ブランチレスバンキング研究会Branchless Banking Researching Group「アフリカのブランチレスバンキングに   対する規制と金融の実務」    February 18, 2012            宮本 瑛 m...
アジェンダ・ブランチレスバンキングに必要な規制  ( regulation )これまでの金融との違いを中心に・ガーナにおける規制の動向当局( regulator )の視線・規制を遵守するための金融の実務金融機関の視線              ...
ブランチレスバンキングの特徴店舗を前提としない金融 ATMや代理店(agent)で入出金 ケータイで送金・決済・残高照会長所 銀行の支店から遠く離れたところでもサービスを提供できる コストの削減を価格へ転嫁できる 金融が普及していない開発途上国...
ブランチレスバンキングへの懸念店舗の不在、統一的な決済機構の不在 詐欺などの犯罪に使われてしまいかねない これまでの金融システムでは監督しづらい→当局による別種の監督・規制が必要となるブランチレスバンキングの規制に関する先行研究:Lyman ・...
AML/CFT「反マネーロンダリングとテロリズムに対する資金供与との戦い」(anti-money laundering and combating thefnancing of terrorism)世界的に、かなり厳しく予防策が講じられているブ...
AML/CFTブランチレスバンキングでもAML/CFTは非常に厳格・本人確認やKYC(know your customer)の難しさ・第三者(third party)である代理店が窓口となることのリスク・顧客の情報・金融リテラシーの低さ    ...
相互運用性(interoperability)独占を防ぎ公平な競争を促進する、協同と競争のバランス 銀行主導か、通信事業者主導か サービスの相互乗りいれや互換性はどこまで要求されるか排他的な提携(One-to-One)とオープンな提携(Many...
相互運用性(interoperability)相互運用性と排他性 公共財:水・電気・ガス 消費財:PCとMAC・iPhoneとfash・電子書籍    (ハード・ソフト・プラットフォーム)ネットワークの外部性規制のさじ加減がビジネスモデルや事業...
システム回りの問題携帯電話やATMのユーザーインタフェース(UI) 簡単さと分かりやすさの両立が必要 現地の言語での表示、直感的なデザインユーザ認証(user authentication)パスワードは危険? 盗難や悪用はもちろん、忘れることも...
ガーナにおける金融とICTの浸透Fixed phone subscription: 1.4% in 2003 to 0.6% in 2008Mobile cellular subscription: 3.8% in 2003 to 48.3% ...
携帯電話の普及と GDP の相関Andrianaivo・Kpodar (2011), p.23   11
e-zwich          12
e-zwichカードベースのブランチレスバンキング カードを専用のリーダー・ATM・POSに挿入して利用Bankingとpaymentが主な用途 利子つき貯金・現金の入出金 給与や年金の受領・家族や親戚への送金・少額の決済そのほかの特徴 指紋に...
e-zwichに関するデータSelected e-zwich data, 2008 - 2009Total Cards Issued: 141,248 to 322,907Issued Cards with Value: 43,822 to 1...
ガーナ銀行からのおすみつき“Guidelines for Branchless Banking”                              Bank of Ghana (2008)  中央銀行からのブランチレスバンキングに関する...
Many-to-Many Modelを義務づけ排他的な連合(alliance)や提携(partnership)は禁じられているe-zwichという統一されたプラットフォームのもとに、あらゆる金融機関と通信事業者が対等に顔をあわせる相互運用性(i...
代理店の地位代理店は下請け機関のような位置づけ 顧客をもてなし、サービスの窓口となる代理店の精査(agent due diligence)が必要代理店との同意書や修正書を提出する義務も 代理店の利用にともなうオペレーショナルリスクを軽減するため...
ブランチレスバンキングに関わる立法ガーナのブランチレスバンキングに対する規制に関する法Anti-Money Laundering Act, 2008 (Act 749)Banking Act (Amendment), 2007 (Act 738...
アフリカの他の国の事例               野村総合研究所(2012), p.80各国の状況に応じてブランチレスバンキングを展開していく段階   19
規制を遵守するための金融の実務民間の金融機関:規制される側 当局の意向に沿って業務に当たらなければならない 上下関係が生まれやすい日本の銀行業界ではとくにそれが顕著だった「メインバンク制」「護送船団」「横並び」「出店規制」ところで、よくよく考え...
そもそも金融に規制が必要な理由?金融機関が適切に監督されていないと大変なことになるから 経済の血液としての金融の公共性過去に多くの大事件が起こってしまったから  ドレクセル・バーナム・ランベールの破綻(1990)  ベアリング銀行の破綻(199...
金融をとりまくさまざまなリスク信用リスク 貸金の回収、自己資本比率の充足市場リスク 現物と先物、デリバティブ流動性リスク 支店やATMへの現金の配賦 決済システムリスク 勘定 情報 業務 決裁オペレーショナルリスク リーガル レピュテーショナル...
不確定なリスクを統御するこうしたリスクを統合的に管理しようという流れ 計量的な手法の高度化  VaR(Value at Risk) リスクを統御する部門の設置金融機関の内部統制の徹底 監査・コーポレートガバナンスの強化規制する側も、こうしたこと...
