Founders' conflict

15,412 views
15,187 views

Published on

創業期の起業家にとって、「創業メンバー同士の衝突」は鬼門中の鬼門です。
この問題をどうコントロールすれば良いのか。正解はありませんが、自分の個人的な考えをまとめました。Startup Leadership Programでレクチャーをした時の資料を、公開します。

Published in: Business
1 Comment
106 Likes
Statistics
Notes
No Downloads
Views
Total views
15,412
On SlideShare
0
From Embeds
0
Number of Embeds
1,715
Actions
Shares
0
Downloads
300
Comments
1
Likes
106
Embeds 0
No embeds

No notes for slide

Founders' conflict

  1. 1. 創業者間のコンフリクト - いかに手を打つか - 2013年11月30日 グロービス経営大学院 教員 山中礼二
  2. 2. 自己紹介  キヤノン株式会社  グロービス・キャピタル・パートナーズ  留学(ハーバード・ビジネス・スクール)  グロービス・キャピタル・パートナーズ  ヘルス・ソリューション(COO)  エス・エム・エス(事業開発)  グロービス経営大学院 ● 創造ファカルティ・グループにてベンチャー系教科の講師、教材 開発、講師育成などを担当しています Startup Leadership Program -1- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  3. 3. 本日のテーマ 起業家がしばしば直面する創業者間のコンフリクト。これにどう対処(または 未然に予防)すれば良いか、皆さん一人一人の判断軸を持っていただくことを 目的としています。具体的には、以下のテーマについて議論します。 1. 創業時のパートナー選択:「友人か仕事相手か」 2. 共同創業者との持分分割:「投資金額比例か、勤務時間比例か」 3. 遅れて参加した経営メンバーの処遇:「同一株価か、株価を上げるか」 4. 他の経営メンバーの処遇:「取締役か、執行役員か」 5. 他の経営メンバーの働きが悪かった場合:退職してもらうか / 株はどうするか Startup Leadership Program -2- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  4. 4. 創業時のパートナー選択 1. 創業時のパートナー選択:「友人か仕事相手か」 2. 共同創業者との持分分割:「投資金額比例か、勤務時間比例か」 3. 遅れて参加した経営メンバーの処遇:「同一株価か、株価を上げるか」 4. 他の経営メンバーの処遇:「取締役か、執行役員か」 5. 他の経営メンバーの働きが悪かった場合:退職してもらうか / 株はどうするか Startup Leadership Program -3- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  5. 5. どちらを選びますか? あなたは、3Dプリンターで墓石を削り、安くカスタム生産するサービスを立ち上げ ようとしています。創業パートナーとして、誰を選びますか? <Aさん> <Bさん> • 中学・高校の部活動 (山岳部)の友人 Startup Leadership Program • 前職で仕事をした経験 のある取引先の知人 -4- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  6. 6. 創業時のパートナー選択 1. 創業時のパートナー選択:「友人か仕事相手か」 2. 共同創業者との持分分割:「投資金額比例か、勤務時間比例か」 3. 遅れて参加した経営メンバーの処遇:「同一株価か、株価を上げるか」 4. 他の経営メンバーの処遇:「取締役か、執行役員か」 5. 他の経営メンバーの働きが悪かった場合:退職してもらうか / 株はどうするか Startup Leadership Program -5- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  7. 7. 持分分割 あなたはCEOに就任し、共同創業者はCTOの役割を果たすことになりました。 また、友人がもう一人、非常勤で手伝ってくれることになりました。 3人の出資額が同額だとして、あなたは以下のどちらの資本政策を取りますか? <資本政策A> <資本政策B> • 3人が同一株価で出資 し、同じ株数を持つ Startup Leadership Program • 非常勤の人だけ高い株 価で投資し、少ない株 数を持つ -6- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  8. 8. 資本政策A 資本政策Aにおいては、3人は同時期に、同額を出資し、同株数を得た。 2013年11月 株数 CEO 100 33% CTO 100 33% 非常勤 100 33% 小計 300 株価 調達額 Startup Leadership Program 同額 同株価 同一株数 10,000 円 3,000,000 円 -7- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  9. 