A-06   UV 水なし超高精細印刷の LCCO2 からカーボン・オフセットへの展開
             清水印刷紙工株式会社/早稲田大学大学院                    環境・エネルギー研究科             博士...
3.        印刷サービス LCCO2 ソフトウエア『Printing Goes Green (PGG) 』による環境配慮

3.1.       目的

  印刷サービスではカーボンフットプリントの PCR(Product Catego...
3.5.    印刷サービス LCCO2 における精度向上の課題

    PGG による印刷サービス LCCO2 では,印刷終了後に投入及び排出データを計算してもカーボン・オフセット

やカーボンフットプリントの目的で使用するには間に合わない...
③      印刷機電力消費量の平均化

       印刷機は本機(印刷)と UV(硬化)の 2 系統で常時モニタリングされており,ジョブごとの生産記録と合

       わせて準備~色及び見当合わせ~本刷り~段取り替え(片付け)までを含め...
4.2.   カーボン・オフセットプロバイダーとの協働

     印刷サービスのカーボン・オフセットは,CDM により発行されたクレジットがカーボン・オフセットプロバ

イダーを仲介して購入され,顧客から委託を受けた印刷会社により実行される....
6.   参考文献
1) 清水 宏和, 日本印刷学会誌, 46, 278 (2009)

2) 清水 宏和, 永田 勝也,日本印刷学会誌, 47, 89 (2010)

3) 環境省,カーボン・オフセットの定義, http://www.env....
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Uv水なし超高精細印刷のlcco2からカーボン・オフセットへの展開

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(社)日本印刷学会 第123回 春期研究発表会での発表(講演予稿集)

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Uv水なし超高精細印刷のlcco2からカーボン・オフセットへの展開

