしをしたいという内心も読み取れる】 166.莫令汝此身 猛現頑強相 令如初嫁媳 羞畏極謹慎 あなたのその身体を、いきなり頑強な姿勢で相手にたたみかけてはならず、 初めて嫁いだ花嫁のように、はじらいかしこまり言動を控え目にして慎むべ きです。 【何事も謙虚さが肝心であるという趣旨。傲慢な言動は攻撃を受けるリスクが高い が、謙虚にしていれば攻撃を受けるリスクは低く自分を護ることができる】 167.堅持利他行 切莫傷眾生 妄動應制止 踰矩當治罰 利他行を堅持し、決して人々を傷つけてはならず、分別を欠いた行動は抑え るべきであり、自分の分を超えると取り締まり罰せられるのが当然です。 【利己心に基づく言動は分別を欠くので他を害し、それが自分に戻ってきて自分も 害されるという破滅の構図だが、利他行に基づく言動は道理をよくわきまえている ので他を利することとなり、それが自分に戻ってきて自分も利益を受けるという最善 の構図である】 2013 Copyright © 2013, Hitoshi Tsuchiyama. All rights reserved.
  3. 3. 168.縱已如是誨 汝猶不行善 眾過終歸汝 屆時唯受罰 たとえ自分がこのように教え導いたとしても、あなたは相変わらず善行を積 まず、その過ちは結局あなたに戻ってきて、やがて罰を受けるだけです。 【どんなに口酸っぱく諭しても、心底理解して性根を入れ替えていないため、自己中 心的な行為を続けて苦しみを自ら創造してしまう愚かな人の説明。自分の行動は 必ず自分に戻ってくるという因果の法則(カルマの法則ともいう)が働く】 169.昔時受汝制 今日吾已覺 無論至何處 悉摧汝驕慢 あなたが制裁を受けたのは昔のことであり、今日の私は自分のことをよく自 覚しており、言うまでもなくどこへ行こうとも、あなたの驕りや傲慢をこと ごとくへし折ります。 【昔のあなたとは過去の意識を指し、今日の私とは現在の意識を指すのであろう。 従って、意識が生まれ変わり、今後は我執による自己中心的な驕りや傲慢は絶対 に許さないと宣言している趣旨】 170.今當棄此念 尚享自權益 汝已售他人 莫哀應盡力 今すぐこの考え(我執)を棄て、自分の権益を享受することを重視すべきで あり、 あなたは他人に自己を売りましたので、 哀しまないで尽力すべきです。 【過去の悪行の制裁は受けたのだから、今後は他を利することによって善行を積み、 それが自分に戻ってきて自分も利益を受けるようにしなければならないと現在の意 識が諭している。他人に自己を売るとは利他行の決意を意味し、一旦決めたことは やりとげよと激励している】 171.若吾稍放逸 未施汝於眾 則汝定將我 鬻與諸獄卒 もし、私が少しでも勝手気ままに振る舞うなら、全ての生きとし生けるもの に対して自身を捧げていない証拠であり、するとあなたは必ず私を統率指揮 し、諸々の地獄の兵卒に売り渡すでしょう。 【口では我執による自己中心的な驕りや傲慢を棄てると言いながら、自己中心的な 行動を続けるならそれは言行不一致であるので、現在の意識が絶対に許さないと いう趣旨】 172.如是汝屢屢 棄我令久苦 今憶宿仇怨 摧汝自利心 これはあなたが度々、我を棄てることに長い間苦しんできたことと似ており、 今は古くからの恨みを回想することによって、あなたの自分を利する心を打 ち砕くべき時です。 Copyright 2013 Copyright © 2013, Hitoshi Tsuchiyama. All rights reserved.
