早稲田ビジネスネット横浜                  分科会 資料東日本大震災における原子力発電所の影響と現在の状況について      平成24年8月9日      東京電力株式会社
目   次    1.地震及び津波の発生と事故の概要    2.事故の収束に向けた道筋の完了    3.中長期ロードマップの策定    4.福島第一原子力発電所の現況    5.事故の教訓と対策                        1
1.地震及び津波の発生と事故の概要                    2
東北地方太平洋沖地震発震日時 ; 2011年3月11日(金)午後2時46分頃発生場所 ; 三陸沖(北緯38度06.2分、東経142度51.6分)、震源深さ24km、マグニチュード9.0各地の震度;   震度7: 宮城県栗原市     ...
地震観測記録        地震観測記録と基準地震動Ssに対する応答値との比較                       観測記録                   設計    観測点                            ...
津波の大きさ平成21年に最新の海底地形データ等を用いて評価を行い、基準面(O.P.)に対し、6.1m(福島第 一)、5.2m(福島第二)の高さの津波への対策を講じていました。福島第一では基準水面に対し約15m、福島第二では基準水面に対し約7...
福島第一・第二の浸水、遡上の領域  福島第一  福島第一             福島第二                   福島第二         ⑥         ⑤         浸水             浸水        ...
福島第一       津波の襲来(1)5号機の近傍(南側)から東側を撮影                                   防波堤の損傷                   防波堤の損傷廃棄物処理建屋4階から北側を撮影タンクの...
福島第一   津波の襲来(2) 3号機海水ポンプエリア近傍を撮影   5・6号機取水設備周辺を撮影                                     8                                   ...
安全機能への影響地震発生と同時に全制御棒が自動的に挿入され、原子炉内の核分裂連鎖反応は止まりました。地震等の影響により外部電源を喪失し、非常用発電機が起動しましたが、津波の浸水により6号機を 除き非常用電源が使用できない状態になりました。...
各プラントの冷温停止に向けた進展(概要)                            3/11 14:46頃 東北地方太平洋沖地震発生                             地震により原子炉スクラム(緊急停止)   ...
燃料冷却の取り組み                                                                  凡例:        原子炉関係      プール関係         電源関係       ...
福島第一   事故対応(中央操作室)現場の証言:「電源を失って何も出来なくなったと感じた。」「操作もできず、手も足も出ないのに、我々がここにいる意味があるのかと紛糾した。」「ここに残ってくれと頭を下げ、了解を得た。」    職員の通勤用乗用車の...
福島第一   事故対応(注水作業)現場の証言:「相当大きな余震があり、全面マスク着用のまま死に物狂いで、高台へ走って行かざるを得ないことも多かった。」「暗闇の中、ケーブル敷設のための貫通部を見つけたり、端末処理を行う必要もある。水たまりの中での...
福島第一   事故対応(格納容器ベントの実施)1~3号機で、原子炉格納容器内の過大な圧力を防止するため、格納容器内の圧力を降 下させる措置(ベント)を実施しました。           作業者の証言:           「弁が一番上の物であ...
放射線管理・事故後の作業で6名の東京電力社員が250mSvを超過、うち最大被ばくは約670mSv・東京電力社員、協力企業の方を合わせ167名が100mSvを超過・急性放射線障害による健康被害は報告されていない(放射線業務従事者の緊急時の線量限度...
INES(国際原子力・放射線事象評価尺度)評価2011年4月12日、原子力安全・保安院が、福島第一の事故について、以下の通り発表しました。  • 福島第一原子力発電所の事故・トラブルに対するINES評価について、暫定評価レベル7  • 放射性...
参考:通常の原子炉停止時の炉心冷却系統核燃料は、制御棒を炉心に挿入し核分裂を停止した後にも、燃料からの崩壊熱が発生しつづけます。この崩壊熱を除去するために「残留熱除去系」が設置されており、炉心の水を残留熱除去系ポンプで循 環させ、 「残留熱...
2.事故の収束に向けた道筋の完了         (2011年12月16日)                         18
「事故の収束に向けた道筋(ステップ2)完了」のポイント原子炉は「冷温停止状態」に達し、安定状態(万一事故が発生した場合においても、敷地境界にお ける被ばく線量が十分低いこと)に至ったと判断しました。原子炉以外の課題についても以下に示すとおり...
東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋 当面の取組のロードマップ(ステップ2完了)原2011年災 害 月 16 本 部                                                  子力    ...
原子炉      循環注水冷却システム 冷却水が,原子炉圧力容器から原子炉建屋を通じ,タービン建屋地下に漏えい。    →漏えいした汚染水を,セシウム・塩分除去後,原子炉注水に再利用する     「循環注水冷却システム」を構築。 原子炉圧力...
原子炉       「冷温停止状態」を達成  ステップ1において建屋等に滞留する汚染水(滞留水)を処理して原子炉注水のために再   利用する「循環注水冷却」を開始(2011/6/27)  注水冷却と格納容器からの放射性物質の放出管理・抑制 ...
1号機の冷却状態について(蒸気発生)                1階床貫通部の状況比較  2011年6月3日撮影の1階床貫通部    2011年10月13日撮影の1階床貫通部        からの蒸気放出              の状況(...
2号機の冷却状態について(蒸気発生) 2011年9月17日撮影の5階原子炉直上部         からの蒸気放出          2011年10月20日撮影の5階原子炉直上部                                の状...
3号機の冷却状態について(蒸気発生)             上空からのサーモモニター      使用済燃料プール62℃        原子炉直上部:128℃         2011年10月14日撮影    2011年3月20日撮影(自衛隊)...
原子炉   放射性物質の放出を抑制 1~3号機格納容器からの現時点の放出量(セシウム)を、原子炉建屋上部等の空気中放射性物質  濃度(ダスト濃度)を基に評価すると、放出量の最大値は 合計約0.6億ベクレル/時となりました。  これは事故直後と...
原子炉   循環注水冷却システムの中期的安全を確保 東京電力株式会社福島第一原子力発電所第1~4号機に対する中期的安全確保の考え方に基づく施設運営  計画について、原子力安全・保安院より妥当であると評価を頂きました。 原子炉圧力容器・格納容...
燃料プール   「より安定的な冷却」を達成2,3号機はステップ1終了時点で既に熱交換器を設置し、プールの水位が維持され、より安定的に冷却 できている状態(ステップ2の目標)を達成しました。1,4号機も循環冷却システムが完成し、H23年8月1...
滞留水   「滞留水全体量を減少」を達成 以下の対策等を実施し、処理施設を安定的に稼働し建屋内の滞留水を処理することにより、滞留水全体量  が減少したことを確認しました。   高レベル汚染水処理施設の拡充、安定的稼働、除染後の水の塩分処理に...
滞留水        滞留水の水位は目標レベルを維持2011年8月18日のサリー本格運用開始に伴い、滞留水の水位は当面の目標レベル(O.P3,000) を維持し、滞留水の全体量は、豪雨や処理施設の長期停止にも耐えられるレベルです。現在、さら...