  1. 1. A-06 UV 水なし超高精細印刷の LCCO2 からカーボン・オフセットへの展開 清水印刷紙工株式会社/早稲田大学大学院 環境・エネルギー研究科 博士後期課程 清水 宏和 1. はじめに 昨今の地球温暖化問題への危機意識の高まりとともに,主要因と目されている CO2 排出量の大幅な削減が, 印刷関連業界においても喫緊の課題となりつつある.国家ビジョンである「低炭素社会の構築」を実現するた めに,環境負荷低減を志向した印刷手法の研究開発が急がれ,さらに他業界では既に取り組みが進んでいるラ イフサイクルアセスメント(LCA)のなかでも CO2 排出量に特化したライフサイクル CO2(LCCO2)を用いた定量 評価手法について,早期の確立が求められてきていた. 社会生活全般に広く・深く関わりをもつ印刷サービスは,本来は他の業界に先駆けて環境負荷低減について 配慮し,同時に品質向上とコスト削減を目指していかなければならない.本稿では,環境配慮を主題としなが らも,品質・コストについてもサブテーマとして取り上げ,印刷手法・環境影響評価・環境負荷低減のための 投資などへの解を提案していく. 概念的な説明では十分な理解が困難であることから,具体的な印刷サービス事例を取り上げて説明すること とした.本事例は UV 水なし高精細印刷を実践し,調達から廃棄までのライフサイクル全体にかかる CO2 排出量 を算定し,この数値化を基にカーボン・オフセットを実行した紙製 CD パッケージ 10 万個製造時のケーススタ ディを中心に解説する. 2. UV 水なし高精細印刷による環境配慮 一般油性インキによる水なし印刷については既に数多くの印刷事例により一般化され,技術的な障害は存在 していない.一方で,UV インキによる水なし印刷は事例が極端に少なく,UV インキの新規開発・ブランケッ トなどの印刷機諸資材の新規開発・印刷機のベストセッティングの模索・疵に敏感な印刷版取り扱いの問題 など,数多くの課題が存在していた.しかしながら,2 年以上のメーカー各社の尽力により,UV インキによる 水なし印刷に留まらず,水を使用しないメリットを活かした 20μの網点サイズによる高精細印刷までを一つの 印刷手法として融合化させることに成功した.現在では,10μの網点サイズによる超・高精細印刷までを安定 化させ,紙のみならずプラスチックなどの特殊原反にも印刷することが可能となっている. 当印刷手法は,UV 印刷・水なし印刷・高精細印刷のメリットとして以下のポイントが挙げられる. UV 印刷 ・・・・・・・ 環境:VOC(揮発性有機化合物)フリー,品質:速乾性による短納期対応 水なし印刷・・・・ 環境:現像時の BOD・COD を極小化,品質:水によるインキ濃度不安定化の回避 高精細印刷・・・・・ 環境:インキ使用量の半減,品質:写真・イラストのディテール表現向上 上記 3 つの印刷手法の組み合わせにより,環境配慮のみならず品質向上までを具現化することができた. A-06. Carbon Offsetting scheme by Printing Service Life-Cycle CO2 Hirokazu SHIMIZU Shimizu Printing Inc. Waseda University Graduate School of Environment and Energy Engineering 2-1-20, Otowa, Bunkyo-ku, Tokyo, 112-0013, JAPAN Keywords: LCA, LCCO2, Carbon Offset 1
  2. 2. 3. 印刷サービス LCCO2 ソフトウエア『Printing Goes Green (PGG) 』による環境配慮 3.1. 目的 印刷サービスではカーボンフットプリントの PCR(Product Category Rule)策定を目的とした算定基準づく りが進められてきたが,カーボン・オフセットなど他の目的にも適用できる算定基準が必要とされていた.そ こで,印刷サービス LCA として評価手法を確立し 1-2),さらには環境負荷を CO2 排出量算定に限定した LCCO2 ソ フトウエアの開発と運用を志向した. CO2 排出量を数値化し,製造工程や消費者行動改善のための“見せる化”を実施 具体的な CO2 排出量による評価から,資材・設計・生産の変更や改善による環境配慮設計への転換 数値化された CO2 排出量をカーボン・オフセットやカーボンフットプリントに利活用 上記 3 ステップの実践により,環境負荷の可視化だけではなく,その低減に貢献することが可能となった. 3.2. 印刷サービスのシステムバウンダリ 包装系印刷サービスの CO2 排出量算定の対象範囲を Figure1 に示す.ライフサイクルを調達・生産・配送・ 廃棄及びリサイクルの 4 段階とし(消費については対象外),それぞれの段階における対象項目を記した. 