文献一覧M. Andrianaivo, K. Kpodar, “ICT, financial inclusion, and growth: evidence from African countries,” IMFWorking Paper, ...
文献一覧P. Dittus, and M. Klein, “On harnessing the potential of financial inclusion,” BIS Working Papers, 347,May 2011.http:/...
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  1. 1. ブランチレスバンキング研究会Branchless Banking Researching Group「アフリカのブランチレスバンキングに 対する規制と金融の実務」 February 18, 2012 宮本 瑛 miyamoto@towardthevirtual.com 1
  2. 2. アジェンダ・ブランチレスバンキングに必要な規制  ( regulation )これまでの金融との違いを中心に・ガーナにおける規制の動向当局( regulator )の視線・規制を遵守するための金融の実務金融機関の視線 2
  3. 3. ブランチレスバンキングの特徴店舗を前提としない金融 ATMや代理店(agent)で入出金 ケータイで送金・決済・残高照会長所 銀行の支店から遠く離れたところでもサービスを提供できる コストの削減を価格へ転嫁できる 金融が普及していない開発途上国で大きな意義 3
  4. 4. ブランチレスバンキングへの懸念店舗の不在、統一的な決済機構の不在 詐欺などの犯罪に使われてしまいかねない これまでの金融システムでは監督しづらい→当局による別種の監督・規制が必要となるブランチレスバンキングの規制に関する先行研究:Lyman ・ Pickens ・ Porteous (2008) ; Pickens (2008) ;Dittus ・ Klein (2011) など 4
  5. 5. AML/CFT「反マネーロンダリングとテロリズムに対する資金供与との戦い」(anti-money laundering and combating thefnancing of terrorism)世界的に、かなり厳しく予防策が講じられているブランチレスバンキングに限らず、商業的な金融機関でも同様 ×特定の国への送金・特定の人が使う口座の開設 5
  6. 6. AML/CFTブランチレスバンキングでもAML/CFTは非常に厳格・本人確認やKYC(know your customer)の難しさ・第三者(third party)である代理店が窓口となることのリスク・顧客の情報・金融リテラシーの低さ 6
  7. 7. 相互運用性(interoperability)独占を防ぎ公平な競争を促進する、協同と競争のバランス 銀行主導か、通信事業者主導か サービスの相互乗りいれや互換性はどこまで要求されるか排他的な提携(One-to-One)とオープンな提携(Many-to-Many)のモデル 7
  8. 8. 相互運用性(interoperability)相互運用性と排他性 公共財:水・電気・ガス 消費財:PCとMAC・iPhoneとfash・電子書籍 (ハード・ソフト・プラットフォーム)ネットワークの外部性規制のさじ加減がビジネスモデルや事業の成否そのものに関わる! 8
  9. 9. システム回りの問題携帯電話やATMのユーザーインタフェース(UI) 簡単さと分かりやすさの両立が必要 現地の言語での表示、直感的なデザインユーザ認証(user authentication)パスワードは危険? 盗難や悪用はもちろん、忘れることもある生体(biometric)認証にも独特の問題が 導入のためのコスト 複数人や法人の口座での使用の難しさ 9
  10. 10. ガーナにおける金融とICTの浸透Fixed phone subscription: 1.4% in 2003 to 0.6% in 2008Mobile cellular subscription: 3.8% in 2003 to 48.3% in 2008Internet users: 1.2% in 2003 to 4.2% in 2008Households with computer: 0.3% in 2002 to 5.1% in 2007Households with Internet: 0.1% in 2002 to 1.8% in 2007 International Telecommunication Union (2010), pp. 57-635.11 branches per 100,000 adults in 2009Number of deposit Accounts: 33.3% in 2009 CGAP・World Bank (2010), p.56携帯電話が爆発的に普及している。金融は徐々に伸びている  10
  11. 11. 携帯電話の普及と GDP の相関Andrianaivo・Kpodar (2011), p.23 11
  12. 12. e-zwich 12
  13. 13. e-zwichカードベースのブランチレスバンキング カードを専用のリーダー・ATM・POSに挿入して利用Bankingとpaymentが主な用途 利子つき貯金・現金の入出金 給与や年金の受領・家族や親戚への送金・少額の決済そのほかの特徴 指紋による認証 オフラインのときにも使える 法人でも便利に使える機能がある 13
  14. 14. e-zwichに関するデータSelected e-zwich data, 2008 - 2009Total Cards Issued: 141,248 to 322,907Issued Cards with Value: 43,822 to 101,170Value on Cards Issued: 800,889 to 1,651,560 (GH¢)Average Value per Transaction: 44,23 to 109,82 (GH¢) Bank of Ghana (2009), p.271年の変化ではあるものの、倍々式に増えている 14
  15. 15. ガーナ銀行からのおすみつき“Guidelines for Branchless Banking” Bank of Ghana (2008) 中央銀行からのブランチレスバンキングに関する通達 ガーナのブランチレスバンキングはe-zwichを使ってやる ファイナンシャルインクルージョンを促進する預金をあつかう金融機関向け代理店には以下のものを想定 郵便局・ガソリンスタンド・小売店・携帯電話・POS消費者保護とAML/CFTの正しい手順を規定 KYCなどAML/CFTの手続きは必須 記録を最低5年、保存する義務 15
  16. 16. Many-to-Many Modelを義務づけ排他的な連合(alliance)や提携(partnership)は禁じられているe-zwichという統一されたプラットフォームのもとに、あらゆる金融機関と通信事業者が対等に顔をあわせる相互運用性(interoperability)への配慮 16