地下水   「海洋への汚染拡大の防止」の達成地下水への滞留水流入管理を行い、地下水の汚染及び地下水経由の海洋への汚染拡大防止策を実施 あるいは着手しました。 建屋内滞留水の水位をサブドレンの水位より低くすることにより建屋内滞留水の漏出を抑制...
大気・土壌      「(放射性物質の)飛散抑制」の達成 放射性物質の飛散を防ぐため、飛散防止剤を散布しています。 1号機の原子炉建屋カバーが竣工しました。(2011/10/28) 瓦礫の撤去により、発電所敷地内の放射線量が低下しています...
測定・低減・公表                  「除染」の達成 国・県・市町村・東京電力連携によるモニタリングを実施しました。 本格的除染を検討、開始しました。  【国の実施事項】   「除染推進に向けた基本的考え方」と今後2年間に目...
津波・補強・他         「災害の拡大防止」の達成 各号機原子炉建屋の現状の耐震評価を実施しました。解析の結果、補強を行わなくても耐震安全性は確保  できることを確認しました。 4号機燃料プール底部に支持構造物を設置し、耐震余裕度を2...
生活・職場環境   「環境改善の充実」の達成作業員の休憩所を各所に順次開設し、給水機、トイレ、エアシャワー等の設置を進めてきました。宿泊施設として利用している福島第二原子力発電所体育館の生活環境の改善を行うとともに、 1,600人分の仮設寮...
放射線管理・医療       「健康管理の充実」を達成 健康管理の充実を図っています。   100ミリシーベルト超の作業員及び緊急作業への従事期間が1月を超える作業員について毎月臨時健康診    断を実施し、2011年10月中の臨時の健康診...
放射線管理・医療    「計画的要員育成・配置」を達成 国と東京電力の連携による人材育成等を推進しています。   今後、必要性の高まる放射線関係の要員を育成中。   東京電力は、社員及びグループ会社社員を対象とした「放射線測定要員養成教育...
発電所内における主な対策の概要                                                     蒸気/プール水のサンプリングと放射性物質測定(対策19)                        ...
3.中長期ロードマップについて                  39
中期的安全確保の考え方(基本目標の概要) 原子力安全・保安院により原子炉の廃止に向けての作業が開始されるまでの「中期的安全確保の考え方」が平成23  年10月3日に公表されました。 中期的安全確保の考え方に基づき、循環注水冷却システムに係る...
中長期ロードマップの位置づけ・安全確保の考え方中長期ロードマップは、平成23年11月9日における枝野経済産業大臣及び細野原発事故収束・再発防止担当大臣からの指示を受け、東京電力、資源エネルギー庁、原子力安全・保安院にてとりまとめ、平成23年12...
中長期ロードマップ<主要な目標>今後実施する主要な現場作業や研究開発等のスケジュールを可能な限り明示。<時期的目標及び判断ポイント>・至近3年間については年度ごとに展開し、可能な限り時期的目標を設定。・4年目以降は、次工程へ進む前に追加の研究開...
20120809福島第一原子力発電所の現況
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20120809福島第一原子力発電所の現況

  1. 1. 早稲田ビジネスネット横浜 分科会 資料東日本大震災における原子力発電所の影響と現在の状況について 平成24年8月9日 東京電力株式会社
  2. 2. 目 次 1.地震及び津波の発生と事故の概要 2.事故の収束に向けた道筋の完了 3.中長期ロードマップの策定 4.福島第一原子力発電所の現況 5.事故の教訓と対策 1
  3. 3. 1.地震及び津波の発生と事故の概要 2
  4. 4. 東北地方太平洋沖地震発震日時 ; 2011年3月11日(金)午後2時46分頃発生場所 ; 三陸沖(北緯38度06.2分、東経142度51.6分)、震源深さ24km、マグニチュード9.0各地の震度; 震度7: 宮城県栗原市 震度6強 福島県楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町 震度6弱 宮城県石巻市、女川町、茨城県東海村 震度5弱 新潟県刈羽村 震度4 青森県六ヶ所村、東通村、むつ市、大間町、新潟県柏崎市【震源との関係】 現在確認できてい る揺れの最大値は、 福島第一2号機の 水平:550ガル 上下:302ガル 震源 原子力発電所 3 1
  5. 5. 地震観測記録 地震観測記録と基準地震動Ssに対する応答値との比較 観測記録 設計 観測点 基準地震動Ssに対する 最大加速度値(ガル)(原子炉建屋最地下階) 最大応答加速度値(ガル) 南北方向 東西方向 上下方向 南北方向 東西方向 上下方向 1号機 460 447 258 487 489 412 2号機 348 550 302 441 438 420 3号機 322 507 231 449 441 429 福島第一 4号機 281 319 200 447 445 422 5号機 311 548 256 452 452 427 6号機 298 444 244 445 448 415 1号機 254 230 305 434 434 512 2号機 243 196 232 428 429 504 福島第二 3号機 277 216 208 428 430 504 4号機 210 205 288 415 415 504 4 2
  6. 6. 津波の大きさ平成21年に最新の海底地形データ等を用いて評価を行い、基準面(O.P.)に対し、6.1m(福島第 一)、5.2m(福島第二)の高さの津波への対策を講じていました。福島第一では基準水面に対し約15m、福島第二では基準水面に対し約7m浸水しました。福島第一への津波の影響(水位及び浸水域)は、福島第二のものに比べ、大きかったことが確認さ れています。福島第一福島第一 6.1 6.1福島第二福島第二 O.P.:小名浜港工事基準面 5 3
  7. 7. 福島第一・第二の浸水、遡上の領域 福島第一 福島第一 福島第二 福島第二 ⑥ ⑤ 浸水 浸水 遡上 ④ 遡上 ③ ① ② ② ③ ④ ① 集中的に遡上した場所 C GeoEye 6 4
  8. 8. 福島第一 津波の襲来(1)5号機の近傍(南側)から東側を撮影 防波堤の損傷 防波堤の損傷廃棄物処理建屋4階から北側を撮影タンクの高さ約5.5m(敷地高O.P.+10m) タンク水没 O.P.:小名浜港工事基準面 7 5
  9. 9. 福島第一 津波の襲来(2) 3号機海水ポンプエリア近傍を撮影 5・6号機取水設備周辺を撮影 8 6