資材調達 生産 配送 廃棄・リサイクル 紙 プリプレス 原材料調達→原材料製造 印刷版出力 廃棄 配送 使用後の焼却廃棄 UV インキ・ニス プレス 完成品の顧客 原材料調達→原材料製造 UV印刷・コーティング への配送 紙・アルミのリサイクル 印刷版(アルミ) ポストプレス 生産からの廃棄物をリサイクル 原材料調達→原材料製造 打抜き・糊貼り Figure1 包装系印刷サービスのシステムバウンダリ 3.3. PGG の開発と運用 印刷サービス全体を網羅する CO2 排出量算定ニーズの高まりを受け,LCCO2 算定ソフトウエアである Printing Goes Green (PGG)が開発され,環境配慮設計への転換を行うための感度分析ツールとして,又カーボン・オ フセット実施時のクレジット購入の算定ツールとして利用されている. 3.4. 上流・中流・下流工程の LCCO2 印刷サービスの上流工程(資材調達及び生産)・中流工程(生産及び配送)・下流工程(廃棄及びリサイク ル)ごとに,資材・エネルギーの投入量・CO2 排出係数・CO2 排出量までを項目ごとに Table1 に示す. Table1 紙製 CD パッケージ 10 万個製造時の資材及びエネルギー投入と CO2 排出量 項目 資材及びエネルギーの投入 CO2排出係数 CO2排出量 0.66 m × 0.83 m × 0.36 kg/㎡ × 10,500 枚 = 2,070.684 kg 6.37E-01 kg-CO2/kg 1.32E+03 kg-CO2 板紙 4t トラック: 2.071 t × 829 km = 1,716.597 tkm 1.43E-01 kg-CO2/tkm 2.45E+02 kg-CO2 0.5 kg × 5 版 = 2.500 kg 1.26E+01 kg-CO2/kg 3.14E+01 kg-CO2 印刷版(アルミ) 印刷版配送: 0.003 t × 284 km = 0.710 tkm 1.43E-01 kg-CO2/tkm 1.02E-01 kg-CO2 Black: 0.0015 mm × 1030 mm × 730 mm × 10.0% × 10,500 枚 ÷ 1,000 = 1,184.243 g 3.71E+00 kg-CO2/kg Cyan: 0.0015 mm × 1030 mm × 730 mm × 15.0% × 10,500 枚 ÷ 1,000 = 1,776.364 g 6.17E+00 kg-CO2/kg 上 Magenta: 0.0015 mm × 1030 mm × 730 mm × 15.0% × 10,500 枚 ÷ 1,000 = 1,776.364 g 5.29E+00 kg-CO2/kg 7.03E+01 kg-CO2 流 UVインキ・ニス Yellow: 0.0015 mm × 1030 mm × 730 mm × 15.0% × 10,500 枚 ÷ 1,000 = 1,776.364 g 5.48E+00 kg-CO2/kg OPニス 2.5 g/㎡ × 0.66 m × 0.83 m × 66.6% × 10,500 枚 = 9,576.914 g 3.74E+00 kg-CO2/kg 2tトラック: 0.016 t × 64 km = 1.030 tkm 2.09E-01 kg-CO2/tkm 2.15E-01 kg-CO2 水資源 16.090 kg <インキ使用量合計> × 2.5 times <紙印刷時の湿し水使用量平均倍数(対インキ)> = 40.226 kg 1.97E-04 kg-CO2/kg 7.92E-03 kg-CO2 40.226 kg × 5% × 0.781 <比重> = 1.571 kg 2.11E+00 kg-CO2/kg 3.31E+00 kg-CO2 IPA 2tトラック: 0.002 t × 97 km = 0.152 tkm 2.09E-01 kg-CO2/tkm 3.18E-02 kg-CO2 CtP: 12.50 kW × 1.25 h + ( 2.5 kW + 1.02 kW <Air cond. & lighting> ) × 1.25 h = 20.025 kWh Press: 52.00 kW × 3.00 h + ( 10.0 kW + 1.85 kW <Air cond. & lighting> ) × 3.00 h = 191.550 kWh 中 電気 4.26E-01 kg-CO2/kWh 2.28E+02 kg-CO2 Die cut: 3.80 kW × 4.00 h + ( 5.0 kW + 1.85 kW <Air cond. & lighting> ) × 4.00 h = 42.600 kWh 流 Gluer: 0.16 kW × 40.00 h + ( 5.0 kW + 1.85 kW <Air cond. & lighting> ) × 40.00 h = 280.400 kWh 配送 4t トラック: 1.620 t × 100 