脆弱性を早期に発見するため、脆弱性報奨金制度(バグ・バウンティ・プログラム)を導入する企業が増えている。私はこれまでにFirefoxブラウザの脆弱性を報告し、開発元のMozilla Foundationから4万5000ドル(540万円)の報奨金を獲得している。Firefoxの脆弱性にはある共通の傾向がある。しかしそれらはFirefoxの開発者にも周知されておらず、新たな機能が実装される都度、類似の脆弱性が繰り返し作り込まれている。本セッションでは、私が発見した脆弱性を基に、Firefoxで頻出する脆弱性のパターンを紹介し、それらが作り込まれる原因を述べる。また、私がFirefoxのバグを効率的に探すために実践している手法も併せて紹介する。この手法はFirefoxに限らず、オープンソースのソフトウェア特有の問題点に基づくものである。