  4. 4. 【利己心を克服するのは簡単なことではなく、長期間苦悶するが、利己心から生じ る醜い憎しみや恨みを想い出すことが突破口となり、利己心をへし折る決意を後押 ししてくれるという趣旨】 173.若汝欲自惜 不應自愛執 若汝欲自護 則當常護他 もしあなたが自分を可愛がって欲しいなら、自分を愛することに執着すべき ではなく、もしあなたが自分を護って欲しいなら、常に他を護るべきです。 【自分を幸せにしたいなら、他を幸せにしてあげることだという趣旨。自分を幸せに することばかりに意識を集中すると、反対に破壊的感情ばかりが生じて苦しむこと となる】 174.汝愈獻慇懃 護此不淨身 彼愈趨退墮 衰朽極脆弱 あなたはますます心をこめて捧げ、この不浄な体を護ろうとしますが、体は ますます後退へと向かい、老い衰えて極めて脆弱です。 【】 175.身弱欲愛增 大地一切物 尚且不饜足 誰復愜彼欲 身体が衰えると今度は愛情が増すことを望み、大地の全ての物にさえ満足で きず、誰が再びその欲を満足させることができるでしょうか? 【】 176.逐欲未得足 生惱復失意 若人無所求 彼福無窮盡 欲望を追いかけても未だ満足できす、煩悩が生じて再び望みを遂げられず、 もし人に物欲がなくなれば、その人の幸福は尽きることはないでしょう。 【欲望は限りないもので決して満足を得られないので、幸福になりたければ物欲を 棄てるしかないという趣旨。但し、これは自分の幸福のための欲望のことを指して おり、他人を幸福にするための欲望とは異なる】 177.樂長身貪故 莫令有機趁 不執悅意物 厥為真妙財 楽しさが増すと身体に執着するので、そのような機会を富ませてはならず、 執着せずに悦べる物を、本当に素晴らしい財貨とみなします。 【快楽は肉体への無限の執着を招くので野放しにしてはならず、執着しないものに こそ本当の価値があるという趣旨。快楽とは五感の満足を指し、感覚的な満足感 は肉体への執着を無限に拡大するので危険である】 178.可怖不淨身 不動待他牽 火化終成灰 何故執為我 2013 Copyright © 2013, Hitoshi Tsuchiyama. All rights reserved.
  5. 5. しかし、不浄の身体を怖がり、動かずに他が引き連れにくるのを待ち、火葬 されて終に灰となるのに、なぜ体を自分とみなして執着するのでしょうか? 【】 179.無論生與死 朽身何所為 豈異木石等 怎不除我慢 生と死については言うまでもなく、老い衰えた身体はどうしてそうなったの でしょうか?どうして感情の無い木や石などと異なるのでしょうか?どうし て自分の傲慢を取り除かないでいられるでしょうか? 【自分の肉体について色々な角度から分析している姿が目に浮かぶ。感情のない 物とは異なり、人間は感情を持つのでやっかいであり、心を制御する必要がある】 180.奉承此身故 無義集諸苦 於此似樹身 何勞貪與瞋 この身体にお世辞を言うが故に、意味もなく諸々の苦しみを集め、これに関 しては樹木の胴体と似ており、執着と怒りが何の役に立つのでしょうか? 【肉体のいいなりになって快楽のために行動すると、反対に苦しむことになると分析 している。自分の肉体に執着すると、限りない欲望を満たせない度に怒りが生じて 苦しむのである】 181.細心極愛護 或棄鷲獸食 身既無貪瞋 何苦愛此身 細かいところまで心を配り極めて可愛がるか、あるいはハゲタカの餌として 放棄するかは別にして、既に身体には執着や怒りはないのに、どうしてこの身 体に苦しみ愛するのでしょうか? 【】 182.何毀引身瞋 何讚令身喜 身既無所知 殷懃何所為 どうして悪口を言われると身体に怒りを引き起こし、どうして称賛されると 身体に喜びを感じるのでしょうか?身体は既に知っている事柄がないのに、 真 心がこもっていて礼儀正しいのはどういうわけでしょうか? 【】 183.若人喜我身 則彼為吾友 眾皆愛己身 何不愛眾生 もし、人が自分の身体を喜ぶなら、身体を自分の友と見なし、人は皆自分の 身体を愛しますので、なぜその人々を愛さないでいられるでしょうか? 【身体を自分の友と見なすとは、意識の自分が自分の身体を苦楽を共にする友達 だと把握していることを意味する。意識と身体を明確に分離し、意識が身体を制御 する様子が目に浮かぶ】 2013 Copyright © 2013, Hitoshi Tsuchiyama. All rights reserved.
  6. 6. 184.故應離貪執 為眾捨己身 此身雖多患 善用如寶筏 ですから、執着からはなれるべきであり、人々のために自分の身体を捨て、 この体に多くの疾患があるとしても、貴重ないかだのように上手く使います。 【】 185.愚行足堪厭 今當隨聖賢 憶教不放逸 奮退昏與眠 愚かな行動はほとほと嫌になり、今は聖人賢者に従うべきで、教えを回想す ることにより勝手気ままに振る舞わず、 元気を出してぼやけた意識や居眠りを やめます。 【】 186.如佛大悲子 安忍所當行 若不恆勤修 何日得出苦 仏の慈悲深い子のように、忍耐強く行動すべきであり、もし常に修行をしな ければ、いつになったら苦しみから脱出することができることやら? 【】 187.為除諸障故 迴心避邪途 並於正所緣 恆常修三昧 諸々の障害を取り除くために、心を改めまっとうでないみちを避け、そして 心を真ん中に均衡に保ち、常に精神を集中し雑念を去って修行します。 【】 2013年4月日 土山仁士 2013 Copyright © 2013, Hitoshi Tsuchiyama. All rights reserved.

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