  10. 10. 安全機能への影響地震発生と同時に全制御棒が自動的に挿入され、原子炉内の核分裂連鎖反応は止まりました。地震等の影響により外部電源を喪失し、非常用発電機が起動しましたが、津波の浸水により6号機を 除き非常用電源が使用できない状態になりました。津波による交流電源喪失に加え、海水系の喪失などにより、最終的に1~4号機の原子炉と使用済燃 料プールの「冷やす」機能を失いました。タービン建屋内に高レベル汚染水を確認、「閉じ込める」機能が損なわれました。 使用済燃料貯蔵プール 概略図 原子炉建屋 止める 核分裂反応を起こす中性子 の働きを抑制するための制 御棒を全て挿入して,原子 原子炉 炉を停止させる 冷やす原子炉水および使用済燃料プール水の温度を下げ,低温に維持する 原子炉 閉じ込める 格納容器 5重の壁によって,原子炉 臨機の応用動作として消 建屋内の放射性物質が外部 防車により注水 に出ないようにする 9 7
  11. 11. 各プラントの冷温停止に向けた進展(概要) 3/11 14:46頃 東北地方太平洋沖地震発生 地震により原子炉スクラム(緊急停止) ※1 外部電源喪失、D/G 起動 スクラム対応 スクラム対応 3/11 15:20頃~ 東北地方太平洋沖地震に伴う津波が福島第一・第二原子力発電所に襲来 福島第一 福島第二 1~3号機 5,6号機4号機 【電源】 外部電源・D/G全滅 【電源】 D/G6B起動 【電源】外部電源あり 【海水系】 全 滅 【海水系】 全 滅 【海水系】3号機を除き全滅※2 高圧系による注水・除熱 6号機→5号機へ電源融通 高圧系(蒸気駆動)による注水 低圧系による海水・淡水注水 低圧系による注水 熱除去のルート確保できず 仮設電源、仮設海水ポンプに 仮設電源、電動機の交換等によ 安定化に向け対応 よる熱除去のルート確保 る熱除去のルート確保 冷温停止状態(12/16) 冷温停止(3/20) 冷温停止(3/15)※3 福島第一1~4号機 福島第一5,6号機 福島第二1~4号機 ※1 D/G:非常用ディーゼル発電機 ※2 RHR系の海水系 ※3 12/26 福島第二緊急事態解除宣言 10 8
  12. 12. 燃料冷却の取り組み 凡例: 原子炉関係 プール関係 電源関係 1号機 2号機 3号機 4号機 5/6号機 共用プール3月11日14:46 地震発生 11淡水による冷却 11淡水による冷却 11淡水による冷却 D/G 一部運転12日 12 海水注入開始13日 13 海水注入開始14日 14 海水注入開始17日 放水開始 17 (海水・淡水)20日 20 海水注入開始 放水開始 20 20 冷温停止21日 (海水・淡水) 20~21 21 淡水注水22日 外部電源に 22 中操照明復帰 切替24日 24 中操照明復帰 24 外部電源25日 25 淡水切替 25 淡水切替 供給26日 26 中操照明復帰 24 本設系統によ る冷却開始 26 淡水切替29日 29 淡水切替 29 淡水切替 29 中操照明復帰30日 30 淡水切替31日 31 淡水放水開始 11 9
  13. 13. 福島第一 事故対応(中央操作室)現場の証言:「電源を失って何も出来なくなったと感じた。」「操作もできず、手も足も出ないのに、我々がここにいる意味があるのかと紛糾した。」「ここに残ってくれと頭を下げ、了解を得た。」 職員の通勤用乗用車のバッテリーを 必要な計器につなぎ込み 照明の落ちた建屋内から 建屋外への扉を撮影 真っ暗な中、ライトの明かりを頼りに 計器の指示値を確認 12 10
  14. 14. 福島第一 事故対応(注水作業)現場の証言:「相当大きな余震があり、全面マスク着用のまま死に物狂いで、高台へ走って行かざるを得ないことも多かった。」「暗闇の中、ケーブル敷設のための貫通部を見つけたり、端末処理を行う必要もある。水たまりの中での作業で、感電の恐怖すらあった。」 大きく開口し通行を阻んだ数多くの地割れ 消防車と散乱した漂流物 津波で流されて道を塞ぐ重油タンク 13 11
  15. 15. 福島第一 事故対応(格納容器ベントの実施)1~3号機で、原子炉格納容器内の過大な圧力を防止するため、格納容器内の圧力を降 下させる措置(ベント)を実施しました。 作業者の証言: 「弁が一番上の物であったので、トーラス部分に足をかけ作業をし ようとしたら、黒い長靴がズルッと溶けた。」 排気筒 【原子炉建屋】 Ⓐドライウェル (上部格納容器)ベント 原子炉 格納容器 弁 圧力破壊板 原子炉 圧力容器 弁 弁 Ⓑ圧力抑制室ベント 14 12
  16. 16. 放射線管理・事故後の作業で6名の東京電力社員が250mSvを超過、うち最大被ばくは約670mSv・東京電力社員、協力企業の方を合わせ167名が100mSvを超過・急性放射線障害による健康被害は報告されていない(放射線業務従事者の緊急時の線量限度は福島事故後2011年3月14日に250mSvに変更されたが、現在一部の例外を除き100mSvに戻されている) 人のスクリーニング スクリーニング訓練 13 15
  17. 17. INES(国際原子力・放射線事象評価尺度)評価2011年4月12日、原子力安全・保安院が、福島第一の事故について、以下の通り発表しました。 • 福島第一原子力発電所の事故・トラブルに対するINES評価について、暫定評価レベル7 • 放射性物質の放出量は、チェルノブイリ事故の1 割程度当社は、原子炉の冷却、 放射性物質の飛散防止等を鋭意進めています。今後も、政府・関係各省庁、 自治体のご支援とご協力を仰ぎながら、緊密に連携をはかりつつ、事態の収束に向けて全力を挙げて 取り組んでいきます。 2011年4月12日公表時 当社を含めた最新の想定量は ※ 4章に記載しています INESレベル7相当量 数万テラベクレル超 (1016Bq超のオーダー) 出所:原子力安全・保安院※ 地震直後のプラントデータ等を用いて改めて解析した結果、ヨウ素131:1.6×1017Bq、セシウム137:1.5×1016Bqと修正 出所:原子力災害対策本部「原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書」(6月7日) 第31回原子力安全委員会資料(5月12日)では、ヨウ素とセシウムのダスト中での存在比の見直しによりヨウ素131: 1.5×1017Bq、セシウム137:1.3×1016Bqと試算 第63回原子力安全委員会(8月22日)において、空間線量率測定から推定した放出率を一部見直し。ヨウ素131: 1.5×1015 Bq/h(3月13日)、2×1015Bq/h(3月15日7時から10時)、4×1015Bq/h (3月15日13時から17時) 14 16