  17. 17. 代理店の地位代理店は下請け機関のような位置づけ 顧客をもてなし、サービスの窓口となる代理店の精査(agent due diligence)が必要代理店との同意書や修正書を提出する義務も 代理店の利用にともなうオペレーショナルリスクを軽減するため 17
  18. 18. ブランチレスバンキングに関わる立法ガーナのブランチレスバンキングに対する規制に関する法Anti-Money Laundering Act, 2008 (Act 749)Banking Act (Amendment), 2007 (Act 738)Non-Bank Financial Institutions Act, 2008, (Act 774)Borrowers and Lenders Act, 2008 (Act 773)Payment Systems Act, 2003 (Act 662)Bank of Ghana Act, 2002 (Act 612) Bank of Ghana (2009) 18
  19. 19. アフリカの他の国の事例 野村総合研究所(2012), p.80各国の状況に応じてブランチレスバンキングを展開していく段階 19
  20. 20. 規制を遵守するための金融の実務民間の金融機関:規制される側 当局の意向に沿って業務に当たらなければならない 上下関係が生まれやすい日本の銀行業界ではとくにそれが顕著だった「メインバンク制」「護送船団」「横並び」「出店規制」ところで、よくよく考えてみると…… 20
  21. 21. そもそも金融に規制が必要な理由?金融機関が適切に監督されていないと大変なことになるから 経済の血液としての金融の公共性過去に多くの大事件が起こってしまったから ドレクセル・バーナム・ランベールの破綻(1990) ベアリング銀行の破綻(1995) ↑金融技術の高度化、内部統制の未発達1990年代、2000年代の日本でもいろんなことがあった 21
  22. 22. 金融をとりまくさまざまなリスク信用リスク 貸金の回収、自己資本比率の充足市場リスク 現物と先物、デリバティブ流動性リスク 支店やATMへの現金の配賦 決済システムリスク 勘定 情報 業務 決裁オペレーショナルリスク リーガル レピュテーショナル カントリー コンプライアンス 22
  23. 23. 不確定なリスクを統御するこうしたリスクを統合的に管理しようという流れ 計量的な手法の高度化  VaR(Value at Risk) リスクを統御する部門の設置金融機関の内部統制の徹底 監査・コーポレートガバナンスの強化規制する側も、こうしたことの認識が必要 健全な金融システムのため ひとつひとつの金融機関が正しく機能することが大切 23
  24. 24. 文献一覧M. Andrianaivo, K. Kpodar, “ICT, financial inclusion, and growth: evidence from African countries,” IMFWorking Paper, 11, 73, April 2011.http://www.imf.org/external/pubs/ft/wp/2011/wp1173.pdfBank of Ghana, “Guidelines for branchless banking,” 2008.http://www.cgap.org/gm/document-1.9.46044/Guidelines%20for%20Branchless%20Banking.pdfBank of Ghana, ”National payment system reform,” 2008.http://www.bog.gov.gh/privatecontent/File/Secretarys/E-Zwich%20NOTICE%20final.pdfBank of Ghana, “Banking and Financial laws of Ghana 2006-2008,” March 2009.http://www.bog.gov.gh/privatecontent/File/IDPS/Banking%20and%20Financial%20Laws%20of%20Ghana%202006%20-%202008.pdfCGAP (Consultative Group to Assist the Poor), and The World Bank Group, “Financial access 2010: thestate of financial inclusion through the crisis,” NW, Washington, 2010.http://www.cgap.org/gm/document-1.9.46570/FA_2010_Financial_Access_2010_Rev.pdf 24
  25. 25. 文献一覧P. Dittus, and M. Klein, “On harnessing the potential of financial inclusion,” BIS Working Papers, 347,May 2011.http://www.bis.org/publ/work347.pdfInternational Telecommunication Union, “Information society statistical profiles 2009: Africa,” Inpreparation for the World Telecommunication Development Conference 2010.http://www.itu.int/ITU-D/ict/material/ISSP09-AFR_final-en.pdfT. R. Lyman, M. Pickens, and D. Porteous, “Regulating transformational branchless banking: mobilephones and other technology to increase access to finance” CGAP FocusNote, 43, January 2008.http://www.cgap.org/gm/document-1.9.2583/FN43.pdf野村総合研究所(2012)「アフリカの金融セクター(中) 新しいバンキングサービスとノンバンクによる試み」, 『知的資産創造』, 2011年11月号.http://www.nri.co.jp/opinion/chitekishisan/2011/pdf/cs20111107.pdfM. Pickens, “Regulation of branchless banking,” June 2008. 25http://siteresources.worldbank.org/INTAML/Resources/Regulation_of_Branchless_Banking.pdf

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