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環境情報の購買への影響
- 3. 研究背景 ~環境意識の現状~ “ 環境意識は高いが、環境に配慮した製品を購入するわけではない” というアンケートでは 81% の人が “そう思う”と回答 81% 7% 10% 図 1 :日本の消費者の環境意識 (n=929) 参考論文:財団 法人日本環境協会 “ 消費者意識とエコフレンドリー製品”より 意識と行動のギャップ 近年 、 消費者の環境意識が高まり、 多くの企業で環境に配慮した 製品を製造・販売し、環境 配慮型 製品の普及に努めている 指田大輔 指田大輔
- 4. 研究背景 ~意識と行動のギャップの原因~ 環境情報への関心は 9 割と高いが、 満足している人は低い 図 2 :環境情報への満足度 その主な原因は、製品に記載されている“ 環境情報 ”が 消費者に伝わっていない点である 出展“日経エコロジー”〔 2007 年 4 月〕より 環境情報が伝わらない理由として、“意味が良く分からない”・“表示が多すぎる”等が挙げられている 企業の提供している環境情報は消費者に伝わっていない 指田大輔 ※ 環境情報・・・製品の環境配慮点を消費者に伝える情報 指田大輔
- 5. 研究目的 消費者の環境配慮型製品の購買に 影響を与える環境情報の提案 有用性・新規性 既存研究では明らかにされていない、どのような消費者に、 どのような環境情報が適しているかを明確にする事で、 企業の環境マーケティングの指標に出来る 既存研究では、消費者に通常の製品情報に付加して環境情報を提示する事で 選好確率に影響を及ぼす事は明らかになっている しかし、実際にどのような環境情報が購買行動に影響を与えるかは明確となっていない 指田大輔
- 6. 予備調査 ~ 環境情報の抽出 ~ まずは、環境情報の抽出として、 以下の 6 媒体から環境情報の抽出を実施した 図 3 :消費者が環境情報を求める媒体 上記の 6 媒体から、計 242 項目の環境情報を抽出した この情報の中から、同義語の情報をまとめ、計 78 項目に縮約した ( 例:“環境対策として分別処理可能”、“分別破棄可”など ) 指田大輔
- 7. 本調査 ~ 環境情報と購買行動の関係性 ~ 購買行動時において、 消費者の受け取り方による環境情報の類似性を把握 ・製品購買場面において、 2 つの製品を想定してもらう ・環境情報が提供されている方が、若干高額な事を伝える ・先程まとめた 78 項目の環境情報の有無により、 どちらの製品を購入したいかを回答 ( 対象は 20~50 代の男女から、計 34 サンプル ) アンケート目的 アンケート内容 指田大輔 指田大輔
- 8. アンケートの結果と考察 Ⅰ 群 Ⅳ 群 Ⅲ 群 Ⅱ 群 図 4 :数量化Ⅲ類の結果 消費者の環境情報に対する 反応の類似性を見る為に、 得られたデータを数量化Ⅲ類 によって解析を行った 環境情報が購買に与える影響の類似性で、 4 つに分類する事が出来た 行: 78 項目の環境情報 列: 34 サンプル 指田大輔 指田大輔
- 9. アンケートの結果と考察 ~環境情報群のラベリング~ Ⅲ 群:製品構成物質の削減、リサイクル可能性を示す群 Ⅳ 群:エコという表現や、安心・安全性を示す群 Ⅰ 群:地球環境問題に対する懸念などを示す群 Ⅱ 群:製品作りの環境配慮を示す群 指田大輔 (森林保全に貢献できます・環境破壊により異常気象が起こっています等 ) (強くて軽いエコな素材・お肌に優しい植物性原料 100% 使用等) (約 30 トンのリサイクルを達成・包装材質量 96% 削減) (環境に配慮したものづくり・地産地消の実施) 指田大輔
- 20. 今後の課題 指田大輔 消費者にとって環境 に配慮した製品 を購入する 事自体が 、 善である と判断され、 実購買の 許容価格よりも誇張され た懸念がある 本研究では純粋に環境情報のみの効果を明確にする為に、 環境情報以外の情報は扱わなかった しかし実際には、ブランド力・パッケージデザイン・スイッチングコスト等、様々な要因が価格許容に影響を与えていると考えられる
- 25. 事前インタビューの項目 指田大輔 購買モデルの 検索・比較・検討 を聞く質問 “ 価格分析“ に基づいた質問 製品群の決定の参考に 指田大輔 質問事項 エコ意識はあるか 購入経験のある日用品 購入した理由 購入した価格 最低限必要な性能 比較段階ではどこを見比べる 購入の決めてとなる要素 下調べから購入寸前の価格差異 経験上、高すぎて購入しない価格 高いと感じるが、購入する価格 安いと感じる価格(お買い得) 安すぎて品質等が不安になる価格 商品 POP で注目する情報
- 26. 既存の購買プロセス (AISCEAS モデル ) Attention Interest Search Comparison Examination Action Share 消費者に購買行動を起こさせるためには、感情段階が重要になってくるこれは既に環境意識は高いが、 行動を伴っていないというギャップから考察できる 認知段階 感情段階 行動段階 指田大輔
- 28. アンケートの結果と考察 ~購買行動に関して~ 図:対応分析の結果 ( 一部抜粋 ) 数字:サンプル番号 文字 A :検索 文字 B :比較 文字 C :検討 14A 14C 14B 15C 15B 15A 右図のように、プロセス毎で 消費者の注目している環境情報に傾向はなかった 従来は、 AISCEAS モデル における検索・比較・検討の 3 プロセスを考えていた 本研究では、購買の直前に当たる“検討プロセス”に着目していく 指田大輔
Editor's Notes
- 環境意識の高まりを言う -> しかし、企業の狙い通りには売れていない -> 消費者自身もそう思っている -> 環境意識と購買行動のギャップ
- 現実的な負担=アンケートなので聞くのが難しい 2 つの製品で価格に差異がある事を伝える
- 各環境情報群が与える許容率は右図である。 地球環境問題-> 20% : リサイクル-> 10% : エコ、安心・安全性-> 5% で有意となった。
- 表は、全て水準 1( 製品に記載する ) 場合の数値である その為、因子Eに関しては、水準 2 の方が許容率は高い。 5% で有意となった因子で、最適水準を示したものが右表である その他の消費者属性にも着目した方がいい
- 本研究で取り上げた 5 つの 製品に、これらの環境情報を提供する事で、・・・・・。 各製品によって、効果のある環境情報が異なる事も伝える!!
- ボディケア->収入の自由度の高い消費者に焦点を当てる事が企業にとって重要だと思われる。 洗剤->合成界面活性剤の不使用など、身体への害が少ない事を伝える事が重要で、その結果許容率が最も高い ペーパー-> 3 つの環境情報群が有意となり、エコ情報が受け入れやすいと考えられる 化粧品->消費者にとっては、この製品に対して環境意識が浸透しておらず、過剰にエコを伝える事が不要な製品。
- ・・・様々な要因が価格許容に影響を与えていると考えられ、これらの点を考慮した上での環境情報の立場を明らかにしていく必要があると考えられる。