  18. 18. 参考:通常の原子炉停止時の炉心冷却系統核燃料は、制御棒を炉心に挿入し核分裂を停止した後にも、燃料からの崩壊熱が発生しつづけます。この崩壊熱を除去するために「残留熱除去系」が設置されており、炉心の水を残留熱除去系ポンプで循 環させ、 「残留熱除去海水系」熱交換器を介して海水による除熱を行います。これにより、安定した冷温状態が維持されます。 原子炉建屋 原子炉 残留熱除去系 原子炉再循環 ポンプ 残留熱除去海水系 ポンプ 原子炉 格納容器 残留熱除去海水系 残留熱除去系 熱交換器 残留熱除去系 ポンプ (注)上記は2~5号機の残留熱の除去系統を模式的に記載したものであり、ポンプや 海 熱交換器は複数系統設置されている 17 15
  19. 19. 2.事故の収束に向けた道筋の完了 (2011年12月16日) 18
  20. 20. 「事故の収束に向けた道筋(ステップ2)完了」のポイント原子炉は「冷温停止状態」に達し、安定状態(万一事故が発生した場合においても、敷地境界にお ける被ばく線量が十分低いこと)に至ったと判断しました。原子炉以外の課題についても以下に示すとおり目標を達成し、「放射性物質の放出が管理され、放 射線量が大幅に抑えられている」というステップ2の目標達成と完了を確認しました。 「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」の進捗状況(2011年12月16日)【課題(1)原子炉】:「冷温停止状態」に到達 圧力容器底部、格納容器内の温度は概ね100℃以下。格納容器からの放射性物質の放出を管理し、追加的放出によ る公衆の被ばく線量を大幅に抑制。循環冷却システムの中期的安全を確保。【課題(2)燃料プール】:「より安定的な冷却」に到達【課題(3)滞留水】:処理施設を安定的に稼働させて「滞留水全体量を減少」【課題(4)地下水】:遮水壁工事に着手したことによりステップ2の目標達成【課題(5)大気・土壌】:1号機原子炉建屋カバー竣工によりステップ2の目標達成【課題(6)測定・低減・公表】:特措法に基づく基本方針閣議決定により本格的除染開始【課題(7)津波・補強・他】:全号機の原子炉建屋の耐震安全性評価を完了、4号機の支持構造物 設置完了【課題(8)生活・職場環境】:仮設寮建設・現場休憩場開設により生活・職場環境を改善 食事、入浴、洗濯等の環境改善、仮設寮の建設、現場休憩施設の開設等の対策を実施し、事故当初の厳しい環境を 改善し作業員のモチベーションを維持。【課題(9)放射線管理・医療】:放射線管理強化や医療体制整備等により健康管理を充実 熱中症対策及びインフルエンザ対策、放射線管理体制の強化、被ばく管理の徹底、長期的な健康管理に向けた検討 を行うなど、健康管理対策等を実施。【課題(10)要員育成・配置】:要員育成を継続、要員の安定的確保策を継続検討 今後必要性の高まる放射線関係の要員を育成するなど、国と東京電力の連携による人材育成等を推進。【中長期的課題への対応】:循環注水冷却システムの中期的安全が確保されていることを確認 中期的安全確保の考え方に基づく施設運営計画の策定と政府による評価を実施。今後、政府・東京電力中長期対策 会議を設置。中長期ロードマップを策定し廃止措置に向けて必要な現場作業や研究開発等を推進。 19
  21. 21. 東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋 当面の取組のロードマップ(ステップ2完了)原2011年災 害 月 16 本 部 子力 12 対策 日 ☆印:報告徴収済、緑色は達成した目標 政府 ・ 東京電力統合対策室 初回 ステップ1 ステップ2 中期的課題 課題 (~3年程度) (2011/4/17)時点 (3ヶ月程度) (2011年内) 現時点(12/16) 安 ( 淡 定 冷 最小限の注水による燃料冷却(注水冷却) 循環 1 水 注水 ☆ 的 循環注水冷却(継続) 温 冷温停止状態の維持継続 ) 原 注 な 停 Ⅰ 滞留水再利用の検討/準備 冷却(開始) . 子 入 窒素充填 ☆ 冷 窒素充填(継続) 止 窒素充填 炉 却 状 冷 淡 作業環境改善 ☆ 態 構造材の腐食破損防止 ※一部前倒し 却 ( 2 な 安 水 冷 定 的 よ ) 注 注入操作の信頼性向上/遠隔操作 注入操作の遠隔操作 な り プ 燃 ※前倒し 却 的 ー 料 入 循環冷却システム(熱交換器の設置) ☆ 冷 安 燃料の取り出しの作業開始 ル ※一部前倒し 熱交換機能の検討/実施 却 定 保 保管/処理施設の設置 ☆ 管 ☆ 施設拡充/本格水処理施設検討 滞 本格水処理施設の設置 ( 放射性レベルの高 留 3 場 ☆ 水 ) い水の移動 所 除染/塩分処理(再利用)等 全 滞留水の処理継続 滞 ☆ 廃スラッジ等の保管/管理 の 廃スラッジ等の保管/管理 体 留 確 量 水 放射性レベルの 保管施設の設置/除染処理 保 を 廃スラッジ等の処理の研究 減 低い水の保管 海洋汚染拡大防止 少 海洋汚染拡大防止 4 拡 拡 Ⅱ ( ) 大 海 (保管/処理施設拡充計画にあわせてサブドレンポンプを復旧) 大 海 地 地下水の汚染拡大防止 継 地下水の汚染拡大防止 ( 防 洋 防 洋 . 下 水 止 汚 続 止 汚 遮水壁の方式検討 / 遮水壁の設計・着手 遮水壁の構築 ) 染 染 抑 制 飛散防止剤の散布 飛散防止剤の散布(継続) 飛散防止剤の散布 ( 飛 飛 5 瓦礫の撤去・管理 瓦礫の撤去・管理(継続) 瓦礫の撤去・管理 ) 散 散 大 原子炉建屋カバーの設置(1号機) ☆ 継 抑 抑 ( 気 続 ・ 制 瓦礫撤去(3,4号機原子炉建屋上部) 制 瓦礫の撤去/カバーの設置(3,4号機) ) 土 壌 原子炉建屋コンテナの検討 原子炉建屋コンテナの設置作業開始 格納容器ガス管理システム設置 格納容器ガス管理システム設置 Ⅲ 6 除 ( ) . リ 除 ン モ 発電所内外の放射線量のモニタリング拡大・充実、公表 染 環境モニタリングの継続 染 グ ニタ 公 低 測 ・ 表 減 定 本格的除染の検討・開始 拡 除染の継続 Ⅳ 7・ ・ 対 .余 大 多様な遮へい対策の継続 ( ) 策 震 他 津 余震・津波対策の拡充、多様な放射線遮へい対策の準備 防 災 補 波 害 等 強 ・8 ・ (4号機燃料プール)支持構造物の設置 ☆ 各号機の補強工事の検討 ☆ 止 改 の 各号機の補強工事 充 環 ( ) 環 職 生 実 善 境 Ⅴ . 境 9 場 活 ・ 放 作業員の生活・職場環境の改善 の 管 作業員の生活・職場環境改善 環 管 充 健 ( ) 医 射 理 実 康 境 療 理 ・ 線 放射線管理・医療体制の改善 管 の 被 放射線管理・医療体制改善 改 ( ) ・ 育 10 要 徹 理 ば 善 線 配 置 成 員 要員の計画的育成・配置の実施 底 の 量 く 要員の計画的育成・配置の実施 中期的安全確保の考え方 中長期的課題 への対応 中期的安全確保に基づく施設運営計画の策定 施設運営計画に基づく対応 20 中長期ロードマップ作成