km = 162.000 tkm 1.43E-01 kg-CO2/tkm 2.32E+01 kg-CO2 0.66 m × 0.83 × 0.36 kg/㎡ × 10,500 sheet × 21.8% <非製品比率> = 450.972 kg 1.67E-01 kg-CO2/kg 7.53E+01 kg-CO2 リサイクルパルプ 4t トラック: 0.451 t × 237 km = 106.880 tkm 1.43E-01 kg-CO2/tkm 1.53E+01 kg-CO2 下 0.5 kg × 5 plates = 2.500 kg 3.16E+00 kg-CO2/kg 7.90E+00 kg-CO2 リサイクルアルミ 流 4t トラック: 0.003 t × 180 km = 0.450 tkm 1.43E-01 kg-CO2/tkm 6.44E-02 kg-CO2 16.2 g × 100000 個 = 1620 kg 3.49E-03 kg-CO2/kg 5.65E+00 kg-CO2 埋め立て 2tトラック: 1.620 t × 16 km = 25.920 tkm 2.09E-01 kg-CO2/tkm 5.42E+00 kg-CO2 CO2排出量合計: 2.03E+03 kg-CO2 1個あたりCO2排出量: 20.3 g-CO2 2
  3. 3. 3.5. 印刷サービス LCCO2 における精度向上の課題 PGG による印刷サービス LCCO2 では,印刷終了後に投入及び排出データを計算してもカーボン・オフセット やカーボンフットプリントの目的で使用するには間に合わないことから,全ての項目についてジョブを始める 前に事前予測(机上計算)をして CO2 排出量を算定することが前提となる.CO2 排出量算定の精度を向上させる ために課題となっている事項を以下にまとめる. ① インキ使用量の事前予測 印刷ジョブごとに使用するインキ・ニスの使用量の事前予測は, インキ平均膜厚×用紙最大寸法×インキ図柄面積率×通し枚数=インキ使用量 により算出を行う.インキ平均膜厚については,AM スクリーニング・FM スクリーニング(10μ・20μ) のジョブデータを網点サイズ別に収集し,実際のインキ使用量合計をインキ図柄面積率と紙面積で除する ことでインキ平均膜厚として算出した.実際の使用量と予想量の比較と,各色インキの平均膜厚及びプロ セス 4 色全体の平均膜厚を Table2 にまとめて示す. Table2 UV 水なし超・高精細(10μ網点)印刷におけるインキ使用量予測及びインキ皮膜逆算 <UV水なし高精細印刷(10μ網点)におけるインキ使用量と予測量の差異比較> <UV水なし高精細印刷(10μ網点)におけるインキ及びOPニス皮膜の算出> インキ 使用量(g) 網点面積 通し枚数 予測量(g) 差異 差異% インキ 使用量(g) 網点面積 通し枚数 インキ皮膜(μ) 差異(μ) 差異% Bk 318 5.2% 7,700 301 17 105.6% Bk 318 5.2% 7,700 1.056 0.056 105.6% C 287 6.9% 7,700 399 -112 71.8% C 287 6.9% 7,700 0.718 -0.282 71.8% M 170 4.4% 7,700 255 -85 66.7% M 170 4.4% 7,700 0.667 -0.333 66.7% Y 382 6.5% 7,700 376 6 101.5% Y 382 6.5% 7,700 1.015 0.015 101.5% 4C: 1,157 - - 1,332 -175 86.9% 4Cプロセスカラーの平均膜厚→ 0.864 -0.136 86.4% OPニス 3,605 66.6% 7,700 3,856 -251 93.5% OP 3,605 66.6% 7,700 0.935 -0.065 93.5% 4C+OP: 4,762 - - 5,188 -426 91.8% 4Cプロセスカラー+OPニスの平均膜厚→ 0.900 -0.100 90.0% *インキ膜厚は1μと仮定して”予測量”を算出 *インキ膜厚は1μと仮定して”差異”を算出 ② 湿し水使用量の事前予測 原反(紙・プラスチック)やインキ図柄面積率により,その使用量に差異が生じる湿し水使用量を事前予 測することは極めて難しい.そこで,原反の種類別(コート紙・コートカード紙・プラスチックなどの非 吸収原反)に湿し水使用量を計測し,対インキ使用量倍率として平均化した.湿し水はインキとの混合・ インキと反撥させるために印刷版面上での保持・原反への転移と吸収・機械上での熱による揮発などの 要因にどのような比率で配分されているのかを捉えにくく,平均化から確実性の高い使用パターンを見出 すことは極めて難解であった.