9. 資本政策B 資本政策Bにおいては、非常勤の創業者は1ヶ月後に、5倍の株価で同一額を 出資した。 2013年11月 2013年12月 株数 株数 CEO 100 50% 100 45% CTO 100 50% 100 45% 0% 20 9% 非常勤 小計 株価 調達額 Startup Leadership Program 200 10,000 円 220 同一金額だが、 株価が5倍 2,000,000 円 50,000 円 1,000,000 円 -8- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  10. 10. 遅れて参加した経営メンバー 1. 創業時のパートナー選択:「友人か仕事相手か」 2. 共同創業者との持分分割:「投資金額比例か、勤務時間比例か」 3. 遅れて参加した経営メンバーの処遇:「同一株価か、株価を上げるか」 4. 他の経営メンバーの処遇:「取締役か、執行役員か」 5. 他の経営メンバーの働きが悪かった場合:退職してもらうか / 株はどうするか Startup Leadership Program -9- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  11. 11. 遅れてきた役員 創業から7か月後に、フルタイムで参加した友人がCOOに就任しました。 投資額は、創業メンバーの半分(50万円)です。 株価を上げるべきでしょうか? Startup Leadership Program -10- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  12. 12. 遅れてきた役員(ケースA) 2013年11月 2014年6月 株数 株数 CEO 100 50% 100 40% CTO 100 50% 100 40% 50 20% COO 小計 株価 調達額 Startup Leadership Program 200 10,000 円 250 投資額は半分 株価は同一 2,000,000 円 10,000 円 500,000 円 -11- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  13. 13. 遅れてきた役員(ケースB) 2013年11月 2014年6月 株数 株数 CEO 100 50% 100 44% CTO 100 50% 100 44% 25 11% COO 小計 株価 調達額 Startup Leadership Program 200 10,000 円 225 株価は2倍 2,000,000 円 20,000 円 500,000 円 -12- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  14. 14. 他の経営メンバーの処遇 1. 創業時のパートナー選択:「友人か仕事相手か」 2. 共同創業者との持分分割:「投資金額比例か、勤務時間比例か」 3. 遅れて参加した経営メンバーの処遇:「同一株価か、株価を上げるか」 4. 他の経営メンバーの処遇:「取締役か、執行役員か」 5. 他の経営メンバーの働きが悪かった場合:退職してもらうか / 株はどうするか Startup Leadership Program -13- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  15. 15. 他の役員を取締役にするか  共同で創業したCTO、そして遅れて参加したCOOを、取締役にするべきでしょうか? それとも、取締役ではない執行役員のままに留めるべきでしょうか? Startup Leadership Program -14- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  16. 16. 他の経営メンバーとのコンフリクト 1. 創業時のパートナー選択:「友人か仕事相手か」 2. 共同創業者との持分分割:「投資金額比例か、勤務時間比例か」 3. 遅れて参加した経営メンバーの処遇:「同一株価か、株価を上げるか」 4. 他の経営メンバーの処遇:「取締役か、執行役員か」 5. 他の経営メンバーの働きが悪かった場合:退職してもらうか / 株はどうするか Startup Leadership Program -15- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  17. 17. 創業者間のコンフリクト(1/2)  共同創業者であるCTOのフットワークが重く、大企業的。書類ばかり作っていて、 自分で手を動かそうとしないと(CEOのあなたには)感じられる  率直に自分の考えは伝えたが、相手の行動は変わらない  このCTOをどうすればよいか <オプションA> • このCTOに「会社を辞 めて欲しい」と伝える Startup Leadership Program <オプションB> • 優秀なエンジニアを雇って、 CTOの下につける -16- <オプションC> • (それ以外の手段) ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  18. 