  22. 22. 原子炉 循環注水冷却システム 冷却水が,原子炉圧力容器から原子炉建屋を通じ,タービン建屋地下に漏えい。 →漏えいした汚染水を,セシウム・塩分除去後,原子炉注水に再利用する 「循環注水冷却システム」を構築。 原子炉圧力容器注水設備の系統は,注水ポンプ,注水ライン,タンクから構成。 →これらは多重性,多様性,独立性を確保。 建屋への地下水の流入により,地下滞留水は増加傾向。使用済み燃料プール 原子炉格納容器 原子炉圧力容器原子炉建屋 タービン建屋 (R/B) (T/B) バッファタンク プロセス主建屋 原子炉注水 滞留水 焼却工作建屋 処理施設 : 想定漏えい・流入ルート (セシウム・ : 地下水の流入 N2発生装置 塩分除去) 循環注水冷却システム概略図 21
  23. 23. 原子炉 「冷温停止状態」を達成 ステップ1において建屋等に滞留する汚染水(滞留水)を処理して原子炉注水のために再 利用する「循環注水冷却」を開始(2011/6/27) 注水冷却と格納容器からの放射性物質の放出管理・抑制 循環注水冷却による冷却により100℃以下で安定 損傷した燃料が圧力容器及び格納容器内のどこに存在しているかを正確に把握するこ とは難しいが、格納容器内の温度は100℃以下で安定 損傷した燃料が格納容器内に漏洩している場合においても、冷却されて蒸気発生が抑 えられ、それに伴う格納容器からの放射性物質の放出は抑えられている状態 原子炉圧力容器底部温度 格納容器内温度 ℃200℃ 200150 150100 2号機 100 2号機 1号機 1号 機 3号機 3号機50 50 0 0 7/1 7 8 /16 9/16 10 /17 11/17 1 2/18 7/17 8/16 9/16 10/17 11/17 12/18 22
  24. 24. 1号機の冷却状態について(蒸気発生) 1階床貫通部の状況比較 2011年6月3日撮影の1階床貫通部 2011年10月13日撮影の1階床貫通部 からの蒸気放出 の状況(蒸気放出無し) 6月3日に1階床貫通部から確認された蒸気放出は10月13日時点では 確認されませんでした。 蒸気発生は止まっているか、発生していても少量で、建屋に漏洩する前に 凝縮しています。(格納容器内は冷却されている) 23
  25. 25. 2号機の冷却状態について(蒸気発生) 2011年9月17日撮影の5階原子炉直上部 からの蒸気放出 2011年10月20日撮影の5階原子炉直上部 の状況(蒸気放出無し)• 9月17日には確認された蒸気放出が10月20日時点で確認され ませんでした。• 加えて、10月20日には天井クレーンの塗装が急激にはげ落ち ており、これは乾燥を示す現象と考えられます(高い湿度にさらさ 貯蔵プール 使用済燃料 れた塗装の粘着力が落ち、乾燥した際に剥がれ落ちる現象)。 ピット 原子炉 原子炉 仮置 機器 機器蒸気発生は止まっているか、発生していても少量で、建屋に漏洩する前に凝縮しています(格納容器内は冷却されている)。 24
  26. 26. 3号機の冷却状態について(蒸気発生) 上空からのサーモモニター 使用済燃料プール62℃ 原子炉直上部:128℃ 2011年10月14日撮影 2011年3月20日撮影(自衛隊) 3月20日時点と比較すると、10月14日時点では温度の上昇が見られる点の数や 影響の範囲が小さくなっています。 蒸気放出の規模は小さくなっています(格納容器内は冷却されている)。 25
  27. 27. 原子炉 放射性物質の放出を抑制 1~3号機格納容器からの現時点の放出量(セシウム)を、原子炉建屋上部等の空気中放射性物質 濃度(ダスト濃度)を基に評価すると、放出量の最大値は 合計約0.6億ベクレル/時となりました。 これは事故直後と比べ、約1300万分の1の値です。 これによる敷地境界の被ばく線量は、最大0.1mSv/年となります。 (これまでに既に放出された放射性物質の影響を除きます) なお、法令で定める線量限度は1mSv/年です。 1~3号機からの放射性物質(セシウム)の一時間当たりの放出量 [注1] 第63回原子 力安全委員 会資料に記載された3/15時点の Cs -137放出率 (Bq/時) よりCs-134, Cs-137合計放出率( Bq/時 )を求めた。同様に3/25 放 出率 時点 およ び4/5時点でのCs -134,Cs -137合計放出 率(Bq/時)を求 めた。 (ベ クレル [注2] 6/20-6/28に発電所 西側 敷地境界付 近で測定 された空気 中のCs-137 /時) 約800兆ベクレル/時 濃度 (平均 値)を元 にCs-134, Cs-137合計放出 率(Bq/時 )を求 めた。同様 ( 約8. 0×1014ベク レル/時) [注1 ] に7/26-8/12に発 電所 西側敷地境 界付近で測定された空気中のCs-137 1015 濃度 (平均 値)を元 にCs-134, Cs-137合計放出 率(Bq/時 )を求 めた。 [注3] 原子炉建屋 上部及び海上の ダス ト濃 度測定結果 から、 Cs-134, Cs -137 合計 放出率(Bq/時)を求めた。 [注4] 原子炉建屋 上部(1 号機原子炉建屋 カバー、2号機格納容 器ガス管理設 約2.5兆ベクレル/時 備出 口含む)及び海上のダスト濃度測 定結果から、 Cs-134, Cs-137合計 (約 2.5× 1012ヘ ゙クレル/時 ) 1013 [注1] 放出 率(Bq/時)を求めた。 約0.29兆ベクレル/時 事故時に比べ ( 約2.9× 1011ヘ ゙クレル /時 )[注 1] 約千三百万分の一 約10億ベクレル/時 1011 (約1.0 ×10 9ベ クレ ル/時 )[注2] 約2億ベクレル/時 (約2 ×10 8ベ クレル/ 時)[注 2] 約2億ベクレル/時 (約2× 108ベクレ ル/時)[ 注3] 109 約1億ベクレル/時(約1 ×10 8ベ クレル/ 時)[注 3] 約0.6億ベクレル/時 (約 6×10 7ベ クレル/ 時)[注 4] 3/1 5 3/2 5 4 /4 6/20 7/26 9/1 10 /3 11/1 1 1/26 評 価対象 時期 26 -3/ 26 - 4/ 6 -6/28 -8/1 2 -9/1 7 -1 0/13 -11/1 0 - 12/6