各原反別の代表事例を Table3 に示す. Table3 湿し水倍数(湿し水使用量÷インキ使用量)の原反別比較 <厚紙(コートボール)> 原反名: マリコート 寸法: 0.800 × 0.700 = 0.560 ㎡ 投入枚数: 6,500 速度: 6,000 Bk: 127 ㌘ C:975 ㌘ M: 219 ㌘ Y: 373 ㌘ プライマ: 0 ㌘ OPニス: 0㌘ 特1: 0 ㌘ 特2: 0 ㌘ 特3: 0 ㌘ 合計: 1,694 ㌘ 1枚当: 0.261 ㌘ 1㎡当: 0.465 ㌘ 湿し水使用量+エッチ液+添加剤= 4.0 ㍑ 湿し水倍数(湿し水使用量÷インキ使用量): 2.36 倍 <薄紙(コート)> 原反名: ユトリロコート 寸法: 0.788 × 0.545 = 0.429 ㎡ 投入枚数: 22,500 速度: 6,500 Bk: 321 ㌘ C:3,612 ㌘ M: 1,921 ㌘ Y: 1,035 ㌘ プライマ: 0 ㌘ OPニス: 0㌘ 特1: 0 ㌘ 特2: 0 ㌘ 特3: 0 ㌘ 合計: 6,889 ㌘ 1枚当: 0.306 ㌘ 1㎡当: 0.713 ㌘ 湿し水使用量+エッチ液+添加剤= 18.5 ㍑ 湿し水倍数(湿し水使用量÷インキ使用量): 2.69 倍 <プラスチック(ポリプロピレン)> 原反名: ポリプロピレン 寸法: 0.945 × 0.645 = 0.610 ㎡ 投入枚数: 48,601 速度: 6,000 Bk: 1,469 ㌘ C: 8,350 ㌘ M: 3,956 ㌘ Y: 17,498 ㌘ プライマ: 0 ㌘ OPニス: 29,039 ㌘ 特1: 0 ㌘ 特2: 0 ㌘ 特3: 0 ㌘ 合計: 60,312 ㌘ 1枚当: 1.241 ㌘ 1㎡当: 2.036 ㌘ 湿し水使用量+エッチ液+添加剤= 63.0 ㍑ 湿し水倍数(湿し水使用量÷インキ使用量): 1.04 倍 3
  4. 4. ③ 印刷機電力消費量の平均化 印刷機は本機(印刷)と UV(硬化)の 2 系統で常時モニタリングされており,ジョブごとの生産記録と合 わせて準備~色及び見当合わせ~本刷り~段取り替え(片付け)までを含めた電力消費データを 1 年以上 にわたり蓄積し,機械ごとに 1 時間あたりの電力消費量として平均化した.参考までに,当該ジョブに使 用した 7 色+コーターの 1 ヶ月の稼動状況を Table4 に示す.印刷時間は本機稼働中時間だけではなく, 前後の準備時間までを含めて稼働時間と定義している.印刷機の付帯設備であるコンプレッサーは集中配 管方式を採用していることから,印刷機の稼働時間により按分した定格出力を加算した. 電力消費コストについては,1kWh の料金を乗じて印刷と UV 硬化による費用に按分し,原反投入枚数や総 通し枚数で除することで原単位あたりのコスト分析を実施することが可能となる. Table4 1 ヶ月の印刷機電力消費データの平均化 UV7C+コーター 延長デリバリ(定格:本機87kW・UV5灯125kW・コンプレッサー9kw) 本機 UV 本機+UV 2010.03の電力消費合計(kWh・19計測日) 15,140 9,819 24,959 本機・UVの消費電力比率 60.7% 39.3% 1日あたり平均電力消費(kWh・19計測日) 797 517 1,314 1時間あたり平均電力消費+コンプレッサー(kWh・19時間/日) 50 27 78 実測÷定格(UV5灯平均) 53% 22% 35% 実測÷定格(UV3灯平均) 53% 36% 45% 4. カーボン・オフセットへの展開による環境配慮 4.1. カーボン・オフセットの仕組み カーボン・オフセットとは,「日常生活や経済活動において避けることができない CO2 等の温室効果ガスの 排出について,まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い,どうしても排出される温室効果ガスについ て,排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により,排出される温室効果ガスを埋め合わ せるという考え方」と定義 3)づけられている.カーボン・オフセットのスキームについて Figure2 に示す.京 都議定書で定められたクリーン開発メカニズム(CDM)とは,先進国からの資金及び技術支援が開発途上国で 実施される温室効果ガス(GHG:CO2・CH4・N2O・HFC・PFC・SF6)削減プロジェクトに投入され,GHG 削減量を クレジットとして先進国へ移転する仕組みを指す. ) せ 行 わ 発 CO2削減分 合 の クレジット クレジット め 書 (Certified Emission 埋 約 調達/生産/配送/廃棄/リサイ Reduction) 商 ッ ト( ・契 クルからのCO2排出量算定 社 セ 書 ・ フ 明 銀 オ 証 行 約 契 環境配慮仕様によ るCO2削減努力が カーボンオフセット・ COサービス まず最優先課題! プロジェクト プロバイダー 代金の支払 資金 旧・設備 新・設備 クレジット 途上国におけるCO2削減プロジェクト 取消口座(CO2削減を堅持) COサービス 代金の支払 (Clean Development Mechanism) 償却口座(-6%削減に貢献) 顧客 Figure2 カーボン・オフセットのスキーム 4