18. 創業者間のコンフリクト(2/2)  あなたは、相手のCTOに解雇を言い渡せずに悶々としていた  そんな時、相手から「会社を辞めたい」と言ってきた  あなたは、CTOが保有する株式をどうしますか? (直近の株価は、創業時の20倍になっていると仮定します) <オプションA> • (相手の希望に沿って) そのまま保有しておい てもらう Startup Leadership Program <オプションB> • 創業時の株価で自分 (または新たな社員) に譲渡させる -17- <オプションC> • 直近の株価で、自分 (または新たな社員) に譲渡させる ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  19. 19.  パネリストのご意見を伺います。 Startup Leadership Program -18- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  20. 20. パネル・ディスカッション 1. 創業時のパートナー選択:「友人か仕事相手か」 2. 共同創業者との持分分割:「投資金額比例か、勤務時間比例か」 3. 遅れて参加した経営メンバーの処遇:「同一株価か、株価を上げるか」 4. 他の経営メンバーの処遇:「取締役か、執行役員か」 5. 他の経営メンバーの働きが悪かった場合:退職してもらうか / 株はどうするか Startup Leadership Program -19- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  21. 21.  山中的まとめ (これからお話することは、私の個人的な考え方です。 皆さんは、皆さんなりの判断軸で考えてみて下さい) Startup Leadership Program -20- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  22. 22. 総論 起業の真の目的が、どこにあるかによって判断基準は変わってくる 起業目的 快適な ワークスタイル 金銭的 成功 Relationships (人的関係) • 自身の快適さ Roles (役割分担) • 自身の快適さ Reward (報酬) • (しばしば) • 個人的報酬 人間的「公平」 の(長期的) • (人によっては) 最大化 個人報酬最大化 Startup Leadership Program 社会的 インパクト • 組織の有効性 • 組織の有効性 • (自己持分最大化) • 組織の有効性 • 組織の有効性 • (自己持分最大化) -21- • (能力的) 公平 最 重 要 な 判 断 軸 ( 例 ) ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  23. 23. 1)友人か仕事仲間か 起業の目的 快適な ワークスタイル 典型的な判断基準 • 気持ちの良い友人と一緒に楽しく働きたい 金銭的 成功 • 事業の成功のために、能力の高い仲間と創業したい 社会的 インパクト • 同上 Startup Leadership Program -22- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  24. 24. 創業期の株式配分 二つの異なる考え方が存在する 米国的 アジア的 • 働いた時間に応じて、シェアを 取るべき • 資金提供額に応じて、シェア を取るのが自然である • 汗水を流さない株主の持ち分 は、大きく下げるべき • 資金を出してくれる友人やエ ンジェルに対して、高い株価 をふっかけることはできない • 従って、友人 / エンジェルラウ ンドにおいては、創業者ラウン ドよりも株価を上げるべき Startup Leadership Program -23- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  25. 25. 創業期の株式配分 私は以下の原則をお勧めします。 投資額 保有すべき株式数 常勤CEO • 100万円 • 80% 非常勤株主 • 100万円 • 20% 投資金額が イコールという 前提で… Startup Leadership Program 常勤役員が 80%のシェアを取る -24- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  26. 26. 創業期の株式配分 4:1の原則の理由は、下記の通りです。  働かない人が自分と同程度のキャピタルゲインを得ることを、起業家が許せなく なってくる  VCラウンドを2-3回やった後に、常勤役員陣が50%程度の株式を保有している ことが理想的 ● 株式市場は、「安定株主」が過半数を占めた状態でのIPOを好む ● 非常勤の株主やVCは、「安定株主」とはみなされない Startup Leadership Program -25- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  27. 27. (参考)資本政策例 下記のケースでは、VCラウンド2回を経ても、常勤創業者陣が株式の5割程度を 保有している。 