  28. 28. 原子炉 循環注水冷却システムの中期的安全を確保 東京電力株式会社福島第一原子力発電所第1~4号機に対する中期的安全確保の考え方に基づく施設運営 計画について、原子力安全・保安院より妥当であると評価を頂きました。 原子炉圧力容器・格納容器注水設備の系統は、注水ポンプ、注水ライン、タンクから構成し、これらは多 重化、多様化、独立した系統構成としています。  水源はろ過水タンク、処理水バッファタンク、純水タンクで構成しています。  ポンプは常用高台炉注水ポンプ、非常用高台炉注水ポンプ、純水タンク脇炉注水ポンプおよび非常時 のバックアップ用の消防車により構成しています。  原子炉への注水ラインは処理水バッファタンクから常用高台炉注水ポンプまたは非常用高台炉注水ポ ンプを介する注水ライン、純水タンクから純水脇炉注水ポンプを介する注水ラインで構成しています。 非常時用の注水ライン 今後運用を開始するライン 3 P 3号機 覆水貯蔵 号 タンク 機 P 処理水より   処理水 常用高台炉注水ポンプ バッファタンク 原 P 子 1,2号機へ 補 給 原水 消防車 炉 非常用高台炉注水ポンプ ろ過水 地下タンク 圧 P タンク 力 1,2号機へ 補 給 容 純水タンク脇炉注水ポンプ P 純水 器 1,2号機へ タンク 消防車 消防車 原子炉注水系統概略図(3号機の例) 27
  29. 29. 燃料プール 「より安定的な冷却」を達成2,3号機はステップ1終了時点で既に熱交換器を設置し、プールの水位が維持され、より安定的に冷却 できている状態(ステップ2の目標)を達成しました。1,4号機も循環冷却システムが完成し、H23年8月10日、全号機がステップ2の目標を達成しました。4号機では、H23年8月20日、塩分除去装置を稼動しました。2,3号機についても順次塩分除去を実 施予定です。使用済燃料プール循環冷却の機能が停止し水位が低下しても、燃料頂部の上部2mに至るまでは約16日 以上かかることから、対策のための時間は十分にあります。 訓練状況(福島第一) 使用済燃料プールのイメージ 2011年10月12日撮影 28
  30. 30. 滞留水 「滞留水全体量を減少」を達成 以下の対策等を実施し、処理施設を安定的に稼働し建屋内の滞留水を処理することにより、滞留水全体量 が減少したことを確認しました。  高レベル汚染水処理施設の拡充、安定的稼働、除染後の水の塩分処理による再利用の拡大  高レベル汚染水の本格水処理施設の検討着手  高レベル汚染水処理施設から発生する廃スラッジの保管及び管理  海洋汚染防止のため、港湾にて鋼管矢板設置工事を実施。 【1~4号機】<高レベル> 【5,6号機】<低レベル> 原子炉建屋/タービン建屋 プロセス主建屋/ 原子炉建屋/タービン建屋 高温焼却炉建屋 低濃度処理水 廃スラッジ等 用タンク/ 保管施設 メガフロート ⑤ 滞留水処理 高濃度滞留水 (キュリオン/アレバ/サリー) 用タンク 浄化設備 濃縮 濃縮海水 処理水受 塩分処理 海水 用タンク け用タンク (逆浸透膜) 濃縮 濃縮廃液 低濃度処理済水 塩分処理 廃液 用タンク タンク (蒸発濃縮) 29
  31. 31. 滞留水 滞留水の水位は目標レベルを維持2011年8月18日のサリー本格運用開始に伴い、滞留水の水位は当面の目標レベル(O.P3,000) を維持し、滞留水の全体量は、豪雨や処理施設の長期停止にも耐えられるレベルです。現在、さらに循環注水冷却を継続・強化中です。<滞留水の処理状況> タービン建屋(T/B)内滞留水量の管理 T/B B1水位• 滞留水処理実績 [mm] 累計約189,610トン(2011/12/13時点) 4000 6/17 水処理設備稼働 2号T/B B1水位 3号T/B B1水位• セシウム除染係数※ [mm] [mm] 10 6(キュリオン-アレバ、2011/8/9実績) 3800 8/19 SARRY単独運転開始 6×103(キュリオン、2011/11/29実績) 5×105(サリー、2011/11/29実績) 3600• 塩素濃度 1,700ppmのものを3ppm程度に低下 3400 (逆浸透膜による装置、2011/11/29実績) 9/22 台風の影響 9,000ppmのものを1ppm未満に低下 3200 (蒸発濃縮による装置、2011/11/29実績) 3000• 蒸発濃縮装置による塩分処理施設の OP3,000 増強完了(2011/10/9) 2800※処理前の試料のセシウム濃度/処理後の 2600 試料のセシウム濃度 6/17 7/9 7/31 8/22 9/13 10/5 10/27 11/18 12/10 30
  32. 32. 地下水 「海洋への汚染拡大の防止」の達成地下水への滞留水流入管理を行い、地下水の汚染及び地下水経由の海洋への汚染拡大防止策を実施 あるいは着手しました。 建屋内滞留水の水位をサブドレンの水位より低くすることにより建屋内滞留水の漏出を抑制(サブ ドレン水の放射性物質濃度分析で確認) 1~4号機の既設護岸の前面に遮水壁を設置する工事に着手(これにより地下水による海洋汚染拡 大防止を図る) 遮水壁のイメージ 全景図 断面図 31
  33. 33. 大気・土壌 「(放射性物質の)飛散抑制」の達成 放射性物質の飛散を防ぐため、飛散防止剤を散布しています。 1号機の原子炉建屋カバーが竣工しました。(2011/10/28) 瓦礫の撤去により、発電所敷地内の放射線量が低下しています。  撤去した瓦礫、及び敷地造成に伴い伐採した樹木など事故収束作業に伴い発生した廃棄物を種類や放射線量に 応じて保管エリア内で整理して搬送。  瓦礫については、放射線量に応じて容器に収納、屋内保管。 格納容器ガス管理システムを設置しました。  1,2号機の格納容器ガス管理システムの運用を開始。(1号機:2011/12/15 2号機:2011/10/28)  3号機も工事着手。(2011/9/30) 1号機原子炉建屋カバー設置 瓦礫を収納した容器 敷地、建屋本体への飛散防止剤散布 シルトフェンス設置 瓦礫の撤去 32
  34. 34. 測定・低減・公表 「除染」の達成 国・県・市町村・東京電力連携によるモニタリングを実施しました。 本格的除染を検討、開始しました。 【国の実施事項】  「除染推進に向けた基本的考え方」と今後2年間に目指すべき当面の目標、作業方針について示す「除染 に関する緊急実施方針」を決定  「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された 放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」公布(2011/8/30) 【東京電力が参画している活動】  広域モニタリング等の結果を通じて得た成果や東京電力の知見を基礎に、国が警戒区域などで実施する除 染モデル実証事業が円滑に実施されるよう、本事業の受託者である日本原子力研究開発機構(JAEA)に 協力 除染に関する工程表 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度以降 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 モニタリン 市町村・国(特に高線量の地域以外) グ・計画 による除染・仮置き場への搬入・管理 中間貯蔵施設への 搬入を開始 除染 特に高線量の モデル事業(特に高線量の地域) 地域の除染 「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質による環境汚染の対処において必要な中間貯蔵施設等の基本的考え方について」(環境省、平成23年10月29日公表) より除染部分を抜粋 33