  5. 5. 4.2. カーボン・オフセットプロバイダーとの協働 印刷サービスのカーボン・オフセットは,CDM により発行されたクレジットがカーボン・オフセットプロバ イダーを仲介して購入され,顧客から委託を受けた印刷会社により実行される.ここでは,購入されるクレジ ットは再生可能エネルギー(太陽光・風力・小型水力など)に限定され,取得したクレジットは償却口座に入 れて日本の-6%削減目標に貢献せずに取消口座に入れることで,その権利を即座に失効させている. 現在は,2009 年に PGG によるカーボン・オフセットまでの取り組みが LCA 日本フォーラム表彰において会長 賞を受賞し,又その計算ロジックを解説した研究論文が日本印刷学会から論文賞を授与されたことなどに担保 されたことで,一般社団法人 日本カーボンオフセット(COJ)との協働により CO2 排出量の計算内容精査ま での手続きは大幅に簡素化されている. 4.3. 日本水なし印刷協会(JWPA)との協働 PGG の CO2 排出量算定ロジックは JWPA に無償公開され,現在では関東・関西の会員 24 社において運用され ている.会員企業のカーボン・オフセットは,JWPA が COJ から一括でクレジットを購入して会員企業へ厳重な 管理下において譲渡するという新しいスキームが構築されている.2009 年 7 月から運用を開始し,2010 年 4 月末までの 10 ヶ月で 200 トン以上のカーボン・オフセットの実績を積み上げ,弊社実績を合わせれば 300 ト ンの実績にまで迫っている. JWPA では単なるカーボン・オフセットに留め置かず,既存の水なし印刷を証明するバタフライマークと CO2 排出量表示のロゴを一体化して積極的な訴求を開始した.一新されたロゴマークと表記例を Figure3 に示す. CO2 排出量の表示はカーボンフットプリントのルールに抵触することなく,「カーボン・オフセットの取組に 係る信頼性構築のための情報提供ガイドライン(Ver. 1.0)」4)に準拠して行われている. この印刷物は地球環境に配慮した印刷方法でつくられています 1. VOC(揮発性有機化合物)を含まないインキを使用<VOC FREE> 2. 水資源を節約する印刷方式を採用<バタフライマーク> 3. 上記2項目を実践しても排出されるCO2排出量(1部あたり123g-CO2)について, 途上国の排出削 減事業を通じて埋め合わせを実施<カーボンオフセット> Figure3 バタフライマーク+CO2 排出量表示に一新されたロゴマーク 5. まとめ 印刷サービスにおける“カーボン・ゼロ化”は,LCA の考え方に基づいた LCCO2 ソフトウエアである PGG に より定量評価が実態に即して行われ,最終的にはカーボン・オフセットを実行して CO2 排出量を埋め合わせる ことで達成される.さらに,水なし印刷を実施することを前提に,消費者にどのように CO2 排出量を“見せる 化”するかというというテーマにまで踏み込んだスキームとして完成された. 昨今,注目を集めるカーボンフットプリント制度は,CO2 排出量の表示により消費者のライフスタイルの変 革を促すという,長期的な視野に立ったアプローチとして構築されている.他方,カーボン・オフセットでは 単なる CO2 排出量の表示に限定されず,具体的に CO2 排出量をプロジェクトへの投資を通じて削減できるとい う実効性の高い環境配慮行動として訴求することが可能となる. 今後は PGG による印刷サービスの可視化を様々な印刷サービスにまで展開し,環境配慮設計の推進とカーボ ン・オフセットとの相乗効果による環境負荷低減活動を推進していく考えである. 5
  6. 6. 6. 参考文献 1) 清水 宏和, 日本印刷学会誌, 46, 278 (2009) 2) 清水 宏和, 永田 勝也,日本印刷学会誌, 47, 89 (2010) 3) 環境省,カーボン・オフセットの定義, http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset.html 4) 環境省,カーボン・オフセットの取組に係る信頼性構築のための情報提供ガイドライン(Ver. 1.0), http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset/guideline/guideline-info.pdf 清水 宏和 清水印刷紙工株式会社/早稲田大学大学院 環境・エネルギー研究科 博士後期課程 〒112-0013 東京都文京区音羽 2-1-20 6
  7. 7. 7

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