創業者(常勤) 創業者(非常勤) Seed Accelerator VC 1 VC 2 総計 株価(円) Pre-money (百万円) 資金調達額(百万円) Post-money (百万円) Startup Leadership Program 創業 500 友人・知人 500 100 500 600 700 850 VC2 500 100 100 150 200 1050 10,000 50,000 25 5 30 100,000 60 10 70 300,000 210 45 255 100,000 85 20 105 5 5 100% 83% 17% Seed-Ax 500 100 100 -26- 71% 14% 14% VC1 500 100 100 150 59% 12% 12% 18% 48% 10% 10% 14% 19% ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  28. 28. (補足)  非常勤の創業時株主(友人・知人など)を入れる時には、人数を少なくすることをお 勧めします。理由は以下の通りです。 ● 人数が多いと、将来重要な戦略的決定(増資、売却など)をする際に、株主の 了解を取る手間がかかる ● 個人株主の人数が多いと、将来投資家が投資をする際に、反社会勢力のチェ ックをすることが困難になる ● 最悪の場合は…50人以上の投資家向けに投資勧誘を行うと、金融商品取引 法上「私募」ではなく「公募」と見なされ、投資家へのディスクロージャーのレベ ルが一気に厳しくなる  何人が適切なのか…特に決まったルールはありませんが、上記の理由から創業 期の非常勤株主は、3人までに絞ることをお勧めします。 Startup Leadership Program -27- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  29. 29. 株価を上げるか(社員の場合) 創業期から参加した社員は、より大きなリスクを取っている。よりLater-stageに 参加した社員は、若干高い株価(またはストックオプションの行使価額)で 株主となるのがフェアと感じられる。 ただし、VCがつける株価と同一である必要はない。VCには優先株を購入させ、 社員には普通株を購入させる。株価が大きく違ったとしても、税務上問題はない。 Startup Leadership Program -28- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  30. 30. 取締役か執行役員か 二つの理由から、早期に取締役のポジションを与えるのは避けるのが得策です。 ①将来的に、より優秀な役員が参加する可能性がある。その時に、取締役を 「降格」させるのは痛みが大きい ②多くの役員を取締役に就任させれば、取締役会は健全な議論の場に ならない。(最大5人までに抑えて、議論しやすい環境を作るべき) Startup Leadership Program -29- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  31. 31. 退職してもらうか 前述した通り、「起業目的」によって判断軸は変わってくる。 さらに言えば、「幸福」のレバーの所在が①良い友人関係にあるか、 ②金銭的 / 社会的成功にあるか、それによって変わってくる Startup Leadership Program -30- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  32. 32. 自己都合退職でもめないために 退職者の保有株式が株主名簿に溜まってくるのは、望ましくありません。 望ましくない理由 以下の内容の「創業者間契約」 を結ぶことがお勧め ①とっくにやめた退職者が 巨額のキャピタルゲインを得る 可能性がある→新しいメンバーの モチベーションが下がる • 保有する株式は、一定の年数 を経てVesting(処分可能)に なっていく ②株主の数があまりに多いと、 VC投資時や上場時に障害になる。 (ロックアップをかけにくい) Startup Leadership Program -31- • 自己都合で退職する場合には、 Vesting前の株式を取得時価 格で、他の創業者に譲渡しな ければならない ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  33. 33. サマリー  自分の「幸福」観、自分の「起業目的」に基づいて、自分なりの判断軸を持ちま しょう  創業者間のコンフリクトは、しばしば発生します。皆さんが大望を持っているなら ば、衝突を恐れるべきではありません  創業メンバーの退職が組織に悪影響を与えないように、互いに創業者間契約を 結ぶことをお勧めします Startup Leadership Program -32- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.
  34. 34.  End of Presentation 山中礼二 F: https://www.facebook.com/reiji.yamanaka.1 T: https://twitter.com/reijiyamanaka Startup Leadership Program -33- ©Reiji Yamanaka. All rights reserved.

×