  35. 35. 津波・補強・他 「災害の拡大防止」の達成 各号機原子炉建屋の現状の耐震評価を実施しました。解析の結果、補強を行わなくても耐震安全性は確保 できることを確認しました。 4号機燃料プール底部に支持構造物を設置し、耐震余裕度を20%以上向上させました。  設備の健全性は確認できたが、安全余裕向上のためにプール底部に支持構造物を設置。 余震に伴う津波対策として仮設防潮堤を設置しました。(2011/5/18~6/30) 多様な放射線遮へい対策の準備を行いました。  万一、原子炉や燃料プールへの注水が長時間できなくなり、放射性物質の放出抑制や放射線の遮へいが必 要になった場合に備えた対策。  原子炉や燃料プール上部からスラリー(水に砂のような固形物を混ぜたもの)を投入し、放射性物質の放 出の抑制、及び放射線の遮へいを行う設備を準備。 <コンクリート打設前> 使用済 燃料プール 鋼製 支柱 健全な状態を確認 配管支持構造物 <コンクリート打設後> 鋼製 支柱 コンクリート壁 コンクリート壁 仮設防潮堤設置状況 34
  36. 36. 生活・職場環境 「環境改善の充実」の達成作業員の休憩所を各所に順次開設し、給水機、トイレ、エアシャワー等の設置を進めてきました。宿泊施設として利用している福島第二原子力発電所体育館の生活環境の改善を行うとともに、 1,600人分の仮設寮の建設を完了しました。2011年5月より昼夕の食事に弁当の提供を開始するなど食事を改善しました。 旧緊急対策室休憩所内部 福島第二体育館2段ベッド 休憩所内トイレ 旧緊急対策室休憩所飲料水 福島第二体育館シャワー室 休憩所内エアシャワー 35
  37. 37. 放射線管理・医療 「健康管理の充実」を達成 健康管理の充実を図っています。  100ミリシーベルト超の作業員及び緊急作業への従事期間が1月を超える作業員について毎月臨時健康診 断を実施し、2011年10月中の臨時の健康診断の実施率は86.5%(2011/11/16現在)  新規入構者に対する直近の健康状態や既往歴の確認を開始 ホールボディカウンタの増設と作業員の定期被ばく測定を行っています。  ホールボディカウンタ(WBC)を計画通り増設(12台済、2011/10/3時点)  2011年9月分から月1回の内部被ばく測定を開始 被ばく線量の管理を強化しています。  ステップ1当初に発生した作業員の線量限度超えを踏まえ、被ばく線量管理の強化、再発防止策を徹底  バーコードを用いた入退域管理システムの導入、写真入作業者証の導入など個人被ばく線量の記録化 医療体制の強化を継続します。  救急医療室を設置し、医師、看護師、放射線技師を24時間配置する体制を整備  医療整備の充実並びに除染設備の強化により、迅速に患者搬送が出来る条件を整え、汚染のない重篤傷病 者の病院への直接搬送 WBCの設置状況 免震重要棟内医務室 インフルエンザ予防接種 36
  38. 38. 放射線管理・医療 「計画的要員育成・配置」を達成 国と東京電力の連携による人材育成等を推進しています。  今後、必要性の高まる放射線関係の要員を育成中。  東京電力は、社員及びグループ会社社員を対象とした「放射線測定要員養成教育研修」を実施中。これま でに4,400人を育成。  国は、「放射線測定要員育成研修」及び「放射線管理要員育成研修」を実施。  協力会社のニーズに応じて、日本原子力産業協会を通じて幅広く作業員を募集する仕組みを導入。 要員の安定的確保に努めています。  東京電力は、2011年10月以降被ばく線量の高い社員約70名(2011/12/9)  東京電力は、作業員の安定的確保の観点から、作業環境の改善に関するアンケートを実施。アンケート結 果を踏まえ、一部施策を改善(全面マスク着用エリアの緩和、ゲートモニタ導入によるサーベイの迅速化、 Jヴィレッジ駐車場の拡張等)  免震重要棟における被ばく低減方策を策定中。 放射線測定要員育成研修の様子 スクリーニング訓練 37
  39. 39. 発電所内における主な対策の概要 蒸気/プール水のサンプリングと放射性物質測定(対策19) 配管 原子炉建屋カバー(対策5・50・54・55・84) ☆ P ポンプ 本格的建屋コンテナ(対策50・56) 使用済燃料プールの循環冷却(対策23・24・25・27) ☆ 熱交換器、水処理施設 水処理施設 使用済燃料プールへの 低レベル水の保管/処理 外部から放水冷却(対策18・22・28) (対策33・34・35・40・41・44・46) 塩 除 油 P 分 染 吸 分 処 着 理 離 原子炉による蒸気発生量の低減(対策4) タンク 必要に応じステップ1での諸対策を維持・強化(対策17) 最小限の注水による冷却(対策7・12・14) 窒素充填(対策2・11・15) ☆ 原子炉建屋 処理水の再利用(対策45) (循環注水冷却の実施) ☆ 保管:タンク、メガフロート 格納容器ガス管理(対策86) 処理:ゼオライトによる除染 高レベル水を処理(対策31・38・43) ☆ 原子炉 廃スラッジ等の保管・管理(対策81) ☆ 格納容器ベント(フィルタ活用)(対策10) 格納容器 高レベル水の保管 ☆ 本格水処理施設検討(対策82) (対策30・32・37・39・42) 燃料域上部まで水で満たす(対策3・9) 原子炉 タービン建屋 圧力 容器 蒸気タービン P 熱交換器 追設タンク 集中廃棄物処理建屋 熱交換器設置(対策13) ポンプで淡水注入(対策1) P P 復水器 遮水壁 圧力抑制室 飛散防止剤の散布(対策47・48・52) 瓦礫の撤去・管理(対策49・53・87) 高レベル水流出の 漏洩箇所密閉(対策6・16) 再発防止(対策29) 汚染土壌対策の検討(対策51) サブドレン汲み上げ後処理(対策36) 海洋汚染拡大防止 (対策64)地下水の汚染拡大の防止(対策66・67) 外部系統電源の多様化(対策8) ☆ 耐震性の評価(対策20)、監視・継続(対策21) 高レベル水の閉じ込め遮水壁の検討(対策68・83) 津波対策の拡充(対策69・70) (4号機)燃料プール底部の支持構造物設置(対策26) ☆ (対策65)作業員の生活・職場環境の改善(対策74・75) 各号機の補強工事の検討(対策71) ☆作業環境改善(対策76) ☆ 多様な放射線遮へい(対策72・73) ※下線は対策から削除、☆印は報告徴収済 38放射線管理・医療の強化(対策77・78・79・80) モニタリング継続・強化(対策55~62)要員の計画的育成・配置の実施(対策85) 本格的除染の検討・開始(対策63)
  40. 40. 3.中長期ロードマップについて 39
  41. 41. 中期的安全確保の考え方(基本目標の概要) 原子力安全・保安院により原子炉の廃止に向けての作業が開始されるまでの「中期的安全確保の考え方」が平成23 年10月3日に公表されました。 中期的安全確保の考え方に基づき、循環注水冷却システムに係る設備等の運営計画及び安全性の評価の結果につい て原子力安全・保安院に報告しました。その他の設備等の報告も今後速やかに実施します。 放射性物質の放出抑制・管理 中期的安全確保の考え方(基本目標の概要) 崩壊熱の適切な除去 <使用済燃料プールの循環冷却設備> ステップ2の目標の一部で 臨界防止 崩壊熱を適切に除去。冷却水の浄化 ある冷温停止状態の要件 水素爆発防止 保有水量と温度監視。冷却水補給 の一つの循環注水冷却シ 漏洩時対策 ステムに関連する設備につ <燃料プールからの取り出し設備> いては10月17日ま でに報 循環冷却設備の機能喪失時の代替冷却 告徴収 燃料集合体の落下防止 水処理施設 落下事故時の対応 塩 除 油 P 分 染 吸 分 <格納容器> 処 着 理 離 気体状の放射性物質の放出抑制・管理 タンク 水素又は酸素の濃度監視・抑制 原子炉建屋 水素又は酸素の濃度監視・抑制 格納容器内の気体状の放射性物質濃度監視 <高レベル汚染水処理設備> <高レベル汚染水滞留建屋> 気体状の放射性物資の異常な放出検知 発生量を上回る処理能力 高レベル汚染水の状況監視 使用済燃料プール 外部への漏洩防止 ホウ酸水 放射性物質の濃度及び量の低減 複数系統 外への漏洩防止のための水位管理 漏洩防止・漏洩時の散逸防止 気体状放射性物質の放出抑制・管理 <圧力容器・格納容器ホウ酸注入設備> 原子炉 建屋周辺の地下水のモニタリング 気体状の放射性物質及び可燃性ガスの管理 臨界防止 格納容器 臨界検知機能 原子炉 タービン建屋 圧力 <圧力容器・格納容器注水設備> 容器 蒸気タービン P 熱交換器 崩壊熱の適切な除去(概ね100℃以下) 温度監視 追設タンク 多重性又は多様性及び独立性 集中廃棄物処理建屋 異常時対応 常設設備の機能喪失時の代替冷却 P P 復水器 圧力抑制室 配管 P ポンプ <放射線リスクの低減> <液体廃棄物貯蔵> 原子炉施設に起因する線量の低減 <電気系統> <使用済燃料共用プール> <がれき等の 放射性物質濃度・量の低減 滞留する高レベル汚染水漏洩防止・処理 異なる送電系統による複数の外部電源 <キャスク仮保管設備> 固体廃棄物の管理> 漏洩防止・監視 原子炉建屋内プールからの燃料の取り出し 非常用所内電源 <放射線防護及び管理> 飛散、拡散の防止 <放射線監視> 廃棄物の状況監視 40 敷地内に飛散した放射性物質の除染 遮へい・立入禁止等 汚染拡大防止 港湾内の放射性物物質の濃度・量の低減 <監視・制御室> 発生する可燃性ガスの管理
  42. 42. 中長期ロードマップの位置づけ・安全確保の考え方中長期ロードマップは、平成23年11月9日における枝野経済産業大臣及び細野原発事故収束・再発防止担当大臣からの指示を受け、東京電力、資源エネルギー庁、原子力安全・保安院にてとりまとめ、平成23年12月21日の政府・東京電力中長期対策会議において決定したもの。<中長期の取組の実施に向けた基本原則>【原則1】地域の皆様と作業員の安全確保を大前提に、取組を計画的に実現していく。【原則2】透明性を確保し、地域や国民の皆様のご理解をいただきながら進める。【原則3】今後の現場状況や研究開発成果等を踏まえ、継続的に本ロードマップを見直 していく。【原則4】本計画に示す目標達成に向け、東京電力、資源エネルギー庁、原子力安全・ 保安院は、各々の役割に基づき、連携を図った取組を進めていく。<中長期安全確保の考え方>・至近約3年間について、東京電力は、原子力安全・保安院より示された「中期的安全確保の考え方」に基づいて策定した施設運営計画を確実に実施し、原子力安全・保安院が東京電力の報告や独自の調査に基づき、確認・評価を実施することにより安全性を確保する。・中長期の取組においても同様に、東京電力は、個別作業ごとに具体的な作業方法を検討する各段階において、安全性、環境影響評価を実施し、原子力安全・保安院がこれを確認・評価した上で作業を進めることにより、安全性を確保していく。 41
  43. 43. 中長期ロードマップ<主要な目標>今後実施する主要な現場作業や研究開発等のスケジュールを可能な限り明示。<時期的目標及び判断ポイント>・至近3年間については年度ごとに展開し、可能な限り時期的目標を設定。・4年目以降は、次工程へ進む前に追加の研究開発等を検討するための判断ポイントを設定。 現在(ステップ2完了) 2年以内 10年以内 30~40年後 ステップ1,2 第1期 第2期 第3期<安定状態達成> 使用済燃料プール内の燃料取り出しが開始さ 燃料デブリ取り出しが開始されるま 廃止措置終了までの期間・冷温停止状態 れるまでの期間(2年以内) での期間(10年以内) (30~40年後)・放出の大幅抑制 ・使用済燃料プール内の燃料の取り出し開始 ・全号機の使用済燃料プール内の燃 ・燃料デブリの取り出し完了 (4号機、2年以内) 料の取り出しの終了 (20~25年後) ・発電所全体からの追加的放出及び事故後に ・建屋内の除染、格納容器の修復及 ・廃止措置の完了(30~40年 発生した放射性廃棄物(水処理二次廃棄物、 び水張り等、燃料デブリ取り出しの 後) ガレキ等)による放射線の影響を低減し、これ 準備を完了し、燃料デブリ取り出し開 ・放射性廃棄物の処理・処分 らによる敷地境界における実効線量1mSv/年 始(10年以内目標) の実施 未満とする ・原子炉冷却の安定的な継続 ・原子炉冷却、滞留水処理の安定的継続、信 ・滞留水処理の完了 頼性向上 ・放射性廃棄物処理・処分に向けた ・燃料デブリ取り出しに向けた研究開発及び除 研究開発の継続、原子炉施設の解 染作業に着手 体に向けた研究開発に着手 ・放射性廃棄物処理・処分に向けた研究開発 に着手 要員の計画的育成・配置、意欲向上策、作業安全確保に向けた取組(継続実施) 42

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